絶対可憐チルドレン-転生者の人生-   作:雅蓮

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第38話 コメリカからの使者で (2)

バベル作戦司令室

 

「困るネ、君たち!! ここは日本だよ。 活動はあくまでも我々の下で行ってもらう!」

 

局長が二人に注意する。

 

「こっちは命かかってマース。 ガキと組むの困りますネー。」

 

「処置なしデ~ス。」

 

悪びれた様子なく、片言の日本語で反論してくる。

 

メアリー・フォード中尉 19才

 

超度6の念動能力者で流体コントロールの達人。

 

スーパー銭湯で薫に戦闘を挑んできた女性。

 

もう一方は、ケン・マクガイア中尉 24才

 

超度6の遠隔透視能力者で元カンザス州警察捜査官。

 

「あぁ? お前の攻撃は完全に防いでただろ!! しかも、リミッターつきでな!!」

 

挑発された薫が、メアリーに飛びかかろうとするが・・・。

 

「薫!! もうよせ!!」

 

皆本に止められる。

 

「薫ちゃんの言う通りよ。」

 

「イわしたったらええねん!!」

 

薫の言葉に、紫穂と葵が賛同する。

 

「ケンカしてる場合じゃない。 彼女の言う通り、これは危険な任務なんだ!!」

 

いつに無く、m皆本の表情が真剣になる。

 

それもそのはず、26時間前エスパーキラーと呼ばれたコメリカ軍の軍人J・D・グリシャム大佐が軍を脱走した。

 

その男を、メアリーたちと協力し捕縛するという危険な任務だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんな話を知っているかね? 65年前太平洋戦争中ここには村があった。 このダムには過去が沈んでいるのだ。」

 

ダムの近くに佇むする黒いコートを纏った老人。

 

右目には、たて一直線に走る傷跡がある。

 

「こことあなたの関係が、脱走の理由かな?」

 

背後に現れた、陽が問う。

 

来る事が予め分かっていたかのように佇む。

 

「君は、日本のエスパーだね?」

 

陽に話しかけるグリシャム大佐。

 

その様子を、近くの林で眺めるチルドレンとメアリーと皆本。

 

今回チルドレンは、緊急時に陽の代打となる係りだ。

 

彼女らは、なにやら話し合っている。

 

(コメリカ辺りに食いついているんだろうな・・・。)

 

「事情を話すつもりは無いよ。 これは私の個人的問題だ。」

 

林を無視してグリシャム大佐は、話を続ける。

 

「・・・そういうわけにはいきませんよ。 身柄を確保して事情聴取その後、コメリカ政府に引き渡します。 大佐。」

 

事情を説明し、投降を促す皆本。

 

「従えないと言ったら? そのおチビちゃんたちが力ずくで連行するかね?」

 

皆本の説得を否定し、戦闘を促すような台詞で、香るとメアリーを陽動するが・・・。

 

「あれ? 僕のこと接触感応能力者と勘違いしてます? 僕が相手です。」

 

陽が手を振ると、グリシャム大佐を巻き込みダムの水面を叩き割る。

 

すると、林から飛び出したきたメアリーが、ダムの水を操り大佐に攻撃する。

 

それに続けとばかりに、チルドレンも同時に攻撃する。

 

「ちょっ! 作戦と違う!!」

 

陽が、作戦に無い行動をしたチルドレンとメアリーを牽制するが、すでに遅かった。

 

「なるほど、この少年はなかなかのものだが、後方支援がまだまだだな! 知っているかね? チームワークの無い高超度エスパーは集団は私の能力の前には格好の餌食なのだよ。」

 

瞬間移動の波長を感じ、反射的に瞬間移動する。

 

陽が、瞬間移動した直後、薫たちが壁の中に瞬間移動する。

 

(大佐の能力か!? 敵の能力を使用できるのか!!)

 

大佐は、葵にESP錠をかけると、上空に退避した陽を見るとこう行った。

 

「次は容赦しない」

 

 

 

その日、陽は初めて敗北した・・・。


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