俺としおりんちゃんと時々おっぱい。   作:Shalck

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 最近お気に入り数報告が間に合わないくらいの速度でお気に入りしていただき、嬉しいです。
 69さん、里芋の煮物さん、評価ありがとうございます。
 一応連続投稿二つ目となりますが、まだまだ頑張りますのでよろしくお願いします。
 出来れば年内に原作4話相当まで終わらせられたらと思っておりますので、どうかよろしくお願いします。
 ま、原作改変するから本当の4話に行くかどうかわかんないんですけどね。


020 《On Air》

「――第一回死んだ世界戦線ラジオ始めるぞー」

 最悪なテンションで音無君が言った。

 ここは放送室。因みに外とは既に鍵を閉めて更に物を置いて封鎖しているので、簡単には入ってこれないようになっている。

 何故こんなところで死んだ世界戦線ラジオを始めるよとか言ってんだこいつらはって思うだろ?

 これは次のお話でするオペレーションが関わっているんだけれど、まぁ置いておこう。

 今は要するに罰ゲームでこれから死んだ世界戦線ラジオなるものをやらされることになったとだけ覚えていてくれればいい。

「はぁ。このラジオを聞いている人の中に生きている人がいたら、死んだ世界線のメンバーになってください」

「音無君、そんなにテンション低かったら休み時間の間出来ないゾ☆」

「お前がどうしてそんなにノリノリなのか俺にはわけがわからない!」

 音無くんに怒られてしまった。

 だってテンション上げないとやってられないじゃん。

「一般生徒の皆はどうせ、あぁまた馬鹿な連中が馬鹿なことし始めたよ。とか思うだけでしょ? だけど安心してください! 本日のゲストは――ガルデモの皆さんです」

 この放送室にも聞こえる位の歓声が聞こえてきた。

 ガルデモ効果恐ろしや。

「じゃあ一応最初だしね。このラジオの司会はガルデモのマネージャー兼プロデューサーの雨野多々と――」

「一般生徒になれなかった音無です」

 滅茶苦茶テンションが低い音無君にみゆきちちゃんが愛想笑いを浮かべているのを見ながら、俺はガルデモメンバーにマイクを向けた。

「ガルデモのバンドリーダーで、ボーカルとリズムギターを担当している岩沢だ」

「ガルデモのサブリーダーで、リードギターを担当しているひさ子だ」

「ど、ドラム担当の入江です」

「そしてあたしが――ガンダムだ」

「ちげぇだろそのネタやり飽きたわ」

「ちぇー。ガルデモのベース担当かつタッ君の愛を受ける担当の関根しおりデース!」

 舌打ちが聞こえてきた。おいコラ野郎ども。

「ふっふーん。いいだろ男子共。こちとら俺のハーレムだz」

 最後まで言わせてもらえなかった。

 膝の上に座っているしおりの肘打ちが決まり、俺はノックダウンする。

「と言う訳で、司会の音無君コーナー名をどうぞ!」

「あ、あぁ。えっと、最初のコーナーは司会へ質問のコーナーです。……ってお便りなんて来てるのか?」

 チラリと俺が見た方向には、どっさりと手紙が来ていた。

 戦線メンバー全員にラジオをすることを伝えた結果、最初だから戦線メンバーだけだが大量の手紙が来ているのだ。

「最初のお便り。ペンネームひなっち――面倒なんで日向でいいや」

 よくねぇよと言う叫びが聞こえてきた気がするが、音無君はスルーしていた。

「最近多々君が彼女とイチャイチャし過ぎて困っています。どうにかして頂けませんか?」

「あー、無理無理。だって俺としおりは愛で結ばれてるもん」

「「ねー」」

 二人で口を揃えていったら、ブラックコーヒーの売り上げが伸びたらしい。

 そう言えばゆりちゃんがブラックコーヒーを売り始めようとか言っていたので、大繁盛してるんじゃないかな?

「酷くウザイので次の質問に行きます」

「「ちょっと待って音無君! それはあまりにも酷いよ!」」

「二人で声を揃えて言わないでくれ。俺は日向みたいに二人にツッコミを同時に入れる技術を持ってないんだ」

 まぁ確かに最近日向君は俺達にとってツッコミを入れるだけの存在に成り下がってるからね。

 後は純粋なホモキャラ。

「取り敢えずその質問をしてきたひなっち――面倒だから日向君と呼ぼう」

 だからよくねぇよと言う叫びが聞こえてきた気がするが、俺はスルーする。

「日向君は実はホモで音無君を狙ってるんだ。だから俺としおりがいい雰囲気を出すと男同士で雰囲気が出せなくなるだろ? だから俺達にイチャイチャするなって言いたいんだよ」

「今度から日向のこと避けるわ」

 無駄に日向君の好感度を避けたところで、次の質問を見る。

「ペンネーム要はアホですねさんからの質問。ガルデモのメンバーと何故そんなに仲良くなってるんですか? よかったらその秘訣を教えてください」

 多分だけれどこれはゆいにゃんかな? だとしたら今度からパジャマパーティに招待してあげよう。

「それは勿論ナニをして――」

「「「「ふん」」」」

 四人からの拳を一斉に受けた俺は少しクールダウンすることにした。

 決してマイクを掴もうとした瞬間殺気が向けられるからではない。

 マイクは結局まさみちゃんの手に渡った。

「多々は私達と一緒に良くパジャマパーティをしているんだ。それも毎日してるから、自然に私達と仲良くなったんだよ」

「それ言ったらアカン奴や!」

 しおりが止めにかかったけれど既に遅い。

 もう俺が毎日パジャマパーティとして女子寮に侵入していることも、女子寮でいつも夜遅くまで話していることもバレてしまった。

 この子天然なんです!

「お前いつも女子寮侵入してんのか!?」

「声が出けぇよバカ野郎!」

 もう完全にアウトだよ。アウト判定乱れ打ちだよこの野郎!

 なんでこんな大衆の面前で俺がいつも女子寮言ってることをばらされなきゃならないんだよ! 訳分かんねぇよ!

 何だってんだよ畜生……。

「もうダメだ……。教師に見張られたら――別に問題ねぇな。うん。あれ? もしかしてバレても問題なかった?」

「タッ君を邪魔する教師って殆どいないしね」

 金玉潰されたことを覚えていないものの、本能的な直感で避けていくらしい。

 なにそれこわい。

「次の質問に移ろうぜ」

「じゃあ次の質問。ペンネーム愉快痛快爽快さんからの質問。多々さんはどんなタイプの女子が好みですか? 隙はありますか?」

 しおりの視線が俺に突き刺さった。

 オイコラ。待てその質問。

 どう考えても俺としおりの仲を裂きに行こうとしているだろ。

 と言うかその質問ゆりちゃんだな? 俺が苦しんでいるところが愉快痛快爽快ってことだな?

「隙はない。大好きと言うlikeの意味ではガルデモメンバーも戦線の女性陣全員も大好きだけど、愛してると言う意味ではしおり一人だけだ。まぁ、昔はもう二人いたんだけどね」

 そこら辺は割愛しようよと告げたら、音無君も頷いて最後の質問に移ってくれた。

 因みにしおりは俺の膝の上で真っ赤になっております。マジカワユス。

「最後の質問。ペンネーム春よ来いさんからの質問。貴方は人間ですか? なんだこれ」

 ドクンと、俺の心臓が飛び跳ねたと思った。

 その質問を書いた人物が誰かは分からないけれど、その言葉は俺に深く突き刺さっていた。

 貴方は人間ですか?

 その問いに応えることが出来ない。

 俺は今自分の中で最悪な結論が出ようとしていて――。

「タッ君は人間だよ。音無君は?」

「勿論人間だ。何を聞いてたんだコイツ?」

 答えたしおりを見ると、ニッコリと笑っていた。

 しおりは俺が何かを考えていることに気がついている。

 それが何なのかまで理解しているかどうかはまだわからないが、それでも気がついている状態まで来ていることはわかっていた。

「次のコーナー。ショートコント……ショートコント!?」

 書かれていた項目を見て音無君が声を上げていた。

 あー、ショートコントかー。

「ショートコント!?」

 何やらせようとしてんのあのゆりちゃん。ゆりちゃんマジゆりちゃんだわ。

「と、取り敢えず書いてある紙にはガルデモメンバーとコンビを組んでショートコントをしろとしか……」

 結局ガルデモメンバーもショートコントをさせられることに気がつき、俺は更にその続きを紙を貸してもらって読む。

「お題は手紙があるからそれを見てやるらしい」

 お題と書かれた手紙ケースの中をガサゴソと探ってから一枚取る。

「まずは四人用。出る人物から先に決めよう」

「なら多々、関根、入江、ひさ子でいいんじゃないのか?」

 音無君がそう言ってひさ子ちゃんが嫌そうな顔をしたが、俺はそれを無視して紙を読んだ。

「お題は――警察に捕まった時の反応。三人ボケて」

 ふと目を合わせて、ボケる役は俺としおりとみゆきちちゃんになった。

 勿論そうなるとツッコミ役はひさ子ちゃんになる。

「ショートコント、警察と容疑者」

「え、マジでやんのか? えーっと……お前達を現行犯で逮捕する!」

「「「おあご、れんごはためわだんるれなくださねいぇ!」」」

「全員で一気に言うな! 誰が何言ってるかわからなくなるだろ! 取り敢えず一人ずつ聞く。まずは多々。お前なんて言った」

「俺は悪くねぇ!」

「悪いから捕まえてんだよ! 現行犯って言ってんだろ! 現行犯って言うのは、警察が見て判断して、それから現行犯として逮捕するんだよ! なんで現行犯で逮捕されてるのに自分が悪くねぇとか言ってんだよ!」

「お、俺は先生に言われたからやったんだ! だから俺は悪くねぇ!」

「やったのお前ならお前が悪いに決まってんだろ! なんでお前は自分が悪くねぇとか言ってんだよ! ル○クか! ル○ク・フ○ン・ファ○レか!」

「ネタが伝わってた。よかった」

「次関根。なんて言った」

「あんた誰だ!」

「警察だよ! 最初にショートコント、警察と容疑者って言ったよなぁ? 現行犯で逮捕するって言ったよなぁ? どー考えてもあたしが容疑者じゃないだろ! どう考えても警察だろうが!」

「ふっ。いつからあたしが容疑者だと錯覚していた?」

「なん、だと……。じゃねぇから! どう考えてもお前が容疑者だから! しかも現行犯だからな!? さっきも言ったけど!」

「もーひさ子先輩、おんなじこと言わないでくださいよー」

「誰のせいで言ってると思ってんだ! 次入江、なんて言った?」

「ご、ごめんなさい」

「なんかボケろよ! ツッコミ出来ねぇよ! なんで多々と関根にこんなにツッコミしたのにその後に普通にしちゃうんだよ!」

「ご、ごめんなさい」

「だからなんかボケてくれよぉ! あたしがただ単に叫んでるだけみたいじゃん!」

「え、違うんですか?」

「うがぁぁぁああああああ!」

 何気にいい感じにみゆきちちゃんがひさ子ちゃんを壊していた。

 と言うかそれで悪意がないからみゆきちちゃんはみゆきちちゃんなんですよね。

「よーし、次のお題――」

 引いたのは痴漢と言う言葉だった。

「「「「「お前痴漢役な」」」」」

「予想外に全員の息が揃っていて、お兄さん脱帽です」

 まさに唐突な瞬間だった。

「じゃあ痴漢される役割を関根。それを止める赤司征十郎役を音無がやれば?」

「じゃあやるよ」

「ちょっとツッコミする時間をくれ!」

「ショートコント、痴漢。へいへーい。いいケツしてるぜこの女の子」

「ち、痴漢……」

「男子に触られて気絶しちゃってるよこの子。これで触りたい放題だぜ――」

「待て」

「な、なんだてめぇは!?」

「僕の目が欺けるとでも思ったのか? 君がその子の尻を撫で回していた所は既に見ている」

「な、なんだこいつは……。凄いプレッシャーだ……! 逃げるしか!」

「逃げられるとでも思ったのかい?」

「なっ!? 体が転んだ……!?」

「図が高いな。全てに勝つ僕を抜いて逃げようなど、烏滸がましいにも程がある」

「何者だてめぇ……」

「赤司征十郎――。全てに勝つ僕は全てに――って違う! なんで俺が赤司征十郎の役をしているんだ! と言うか誰だ!?」

「え? 黒子のバスケ知らないの?」

「男子に触れられて気絶する女の子知らないの?」

 俺達二人で詰め寄ってみたが、音無君に煩いと言われてしまってしょぼくれる。

「じゃあ二個目。ショートコント、痴漢。へいへーい。いいケツしてるぜこの女の子」

「や、やめるのじゃ! ワシは男じゃぞ!」

「こんないいケツしてるのに男なわけあるかよ」

「くっ……。お、お主は――」

「やめるといい」

「て、てめぇはティエリア・アーデ!?」

「君のその行い、万死に値する」

「ちっ。なんでソレスタルビーイングのガンダムマイスターがここに!? だが俺がしていることは男なら当然の行いだ! 人間のお前ならわかるだろう? 一緒にやろうぜ?」

「謹んで辞退させてもらおう。俺は、僕は、私は――人間だ」

「畜生意味がわからねぇ! 特に言ってる意味がわからねぇ!」

「大丈夫でしたか?」

「あ、ありがとうなのじゃ。ところで――僕と契約して魔法少女になってよ」

「カオス過ぎんだろ!」

 ひさ子ちゃんからのツッコミがはいって止まった。

 と言うか何気に音無君ノリノリだったよね。

 終わった瞬間やっべ、ノリ過ぎたとか言ってたよね?

「えー。まだ風間風とか不知火風とか八九寺風とか残ってたのに」

「全部それてめぇの中の人ネタだろ」

「俺も一応相馬風とか阿良々木風とかチョロ松風とかリヴァイ風とか残ってたぜ」

「ツッコミのお前が中の人ネタとか使い始めたら収拾がつかなくなるだろうが! と言うかもうつかなくなってるし!」

「まぁまぁ落ち着けよひさ子」

 まさみちゃんに諭されてひさ子ちゃんのテンションも下がってきていた。

「あたしも一応真紅風とかアルルゥ風とか駿河風とか毒島風とかセルティ風とかあったのを我慢してるんだぜ? ひさ子も我慢することを覚えろよ」

「お前もかよ!」

「ひさ子はココノエ風とか柏木晴子風とかすもも風とかが似合うんじゃないか?」

「だから中の人ネタやめろよ! あたし達そういうの言う様にされてるわけじゃないから! 別に声優ネタしてるわけじゃないから!」

 ひさ子ちゃんを適度に疲れさせたので、俺達は少しテンションを抑えてルンルン気分で次のコーナーにすることにしようと思ったんだけど、昼休み終了のチャイムがなってしまった。

「そろそろお時間の様ですので、ガルデモのAlchemyを聞きながらお別れです。これからも度々行うから、皆楽しみに待ってろよな! お手紙は俺の机の上まで!」

 俺はそう叫ぶと、ふぅと溜息を吐いてから音無君を見た。

 同時に頷くと、窓から逃げ出した。

 そろそろ来るのはわかってるし、ガルデモメンバーもついてきているのを確認してから放送室に施されていたロックを解除する。

 取り敢えず、このラジオはもっとやりたいと思った。

 




次回予告
「……あたし達ガルデモメンバーもか?」
「本気で殴ればいいのか?」
「あぁ音無君、彼が野田君よ。いつも大体最初に死ぬの」
「嫌でもなんでもしょうがないよ。考えるんじゃない感じろ。そうすれば全てが見えてくる」
「なんでそんなに言われなきゃならないんだよ!」
「もう俺のハートはブレイク寸前。ヤブからスティックに色々なことが起きすぎて頭がバーニングだよ」
「驚きだわ。驚きすぎて言葉が出ないわ。なんで貴方そんなに美人なの?」

「この王様ゲームの最後のルールを説明するわ。生き残った者が勝者よ」
第21話《King Game》

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