しかし一つだけ。実は今日からテストが始まったのです。
つまりこれから一週間はほぼ投稿することは不可能かと思われます。
読者の皆様にはご迷惑をおかけしますが、一週間後には普通の投稿に戻したいと思います。
そして3月には毎日更新もしたいと思っています。
これからも「俺としおりんちゃんと時々おっぱい」をよろしくお願いします。
俺は一人で部屋の中で転がっていた。
既に部屋の住人である相方は教師の居る彼らの愛の巣にランデブーである。
いや、実際本当に彼らが愛し合っているかどうかは俺には全くわからないんだけれど。
と言うか愛し合っていたらそれはそれで嫌なんだけど。
「……暇だなぁ」
本日は休みなり。
取り敢えず頑張ってくれたお礼として休日が与えられてしまった俺は、いつの間にかクリアしてしまっていたモンスターをハンターするゲームを机の上に置いてどうするか考える。
いつもならばしおりの部屋に行くのだろうけれど、今はしおりは作戦会議中である。
どうやら今回は俺を休みにして行うらしく、何かを考えているのはわかっているけれど俺には何もわからないのだ。
いやホント、やることが一切無くなった。
「エロゲでもするか」
説明しよう!
ここは高校生ならば誰でも持っているものは手に入る場所である。
つまり健全な高校生ならば持っているであろうエロゲーも実はあったりしたのだ!
だがハードはパソコン! 惜しい!
「どうしよ」
読み飽きたエロ本を適当に放り投げてから、俺は伸びをする。
いつもいじるべき人もおらず、一人でグダグダするというのはつまらないものだ。
何時までも一人でうじうじしているのは癪に障るのである。
え? 俺がいつもうじうじしてるだろって?
やだなー。そんなわけないじゃない。
……ふむ。本格的に虚しくなってきた。
俺は立ち上がると、取り敢えず外に出ることにした。
休日だからといって部屋から出てはいけないわけではないのだ。
「次のラジオは撫子ちゃんでも呼ぼうかな」
どこかから電波が飛んできたかなと思いつつ、撫子ちゃんって誰だよと心に突っ込みを入れる。
メデューサなんて知ってるわけないじゃないですかヤダー。
「……まさかの誰もおらず」
男子寮には本格的に誰もいなかったので、俺は仕方なく寮から出た。
陽の光を目一杯浴びようと大きく伸びをし、爽やかな姿を描こうと思ったが残念ながら雨である。
浴びたのは陽の光ではなく虚しい雨水だけだった。
「外で暴れているわけもないし、ふむふむ」
こう言う時は教室に行こうかなと思い、俺は校舎に入った。
校舎の中では授業が行われていて、さて教室に入ろうと思って止まった。
俺のクラスがわからないのである。
これは緊急事態だ。由々しき事態だ。
「助けて天使モーン!」
「私はデジモンじゃないわ」
後ろに唐突に現れた天使ちゃんにビクビクと震える。
べ、別に感じたわけじゃないんだからね!
「エンジェモンと呼んだ方がよかったかい?」
「せめて女性にして欲しいわね」
「ふむふむ。……いける口ですかい?」
「私的にアグモンが素晴らしいわ」
「や」
「や」
唐突にデジモン談話を始めようとした天使ちゃんに挨拶をすると、普通に返されてしまった。
取り敢えず何で授業中なのにいるのか聞こうと思う。
「貴方はきっと私が何故ここに居るのか聞くと思うから先に答えるわ。見回りと言うことで現在の授業だけは免除されているのよ」
「君には未来予知能力があったのか」
「そんなものはないわ」
そうだよな。そんなものがあったらゲリラライブとか何時も潰されるもんな。
「天使ちゃんは何でも知ってるんだね!」
「何でもは知らないわ。知ってることだけ。これは私のネタではないのだけれど」
誰が使おうともその時適していればそれを使えば良いのではないだろうか?
「取り敢えず俺は授業を受けてみたいので、教室に案内してください」
「任されました」
天使ちゃんと同じクラスらしいので、案内してもらって教室に入る。
クラス中の視線が俺に注目する。
「やっほー! みんな元気? 何でも知っている様で何にも知らないちょっぴり先っぽだけ知ってる雨野多々君だよー!」
「ちょっと待って」
天使ちゃんに教室からフェードアウトさせられました。
「貴方は本当に授業を受けに来たのかしら?」
「勿論」
「ならいいわ」
そして俺は再び教室の扉を開いた。
「貴方の隣に何体も這い寄る変態、多々君だよー! もしくはDJ撫子だよ!」
「まーつんだYO!」
首根っこ掴まれてDJ風に天使ちゃんに引き戻されてしまった。
更にそのまま正座である。
「やぁ天使ちゃん元気がいいなぁ。何かいいことでもあったのかい?」
「今すぐ貴方を殴りたいわ」
拳を握り締めている天使ちゃんをステイさせると、俺は次の挨拶を考えて正座を解いた。
「その次の挨拶を決めた的な顔をやめなさい」
怒られてしまったのである。
割とガチのおこ顔初めて見たお。
「激怒ワロタwww」
「えい」
可愛い掛け声と共にどう考えてもその声が合わない程の威力で殴られた俺は教室の扉を吹き飛ばして教室の中に入った。
「――すいません! 老婆が転がってて躓いてトラックに引かれそうになりました!」
「そんなよくある遅刻の言い訳を意味もなく羅列しないで」
老婆の荷物を持ってあげていて。
落し物が転がっていて。
躓いて怪我をしてしまって。
トラックに引かれそうになったので。
この四点でお送りしております。
「……立華。雨野を連れてきたことには感謝している」
「立華!? そんな名前だったんだ。じゃあタッチーね」
「ノリが変わりすぎて良くわからないわ」
要するに、暇な時間が多すぎてフィードバックである。バックラッシュである。
「タッチーは授業する?」
「授業は受けるものよ」
「雨野、席に着け」
奇妙な空間に放り込まれてしまったクラスメイト達はポカーンとしている。
「イエーイ。ピースピース」
「無表情でしても意味はないわ」
「今回の件からタッチーが得るべき教訓は、俺に関わると大抵問題を芋づる式に持ってくると言うことだ」
「今初めて人と関わることを激しく拒絶したいわ」
面倒くさい男ナンバーワンこと多々です。どうもどうも。
「はっ。そんなおっぱいで俺に関われると――」
俺の顔面にタッチーの拳がめり込んだ。
「次は貫くわ」
「脅しが怖いよう」
いい感じにタッチーのキャラが壊れてきたのを見て、俺はニヤニヤとする。
「先生。彼は頭が悪いようなので保健室に送ります」
「いや立華。保健室に送るのは多々の頭が悪いせいではなく、お前の攻撃による外傷だと思うんだが」
先生公認の頭の悪さであった。
いや、多分学力の方じゃないとは思うけれど。
「恋愛サーキュレーションでも歌ってやがれ!」
「なら貴方は三途の川でチチをもげを歌っているのね」
それはそれで酷くシュールな光景だと思うのは俺だけでせうか。
取り敢えずタッチーと一緒に廊下に出ると、ハンドソニックでそれはもう滅茶苦茶になるまで突き刺された。
攻撃をするのは俺から殴りつけた場合じゃないのかと聞いたが、何事にも例外はあるらしい。
「これから貴方のことは見かけたらハンドソニックで切り裂くわ」
「ジャック・ザ・リッパーかよ」
「私たちはそう決めたのよお母さん」
何故彼女はここまでネタに付いてこれるのだろうか。
「霧が出ていないので無効。ついでに俺は女じゃないから無効。しかも今は夜じゃないから無効」
「臓器を出すくらいなら出来るわ」
「俺が悪かったので許してください」
さっき内蔵が引っ込んだばっかりなのである。
「じゃあ保健室に行きましょう」
俺はそのまま保健室に連れて行かれた。
わずか教室から出て数分の出来事である。
「ナース服着てよナース服。と言うかしおり呼んで。コスプレしてもらいたい」
「悪い子には注射が必要な様ね」
「タッチー、それ注射ちゃう。刃物や」
ぶっ刺されました。
「私的にはしおりのナース服を堪能したいのですが、呼んでもらいないでしょうか?」
「そうね。頭の悪い馬鹿が起こした事件について、保護者を呼ばないといけないわね」
しおりは俺の保護者らしい。
これで彼女は何度天使から連絡を受ける事になるのだろうか。
タッチーはそのままトランシーバーを取り出すと、電源を入れた。
するとスピーカーからお知らせの音が流れる。
「雨野多々さんの保護者の関根しおりさん。貴方の彼氏が重度の頭の悪さで保健室で休んでいます。支給保健室まで迎えに来てください」
酷い放送を全校生徒に向けて流したもんだ。
これはもういじめと言っても良いんじゃないだろうか?
そんなことを思っていると、しおりが保健室に入ってきた。
「ウチのバカが失礼しました」
「いえいえ。貧乳と呼ばれたことや、毎回毎回迷惑をかけてきたことなんて気にしていないわ。えぇ気にしていないもの」
すごい気にしている奴の言い方だ。
取り敢えずしおりに対して俺は微笑みかけた。
「しおりのナース服が見たいな」
「その目に貼り付けて永遠にナース服に見せてあげようか?」
激怒だった。
何でもあの放送は流石に恥ずかしかったらしいので、怒るのも仕方がない。
「謝ってチッ君」
「俺のあだ名はそんな舌打ち見たいなあだ名じゃない」
「失礼。噛みました」
「違う。わざとだ」
「失礼。噛みまみた」
「わざとじゃなかった!」
一通りネタをしてからハイタッチをすると、タッチーがそれを見てため息を吐いていた。
「貴方達は二人揃っても厄介なのね」
「多々だよ!」
「しおりだよ!」
「「二人揃って、天上学園のツッコミ殺しカップルズ!」」
「迷惑ね」
辛辣だった。
俺としおりの心にグサリと刺さったそのトゲはあまりに大きく、しおりを開発してしまうレベルのものだった。
何処に何をとは言わないが。
「ツッコミ殺しカップルズの実践担当、雨野多々です」
「ツッコミ殺しカップルズの実践担当、関根しおりだよ」
「二人共実践担当なら、参謀はいないのね」
参謀。そこまでネタで頭が回りきらないのがこの二人の弱点なのであります。
ここに参謀担当のみゆきちちゃんが入ることによって、これは成功するのである。
通称悪魔様である。
「つまり、みゆきちちゃんは小悪魔……!?」
「今度あたしみゆきちの為の小悪魔衣装用意しとく」
恥ずかしがりながら小悪魔衣装を着ているみゆきちちゃん。実に小悪魔である。
「それならミニスカニーソが良いわね」
「「ッ!? 貴方が天才か!」」
どうやら戦線の敵と言う設定すら何処かへ行ってしまうレベルだったようだ。
「沼神様路線で、泥を塗るだけと言う案もあるわ」
「沼……泥……!? そこまでの妄想力があるなんて、貴方は一体……」
「蛇神様よ」
まさかの自分ネタだというのか!?
俺の想像を超えるレベルの出来事に流石に戦慄する!
「あたしは人を迷子に出来る隠し能力が……!」
「まず自分の考え方が迷っていることに気づこうか」
どう考えてもこれは蝸牛である。
と言う風にネタばかり出していた時だった。
「コスプレパーティーをしてはどうかしら?」
まさかの名案だった。
「確かに戦線メンバーと生徒会はいがみ合っているけれど……」
「俺としおりが間に入ればこの企画を通すことができる……?」
いつの間にかしおりとタッチーが手を組んでいた。
「お互いに頑張ろう」
「えぇそうね」
「「素晴らしき小悪魔みゆきちの為に」」
あー、そっち側かと思ってしまった俺は悪くない。
……え? 続くのこの話?
次回予告
「みゆきちにミニスカニーソの小悪魔衣装を着せようと思った」
「取り敢えず遊佐ちゃんはバニーで」
「待ってくださいゆりっぺさん。貴方の試着室に野田さんをぶち込みますよ。私はドヤ顔でそう言った」
「あれ? 声に出てたのかな?」
「えっと、タッチーと直井君と、しおりと、ゆいにゃんと、椎名ちゃんと、野田君かな」
「……ん? 何故それを音無君が知っているのかな?」
「ぐすん。みゆきちちゃん慰めて」
「……タッ君。格好つけるのはいいけど、それで外したらただの可哀想な人なんだよ」
第38話《Start Baseball》