俺としおりんちゃんと時々おっぱい。   作:Shalck

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 更新しないと言ったな。あれは嘘だ。
 貯まりに貯めたこのストックを解放する時が来たようだな。
 休みだからと書き連ねてしまった結果がこれである。
 今週から投稿できるよ! やったね!


038 《Start Baseball》

 世界中の這い寄る変態の皆!

 いつも元気いっぱい! 何かいいことあるのが俺!

 雨野多々君とは俺のことさ!

「と言うことで、コスプレパーティーをすることになった件について」

「と言うわけじゃないわよ。貴方は本来休日を謳歌するべき存在でしょ? 何故天使と会って、あんな恥ずかしい放送をされて、生徒会主催のコスプレパーティーを取り付けてきてるの? いっぺん死んだら?」

「はっはっはっ。やだなぁ。俺もう死んでるって」

 俺の真横を銃弾が貫いていったので口を開くのをやめた。

「取り敢えず何故そんなことになったのか説明してくれるかしら関根さん」

「みゆきちにミニスカニーソの小悪魔衣装を着せようと思った」

「そう。面白そうね。やりましょう」

 即答されたことに、話の中心であるみゆきちちゃんは驚きながらオロオロとしていた。可愛い。

 真っ赤になって着ませんと言っているけれど、それは無理な相談だよみゆきちちゃん。

 だって相手は天使とゆりちゃんとしおりなんだぜ?

 逃げれる未来が見えない。

「それならそれぞれのコスプレを決めましょう」

 ゆりちゃんの言葉に、戦線メンバーのコスプレを考え始める。

「取り敢えず遊佐ちゃんはバニーで」

「待ってください多々さんの顔面に十何本かナイフを刺す位待ってください。私はキメ顔でそう言った」

「遊佐ちゃん。それキメ顔やない。キメちゃってる奴の顔や」

 そんな遊佐ちゃん見たくない。

「仕方ないですね。新しいキャラを目指します。私はドヤ顔でそう言った」

「うわうぜぇ」

 まさにドヤ顔。しかし無表情。

 これは一体どうやって言い表せばいいのだろう?

 言葉にできない。

「なーなーなー」

「やめろ。規制に引っかかる」

 どこの規制にとは言わない。

「取り敢えず遊佐さんはバニーで良いわね」

「待ってくださいゆりっぺさん。貴方の試着室に野田さんをぶち込みますよ。私はドヤ顔でそう言った」

 非常に怖いし具体性のある脅しだった。

「え? もう決定よ?」

「拒否権が無いというのか……! 私はドヤ顔でそう言った」

「その私はドヤ顔でそう言ったって言うのどうにかならないかしら?」

「吾輩はドヤ顔でそう言ったで候」

「私はドヤ顔でそう言ったでいいわ」

 ゆりちゃんが折れた!?

 取り敢えず最近遊佐ちゃんのレベルが上がってきたなぁと思いつつ、俺はふと考える。

 しおりのコスプレかぁ……。

「しおりは露出度低めの奴がいいなぁ……」

「あら意外ね。貴方なら露出度高めでとかいうと思ったけれど」

 いやそんなこと言われても、しおりの体を俺以外の男の前に晒すということがあまり好まないわけで。

 独占欲が強いとか、思われるのかなぁ?

「キュゥべえのコスプレとかどう?」

「それは着ぐるみではないかしら?」

「じゃあ何のコスプレがいいんだろう?」

 少し考える。そして決めたんだ。俺は決意したぞーッ! ジョジョーッ!

「しおりのコスプレは――ッ!」

 

 

 

 来月に予定されることになったコスプレ大会に胸を躍らせる中、俺と日向君と音無君は三人で歩いていた。

 珍しい三人組だと思うかもしれないけれど、俺と日向君は仲が悪くはない関係で、音無君とは普通に友達で、音無君と日向君は愛し合っているらしいので別に三人でいてもおかしくない。

「「いやおかしいから!」」

「あれ? 声に出てたのかな?」

 しかしすぐに反応をしなくなった二人を見て俺は酷く怒った。

 全く。これだから素人は。もっといいツッコミをしてくれよ。

「取り敢えず日向、これからどうするんだ?」

「まぁ松下五段とか、ひさ子とか誘うか」

「ひさ子ちゃんは藤巻君のところに入ったよ。因みに松下君は高松君のところ」

 ベースボール大会。通称ワールドベースボールクラッシックが開催されるということで、俺達は大きく興奮していた。

 通称WBC。私のバズーカでクラッシュするの略である。

「じゃあ誰もいなくね?」

「日向君に合わせずに俺が回った方が人集まったかもね」

 これでも有名人。

「取り敢えず、誰か誘えそうな奴いないのか?」

「えっと、タッチーと直井君と、しおりと、ゆいにゃんと、椎名ちゃんと、野田君かな」

「待て。その最初の二人は生徒会だろうが」

 そう言えばそうだった。

「取り敢えず関根と椎名と野田に回るか」

「残念ながらその外しているゆいにゃんは既に貴方の隣で拳を構えているのです」

「え?」

 振り向いた瞬間顔面にゆいにゃんの右足の蹴りが入った。

 拳を構えていた意味とは。

「あ、後まさみちゃんもみゆきちちゃんも誘えるね。女の子一杯。因みに遊佐ちゃんは高松君のチームに入ってるから誘えません」

「あいつ最近頑張ってるからなー」

 遂に一緒に料理をする仲にまで昇格した高松君。

 しかし俺が思うに遊佐ちゃんは一筋縄ではいかないので、ここからが問題だろう。

 と言うよりも遊佐ちゃんからどう対応すればいいのか聞かれているくらいだし。

「流石は恋愛成功者って所なんだな」

「……ん? 何故それを音無君が知っているのかな?」

 ピクリと音無君の眉が動いたのを俺は見逃さなかった。

「そう言えば最近、妙にうざいやつナンバーワンこと野田君がいきなり俺に恋愛を教えてくれ的なことを言ってきたのも、もしかして君が関係しているのかな? かな?」

 ピクピクと高速で動き続ける音無君の眉に賞賛を与えつつも、俺は刀を鞘から抜く。

「そう言えば最近この子に血を吸わせてあげてないからね。君のを頂こう」

「待て待て待て待て! 俺は別に悪気があったわけでもないんだ! 俺はただ相談されて、もっと詳しい人がいるからって紹介しただけで――」

「問答無用☆」

 音無君が刀の錆になったところで、俺はそろそろ真面目にメンバーを考えることにした。

 野田君と椎名ちゃんは確定。しおりは誘わなければ俺が死ぬ。

 これで7人。まさみちゃんとみゆきちちゃんで9人か。

「じゃあ全員誘おう。取り敢えず俺がしおり達を誘ってくるね」

「おー。頼んだぞ」

「任せてよ。君とは違うのだよ君とは」

 俺はそのまま音楽室に、ジャンプして入った。

 それを見ていた日向君達が驚愕した表情で俺を見ているけれど、別にこれは俺だけしかできないことじゃない。

 死んでるし傷も回復するんなら、脳のリミッターを外せるはずだ。

 と言うわけでやろうと思ったら出来ちゃう系男子、多々君ですどうもどうも。

 え? 右足が変な方向向いてる? ハハッ。気にしちゃダメだよ。

「や、やぁしおり。野球しようぜ」

「……タッ君。格好つけるのはいいけど、それで外したらただの可哀想な人なんだよ」

 冷たい視線が突き刺さった。

 これが絶対零度!? ポケモンの一撃必殺とはこれほどの威力か……ッ!

 と言うか一撃必殺って言ってるのに必殺してないよね。瀕死だよね。

 一撃瀕死と命名しよう。

「ぐすん。みゆきちちゃん慰めて」

「え? うーん、よしよし」

「治った」

 最近みゆきちちゃんが優しい気がする。

 まぁ仕方がないことかもしれないね。

 前方のゆりちゃん、後方のタッチー、右のしおりと来たら残された唯一の突破口である俺に縋るのは。

 でもごめん。君の小悪魔衣装は決定なんだ。

「そんな早く治らないでしょ? ほらおいで」

「わーい」

 しおりの太ももにダイブした俺は――勿論勢い良くダイブはしていない――上を見上げる。

 そこにはしおりのおっぱい。通称乳があるのだ。

 これなんて天国。

「取り敢えずしおりとみゆきちちゃんとそこで我関せずのギターを弾いているまさみちゃん。野球しようぜ」

「理由は?」

「人数集め」

「実家に帰らせていただきます」

「俺のいるところがしおりの実家だよ」

 二人でクスクスと笑っていると、絶対零度の視線が二つ突き刺さっていた。

 見れない。見た瞬間俺は眠れなくなってしまう。

「……まぁ、そんなに頑張らなくていいならしてやるよ」

「私も運動は苦手ですけど」

 まさみちゃんとみゆきちちゃんが参加してくれたので、これで後はホモ軍団が追加の男と椎名ちゃんを連れてくれば完成するだろう。

 それにしても柔らかくていい匂いのする場所だ。

「まさみちゃんは全身包帯で行こう」

 傷が増えた。

 

 

 

 ボロボロになって戻ってきた俺に驚愕する音無君と日向君をスルーして、ひさ子ちゃんを除くガルデモメンバーが鉢合わせする。

 夢のメンバーである。

「取り敢えずこのメンバーでバンドでもしようものなら、尋常ではない数の生徒が集まりそうだ」

「そうだろうねー」

 音無君の疑問に軽く答えつつ、俺は野球を久しぶりにするので少し気になることがあった。

「日向君」

「なんだ?」

「野球って金色のボールを打ったらアウト?」

「お前の頭の中はゲームセットだな」

 試合終了していた。どういうことだろう? 掘り下げようかな?

 でもその言葉をどこで遊佐ちゃんが観察しているかわからないから、堀りという言葉を使うわけにもいかないのが現状である。

「……」

 それにしても妙に空を眺めている日向君を見て、まさみちゃんがピクリと反応していた。

 まさか恋!? ――なんてふざける空気でも無いか。

 未練が叶いそうだというのは俺でもわかるよ。

「さてと、ゲリラ参加しようか」

 正直に言えば日向君が成仏することに関しては賛成だ。

 報われるということの大切さは俺は良く知っている。

「じゃあメンバーを決めるよ。一番セカンド日向君」

「……あぁ」

 本当にボケっとしてるな。ぶっ殺してやろうかな。

「二番センター俺」

 これは別に問題ないな。うん。

「三番ピッチャー音無君」

「ピッチャーが出来るかわからないけれど、頑張るしかないか」

「四番キャッチャー野田君」

「任せておけ」

「五番サード椎名ちゃん」

「……任せろ」

「六番ファーストしおり」

「あいよー! あたしに――ッ! まーかーせーとーけー!」

「勿論だよ。七番ショート、ゆいにゃん」

「ゆいにゃんの出番ですか!? これは打つしか――」

「八番ライトまさみちゃん」

「無視しないでください!」

「あたしか。……うん。久しぶりに運動を出来るんだから楽しまないとな」

「九番レフト兼清涼剤兼マスコット、みゆきちちゃん」

「い、色々多くない?」

 何を言っているんだ。これは正当な権利なんだよみゆきちちゃん。

 因みにしおりが一番好きだけれどね。

「じゃあこの九人で殴り込みしよっか」

 俺はそう言うと、金網の向こう側で試合をしようとしている2チームに話しかけた。

「ゲリラ参加です。取り敢えず二つ纏めてかかってきな。相手してやるよ」

 堂々と俺は言い放つのだ。

 何故ならこれでも、しおりの前でカッコつけられるとテンションが上がっているからである。

 




次回予告
「バッタービビってるビビってる!」
「何で俺を走らせたんだてめぇ!」
「任せんしゃい!」
「バットか……ギターなら振ったことがあるんだけど」
「ピッチャー悶えてる! へいへーい!」
「それはひゅうがだ!」
「貴方の内臓を全て引き摺り出したのに、もう戻ってきたの?」

「タッチー。俺頑張るよ。例え愛する人が敵になっても!」

第39話《Cold Game》

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