機動戦記ガンダム・ナガレボシ   作:アルファるふぁ/保利滝良

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こんにちは
ポケ戦で泣いたアルファるふぁです
今年のクリスマスにはザクⅡ改のプラモ買います

今回も引き続き戦闘回です



血戦は大地にて

 

マシンガンの弾がモビルスーツに良く似たモノに襲い掛かる

だが、ナガレボシは地を蹴って跳躍した

さっきまでナガレボシがいた地点に、マシンガンが着弾する

飛び上がった白い異形は、左足を曲げた

落下地点は、ジムⅡの真上

「でぇりゃあッ!」

ネクストの掛け声と共に、ナガレボシの足裏が連邦のモビルスーツに向かって降ってきた

「わわ、うわぁっ!?」

パイロットが慌ててシールドをマウントした左腕を掲げた

飛び蹴りはジムⅡの頑丈なシールドを揺らがし、蹴りの勢いでジムは真後ろに倒れた

砂埃が舞う

そのままナガレボシはジムの上に馬乗りになる

「ああああああああ!」

クラウン隊のパイロットが半狂乱になりながらトリガーを引く

頭部バルカンが火を吹くが、ロクに狙いも定められていない射撃が当たるはずもない

明後日の方向へ飛ぶ弾を無視し、ナガレボシは拳を降り下ろした

辺りをつんざく音が鳴り、モビルスーツの胸部が歪む

殴られてバウンドするジムⅡ

ナガレボシは、今度は思い切り拳を叩き込んだ

ジムⅡの頭は特徴的なゴーグルカメラと共に、グシャグシャに砕ける

「二つ!」

ナガレボシは六本の指で歪んだ握り拳を作り、残りの敵に見せ付けるように突き出した

「まだまだぁ!」

 

 

 

 

 

 

 

何てことだ

ジオン残党はあんな化物を持っていたのか

ケイロンの表情が恐怖に歪んだ

「クソ、なんだコイツ」

いくら戦闘経験の皆無なボンボンの駆る雑魚機体と言えど、モビルスーツを素手で殴り壊したりブッ飛ばしたりできるなんて、最早怪物以外に言いようがない

アナハイムのゲテモノ機体でも、もう少し自重した性能のハズだ

「マジでなんなんだよ!」

ケイロンは心からの叫びと同時にバズーカを向けた

恐るべきことにあの化物、モビルスーツの持つ90㎜マシンガンでは目立った傷を付けられない

なので頼みの綱はケイロンの機体の持つバズーカだ

ビームサーベルで近付けば殴り殺されるのは目に見えているので、遠くからバズーカで倒すしかないのだ

バズーカのロックオンを終えたときには、連れてきた最後のクラウン隊機が乱暴な片足蹴りでしばかれていた

「ぎゃああああっ!」

とても政府高官やらの御子息とは思えない声を挙げながら、ジムⅡとそのパイロットは蹴っ飛ばされた

だがヤツが尊い犠牲となったことで、ケイロンがロックオンする時間は充分稼げた

そしてケイロンは、ジム改のトリガーを、押した

高速で移動する巨大弾頭

噴煙を引きながら飛んでいくそれは、あっさりと避けられた

「ふざけやがって・・・」

 

 

 

 

 

 

 

「うおおおおお!」

ナガレボシの左ストレートが敵モビルスーツに叩き込まれる

だが、ジム改のパイロットはシールドでそのパンチを防いだ

強烈な衝撃を受け止め、ジムはビームサーベルを振りかぶる

ピンクの光の剣は、その目映い切っ先でナガレボシの表面を深々と抉った

「ぬわぁッ!?」

斬られた脇腹を抑え、ナガレボシが後ろへ跳んだ

だが着地の瞬間、バズーカの弾が迫る

「お、おおおおおおあッ!!!!!!!」

上体を大きく逸らしてバズーカを避ける

更に撃たれたバズーカも、同じ要領で避けた

すると、背中にマシンガンが何発も当たる

振り向くと、大きくへこんだシールドを持ったジムⅡがいた

最初に吹っ飛ばした敵だ、機体もパイロットもまだ動けるらしい

「このままじゃあ・・・」

見れば、敵モビルスーツは一機も沈黙していない

全て生きている

敵はシールドでこちらの攻撃を防げるが、こちらにはそんなものはない

マシンガンやバルカンは怖くないが、バズーカとビームサーベルはダメージを受けてしまう

しかし、徒手空拳ではシールドを抜くことはできない

そして、徒手空拳では与えられるダメージに限りがある

「なにか、なにか武器はねえのか!?」

全天周囲モニターでナガレボシの全身をくまなく見回すが、それらしきものはない

だが、視線を巡らす中、ネクストは自分の腕輪にボタンのような突起があることに気が付いた

「クッソ、頼むぞ!」

左手を伸ばし、右手の輪っかの突起を強く押す

これで何もないなら、一巻の終わりだ

「何か出ろッ!」

 

 

 

 

 

ネクストの声に応えるように、ナガレボシが腿の裏から一本の短い棒を引き抜いた

 

 

 

 

 

ナガレボシが棒を一振りすると、棒の先端から白い光が伸びた

それは、真っ白いビームサーベルだった

「そんなこけおどしでぇ!」

ジムⅡがシールドを前に突き出して突撃してくる

スラスターを使って高速で突貫してくるつもりだ

「お、りゃああああああああ!!!!」

だがナガレボシは、真上に上げた腕を全力で降り下ろした

ジムⅡのシールドは、一瞬にして引き裂かれる

そう、シールドを持っていた腕ごと

シールドを失ったモビルスーツに、ナガレボシがもう一度サーベルを振るう

ジムⅡはサーベルを持った右腕も切り落とされた

「な、にいいいい!?」

「りゃああああああああ!!!」

「ごあっ!」

両手を失ったジムⅡの胸部に、ナガレボシの蹴りが炸裂する

ジムは真後ろに飛び、背中から着地した

頭部を砕かれたジムⅡがマシンガンを撃つが、避けられた揚げ句に両手と頭を切り落とされる

「貴様ああああ!!」

最後のクラウン隊機がビームサーベルを持って接近する

横凪ぎに迫るビームの刃を垂直跳びで回避し、そのまま空中から剣を振る

モビルスーツの首がすっ飛ぶ

「大人しく、してろ!」

ジムⅡの背後に着地したナガレボシは、あっという間に敵の両手を落とす

だめ押しに背中を蹴られたジムⅡは、あっさりと倒れた

その背後に、ジム改がビームサーベルを振り下ろす

「うわあ!」

振り向いたネクストは、横っ飛びに回避する

だが、ジム改はスラスターでナガレボシに肉薄してきた

「墜ちろ!」

連続で装甲を浅く斬ってくるビームサーベル

ネクストは戦闘のアマチュアだ

こんなに近付かれては、何度も避けられない

いずれはスタミナ切れで止まった所に、致命的な切り傷を付けられてしまうだろう

「チクショウ・・・やられてたまるか」

ネクストは拳を握った

負けたくなかった

死にたくなかった

戦闘になる以上、戦死する可能性などごまんとある

覚悟しなかった訳ではない

だがそれでも、ネクストは死にたくなかった

「終わりだ!」

大振りの一撃

だが、ナガレボシはビームサーベルでそれを受け止めた

二つのサーベルの接触点から、火花と膨大な光が溢れる

「何っ」

ケイロンの顔が、またもや青ざめた

「まだ、死にたく、ね、え、ん、だ、よおおおおおおおおおおおおおおおおオオオオオオオオオオオオッッッッ!!!!!!!!!!」

白い閃光の剣が、ピンクの閃光の剣ごと、敵を引き裂いた

ジム改のゴーグルアイが横一文字に真っ二つとなる

ナガレボシは左手にもサーベルを持った

二本の剣が、最後の敵の両手を溶断した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「撤退だ、撤退だぁ!!」

ナガレボシに背を向け、無様な姿のジム部隊がスラスターを吹かして逃げていく

その後ろ姿と巻き上げられた砂と土を見送りながら、ネクストは息を吐いた

ポケットに突っ込んでおいた通信機を引っ張りだし、耳にあてる

「あー、こちらネクスト・ブレイク」

「何も言うな、全部見てたぞ」

「そうか」

それだけのやり取りをした後、ウォルターは一言言った

「よくやった、ヒーロー」

「へっ・・・へへへ・・・」

通信が切られた後、ネクストはコクピットでにやけた

胸の中は、誇らしいものでいっぱいだった

「・・・筋肉痛になりそう・・・」





如何でしょうか、機動戦記ガンダム・ナガレボシ最初の戦闘
凄まじいワンサイドゲームになってしまった気もしますが、満足いただけたら幸いです

さて、このナガレボシ君、まだ見せてない機能や武器がごろごろございます
アルファるふぁ名物、戦闘力チート主人公ですね
これからのナガレボシの活躍をお見逃しなく!

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