絶対可憐チルドレン-転生者の人生-   作:雅蓮

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第04話 再検査で

病院での検査から早一週間、精密検査を受けるためにBABELに来ている。

 

どうやら僕たちは、ESPの潜在能力が以上に高いらしい。

 

「かーちゃん、今日はここで何するの?」

 

薫は、ただのお出かけだと思っている。

 

しかし、まさか超能力が普通にあるのか・・・。

 

ということは超能力が使えることを話してもいいのだろうか?

 

母に手を引かれながら、BABELの受付に到着した。

 

「すいません。先日連絡した明石ですけど」

 

どうやら母も少し緊張しているようだ。

 

「ねー、にーちゃん」

 

薫が僕の手を握りながら質問してくる。

 

「どうした薫?」

 

不安そうな薫の顔を見ながら答える。

 

「今から何するの? 痛い事するのかな?」

 

手を握っているだけで薫の不安が伝わってくるようだ。

 

薫の頭を撫でながら「大丈夫だよ」と声をかけていると、スーツを着た女性が話しかけてきた。

 

「大変お待たせしました、検査室の準備ができましたのでついて来てください。」

 

薫と手を繋ぎながらトコトコ歩いていくどうやら薫の緊張はだんだんと強くなっているらしい。

 

(あれ? この感覚も、超能力?)

 

以前読んだ本の内容を思い出す・・・

 

接触した物や人などの情報を読み取る。

 

変化形に透視能力・予知能力・精神感応能力などがある。

 

(接触感応能力かな? まぁ表面的な感覚しか読み取れないしあんまり高LVじゃないかな)

 

そんなことしていると検査室についた。

 

薫が先に受けるのを嫌がったので先に受けることになった。

 

体中に器具を取り付けられる。

 

「この絵は何に見える?」

 

「犬」

 

ビービービー

 

「じゃあこの絵は何に見える?」

 

「花」

 

ビービービー

 

(駄目だブザーが鳴りやまない・・・。)

 

どんな質問の答えに対してもブザーは鳴りやまない。

 

「ハイ! 検査は終わりです薫ちゃんと交代しましょう。」

 

看護婦さんに言われ薫と交代する、終始嫌がっていた薫だがしばらくすると大人しく検査を受け始めた。

 

しかし、薫の番でもブザーが鳴りやむことはなかった。

 

「にーちゃんのときも私のときもビービーってうるさかったね」

 

検査が終わった途端、上機嫌になる上機嫌になる薫。

 

だが確かにビービーうるさかったな。

 

「そうだねビービーうるさかったね」

 

待合室で、待っていると廊下のほうがざわざわしてきた。

 

壁に手を当て外の様子を、探ってみる。

 

 

【L・・・7・・・・と】

 

 

駄目だな断片的にしか読めない・・・。

 

(もっと集中するんだ)

 

 

【それ・・・ほん・・う・ですか】

 

 

さっきよりはマシになったがまだ足りない。

 

さらに意識を集中する。

 

 

【LV7が発見されただとそれも2人兄妹か・・・。】

 

 

どうやらLV7が発見されたらしい。

 

しかし、2人同時で兄妹だと? 偶然か?それとも・・・。

 

「失礼します!」

 

僕の思考を遮るように待合室に白衣を着た女性が入ってくる。

 

壁から手を放し女性のほうを向く。

 

「お子さんたちの検査結果について局長から詳しくお話がありますのでこちらに来てもらってもいいですか?」

 

母手を取られ女性の後についていくと何やら豪華な部屋に通された。

 

未覚醒高超度エスパー用応接室 【めざめ】

 

何やら仰々しい部屋に通された。

 

そこに待って今のは大男だった。

 

内務省特務機関超能力支援研究局 局長 桐壺 帝三

 

いま僕たちがいる建物の中で最も地位の高い男、日本中のエスパーたちをまとめている男。

 

彼の話はまず自己紹介から始まった。

 

地位は言うまでもなく局長、

 

なんでも母の大のファンでセリフはほとんど暗記しているらしい。

 

どうでもいい会話をした後どうやら本題に入るようだ。

 

「どうやらお宅のお子さん達はとても貴重な才能をお持ちのようだ。」

 

雰囲気が変わった、今までの態度が嘘のようだ。

 

「貴重な才能ってESPですか?」

 

「はいそのとおり だがただの超能力者ではない 潜在能力だけでLV7に位置しています。」

 

そんな潜在能力があったのか・・・。

 

まったく気が付かなかった。

 

「LV6程度の潜在能力をもっていた人は今まで沢山いましたがそのうちのただ一人としてLV7には到達していません」

 

熱意が伝わってくる。 彼の人間性が見えてくるようだ。

 

「しかし彼らは、すでにLV7に到達している唯一の存在なのです。」

 

え? 僕そんなに強いの? 部屋の中の物が動かせる程度ですよ?

 

「そんな彼らの才能をこのまま埋もれさせるのは勿体無い」

 

立ち上がり熱弁する。

 

「そこで彼らに、ここBABELでESPの訓練を受けさせてみませんか?」

 

ここまで言うと桐壺局長は席に着き一息ついた。

 

「BABELで訓練を受けさせるのは、この子たちの意思次第ですが仮に受けさせるとして危険はないのでしょうか?」

 

「ここBABELには日本中から優秀な人材がそろっています。」

 

熱心に説明を始めた。 まじめな性格なのか・・・。

 

「そして何より日本中から優秀なエスパーたちがそろっています。同じ能力を持っている仲間同士です心強いと思いますよ。」

 

「少し考えさせてください・・・。」

 

少し疲れた様子で母はいった。

 

「近日中にご連絡ください。どちらにしろエスパーとして登録することになりますので。

 

一先ず、BABELを後にする。

 

帰りの車の中でも母は終始無言だった。

 

「かーちゃんどうしたの?」

 

薫のさびしそうな声だけが車内に響いた。

 

 

 

 




初BABEL登場、この頃のBABELは原作の登場人物がほとんどいないんですね。

原作を読み直して気が付きました。

文字数が短いという指摘が感想で多かったので文字数増やしました。

これ以上、増やそうとすると書き溜めがないので投稿に時間がかかってしまいます。

それでも、さらに文字数を増やしたほうがいいという方は、感想までご連絡ください。


また、感想の返信でも書きましたが

UA数がキリ番になりましたら登場キャラクターのプロフィールや閑話を投稿したいと思います。

こんな話が読んでみたい、などありましたらこちらも感想までよろしくお願いします。

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