機動戦記ガンダム・ナガレボシ   作:アルファるふぁ/保利滝良

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こんにちは
Ζ系列ではスペリオル、それもディープストライカーが好きなアルファるふぁです
ガンダムにハマったきっかけもディープストライカーに出会ったから

今回はアイアンフィストパイロット組の紅一点、アウラちゃんの過去回想となります



アウラ・ドレインバーグスの記憶

 

私はアウラ・ドレインバーグス

宇宙世紀0074生まれ、コロニーの生まれ

私の生まれ故郷はもうない

コロニー落としに使われた、サイド2のアイランド・イフィッシュなのだから

 

 

 

 

私が物心ついた頃、両親とサイド3へ引っ越した

両親は、ジオンに賛同し、ジオン本国のあるサイド3へ移住した

その一月後、アイランド・イフィッシュに毒ガスが注ぎ込まれ、それはコロニー落としに使われた

引っ越し前の土地が地球に落ちた所を見て私の親が何を思ったかは知らない

その時私は、幼かったから

私自身、生まれ故郷が消えたことにはなんの感慨もない

その時私は、幼かったから

 

 

 

月日が流れ、ジオンの地球降下作戦が始まる

どんな手を使ったかは知らないけれど、その時両親はジオン軍の高官の地位を持っていた

平時なら税金泥棒のようになれていたその職だが、今回はそれが仇となる

両親は、地球降下作戦に指揮官補佐のようなポジションで参加することになってしまう

理由はわからない

両親が仕事熱心だったためか、他の官僚に押し付けられたか、同僚に引きずられたか、もしくは役立たずの始末の代わりか

理由などわからない

だが、両親は地球降下の際に私を連れていったのは確かだ

地球は私の育ち故郷となった

 

 

 

 

知ってのとおり、ジオンは地球占領に失敗、拠点オデッサを失い連邦に追い回される

連邦の攻撃で親と離れ離れになった私は、ジオン残党の一部隊に拾われた

彼女は私を、子供として扱わなかった

モビルスーツの操縦法を教え込まれ、兵士として幾つかのテロに参加させられた

生きるために、私はそれに従った

だがそのテロリストとしての生活は長く続かなかった

私のいた残党の仲間の一人が、連邦に内通していた

大部隊の待ち伏せにあい仲間は全滅

裏切り者も逃げ出す前に粛清された

乗っていた機体はボロボロ

止せばいいのに、何故か私はモビルスーツに乗ったまま逃げ出した

生身のまま逃げていれば、スムーズに逃走できただろうに

 

 

 

 

ほうほうの体で逃げ続けた私は、砂漠の一集落と出会う

乗っていたモビルスーツが限界を迎え、転倒

這いずり出た私を、現地の女性が心配して駆け寄ってきた

私はその人を、ピストルで撃ってしまった

撃たれた本人の弁明により、私はその集落に拾われた

しかし、ここもまた消えるのだと私は思っていた

私のいた場所は、みんな消えてしまったから

その時の私は、動かないモビルスーツの隣で座り込むことが常だった

そうするしかなかった

現地の女性を撃った私はノケモノにされて当たり前だった

うざったい男がいつも声をかけてくるが相手にはしなかった

彼は元ジオン軍人だったからだ

私を戦乱に巻き込んだ奴らを、私は許せない

 

 

 

 

集落に拾われて少ししたある日

私は例のうざったい男に引きずられて妙な場所に連れてこられた

ベッドの上に、苦しむ妊婦

その妊婦は私が撃った彼女だった

手伝えと言われた私は、訳もわからぬままがむしゃらに働いた

取り上げて抱えた赤ん坊

わんわんと泣くその子を見て、私は目が覚めた

私のいた場所は全部消えた

だから、私は、守らなければならない

私が守れば、私の居場所は消えない

だから、私はこの場所のために戦う

そのことを、彼女の子を抱いたまま彼女に伝えた

すると彼女はこう言った

じゃあ、私の赤ちゃんも守ってくれるのね

ありがとう、と

 

 

 

 

 

私は戦う

私の居場所を守るため

私は戦う

それが、私にできる全てなのだから

 

 


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