機動戦記ガンダム・ナガレボシ   作:アルファるふぁ/保利滝良

36 / 57

こんにちは
水陸両用モビルスーツではズゴックEが好きなアルファるふぁです
ゲームではお世話になったよ

今回は戦闘です
ネクスト達の奮闘をご覧あれ



オアシスの惨戦

 

丸い頭のアッガイ、卵のようなフォルムのゴッグ、頭に穴のあるズゴック、両手がキャノンになっているジュアッグ、両手にヒートロッドのおるアッグガイ、シャープな体型のズゴックE、肩と腕が長いハイゴッグ、球体体型のカプール

それら水陸両用モビルスーツは、全て両肩が黒かった

肩がない機体は、腕の付け根が黒塗りにされている

それは、敵の識別だ

グレックリーは最初、敵を見付けられなかった

オアシスの水中に潜んでいたとは、よもや思わなかったからだ

「ぬぐぉッ!?」

アッガイの放ったバルカンを喰らい、ドムトローペンが大きくよろめく

パイロットの悲鳴が、ノイズ混じりに響いた

「レイゼン!大丈夫か!?」

レイゼンのドムは、グレックリーのグフを庇うために前に出た

目論見は叶い、彼は仲間の代わりに弾を受けた

「ぐ、ぅうううう・・・」

「・・・こなくそぉあッ!」

唸るレイゼン

ネクストは怒号を発しながら、ナガレボシの視線を前に向けた

両手を突き出し開く

ナガレボシの両手の平から、いくつもの光が瞬いた

「一機だけか!」

上半身を貫かれて崩れ落ちるズゴック

他の機体は散り散りに回避し、ビームガンを避けた

「しっかりしろレイゼン!クソッ!」

バズーカを二、三度撃つグフカスタム

しかし一発も直撃しない

グレックリーは仲間に声をかける

しかし反応は返ってこない

地上を走り回りながら攻撃を避ける水陸両用機たち

唐突にジュアッグが、立ち止まった

両手を前に向ける

三本のキャノンが付いた、その腕を

砲撃三つ、左も同様

「ぐっ、ぐぉ、ぐぅっ!」

とっさに左腕を前に突き出さなければ、シールドで防御していなければ、グフカスタムは今頃粉々だろう

飛び込んできた砲弾はグフのシールドを叩き、外れた数発が地面に穴を開けた

「グレックリー!?うわぁっ!」

ナガレボシが攻撃を止めて振り向く

その一瞬に、ズゴックEからのミサイル攻撃

ダウンした異形の機体へ、ビームによる袋叩きが飛んだ

「わぁああああああッ!!??」

次々と襲いかかる光線

ナガレボシは転がってそれをかわした

幾本ものビームが、その装甲をかすめた

「コイツで・・・」

グフがアサルトコンボの構えをとった

空になるまで撃ち尽くされたバズーカが、敵部隊に襲いかかる

いくつもの弾を恐れ、水陸両用機は散開した

その中の一機ハイゴッグへ、細いワイヤが伸びる

バズーカに注目していたハイゴッグは、あっさりとそのヒートロッドに触れた

強烈な電圧に、内部機器が落ちる

外側から見れば、ハイゴッグが唐突に動きを止めたように見えただろう

「決まりだッ!」

ヒートソードが振り下ろされた

真っ二つとなる、ハイゴッグ

「ついでに!」

近くにいたゴッグへと、返す刃でヒートソードを振る

だがゴッグの堅牢な装甲は、ヒートソードの一撃では破れなかった

刃が跳ね返される

「嘘だろ!?」

驚愕するグレックリー

その背中へ、先程の意趣返しのように、ヒートロッドが叩き込まれた

「がぁ!?」

アッグガイである

両手のヒートロッドでグフカスタムを打ち据え、高圧電流で内部機器をショートさせたのだ

膝から倒れ込むグフ

「グレックリー!」

ネクストの叫びも虚しく響いた

グフカスタムは、ヒートソードを弾いたゴッグに、頭を踏まれていた

屈辱を与えるようにグリグリと踏みつけられる

「てめっ・・・」

「ね、ネクスト・・・増援だ!」

怒ったネクストを抑えるように、レイゼンが声を張る

当のネクストがそれに気付いた瞬間に、それはやって来た

「あれは・・・モビルアーマーか!」

まずオアシスから、水を割って現れる巨大な影

 

【挿絵表示】

 

続いて地平線より、ホバー移動で迫り来る高速の何か

 

【挿絵表示】

 

「ネクスト、伏せろ!」

言うが早いか、ドムトローペンは横へ飛んだ

スラスターが火を吹き、本体の体を飛ばす

言われた通りに身を屈めたナガレボシの頭上を、何本ものビームが越えていった

水中から現れたずんぐりとした敵が、機体の各所からビームを放ったのだ

四方八方に光線が飛ぶ

「ええい、アサルトコンボを・・・!」

ホバー移動で滑るように動きながら、ドムトローペンは武器を構えた

バズーカが、マシンガンが、シュツルムファウストが、次々と弾を吐き出す

アッグガイがマシンガンで蜂の巣になった

アッガイがバズーカで粉々になった

ジュアッグがシュツルムファウストで燃え上がった

ドムトローペンの攻撃でいくつかの水陸両用機が倒れる

だが、水中からの巨大な敵は、いくつもの実弾を受けても、まるで動じなかった

マシンガンの弾を弾き、バズーカの爆炎を無視し、シュツルムファウストも多少震えただけ

「なんて装甲だ!」

お返しとばかりに撃たれた連装ビーム砲をスラスターで避けながら、レイゼンは目を見張る

「のぁッ!?」

背後から衝撃

もう一体のモビルアーマーが、ガトリングによる攻撃をしてきたのだ

本体横のアームと一体化したガトリングから無数の弾丸が吐き出され、ドムの装甲を抉り抜く

背部にはいくつもの穴が空いた

うつ伏せに崩れ落ちる、ドムトローペン

「レイゼン!」

駆け寄ろうとしたナガレボシに、横から何者かが激突してきた

カプールである

巨大な質量弾となった敵モビルスーツが、ただの突進にてナガレボシのバランスを崩す

無様に倒れる異形の機体

「このヤロッ!」

寝転がりながら丸い敵機を蹴り飛ばし、起き上がって全速で走る

「レイゼン!グレックリー!返事しろ!」

味方は二人ともやられ、最早自分一人

ネクストが叫びながらグフとドムへ駆け寄る間に、モビルスーツとモビルアーマーが接近してきていた

包囲される、トリコロールのモビルスーツモドキ

だが、敵は決してナガレボシに近付こうとしはしなかった

「おい、しっかりしろ!おいッ!」

ナガレボシを恐れたのではない

ただ、味方のかけた罠に嵌まりたくないだけだ

ナガレボシが踏み出した一歩が、トリガーだった

「・・・ッ!?」

何かのワイヤを踏んだ

その瞬間、プロペラの付いた何かが飛んだ

ナガレボシのすぐ近くを飛び回り、それは浮かんでいた

「がぁあああああーッ!!」

そして、周囲に強烈な電気を浴びせた

派手に転ぶナガレボシ

ネクストは見た、タジン鍋のような形の、空飛ぶ円盤を

四本足の付いたそれは、ジオンのモビルアーマー、アッザムであったが、ネクストには知るよしもなかった

そのときにはもう、意識が殆どなかった

内部機器が死んで動かない、グフカスタム

穴だらけになって動かない、ドムトローペン

ならばナガレボシは、パイロットが電気で蒸し焼きにされるのだろう

アッザムリーダーは、いまだに電流を流し続けている

「くそ・・・」

薄れていく意識

身体中を走り抜ける痛み

それすらも認識できなくなっていく

「くそったれ・・・」

伸ばした手は、どこへ向けたのか

ネクスト・ブレイクの思考は、そこで途切れた

倒れたアイアンフィストのモビルスーツを、ツバイノワールの機体群が取り囲んでいた

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。