緊急出動要請を受けて、体力温存のため葵の瞬間移動でバベル本部に移動する。
「いったい何があったんですか？」
バベルに到着した陽が、局長に問いかける。
「銀行に強盗がはいり人質を取って立てこもっている・・・。」
モニターに映った銀行、昼間からシャッターが閉まり、あたりには厳重な警備が敷かれている。
「ただの強盗なら、僕が出るまでもないのでは？」
陽の口から出る当然の疑問、超度が６を超えたエスパーなら多少武装した程度の強盗など、赤子の手を捻る様なものだ・・・。
「犯人達もエスパーだ、超度は３～４程度だが自身には作用しない特殊なECMを使用している。」
ECMの制度はチルドレンの使用しているリミッター程度、およそ超度３程度を無効化する。
そのため、超度６以下の超能力者では、犯人の超度に到達できないため、超度が７のチルドレンと陽が召集されたのだった。
しかし、犯人達の中に超能力戦の訓練を受けた人物がるらしく、チルドレンでは手に余るということで陽の単独出動となった。
銀行前 特設車両内
「人質の中に僕と同い年くらいの子供が居ますね・・・。」
陽が、銀行内部を遠視能力で見渡すと、同い年くらいの少年を一人発見する。
「それがどうしたんだネ？」
近くで指示を出していた局長が、質問する。
「その少年以外に、子供はいませんから交換テレポートで人質の中に潜り込もうかと」
陽は、近くにあった２本のペットボトルを引き寄せると、蓋をあけることなく中身を入れ替えて見せた・・・。
「しかし、それではあまりに危険すぎる！！」
皆本が止めに入るが・・・。
「大丈夫ですよ、超度７までしかない理由を、犯人に思い知らせてやりますよ。」
そういって陽が瞬間移動すると、同じ場所に人質になっていた少年が現れる。
同刻 銀行内
銀行内の一室に瞬間移動した陽は、犯人達の行動を監視していた。
（リーダーが解れば早めに殲滅できるんだけど。）
交代で監視に来る、犯人達。
近くにいた人の記憶を接触感応で、覗いてみると・・・。
１０分くらいの間隔で監視が交代になるようだ・・・。
２分ほどすると、交代の見張りがきた。
銃を持っていたが・・・。
「手を上げろ！」
瞬時に自身の手元に瞬間移動させ、犯人に向ける。
「なにっ！ 瞬間移動能力者か！！」
一瞬驚愕しながらも、男は陽に向けて念動力を放つ。
「超度３ってところか、ECMがあってもこの程度なら問題ないね！」
同じく念動力で男を壁に叩きつけ、気絶した男を壁の中に顔だけ出した状態で瞬間移動させる。
「みなさん落ち着いて聞いてください。」
小さいがよく通る声で人質になっていた人に話しかける。
「僕は、特務エスパーのヒカルと言います。」
そういうと、現状の説明を始める陽。
ECMの影響で此処から、他人を移動させることができないことを説明した。
「僕がこの部屋を出たら、この扉から犯人が入れないように封鎖するので、慌てないでください。」
そういうと、扉を開けて外に出る。
部屋を出ると、壁を破壊して扉のある位置に瞬間移動させる。
即席バリケードだ、コンクリート壁を４次元的に壁と接着したので、葵でも外すのに苦戦するだろう。
「居たぞ撃て！！」
通路を歩いていると、数人の犯人が現れ銃を一斉掃射する。
鋼糸で弾の一部を叩き落とすが、すり抜けた一部が迫る。
一歩下がった陽が、念動力で防御するがジリジリと銃弾が迫ってくる。
「これで終わりだ！」
犯人の一人が念動力を発して弾丸の威力を増すと、陽の防壁を超えて陽の体を貫いた・・・。
血が、止まりなく流れでて床を赤く染め上げる。
「へっ！！ なめやがって！！」
反応のない陽の頭を蹴ると男が言った・・・。
つづく
タグを少し編集しました。
技名や武器名に他作品のもの使ってみる感じです。
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