バベル作戦司令室
「困るネ、君たち!! ここは日本だよ。 活動はあくまでも我々の下で行ってもらう!」
局長が二人に注意する。
「こっちは命かかってマース。 ガキと組むの困りますネー。」
「処置なしデ~ス。」
悪びれた様子なく、片言の日本語で反論してくる。
メアリー・フォード中尉 19才
超度6の念動能力者で流体コントロールの達人。
スーパー銭湯で薫に戦闘を挑んできた女性。
もう一方は、ケン・マクガイア中尉 24才
超度6の遠隔透視能力者で元カンザス州警察捜査官。
「あぁ? お前の攻撃は完全に防いでただろ!! しかも、リミッターつきでな!!」
挑発された薫が、メアリーに飛びかかろうとするが・・・。
「薫!! もうよせ!!」
皆本に止められる。
「薫ちゃんの言う通りよ。」
「イわしたったらええねん!!」
薫の言葉に、紫穂と葵が賛同する。
「ケンカしてる場合じゃない。 彼女の言う通り、これは危険な任務なんだ!!」
いつに無く、m皆本の表情が真剣になる。
それもそのはず、26時間前エスパーキラーと呼ばれたコメリカ軍の軍人J・D・グリシャム大佐が軍を脱走した。
その男を、メアリーたちと協力し捕縛するという危険な任務だ。
「こんな話を知っているかね? 65年前太平洋戦争中ここには村があった。 このダムには過去が沈んでいるのだ。」
ダムの近くに佇むする黒いコートを纏った老人。
右目には、たて一直線に走る傷跡がある。
「こことあなたの関係が、脱走の理由かな?」
背後に現れた、陽が問う。
来る事が予め分かっていたかのように佇む。
「君は、日本のエスパーだね?」
陽に話しかけるグリシャム大佐。
その様子を、近くの林で眺めるチルドレンとメアリーと皆本。
今回チルドレンは、緊急時に陽の代打となる係りだ。
彼女らは、なにやら話し合っている。
(コメリカ辺りに食いついているんだろうな・・・。)
「事情を話すつもりは無いよ。 これは私の個人的問題だ。」
林を無視してグリシャム大佐は、話を続ける。
「・・・そういうわけにはいきませんよ。 身柄を確保して事情聴取その後、コメリカ政府に引き渡します。 大佐。」
事情を説明し、投降を促す皆本。
「従えないと言ったら? そのおチビちゃんたちが力ずくで連行するかね?」
皆本の説得を否定し、戦闘を促すような台詞で、香るとメアリーを陽動するが・・・。
「あれ? 僕のこと接触感応能力者と勘違いしてます? 僕が相手です。」
陽が手を振ると、グリシャム大佐を巻き込みダムの水面を叩き割る。
すると、林から飛び出したきたメアリーが、ダムの水を操り大佐に攻撃する。
それに続けとばかりに、チルドレンも同時に攻撃する。
「ちょっ! 作戦と違う!!」
陽が、作戦に無い行動をしたチルドレンとメアリーを牽制するが、すでに遅かった。
「なるほど、この少年はなかなかのものだが、後方支援がまだまだだな! 知っているかね? チームワークの無い高超度エスパーは集団は私の能力の前には格好の餌食なのだよ。」
瞬間移動の波長を感じ、反射的に瞬間移動する。
陽が、瞬間移動した直後、薫たちが壁の中に瞬間移動する。
(大佐の能力か!? 敵の能力を使用できるのか!!)
大佐は、葵にESP錠をかけると、上空に退避した陽を見るとこう行った。
「次は容赦しない」
その日、陽は初めて敗北した・・・。