宇宙空間
真空 超高温 超低音 宇宙線
あらゆるものが人間の存在を拒んでいる超空間である。
なぜ宇宙空間の話をしたかというと・・・。
ちょっと強化された超能力を確かめようと宇宙空間に降り立ったわけである。
本当のところは、強化される前から地球上では全力を出せていなかった。
瞬間移動しようとすれば、簡単に地球の反対まで移動できた。
念動力で全力を出そうとすれば、莫大な被害が出ると考えられる。
訓練の大半は日々進化する超能力の制御に当てられていた。
なら宇宙に行こうという暴挙である。
一般人なら極々一部のエリートにのみ許された特権であるが。
手加減した状態で日本最強、非公式ながら数々の世界記録をすべてもっている陽にとっても宇宙空間は遠いところであったが、さらに進化した陽の前には宇宙すら身近に感じられた。
もともと宇宙空間における戦闘を想定した、宇宙空間での滞在用の演算は終わっていて今回初の実戦であるが問題なく作用しているようである。
大気圏内で集めた大気を強化された流体操作を用いて液体化し、適宜気体に戻し肺の中に瞬間移動させることで呼吸の問題を解決する。
念動力による力場を万番なくからだの回りに展開させることにより宇宙線など宇宙空間の有害な要素をカットする。
短時間だが無重力空間での人体での影響を考え念動力で擬似的な重力を肉体に与え続ける。
そして、空気による光の屈折を受けず星を見ることになる。
(きれいだ・・・みんなにも見せてやりたいな・・・。)
ふっと息を吐くと、力場を超えた瞬間息は宇宙空間に霧散していく。
(行くか!)
そして、強化された超能力の測定を監視する。
(出力45%空間探査全開!!)
精神を集中し目標を定める。
出力が45%以内で移動できる範囲を探索する。
(!)
目標地点が定まり移動を開始する。
トン
着地しその振動が足に伝わる。
(ここが月か・・・)
コメリカのア○ロ計画以来数十年ぶりに人類が月面に降り立ったことになる。
(まぁ月までは問題ないな・・・。)
実際のところ出力は25%を切っていた。
地球から月まで384400km仮に瞬間移動に1秒かかったとしても光速より2割り増しほど早いことになる。
マッハ換算では凡そマッハ1025882となる。
(ざっとした計算だが自身の出した数値の高さに眩暈がする。)
非公式ながら葵がマッハ7であることを考えるといかに隔絶された数値であるかがわかると思う。
(BABELではマッハ10くらいに手加減しておこう)
そして、久々に登場する金属腕輪を1センチほどの球形に変形させる。
その球体をあらゆる力を持って打ち出す。
数秒後には宇宙の塵になった。
(あー・・・。)