俺としおりんちゃんと時々おっぱい。   作:Shalck

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 今日は投稿するつもりは無かったんや……。
 レポートよりもこっちを優先してしまった自分を殴りたい。


003 《Pajamas Party》

 皆さんこんにちは。

 美少女の後ろに這い寄る変態こと多々君です。

「何というか……普通に入ってきたね」

 俺は今しおりんちゃんとみゆきちちゃんの部屋におりまする。

 男子禁制? はっ。知ったことか。

 死んだ世界戦線のメンバーはルールを守らないのがモットー! 俺の行いは一見アウトだけれど、死んだ世界戦線的には素晴らしい行動なのだ!

「それでタッ君は何をしてるの?」

「んー? 目の手入れかな? こうやって水を含ませて電子レンジに入れたタオルを目の上に置くと、その水蒸気で目の疲れが取れてすごいスッキリするんだよ。取り敢えず俺が持ってたコスメ全部無くなったからこれくらいしかできない。解せぬ」

 いつもならお肌の手入れをする時間だと言うのに、それを出来ないとは。

 お肌が荒れたらどうするつもりだ。

「何ていうかタッ君……女子より女子っぽいところあるよね」

「紫外線嫌いです。お肌が荒れちゃう」

「あ、もしかしてだからガルデモのマネージャーを――」

 俺はみゆきちちゃんの言葉にさっと目を逸らした。

 だって死後の世界って聞いたから、俺の持っていた紫外線予防のUVカット帽子とか無くなっているって勘付いたんだもの。

「乙女か!」

「それは乙女の君がセリフじゃないと思った俺はおかしいのだろうか?」

 新しいラノベのタイトルっぽい。

 今度執筆してみようかなぁ? 昔色々書いてた時もあったし。

「それよりもタッ君は何しに来たの?」

「パジャマパーティ。あ、お菓子も持ってきたし大丈夫。ひさ子ちゃんとかまさみちゃんとか呼んでくる?」

 俺が席を立とうとすると、真っ先にしおりんちゃんに止められた。

 何でも俺が出て行った所を見られると勘違いされる可能性があるから嫌らしい。

「俺にずっとこの部屋にいてほしいなんて、可愛いなぁ」

「今すぐこいつを殴り殺したい」

 そしたら叫ばせてもらおう。

 ふっ。俺が何て呼ばれようと構わんさ。既成事実さえ作れればな。

「実はみゆきちちゃんに殴られたと叫んだら面白そう」

「そ、そんなことしないもん」

 もんと来ましたかもんと。

 この子は俺を萌え死にさせるつもりなのでしょうか? きっとそう。

「じゃああたしが――行くとみゆきちとタッ君が二人きりになって非常に危険な気がする。みゆきち、岩沢さんとひさ子さんの部屋へゴー!」

「うん」

 全く違和感なく出て行かれた件について。

 そんなに俺と二人きりになるのは嫌ですか。さいですか。

「でもタッ君の部屋の人は帰ってこないことに疑問を抱くんじゃないかなぁ?」

「彼は朝まで目覚めないから大丈夫」

 知っているかい? 薬の成分の中には砕くと睡眠薬になるものがあるんだよ?

 君達も覚えておこう。

「何をしたの? あたし、気になります!」

「お答えしよう! 取り敢えず眠たくなる成分が入ってる薬を細かく砕いて飲み物に入れて飲ませた」

 別に手を出してるわけでも無いしいいと思う。

「なる程……。今度作り方教えて?」

「勿論! 取り敢えずひさ子ちゃんに飲ませてあのFカップを揉みたい」

 そんなことが可能なのはしおりんちゃんだけだよ!

 だからお願い!

「ほぅ……」

 気がついたら拳を構えたひさ子ちゃんがいました。

 これはハートブレイクショットの構え……!

「甘いよひさ子ちゃん! 幻の左腕!」

 ひさ子ちゃんのハートブレイクショットは俺の心臓ではなく顔面を捉えて殴り飛ばした。

 これはフェイスブレイクショットって奴か……。

「へぇ。本当に来てたんだ」

「やっ。まさみちゃん」

 声をかけると普通に返してきてくれた音楽キチもといまさみちゃん。

 きっと心はいい子なんだろう。

「じゃあガールズトークしようよガールズトーク。皆好きな人いる?」

「お前ガールじゃないだろ」

 ひさ子ちゃんからのツッコミ。これはお厳しい。

「でも俺今日戦線に来たばっかりだから気になるんだよねー」

「あー、そう言えばお前今日来たんだっけ? 何かスゲー馴れ馴れしいから忘れてたわ」

 ふふん。このコミュ力こそ俺の力。

 あ? 童貞黙れだって? すみませんでした。

「戦線の恋愛事情かぁ……。あ、野田っちがゆりっぺのこと好きだった!」

 流石しおりんちゃん。恋愛事情も熟知していると見た。

「まぁあいつは昔から好きだったからな」

「そなの?」

 ひさ子ちゃんは俺の問いかけに頷いた。

 野田君はゆりちゃんのことが好きなんですか。さいですか。

「まぁガルデモのメンバーは皆俺に好意を覚えているとして、椎名ちゃんとかは?」

「「「「それはない」」」」

「酷いイジメを見た。これは青少年支援センターに連絡を入れるしかない」

 きっとイジメを何とかしてくれる。

 でも何でだろう? その前に警察に通報されて終わる気がする。

「あたし達は別に誰が好きとかそう言うのはねーよ」

「私はギターが好きだ」

「ひさ子ちゃん。まさみちゃんに日本語が伝わらない」

「知ってる」

 どうやらまさみちゃんは将来ギターと結婚するらしい。

 ギターの名前はギー太ですか? 放課後ティータイムですか?

「あたしはみゆきちが好きだー!」

「わ、私もしおりんは……好きだよ?」

 みゆきちちゃんのこうげき!

 しおりんちゃんとおれにはこうかがばつぐんだ!

「「ぐはぁ……」」

 二人して鼻血を出しながら倒れていた。

 顔を赤らめてそんなことを言うみゆきちちゃんが可愛すぎて、世界の悪意が見えるよハレルヤ。

 これぞ炙り出し戦法!

「でも椎名が誰か好きとかは聞かないな」

「可愛いものとか好きそうな顔してるよね」

「まぁわからなくはない」

 何か物陰に隠れて小猫にミルクを与えて微笑んでいる椎名ちゃんを妄想して、ありだなと考えた。

 きっとその場に出くわしたら俺は問答無用で告白する。異論は無い。自己完結だ。

「遊佐ちゃんは?」

「あいつは絶対にない」

 断言をしたひさ子ちゃんを見て、俺は何かを感じ取った。

 多分だけれどひさ子ちゃんは遊佐ちゃんの過去を知っているんだろう。

 何となくだけれど、察した。

「でも野田君とゆりちゃん以外に仲がいい男女がいないって、中々この戦線の恋愛事情って荒んでるんだね。カップル一つも無いとか、正直言って普通じゃないね」

 俺の言葉にうっと呻き声を漏らしたのはひさ子ちゃんだった。

「まぁ、それで報われたら消えちまうからな」

「あー、満足したら消えちゃうんだっけ? でもこの世界にしがみつきたい程世界を憎んでるなら、その程度で消えないと思うんだけど……」

「それもそうなんだけどな」

 まぁ大体察した。多分だけど、自分が幸せになれるということに酷い抵抗感を持っているんだろう。

 俺もそうだし人のこと言えないかな。

「俺は美少女大好きだし、この戦線にいる人達皆美少女だから大好きだけどね。取り敢えずガルデモのメンバーは皆大好き。超好き。マジで愛してるわ」

 普通にそう告げたら、驚いた様な顔の後に少し赤くなっていた。

 皆超可愛い。目指せハーレム的な感じでお願いします。

「お前そう言う言葉平気で言うんだな」

「ははっ。平気ならこんなに顔赤くなってないって」

 多分だけれど俺の顔は真っ赤っか。

 俺の右手は真っ赤に燃えていないけれど、俺の顔面は真っ赤に燃えている。

 爆熱ゴッドフィンガー放てるぐらいの火力はあると思うわ。

「お前って初心なのか経験豊富なのかわからない奴だな」

「経験豊富系チェリー」

「黙れ処女ビッチ」

 しおりんちゃんと再び二人して傷つけあった後、二人で互いの心の傷を埋めることにした。

 世界は残酷だ。この残酷な世界の中心でも俺はきっと愛を叫ぶ。

「と言う訳で、まぁ俺はこんなに沢山の女の人に愛を囁いても消えません。まだ満足できない。もっともっと……! こんなんじゃ全然満足出来ないぜ……!」

「満足さんってこの世界に来たらすぐに消えそうだよね」

 満足したぜと言いながら消えていく満足さんを想像していそうだなぁと思った。

 だって満足さんって満足する為にいるのであって、決して満足しないなんて考えを持っていれば満足できな――。

「俺の中で満足と言う言葉がゲシュタルト崩壊している件について」

「満足できたかい?」

 しおりんちゃん俺に追い打ちを掛けるのはやめてほしいっす。

 ゲシュタルト崩壊どころか俺の頭がゲシュタルト崩壊を引き起こしかけております。

「――まぁお前の抱えているもんが大きいのはわかったよ」

「あ、わかってくれます? じゃあ俺と一緒に夕日を追いかけましょう!」

「修造乙」

 しおりんちゃんに振られてしまった。あれ? 俺ひさ子ちゃんに告白していた気がすんだけれど。

 あれぇ?

「そう言えば今日この後どうするつもりだ? 10時を過ぎたら教師が見回り始めるぞ?」

 捕まっても大丈夫だとは思うけれど、大丈夫かなぁ?

「困った。誰か泊めてくれないかなぁ……」

 チラリとみんなを見る。

「あたしの部屋はNPCがいるから無理」

「私の部屋も」

「変態を置くスペースは無い」

「えっと……ごめんね?」

 色々と酷いのはしょうがないから諦めている。

 と言うよりも今回はちゃんと見てこなかった俺の責任だから、仕方ないといえば仕方ないか。

「まぁ何とかしますよ。これでも逃げるのと金玉潰すのは得意なんで」

「天使も見回るぞ?」

 どうやら俺の命はここまでのようだ。

 天使が来たらどう考えても殺されるらしいです。

 つまり俺の命はジ・エンド。しおりんちゃんに教えてもらった通りならば死んでも蘇るらしいけれど、それでも痛いのは嫌なので死にたくないです。

「そう言えばお前の死因って覚えてるか?」

 俺はひさ子ちゃんの驚愕の質問に答えられなかった。

 俺が口をパクパクしているのを見て、トラウマに触れたと思ったのか悪いと言って顔を逸らしたひさ子ちゃんに謝りたい。

 すいません。下ネタ過ぎて言えないだけです。

「多分だけど、タッ君の死因って実は大したことないんじゃないかな?」

 ギクリとしてしおりんちゃんの方を見た。

「だって今の反応って、トラウマって言うよりもバレちゃまずいことがバレた時の反応だよね?」

「い、いつの間にそんな観察眼を――」

「――天帝の眼。全てに勝つあたしは全て正しい」

 まさかの赤司様でした。

 と言うよりもマジでこれがバレると本格的にマズイから気を逸らさないと。

「おい関根。幾ら何でもそれは言い過ぎだろ」

 ひさ子ちゃんが俺の為に少し怒っている……?

 嬉しいんだけれど違うので俺は空中で一回転しながら土下座した。

「――大したことない理由で死にました」

 俺は他の人に聞こえない様に小さくしおりんちゃんに死因を説明した。

 みるみる赤くなっていくしおりんちゃんを見て、ひさ子ちゃんは疑問に思っていた。

「それ、本当?」

「本当なんですよこれが」

 割とガチで聞いてきたしおりんちゃんにそう答えると、しおりんちゃんはどう反応すればいいのかわからなそうに真っ赤になったままだった。

「――セクハラで訴えます」

「ちょっと待て関根。その言葉で何か理解できたわ」

 ひさ子ちゃんの視線が鋭くなって俺は突き刺された。

 生憎他の二人はわからなかったようだ。

 きっとこの二人は告げるつもりも無いと思うけれど。

「その死に方はねぇわ」

「俺もそう思う。と言うよりもこれが自殺じゃなくて事故ってなったことが凄いと思う」

 自分で起こした事故により死亡。自業自得と言う奴ですな。

「取り敢えずお前近寄るな」

「酷いっすよひさ子ちゃん。俺は、女の子に手を出せなかったから、死んだんですよ?」

 女の子に手を出せなかったからを強調しながら言うと、ひさ子ちゃんにため息を吐かれた。

「――歩幅」

「ほえ?」

「お前関根と入江と来た時、無意識かもしれねぇけど二人に歩幅合わせてただろ。それに何もない廊下側に二人を歩かせて、自分は人とぶつかる可能性がある廊下側を無意識に歩いてた。そんなことを普通にしたってことは、お前彼女とか居たんだろ?」

 げっ。女の子ってそんなところまでしっかり見てるんだ。

 というよりもここまでしっかり見られていたことに俺は驚きです。

「女の子に手を出せなくなかったんじゃねぇか?」

「うぐっ。たまに正論っぽいもの言ってくるから困る」

 そりゃ確かに彼女はいたけど、俺童貞だし?

 卒業なんてしてないし?

「じゃあ――はっきり言います。ここにいる人だけに」

 俺は四人に向かい合って口を開いた。

「俺は多分この世界から出られません。皆が満足してこの世界を旅立ったとしても、恐らく俺はただ一人この世界に残されます。何故なら俺の願いは、この世界では絶対に叶えられないからです」

 超弩級とも言える俺が抱えている爆弾を、思いっきりぶん投げながら。

 




美少女の後ろに這い寄る変態
 110番へお電話を。

女子より女子っぽい
 紫外線はお肌の大敵! コスメがないなら紫外線をできるだけ浴びなければいいじゃない。

パジャマパーティ
 お菓子を食べながら恋バナしましょ。

「わ、私もしおりんは……好きだよ?」
 大天使みゆきち。

死因
 セクハラ

女子に対する男子力
 男子が女子に対して守る状態になってしまう。
 いつでも女の子を守れるように歩幅を合わせて廊下側はキープするのがデフォルトdす。

超弩級の爆弾
 取り敢えず一番多々君が理解している。
 この世界から出ることは恐らくできない。

 最後にシリアスぶち込んですみません。
 シリアスなんて嫌だと思うかもしれませんが、知ってますか?
 大きなシリアスの後にはつまらないギャグも面白くなると言う法則を。


次回予告
「出られないってなんだよ……」
「まぁいいじゃないっすか。どーせ皆居てくれるんだし、遊んでたってわけねーですよ」
「いやー。女子寮で一緒にパジャマパーティしてましたわー」
「あたしはタッ君を見捨てない」
「まあだとしたらお守り役は関根で」
「エントリープラグが外れちゃった」
「ご勘弁を。お願いしますからそんなイキイキした顔で俺を見ないでください」

「だったらあたしがタッ君が未練叶えて消えるまで一緒にいるよ!」
第4話《Set Abroach》

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