元々は100話未満で終わらせるつもりだったんだけどなぁ……。
因みに今回は少なめです。
最近評価してくれた人の名前を挙げられない件について。
多くの人に評価をしていただいた為、スランプ時に評価していただいた方やその後に評価していただいた方の名前を記憶できていませんでした。申し訳ございません。
評価に一言付けて頂ければ幸いです。本当に申し訳ありませんでした。
そして今回の章について。
くっそ短いです。
これはまぁ色々あるんですが、投稿する時間の段階で46話まで書いてあります。
その内43話位で第5章は終了するのですが、ここで一つ皆さんに聞きたいことが。投稿時間は月曜日の10時30分のままでいいですかね?
この時間がいいというものがあったら教えていただけると幸いです。
それと、3月には毎日更新を行いたいと思います。その分貯まってきているので大丈夫かと。
バッターである日向君が打席に入ったのを確認して、俺は頷いた。
この試合、俺達の先行でお伝えしております。
「取り敢えず7点コールドだから、二桁位取って音無を楽にしてやろうぜ」
日向君の愛する音無君へのラブコールを理解し、俺はバントをしない気満々だった。
日向君がヒットで塁に出たのを確認すると、右打席に入る。
一塁に居る日向君に盗塁のサイン――しおりへのラブコールをしてから、ピッチャーが怒りの投球を放った。
非常に甘い球で打とうか迷ったけれど、確実性を重視する為にここは見逃す。
足の速い日向君はすっぽ抜けたようなピッチャーの球を見てすぐに走り出し、余裕で盗塁に成功していた。
キャッチャーの子は普通の子だ。
キャッチャーって言うのは盗塁に対して最も注意しなければならない立場で、キャッチャー歴が低いとかなりの確率で盗塁されてしまう。
因みに野田君の場合反射神経が伊達ではないので、ある程度戦える可能性が高い。
「バッタービビってるビビってる!」
「お前が言うな」
ネクストサークルで構えている音無君からの鋭いツッコミに少し感激しながら、再びのラブコールである。
いやカッコいいところってお前何もしてないじゃんとか言うツッコミはスルーである。
ピッチャーの子の視線も何だかいたたまれないモノを見る目になっていたけれど、そんなことはきっと無い。可哀想な子なんかじゃないよ俺は。
少し逸れた打球が来た。
きっと盗塁を警戒したんだろうけれど、サードとキャッチャーの一直線上に俺が居る以上キャッチャーはすぐには投げられない。
その隙に盗塁に成功した日向君を見て、俺は頷きながらバットを構えた。
「さてと、そろそろしおりにいいところ見せよっと」
少し逸れていく球を目で追いながら、バットを振るう。
芯で捉えたその打球は、軽く飛んでそのまま森の向こうへと消えていった。
堂々のホームランである。
「何で俺を走らせたんだてめぇ!」
「やだなぁ日向君。そんなの嫌がらせ以外の何者でも無いに決まってるじゃん」
元からホームラン狙ってました(。・ ω<)ゞてへぺろ♡
「取り敢えず二点とったから、後は音無君と野田君で2点。その後は何とか頑張ってもらうしか」
次からはちょっと打順を弄ろうと確信しながら、次のバッターである音無君を見る。
音無君は普通に打った。
もう少し面白いことしよーぜとツッコミを入れたくなったけれど、まぁ打ったからそれでいいや。
その次のバッターこと馬鹿が居るから。
「かっとばせー! 野田君! ゆりちゃんが見てるよ!」
「何!? せい!」
一瞬だった。そう言った瞬間に反応した野田君は思い切りバットを振るうと、ホームランを決めた。
「どうだ! 見ていてくれたかゆりっぺ!」
「ごめん! 幻覚だった! 最近疲れてるから!」
文句を言いにくい言い訳をしてから、その次のバッターである箒を指先で立てている椎名ちゃんを見る。
……箒?
「椎名ちゃんどうして箒を持ってるんだろう?」
「忍耐力を鍛える為らしいぜ」
なるほど。彼女もまた馬鹿でアホな戦線のメンバーの一員であるだけはあるか。
それでもツーベースヒットを打ったのは、彼女が戦線のメンバーであることを示しているだろう。ザ・脳筋。
そんな中で立ち上がったしおりは、笑みを浮かべていた。
「ふっふっふっ。遂にあたしの出番が来たぜ……!」
「いやー。期待しちゃいますわー。日向君、しおりがホームラン打つって」
「えっ。ちょっ」
「マジか!? 音無、関根がホームランを打つだってよ」
「何!? えーっと……野田! 関根がホームランを打つらしいぞ」
「そうか」
「「「お前はネタを続けろよ!」」」
「す、すまん」
何故止めたし。
これで全員に回ればプレッシャーをかけれると思ったのに。
チームワークも抜群になったのに。
「取り敢えずしおり、ホームランで」
「任せんしゃい!」
すとらいーく。ばったーあうと。
うなだれて戻ってくるしおりの姿をうんうんと頷きながら見てから告げる。
「知ってた」
「いやお前が言うな」
続く三振は勿論ゆいにゃん。
セリフなんて入れさせない。ただただ流すさ。
向こうからあたしのコメントも入れろー! とか聞こえるけれど、それは全て幻聴。
最近コスプレ作るのに非常に睡眠時間を取られてしまっているから、寝不足から来る幻聴なんだ。
「バットか……ギターなら振ったことがあるんだけど」
「ごめん意味わかんない」
まさみちゃんの超絶意味がわからない言葉に対して、混乱を極める俺達。
ギターを振るってなんぞや。
あれかな? ギターは暴力の道具ですって奴かな?
取り敢えず当てればいいと言ったら、ツーストライクになった。
……待てよ?
「まさみちゃん! それはバットって言う、ボールを打って音を出す楽器なんだ!」
刹那、快音が響き渡った。
「確かにいい音色だ」
やっぱり音楽キチには音楽キチ語で対応すればいいんだな。
多々君覚えたゾ!
「取り敢えずファーストまで走って!」
「おっとそうだった」
スリーベース位大きな辺りだったけれど、普通のヒットで終了。
椎名ちゃんも三塁から動かなかったので、九番のみゆきちちゃんに。
プルプルと震えているみゆきちちゃんが可愛すぎる。
「ピッチャー悶えてる! へいへーい!」
「確かに悶えてるな」
そりゃ滅茶苦茶可愛い女の子がバットが重くてプルプル震えながら持ち上げてるのを見れば、悶えるだろう。
それでもボールを投げたピッチャー。結構早かったのか、涙目でひゃいと言いながら下がってしまったみゆきちちゃんマジプライスレス。
それを見たキャッチャー、サインでボールを転がすことを要求。
ピッチャーも頷いた。
コロコロと転がってきたボールを見て、みゆきちちゃんはバットを振るがそのままバットの重さで倒れてしまう。
審判、何故かファールコール。
続く球、みゆきちちゃんは空振り。何故かファールボール。
ピッチャーが掠ってなかったと言ったのだが、僕の心に掠ったと言う謎の言葉によりファール続行。
続く球、みゆきちちゃんは当てた。
ボテボテのゴロだったけれど、それを取ったキャッチャーがボールを投げれなかった。
一生懸命走っているみゆきちちゃんに萌えてしまったのだ。仕方ないね。
「一番日向君だね。いやーきっと、ピッチャーもみゆきちちゃんにホームベースを踏ませてあげないなんて、そんな酷いことはしないだろうからきっと優しく投げてくれるよ!」
実際、この試合を外から見ている人達は全員みゆきちちゃんの味方だった。
みゆきちちゃん恐るべし。
「かっとばせー! ひ・な・た! 日向は木ノ葉にて最強なんだろ!」
「それはひゅうがだ!」
日向君の打ったボールはホームランとなり、既にこの時点で8点取れた。
続くバッター俺。
「あ」
まさかの三振でした。
理由を述べさせてもらうとすれば、今まで満足に投げられなかったはずのピッチャーがここに来て覚醒した。
煽りすぎたせいで目の敵にされたみたい。
「さー。守備行くぞ!」
と言うわけでコールド勝ちしました。因みにレフト方面、つまりファースト方面にボールは一切跳びませんでした。
彼らの保護欲はバッティングセンスにまで影響するらしいです。
過ぎて決勝。え? 早くないかって?
途中でタッチー達に、私を決勝戦まで連れてってと言われて貧乳王者決定戦? と聞いたらマジで殺されたせいで今の今まで寝てました。
決勝戦、相手はタッチー達でした。
「やっほー! タッチー元気!?」
「貴方の内臓を全て引き摺り出したのに、もう戻ってきたの?」
「内臓と言えば俺レバー好きなんだ」
「自分の内臓引きずり出された話をしたのに、レバーの話に持って行くのね」
そりゃもう。俺はノリとツッコミで生きていくタイプの人間ですから。
多々、聞きたいことがあるの。
「何で俺生徒会チーム?」
「貴方の死体の処理を私達がしたからよ」
とは言っても血だらけになっているのは直井君だけなのですががが。
「USB、見つからなかった……!」
「俺の体を隈無く探しちゃいやん」
「黙れ殺すぞ」
取り敢えず俺が生徒会チームに入ってるってことは即ち、敵はしおり!
愛する二人が敵同士になってしまう王道的ストーリー!
「いい? タッ君は必ずあたし達が殺すよ! パンツァー――」
『フォー!』
なんか一致団結していた。
その中心にしおりがいた。アイエェェェ!? ナンデェェェ!?
「タッチー。俺頑張るよ。例え愛する人が敵になっても!」
「そう」
試合開始前になり、俺達は作戦会議を始めていた。
「いいか? 日向君には最初にデッドボールで股間を狙え。そうすればあいつはもうダメだ」
『イエッサー!』
「野田君は煽っとけばなんとかなる」
取り敢えず一通りの作戦を作ってから、一番の俺がバッターボックスに入った。
「さぁ行くぞ!」
ボールを振りかぶって投げた音無君。
一発目を見極め、俺は静かに息を吐いた。
レフト方面に打つわけには行かない。
それは俺のプライドが、心が、善良なる精神が許さない。
俺の中の善良なる精神は10%で他は悪意90%だけれど、それでもみゆきちちゃんを狙うことは許されない。
目指すは俺の代わりとしてセンターに入った松下君。
目標を決めた俺に、敵は無い!
「ストライク!」
普通の球じゃなかった。
スライダーっぽかったから、掠りそうになってヒヤヒヤした。
本気で勝つならば、俺は打つ!
三球目、俺は思い切りバットを振った。
「「「あ」」」
その打球は上に上がった。
――日向君の上、つまりセカンドフライだった。
次回予告
「すいません担架お願いします」
「わざとじゃない分タチが悪いのよ。これでわざとだったら、きっと彼も怒るだけで済んだでしょうけど」
「はっはー。ゆりちゃん。誰かがするんだよ。何時するかは知らないけれどね」
「多々さん。実は遊佐さんのことが好きなんです」
「まず行動で示す。どれだけ好きなのか理解した上で、相談しに来な。ただし、好きなことを相談するな」
「遊佐さんの○○○○を○○して私が○○って、その状態で○○○をしたいです!」
「よく言った!」
「クソ……。何なんだよこれ……」
第40話《Injer Heart》
丙ですが艦これイベントクリアしました。