気がついたらお気に入りがあっという間に150を超えていたことに気がつき、驚きで胸がいっぱいになったりしちゃったりラジバンダリ。
古かったですね。すみません。
トレークハイトさん、評価ありがとうございます。
これからも下ネタとネタ成分全力全開で頑張ります……と言いたいところですが、この更新をしてからおよそ一週間は貯蔵に入りたいと思います。
武器の貯蔵は十分かと問われたらNOなので。
続きが気になると言う方はいらっしゃるかもしれませんが、俺が10話程度ストックを貯めるまでご勘弁ください。
10話ストックができたら一週間経ってなくても更新しますので。
――学園祭当日。
「遂に学園祭……か」
俺の心はウキウキしていた。
やっぱり死んでからでも、こう言うイベントっていうのは楽しみになってしまうものだ。
「日向君準備はおっけー?」
「勿論だ!」
俺達はユニフォームの様なものを着てから、バスケ部の所へ入っていった。
――死んだ世界戦線VSバスケ部。
出店をどうしようか迷っていたバスケ部に客を集める為に声をかけたところ、二つ返事で了承された。
と言うかこれを乱入というのかどうかわからないけれど、女子三人が美少女ということもありかなりの人達が見に来ていた。
「今日はよろしくな」
「こちらこそ」
握手をしてからバスケ部はハンデとして俺達からのスタートにしてくれた。
久しぶりのボールの感覚を指に馴染める為にも、俺は日向君からのスタートにしてすぐにボールをパスして貰った。
ボールを手に取った瞬間にわかる試合という雰囲気。
傍から見ても強いとわかる相手に向かっていく快感。
「――久しぶり」
目の前にいたシューティングガードの股を通して右手から左手にボールを移すと、そのままドリブルで抜けていく。
「速い!?」
目の前に現れたセンターを一瞥してから、ジャンプしてゴールに手を伸ばそうとする。
勿論それに気がついたセンターもジャンプして手を伸ばしてくる瞬間、俺はボールを引き戻すとそのままセンターの横を抜けてボールを放る。
ゴール真横からのシュートを見たセンターが驚愕の視線で俺を見てくる。
俺が着地すると同時にゴールをくぐり抜けたボールを見て、俺は笑みを浮かべた。
「スーパーイケメンバスケプレイヤー多々君只今復活!」
同時に速攻を危惧して自軍ゴールに向けて走り出す。
それを見ていたしおりんちゃん、みゆきちちゃん、ゆいにゃん、日向君もゴールに戻り、五人全員で守る体制に入る。
「くっ。完全に防がれてる!」
「こちとらディフェンスだけは練習してきたんだよね」
一瞬の隙をついてボールを奪うと、そのままダッシュで走り始める。
スモールフォワードよりも速く守備を貫いた俺は、3Pライン手前で止まった。
息を大きく吐いてから、気持ちを落ち着けて放つ。
綺麗な弧を描いたボールは、そのままゴールへと入る。
――勘は取り戻してきている。
「さっすがタッ君!」
「オーイエス!」
ハイタッチをしてから下がるが、流石はバスケ部。
俺達なんか比べ物にならないそのセンスで、ゆいにゃん、日向君を抜いてそのままレイアップを決めてしまった。
「多々!」
パスを受けた俺はそのまま前を向くと、ポイントガードをレッグスルーからのドライブで抜き去る。
だがパワーフォワードとセンターの二人が俺の前に立ち、シュートすら打てない状況を作られた。
だけれど別にこれは俺一人で戦ってるわけじゃない。
「――しおりんちゃん!」
俺は何も見ずにボールをセンターの股下からバウンドさせると、そこに移動していたしおりんちゃんが取ってシュートを決めた。
「いつの間に!? と言うか見えなかったはずだろ!?」
「俺としおりんちゃんは強い絆で結ばれてるのさ!」
俺はまたディフェンスに戻り始めた。
今回はスタンスとして、【前半に大量に得点を取って後半は耐え凌ぐ】と言う戦法を取っている。
流石に全てを走り続ける程体力が無いしおりんちゃん、みゆきちちゃん、ゆいにゃんの三人はディフェンスを頑張り、出来れば攻撃に参加する。
そして俺と日向君で攻撃をすると言うスタンスだ。
まぁ飛び出してきたしおりんちゃんが決めてくれちゃったけど。
「――コールドゲームだ」
「茶番だぁぁぁああああああ! 恭介ぇぇぇええええええ!」
「お前ら真面目にやってくれ!」
しおりんちゃんの言葉に俺が反応した瞬間、相手にシュートを決められてしまった。
くっ。俺が油断した隙に決める作戦だったか……!
「お前ら試合するかネタに走るかのどっちかにしてくれよ!」
「僕は影だ」
「ネタと試合を両立するんじゃねぇ!」
今日も今日とて日向君のツッコミは素晴らしいです。
目指せM1グランプリ……はこの世界に存在しないのか。
パスを貰った俺はドリブルをして上がると、ポイントガードが前に立ち塞がった。
俺は右方向に体を向けながら左へとボールを放つ。
それを見たポイントガードがボールを取ろうと手を伸ばした瞬間、俺は左腕でそのボールを取るとポイントガードの股を抜きながら右腕へとボールを放つ。
それはかつて見た青峰のプレー。
ネタ好きな俺が好きになった、最初のプレイヤー。
「俺に勝てるのは俺だけだ」
そしてそのままドリブルで上がって行き、レイアップをしようとすると三人がジャンプして立ちはだかった。
なので俺はシュートを打たずそのまま通り過ぎて行き、ゴールの裏に来た瞬間ふっとボールを投げた。
アピールする分に、これ以上無いプレーだ。
ボールはゴールの裏からゆっくりと上がって落ちていき、ゴールを通り抜けた。
それはつまり入ったと言うことにほかならない。
同時に気づいた観客から凄い歓声が飛んできた。
「すげぇ!? 何だ今の!?」
「ゴールの裏からシュート決めたぜ!? 一体何すればあんなシュート打てるんだよ!」
俺はチームメイトに親指を立てると、同じく親指を立てて返された。
「ちっ! 反撃だ!」
ならもう一つ魅せるプレーをしてやろうかな。
俺はボールを持ってドリブルしているスモールフォワードに向けて走り出すと、レイアップをしようとしていたスモールフォワードの横からボールを弾き飛ばした。
「ゴールの端から端まで一気に走って間に合った!?」
「一体あいつ何者何だ!?」
……ふぅ。疲れた。
正直こんなプレー何度もしてたら体がもたない。
そろそろ影になるとしますかね。
「日向君」
ボールを持った日向君が上がって行き、それを俺は視線で確認すると別の方向へと走り出す。
「――多々!」
日向君が出したパスは俺の所に向かってくる。
そしてそれを止めようとポイントガードの人が近づいてくるのを見て、にやりと笑った。
右掌で触れたそのボールをポイントガードの人の真横でバウンドさせて、そのボールを走ってきた日向君が取ってレイアップで決める。
これが影。パスに特化した幻のシックスマン。
「ドヤァ」
「うわ超うぜぇ」
日向君にうぜぇとか言われたので、次はイグナイトパス廻を思い切り日向君の腹にぶつけようと思います。
「こいつら強いぞ!」
「だがディフェンスは女子だけだ!」
あっという間にディフェンスの隙をついてシュートを決めるバスケ部。
だが観客からはブーイングが起こっていた。
「もっと凄い事してくれよ!」
「死んだ世界戦線チームみたいにもっとカッコいいものみたい!」
ふっふっふっ。これが俺の必殺技、観客を味方につけるだ。
そしてそれを更にあげる方法をする為に、俺がパス出しをする。
そのボールを掴んだまま一回転する。
「――サイクロンパス」
コートの端から端までを横切るかの様に放ったパスを体で止めた日向君は、よろけながらもレイアップを決めた。
「お前わざと当てただろ!」
「え?」
いやいやそんなつもりないって。
さっき超うぜぇとか言われたからちょっと強くして思い切りぶち当ててやろうかなとか思ってないから。
「そういう言いがかり良くないヨ」
だけれど観客には好印象の様だ。
やっぱり目立つことをする方が観客は楽しめるようだ。
「てかあの子達ガルデモのメンバーじゃね?」
「と言うかあのさっきからカッコイイ人って、ガルデモのマネージャーさん!?」
「いいなぁ。あんなカッコイイ人がマネージャーしてくれるなんて」
どうやらガルデモのメンバーと言うことに気がつき、更には俺がそのマネージャーだと言うことにも気がついたらしい。
それを聞きつけた観客も入り始めたようだ。
「くっ。圧倒的アウェーだと!?」
「これが俺達の強さだ!」
俺は向かってきているパワーフォワードの前に立つと、プレッシャーをかける。
俺からだけではない。
観客からのプレッシャーも凄まじい。
「これが、君の強さだと言うのか……」
プレッシャーによってボールを落としたバスケ部を見て、やっぱりと思った。
こいつらは要するにこの学校だけしか戦っていない。
部活の中でしか戦っていない。
つまりアウェーの状況でやったことは一度としてないんだ。
精神的に弱い。
「行くぜ」
予定変更。
この第一クォーターで全てを決める。
日向君にパスを出して再び別の方向に走り出すと、日向君から俺にパスが来る。
それを弾くようにして日向君がシュートを打ちやすい方に向けると、日向君がボールを左手で取る。
しかし予想されていた為に前に現れたセンターがそれを止めようとする。
「だけど、俺がそれを予想していないと思ったのかい?」
左手で取ったままゴールの反対側へと放ったボールを俺が取ってシュートフォームに入る。
それに気がついたセンターが俺の方に向かってきたが、構わず俺はジャンプする。
空中でセンターと接触し押し飛ばされた俺を見て、観客は危ないと叫んだ。
倒れた状態で落ちていく俺を見てそう思ったんだろうけど、まだ甘い。
俺はその状態でボールを放つと、センターは驚愕した表情で見ていた。
「――言っただろ? 俺に勝てるのは俺だけだ」
だって俺、中学の頃クラブチームで全国大会優勝して最優秀選手に選ばれたし。
この世界にそのレベルの奴がいなかったら負けねぇし。
ゴールをくぐり抜けたその瞬間、大歓声が訪れた。
倒れながらもシュートを決めるのは青峰のプレーだけれど、俺はそれでも充分に楽しんでいる。
そしてそれを見た観客も充分に楽しんでいる。
「さぁ、ゲームを続けよう」
某ゲーマーの様に俺はそう宣言した。
SIDE:ゆり
「……なんなのあれ」
[以前聞いたのですが、多々さんは中学校の頃クラブチームのバスケットボールをしていたそうです。そしてレギュラーかつエースで、全国大会の優勝経験と共に最優秀選手になったと語っていました]
インカムから聞こえた遊佐さんの声に、私はそんなアホなと呟いた。
本当に多々君は性格以外は完璧超人ね。性格以外は。
[大事なことだから二回――]
「それ以上は言わなくていいわ。と言うか貴方も中々多々君に汚染されているわね」
[そんなことはありません。一億と二千年前からありません]
どうやら私の知っている遊佐さんは世界の果てに消えていってしまったらしい。
残念なことだ。
取り敢えず試合を確認するけれど、あれはもうダメね。完全に心を折りに行ってるわ。
「それにしてもよくあんな動きできるわね。今度実戦部隊に入れてみようかしら?」
[彼自身では、お肌が荒れるからお外は嫌いと言っていました]
「――ギルドにでも落とそうかしら?」
トラップを解いてなくても彼なら生き残れる気がしてきた。
と言うかお肌が荒れるからって何よ! 女子か!
「ともかくここで邪魔する人達はいなそうね」
[ですがNPCからの人気は凄まじいようです。傍から見ればイケメン、天才、運動神経抜群と三拍子揃ってますので]
「そこに性格が加わると壊滅的に悪くなって地に落ちるのよね」
[その通りです。わかります]
どうしてあんなに残念な子なのかしら?
……残念じゃなかったらここにいないのかもしれないわね。
[ですが多々さんは、高校に入った時にはバスケは出来なくなっていたと言っていました]
「そこは触れないであげて」
恐らく何かが起きたのだろう。
だとすれば彼は彼女も姉も、大好きだったバスケも全て奪われたってことなのだろうか?
本当にそうなら、どうしてあんなに笑っていられるんだろう?
[今度ひさ子さんのFカップを揉みに行かないかと誘われたのですが]
「却下よ。……面白そうだからありか?」
恐らくボコボコに殴られるであろう多々君を想像して、日頃の罰にはちょうどいいかと思った。
戦線のメンバーを次々と汚染していく塊の様な人物ですし。おすし。
「はっ!」
今私は何で最後におすしをつけたのかしら?
もしかしてあたしも既に多々君に汚染されていると言うの!?
だとしたらすぐに脱出しないとッ。
「って私はエヴァか!」
[唐突なノリツッコミお疲れ様です]
どうやらこの戦線にまともな奴はドンドン消えていくらしい。
多々君には徹底したお仕置きをしてやらねば。生レバ。
「コールドゲームだ」
「茶番だぁぁぁああああああ! 恭介ぇぇぇええええええ!」
Keyネタの中でもリトバスネタが多いと思う今日この頃です。
僕は影だ
やっぱり黒バスは最高。
俺に勝てるのは俺だけだ
ちなみに性格ではほぼ全員に負けています。残念でした!
さぁゲームを続けよう
ノゲノラの最新刊まだかなぁ……。
最近説明するネタが少ないなぁと思った方も多いかもしれません。
ちょっとネタ探しの旅に出かけようか迷っています。
次回予告
「スーパーイケメンバスケプレイヤー多々君只今復活!」
「俺としおりんちゃんは強い絆で結ばれてるのさ!」
「茶番だぁぁぁああああああ! 恭介ぇぇぇええええええ!」
「お前ら試合するかネタに走るかのどっちかにしてくれよ!」
「俺に勝てるのは俺だけだ」
「お前わざと当てただろ!」
「それ以上は言わなくていいわ。と言うか貴方も中々多々君に汚染されているわね」
「――言っただろ? 俺に勝てるのは俺だけだ」
第11話《Let's Play Basketball》