絶対可憐チルドレン-転生者の人生-   作:雅蓮

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第41話 力を欲する者で

黒いオーラを発しながら、陽に向かって飛翔する大佐。

 

「まさか、操作を上書きされるとは・・・。」

 

上空に退避する陽。

 

無言で追跡する大佐。

 

瞬間移動も使用した超高速移動戦。

 

「超度が上がっているのか? それにあの血管の様なものが気になるな・・・。」

 

氷混じりの水槍を避けながら移動する、避けた水槍を氷結させ再び投げ返す。

 

 

 

氷柱と水槍が互いにぶつかり粉々に砕け、ダムに落ちる。

 

(力が上がっている分制御が甘くなっているな。)

 

しばらく、水槍を投げ続けていたが効果がないと悟ったのか、いったん攻撃を停止する大佐。

 

「コレデハダメダ!」

 

大佐が呟くと、身を覆っていた黒いオーラが増大し大佐を包み込む。

 

「モットダモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットモットッダ!!!!」

 

慟哭するたびにオーラは増大していく。

 

そのたびに発生する衝撃で、大佐の服が破れていく。

 

露出した胸の部分に、機械のような結晶が埋めこかれていた・・・。

 

「接触感応するまでもなくあれが原因か・・・。」

 

胸に埋め込まれた結晶から、黒い煙のようなオーラがあふれ出ていた。

 

「他に方法も思いつかないからあれ(・・)ぶっ壊すか」

 

そういいながら、ESPリミッターの一つを解除する。

 

[火炎操作&武装召喚贄殿遮那(にえとののしゃな)

 

炎を纏う日本刀を召喚する。 

 

黒いオーラに対抗するかの様に、辺りの水分を凍りつかせ、同時に炎は熱量を増していく。

 

大佐の腕を伝わり黒いオーラが手に集まる。

 

陽は贄殿遮那に炎を集める。

 

体積が増大する速度に耐えられなくなった氷に罅が入る。

 

その音の瞬間両者は技を放つ

 

黒いオーラを収束して放つ大佐

 

白く輝く炎を圧縮して放つ陽。

 

[焔切奥義 陽断]

 

ダム周辺の熱量を極限まで圧縮し、極所的に太陽の表面程の温度まで加熱された一撃を放つ。

 

黒いオーラをプラズマ化させながらさらに圧縮を繰り返し、大佐の胸の結晶程のサイズにまで圧縮され貫く。

 

結晶は砕け散り、辺りに温度が戻る。

 

「今度こそ終わったか」

 

氷の上に降りて大佐を確認する。

 

結晶のあった胸周辺にわずかな火傷があるが、後は意識を失っているだけで得に問題は内容で、しばらくしたら目を覚ました。

 

「私は・・・負けたのか。」

 

項垂れる大佐。

 

「陽はん!」

 

「陽さん!」

 

葵と紫穂が見知らぬ老婆を連れ瞬間移動で現れた。

 

「このおばーちゃんがな、このダムに沈んだ村を最後に視たいって」

 

なるほど大佐は、これを狙ってメアリーを・・・。

 

「よし! ならダムの水でもどかしますか! 皆本さん!」

 

「よしわかった! 陽 薫 完全解禁!!」

 

同じくESPリミッターを解除したメアリーと共に、ダムの水を持ち上げる。

 

ダムの底にあった村の姿があらわになる。

 

僕たちには、廃墟のように見えた村だが。

 

件の老婆には昔の生き生きとした村の様に視えたことだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日、コメリカチームとカラオケに行くこととなり、たのしくやっていたとき大佐が話しかけてきた。

 

「君にこれを預けよう」

 

金属の棘のようなものを渡してくる大佐。

 

「私はよく覚えていないが、暴走した原因だ。 軍を脱出した後、これを渡してきたものが居る。 機神と名乗っていた、力を与えるものだとな。 君と戦えたのもある意味これのおかげだ。」

 

そういって、棘を渡すと部屋に戻っていった。

 

 


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