「完敗ですね・・・。」
壁に埋れた連中を救出し、局長達と合流する。
「うむ。」
合流した局長が、陽の言葉にうなずく。
「能力も凄いが、ESP戦を知り尽くしてる・・・!!」
顔を赤らめながら悔しがる局長。
チルドレンとメアリーは、座り込んでいた。
「大佐の居場所はまた透視するよ! リターンマッチをしまショウ!」
ケンがそう話しかけてくる。
(何かたくらんでいる感じだな)
陽は、けんの微かな違和感を感じ取る、精神感応で詳しく見たわけではないが・・・。
「しかし、どうやって捕まえる? それに逮捕を急ぐ前にもう少し・・・」
待ったを掛けようとする皆本に・・・。
「あなた方、自体の重要さをわかってまセン! 今の時代、ESPは軍事力として重要デス。 どんな小国でも有能なエスパーが生まれれば、大国と戦えるのデス! もし大佐が外国に亡命でもしたら、どうなりマスか! 大変な脅威となるでショウ! 一刻も早く取り戻さなければなりまセン!」
世界情勢について力説しながら局長みに脅迫まがいの説得をするケン。
「・・・どうしてもというなら、こっちの人数を減らした方がいいな。 彼に応用のチャンスを増やすだけだ。 薫とメアリーなら同じ念動能力者だ。 協力すれば2対1に持ち込める。」
少し考え作戦を話し始める皆本。
「二人には、悪いけどその必要は無いです。 足手まといが居なければ1人で拘束できます。」
皆本の作戦に、陽が意見を言う。
「しかし、陽! 大佐の能力は、お前の能力を全て使える可能性があるぞ!」
皆本が陽に反対する。
「息の合っていない、念動能力者が何人集まっても大佐には勝てません。 」
皆本の意見にさらに反論する陽。
「このガールはともかく、私があなたに劣るというんですか!!」
メアリーが意見を挟む。
「何言ってんだ!? あたしに勝てなかった奴がにーちゃんに勝てるわけねーだろ!!。」
薫がメアリーに喧嘩を売る。
それを買ったメアリーと薫とで取っ組み合いの喧嘩が始まった・・・。
(これだから今回の事を任せられないんだよ・・・。)
《皆本さん、話は変わりますが大佐の件少し違和感を感じます。》
精神感応で陽が皆本にメッセージを送ると、皆本が手を陽と紫穂に差し出す。
どうやら接触感応で内緒の会話をしたいらしい。
《あれほどのエスパーなら痕跡を残さず消えることも出来たはずだなのに・・・妙だ。 紫穂と葵で調査してくれないか》
そう聞くと、紫穂と葵は瞬間移動どこかに行ってしまった。
《ぼくも、皆本さんと同じ意見です、逃げるだけなら最悪、僕達をしばらく戦闘不能にすることも出来たでしょう。 そうすれば、逃げる為の時間を稼げるでしょう。 それなのにそうしなかった、それはつまり・・・。》
何かある、そう確信した陽と皆本だった。