こんにちは
ドムの中ではシャア専用リックドムが好きなアルファるふぁです
え?聞いたことない?小説版というものがあってだね・・・
今回はアイアンフィストの用心棒兼機械修理係、レイゼンの過去回想です
ウォルターの腰巾着なだけじゃないんだぜ
俺の名はレイゼン・ハウゼン
元ジオン公国の曹長で、今はアイアンフィストで精密機械関係のことをしている
まあ、今はモビルスーツで戦うことが多いが
宇宙世紀0064、スペースノイドの息子として生まれた
物心ついた時にはジオン・ズム・ダイクンが死んでいた
少しも驚かなかった
当時の俺にとっては、顔も名も知らぬ男が倒れたことで、シングルマザーの母が泣き崩れたことが問題だった
ジオンの中でダイクン派が追放されるうち、熱心なダイクン支持者の母は少しずつ弾圧を受けていった
やがて、母は周囲からの社会的な攻撃と、ザビ家がのさばる祖国への悲観によって、自殺をした
残された俺は、母と別れたはずの父に引き取られた
そこで俺は、俺を生んだ両親が別れた理由を知った
父親は、俺にザビ家のために戦えと言ってきた
父の言いつけどおり、俺はジオン公国軍に入ることにした
そうでもしないと勘当されてしまいかねないからだ
その頃には一年戦争は既に始まっていて、テレビ中継でコロニー落としを見ることができた
その戦場には、俺はいなかったが、父がやけに嬉しそうだったのを覚えている
もしかすると、一歩間違えたら落とされたのは俺の故郷のコロニーなのかもしれないと思うと、少しも笑えなかった
そういえば、俺たちの仲間はどこから落とすコロニーを用意したのだろうか
どうやって落とすコロニーを用意したのだろうか
そう考えると、自然に軍への入隊を辞めたくなった
入隊拒否をできるはずもなく、俺は訓練を受けた
だが中途半端なものだった
基礎を軽く覚えておしまい
どう見ても手抜きとしか思えない
いや、むしろこれが精一杯なのだろうか
そのときにはジオンは負けそうで、戦えるパイロットがおらず、どうしようもなかったのだろう
学徒動員
青二才という言葉でも足りないほど未熟な訓練生たちは、ろくな訓練も受けられず戦場に放り出されることになった
だが俺は生き残った
地獄のア・バオア・クーを生き残った
必死に逃げた
逃げて逃げて逃げまくった
幸いリックドムは頑丈で、流れ弾がかすったくらいでは撃墜しなかった
そして戦闘が終わった頃に、必死に後退したフリをして他の部隊と合流した
これで、本国に帰れると思った
その一年後、俺は地球にいた
なにがなんだかわからない
ガキだったからか、周りの軍人共の話についていけず、気が付いたら地球へ降りて、テロの片棒を担がされようとしていた
冗談じゃない
戦争が終わったのにまだ殺し合いをするつもりか
そんなのは御免だ
あのア・バオア・クーで充分満足だ
俺は逃げることにした
そして一人の男に協力を仰いだ
同じ残党部隊に世話になっていた、元ジオン軍大尉ウォルター・コバックという男だった
ウォルター大尉と共に残党の下から出奔した俺は、少しの間彼と地球を巡った
道中でグレックリーと出会い、そして運命の地へたどり着いた
あとは、今に至ると言っておこう
だが今は、ア・バオア・クーで戦った連邦どころか、元々仲間だったはずのジオン残党とすら戦う羽目になった
後悔はない
世界から戦争は無くならない
だが、俺の目の前から戦争は無くなるかもしれはい
その日まで、精々足掻いてやる
争いの日々と、戦ってやる
親の自殺とも、狂った指導者とも、血塗れの軍人とも関わらない日々が来るまで
足掻いてやる