絶対可憐チルドレン-転生者の人生-   作:雅蓮

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第06話 海水浴で

訓練が始まり早1年・・・。

 

僕と薫の超度は順調に上がりLV6並になっている。

 

薫はいまだに細かい制御に苦労しているようだ。

 

変わったのは僕たちだけではなかった、僕たちを見る大人たちの態度が変わってきた。

 

凶暴な野犬を見るような態度が目立つようになってきた。

 

超度が上がるたびにその傾向は顕著になっていく。

 

変わらずに接してくれのは局長と高超度のエスパー位だ・・・。

 

身近な変化では、僕たちの超度が4を超えたあたりで教育係が交代になり今は超度6の桐子さんが教えてくれる。

 

空を飛ぶのは楽しい。

 

年齢や不安定さも考え桐子さんの同伴なしで屋外を飛行することは禁止されているが。

 

そして一番の変化は、リミッターと一部施設の入場が制限され始めたことだ。

 

安全性の都合から、高超度エスパーの入場を制限する施設がある。

 

そしてリミッターで下げれらる超度は1か2程度、

 

ぎりぎり超度6にとどまっている僕らではリミッターがあっても自身を持ち上げることすら可能だ。

 

そのせいもあってスポーツ観戦や遊園地すら入場を制限される。

 

僕はともかく薫はまだ遊園地に行ったことがない。

 

(少しかわいそうだな・・・。)

 

そしてタイミングが悪いことに、姉が友人と遊園地に行くことになった。

 

「私もねーちゃんと行きたい!」

 

目に大粒の涙をためながら

 

「なんでかーちゃんと、にーちゃんと一緒にるすばんなの!?」

 

僕の手を握りながら母に抗議する。

 

母と姉は困惑した顔をしていた。

 

「薫しょうがないよねーちゃんはお友達と行くんだから」

 

とりあえず母側に加勢する。

 

「なんでよにーちゃんは行きたくないの?」

 

矛先が僕に変わったようだ・・・。

 

「こんど局長に頼んで海に連れて行ってもらおうよ」

 

薫がちょっと興味を引かれたようだ。

 

「局長も桐子さんもお利口にしていれば連れて行ってくれると思うよ?」

 

「じゃあ我慢する」

 

薫の頭をなでなでする。

 

「お利口 お利口」

 

母と姉も一安心したようだ。

 

母が僕を撫でる

 

「くすぐったいよ かーさん」

 

 

 

 

 

次の日 BABEL 局長室

 

「「局長お願いがあるんですけど」」

 

作り笑顔MAXで局長にお願いする。

 

「「今度のお休み海水浴に連れて行ってください」出来れば無人島に」

 

ちょっとお願いを追加しておいた。

 

「わかった今すぐ手配しようそれも最高の無人島をネ!」

 

「秘書君今すぐに手配だ!!」

 

「わかりました局長」

 

 

 

 

 

1週間後 無人島 

 

一周回るのに大人の足で、ちょうど一日程度の無人島に来た。

 

一応、超能力の演習目的なので午前中は、浜辺で超能力の訓練をする。

 

海水を操作して海上に海水の球を作る、直径は5mほど本気を出せば3倍は堅い。

 

薫も大きさは大差ないが形が歪な球になっている、薫が悪戦苦闘している間、形を次々と変化させる。

 

「薫がんばって!」

 

球状の海水の中に空気を混ぜ風船状にして中を歩く。

 

風船の中を歩く昔からの夢がかなったな風船じゃないが。

 

「す・・・すごいな陽君」

 

桐子さんも驚いているようだ。

 

このまま、空でも飛んでみるか、1メートル大の海水球を衛星の様に本体の周りを回す。

 

周りから見たら空飛ぶ、水の太陽系ってところかな。

 

分模型の様に見えているかもしれない。

 

(もしかして分子単位で物を操作すれば固形物の形状を変化させられるのでは?)

 

そんなこと考えながら訓練していると、お昼過ぎになり昼食ついでに訓練が終わり。

 

午後は保護者監督のもと海水浴タイムに入った。

 

「薫!薫!いいこと思いついたそこで待ってて」

 

薫の周りの海水を持ちあげる。

 

[念動力・空中海水浴]

 

訓練の応用技、空中に作った海水の中を泳ぐ。

 

「局長と桐子さんも一緒にどうですか?」

 

浜辺の二人に声をかける。

 

「私たちもいいのかネ?」

 

大丈夫ですよ、重力も遮断して水圧も一定になる様にしてありますから。

 

「そうだよ局長も、桐子さんも一緒に泳ごうぜ」

 

そういって無理やり、念動力で引き寄せる。

 

水を緩衝剤にするために少し力を強める。

 

「薫、無理やりすぎるよ。」

 

コントロールの粗い薫が引き寄せたため、荷物も同時に海中に沈んでいった・・・。

 

「はぁ・・・仕方ない」

 

[念動力・十戒]

 

荷物が落ちたあたりから自分のいる位置までの海水をどかし地面をあらわにする。

 

モーゼの十戒の様に海が割れる。

 

気泡を作り、海底まで潜る方法にしようかと考えたが、気圧の操作が面倒だ。

 

荷物を持ち上げ浜辺まで飛んでいく、薫は水球で遊んでいるため崩していない。

 

海水浴で、羽目を外していたら、翌日の検査で超度判定が7になってしまった。

 

日本最年少超度7になった、なんてこったい。


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