機動戦記ガンダム・ナガレボシ   作:アルファるふぁ/保利滝良

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こんにちは
女性パイロットって美人が多いなぁと思うアルファるふぁです
一番好みはやはりマリーダさん(ry

今回も戦闘!アイアンフィスト危うし



スーパーエネミー

 

それは上空から現れた

空から来たということは、ガウから出撃したということだ

それはモビルスーツであった

低い頭身と曲線のライン、大きな肩部

それは、ネオジオンの機体だった

両手にビームライフルを握り、肩を黒く塗りつぶしたその機体は、かつてのネオジオンが使っていたズサだ

落下してきたズサは、身体各所のハッチを開いた

中には、これでもかというくらいのミサイル

ギチギチに詰め込まれた、無数のミサイルだ

もちろん、発射された

 

 

 

 

迫り来る無数の弾頭

ミサイルでできた壁を目前に、アウラは一瞬狼狽えただけだった

マシンガンの両手持ちで、とにかくミサイルを撃ち落とす

連射されたモビルスーツ用の弾は、ミサイルを貫き、易々と破壊していく

ミサイルの弾幕を、マシンガンの弾幕をぶつけて相殺する

爆発の光が連続して巻き起こり、辺りを照らした

撃ち漏らしのミサイルが脇をすり抜ける

なんとか直撃は免れた

だが、敵は撃破できていない

「このっ!」

マシンガンの銃口をズサに向ける

緑に塗られたズサは、やはり両肩が黒かった

いくつもの弾がまっすぐズサに向かう

しかし敵は、ブースターを用いて連射を避けた

噴射炎の軌跡が弧を描いている

「くっ・・・」

片方のマシンガンが弾切れを起こす

左手に持った武器を放り捨て、アウラのザクはヒートホークを取った

敵はゆらゆらと舞うように動いている

右に行くと思ったら左へ、左に行くと思ったら右へ

厳かな舞踊のような動作は、相手に動きを読ませない

アウラも、それに翻弄される

幾度もマシンガンを撃つも、その弾丸が敵を貫くことはない

痺れを切らしてヒートホークで斬りかかるも、すんでのところでひらりとかわされる

そして無闇に接近したのは不味かった

「しまっ・・・」

ほんの少しだけザクから離れたズサは、左手のビームライフルを放つ

その光線はザクマシンガンを貫通した

「あぁっ!」

ザクマシンガンは赤く溶け、膨張してから爆発した

破片が持ち主を叩く

溶けた一部が装甲にへばり付く

アウラは武器をやられて一瞬怯んだ

だが、ズサはそこへ攻撃をしなかった

「アウラぁああああああ!!」

遥か向こうからとんでもない勢いで激走してくる、トリコロールの何かがいたからだ

それはビームを両手から乱れ撃っていた

ビームに当たってはたまらないと、ズサはスラスターで高速移動した

ナガレボシが、ズサとザクの間に入る位置に止まった

「無事か!」

「ネクスト・・・助かった!」

「あぁ、それより・・・ぐわぁ!」

ナガレボシの前方から、いくつものミサイルが飛び込んできた

それは一つ残らずモビルスーツモドキに突き刺さり、爆発した

通信機でアウラに話しかけたネクストが悲鳴をあげ、ナガレボシが真後ろへ吹っ飛び、仰向けに倒れた

「抵抗は無駄だ、大人しく投降してほしい」

オープンチャンネルで、女性の声が通信機から流れてくる

ただならぬ雰囲気だ

「貴様は・・・?」

「マーヴェル・クミクス、ツバイノワールの頭目だ・・・アイアンフィストのパイロット、大人しく投降し、我々に協力してほしい・・・」

ザクは残ったヒートホークを両手に一本ずつ握り締めた

通信機越しにアウラが吠える

「お断りっ!」

大きく振り上げられるヒートホーク

炎を吐くスラスター

ザクが猛突進し、ズサに斬りかかる

「無駄だよ」

だがマーヴェルのズサは、ひらりと身を翻した

一本目が空を斬る

「こんのぉおおっ!!」

追撃の一振りを叩き込もうと、ザクが腕を曲げたその時

「無駄だと・・・」

ズサがビームライフルを揺らした

その先端には、ヒートナイフ

ズサのビームライフルには、銃剣が取り付けられていた

「言った」

横振りのヒートホークを持った左手が、肘から切れる

一回転を交えた鮮やかな挙動で、ザクはもう一度斬られた

「アウラッ!?」

上半身と下半身が泣き別れになったザクを見て、ネクストが叫んだ

 

 

 

 

 

 

 

「後の敵は向こうか!後詰めは任せる!」

「了解、頼まれた!」

「了解です!」

カーキ色の敵のドムをヒートホークで薙ぎ払い、ウォルターが命じる

二人の仲間は武器を乱れ撃ちながらそれに応答した

再びスラスターを吹かし、ウォルターのザクが推進力を得る

あとの敵はベンとレイゼンでも勝てるだろう

問題は別地点だ

ウォルターは一路、アウラのいる場所へ向かった

 

 

 

 

 

 

ヒートナイフが煌めき、ナガレボシの装甲を焼く

だが内部に突き刺さるには至らない

突き込まれたビームライフルを、ナガレボシは掴んだ

ナガレボシの中のネクストは、目線を横に向けた

上下に別れたものの、ザクの胸部は外傷が確認できない

つまりアウラは生きている可能性があるのだ

ネクストは、ズサとオープンチャンネルによる交信を試みた

「何故こんなことをする!お前らの独善的な行動で、何人死んだと思ってる!」

ネクストの問いに、マーヴェルは自信満々に答えた

「スペースノイドの幸福のため!」

「ぐっ!?」

ズサがもう片方のビームライフルをナガレボシに突き刺す

そちらもやはり、ヒートナイフの銃剣が付いていた

「ジオンの栄光のため!」

ナガレボシはビームライフルを掴む

両者、一歩も退かない組み合いになった

「そのために私は戦っている!」

ヒートナイフが赤く輝く

じわじわと、ナガレボシの白い表面が焼かれて溶けていく

「ほかの人間の言い分も聞かず、自分の意見が正しいと思っているのか!」

「スペースノイドに様々な迫害をもたらす地球連邦を叩き潰すのだ!これ以上の正義は・・・ないッ!」

「テメエの正義に付き合えるかぁーッ!!」

ナガレボシがビームライフルを強く握る

そして、そのままビームライフルをズサにゆっくり押し返した

銃剣も装甲から引き抜ける

パワーなら、ナガレボシに軍配が上がるのだ

「私だけの正義ではない」

だがマーヴェルは、引き金を引いた

「ジオンの正義だ!」

二つのビームがナガレボシの両腕を貫く

武器を掴んで押し返したばかりに、ナガレボシは回避運動ができなかった

そこへ、ズサが脚部に内蔵されていたミサイルを一気に放った

ナガレボシの全身にミサイルが当たる

「がぁぁああああああ!!??」

地に膝を突くナガレボシ

その装甲は、ボロボロになっていた

「まだやられないか、しぶとい」

マーヴェルのズサが、右手ビームライフルの先端をナガレボシの胸部に向けた

「だが、これで終わりだ」

引き金が、引かれる

その寸前、ズサの黒い右肩へザククラッカーが飛び込んだ

全身にミサイルランチャーを付けたズサの右肩には、まだミサイルが残っていた

「なっ!?」

クラッカーの爆発にミサイルが誘爆し、ズサの肩が破裂した

「お前は!」

クラッカーの飛んできた方向へモノアイを向けたマーヴェルは、橙色の旧ザクを見る

それは、アイアンフィストの用心棒、ウォルター・コバックのザクだった

 


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