今度こそ目が覚めたようだ、何度かお世話になったBABELの医務室のようだ・・・。
近くの机にある水の入ったビンを取ろうと念動力を使う。
普段ならこの程度のことで念動力は使わないのだが、鮮明に覚えている夢の影響かうっかりしていた。
パリーーン
ビンが砕け散り、中の水が床に落ちる。
制御に失敗したことに驚きつつも流体操作で水をかき集める。
集めた液体の体積がビンを明らかに越えていた。
接触感応で調べると空気中に存在する窒素や酸素が常温常圧で液体化していた。
明らかに今までと同じ感覚で制御を行っていたにもかかわらず出力が上がっている。
(まるで・・・。)
夢のように肉体が再構成されたような。
(いや違うな・・・あれが本当に転生したときと同じ空間なら・・・)
考えていると・・・。
「だいじょうぶですか!」
ビンが割れた音を聞きつけた看護師の少女が部屋に入ってくる。
寝ぼけて手が滑ったと釈明した。
ついでに、今後の予定と現状を看護師に確認することにした。
聞くところによると。
棘は消滅したためそれ以上の調査が出来ず調査は打ち切られた。
その後、眠ってしまった自分の治療に当たったが特に異常がないにもかかわらず3日ほど眠っていたようだ・・・。
この後も、精密検査の連続のようだ・・・。
3日後
検査 検査 検査
検査に丸2日
その後、念には念を入れて1日入院して退院した。
その2日間で下界ではなかなか面白いことがあったようだ。
葵と紫穂が小学校で告白され、嫉妬した薫がデートを付回し局長と共謀し局員まで使いデートの妨害をしていたそうだ。
まぁ、当然のごとくばれていて局長は局員にボコボコにされ、薫は何故か二人との友情を深めたそうだ。
「さて退院しますか」
看護師さんに一声かけると、荷物を集め瞬間移動する。
超能力の制御はばれないように早めに調整しました。
いったんBABELに準備されている陽用武器庫に移動する。
いったん荷物を置くと、BABEL屋上に瞬間移動する。
「良し!行きますか」
念動力で浮かび上がり、まっすぐ上空を目指す。
瞬間移動を取り入れながら、さらに上空へと移動する。
上に上に上に上に上に上に上に上に上に上に上に上に上に上に上に上に上に上に上に上に上に上に上に上に。
上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ上空へ。
まっすぐ、雲を尽きぬける。
人類が生身で到達できる限界点で停止する。
「前に来たときと同じ分だけ瞬間移動したけど、だいぶタイムが縮んでるな・・・」
手元の時計を見ながら確認する。
「次ぎ行ってみるか・・・。」