「そう思うか!?」
薫が、東野のことばを聞いて、怒りをあらわにする。
念動力の反動で壁が小さく振動する。
「こら薫!」
薫にデコピンをする陽、その際精神感応を使用する。
『ここで力を使ったら、皆本が悲しむぞ。』
薫が、黒板の方をイラッとみると・・・。
「あたしは超能力を使ってない!!」
東野に向かって、宣言する薫。
「使ったじゃねーか、ウソツキ!!」
東野が反論する。
「嘘なんかついてない!」
「じゃー、証拠見せろよ!?」
「そんな必要ないね! お前がどう思おうと、あたしは使わないって約束して、それを信じてくれたやつがいるんだからなっ!!」
薫が決意を新たにする。
「だいたい、てめーなんかに超能力は必要ねぇっ!! 漢ならコブシで来いやあ!!」
「そこまで言うなら上等だ!くらえこの・・・・」
コブシを振り上げた東野しかし・・・
「はーい。席についてー!! チャイムはとっくに鳴ったわよー!?」
担任教師が扉をあけて現れる。
はーい、と薫は猫を被り、東野は拳を振りぬいた反動でずっこける。
「東野くん? なにやってるの?」
「やだー、漢・・・じゃなかった、男の子って乱暴」
猫かぶりモードの薫が教師の方に逃げる。
「大丈夫、明石さん!? ごめんね、わたしのせいで」
薫に謝る花井さん。
「へーき、へーき!! にーちゃんが止めてくれたしな!!」
気にするなという様子で言う薫。
「あんた、念動力使う気ぃやったやろ!? よう我慢できたな。
葵が意外そうに、薫に話しかける。
「いやー、危ないトコだった!! にーちゃんが止めてくれたのもあるんだけど、一瞬なきそーな皆本の顔が見えたような気がして・・・さ。」
数刻後 体育授業中
「こっそりズルして、バレなきゃそれでいいとおもってるんだ!!」
体育のドッヂボール中に、東野がボールを全力で薫に向けて投げる。
薫は、そんのボールをキャッチし東野に投げ返す。
「すごーい」
「薫と互角にやりおうてる!! 東野もけっこうやるやん!?」
紫穂、葵が二人のボールの投げ合いを見ながら感想を述べる。
ドッヂボール中に、二人で投げ合っている二人を担任が注意するが二人は止まらない。
「さっきの決着ここでつける気ぃか」
葵が言う。
ボールの投げ合いの中、薫が足をすべらせ一瞬の隙ができる。
「よしっ、チャンス!!」
東野が、留めの一撃を放とうとする・・・。
そんな中、東野チームの陽が、東野の後ろ側にある小石に蹴りを入れてどかす、その際、何か大きなものが移動する気配がしたが、だれも気にしなかった・・・。
足を滑らせた、薫も何とかボールをキャッチし勝負は長期戦に流れ込んだ。
「このままじゃ決着がつかねぇこうなったら拳で勝負を決めようぜ!」
ボールを持った東野が息を切らせながら提案する。
「上等だ!!」
互いに拳を作り、相手めがけて振りかざす。
互いのコブシが、互いの頬に直撃する。
「く・・・なるほど・・・超能力を使わなくてもこのパンチがあるってことか・・・」
東野が言う。
「ふ・・・拳で話が通じるとは・・・あんた漢だよ!!」
薫が言う。
お互いを褒め合うと、地面に倒れる。
「誰か、保健室の先生を呼んできてーー!!」
担任の先生が叫ぶ。
数日後 皆本宅
「それで仲良くなったのか」
皆本が、薫に聞く。
「まーね!! 今度、遊ぶ約束した!!」
楽しそうに笑う薫、左頬には名誉の負傷が・・・。
「よかったな。 それでこれか?」
皆本が、ローラーブレードを持ちながら言った。
「でもホンマに全部買うてくれるとは思わへんかったわ~!!」
ゲーム機を持ちながら言う。
「頼んどいてなんだけど、給料日前なんでしょ? 大丈夫?」
巨大な熊のぬいぐるみを抱きながら、紫穂がいう。
「これ自腹の予定だったんですが? 代金まで払ってもらっていいんですか?」
予約中の商品の、領収書を見ながら言う。
ESPの実験用に、ほしかった物を皆本に注文してもらったのだ。
しかしあまりに高額ゆえに注文だけしてお代は自分で払うつもりだったのだが、皆本が奢ってくれるようだ。
「いやー約束ってのは守らないとな!! それに今回はスポンサーがちゃんといるから!!」
同刻 バベル局長室
「・・・半分だけでも経費にまわしてくれんかネ?」
涙を流しながら秘書にお願いする局長。
「ダメです! 自腹を切ってよおーく反省なさってください!!」
朧さんは局長に反省を促すと、書類をまとめ去っていた・・・。
もうちょっと続く。