絶対可憐チルドレン-転生者の人生-   作:雅蓮

23 / 49
第22話 姿なき保護者で (2)

区立六条院小学校

 

東京某所に、設立された小学校の一室に4人の転校生の姿があった・・・。

 

「・・・というわけで、家の都合でまとめて転校してきました!」

 

4年3組の生徒がが注目している中、4人の自己紹介が始まった。

 

「野上 葵です!」

 

「明石 薫です!」

 

「明石 陽です」

 

「三宮 紫穂です!」

 

「「「「よろしくお願いします!!」」」」

 

教室中がザワザワと活気づく・・・。

 

「じゃ、その一番うしろが、あなた達の席よ。」

 

担任の教師が一番後ろの席を、指さしながら言う。

 

一番うしろの席が、4つ空いている。

 

一番うしろの窓側か・・・なかなかだな。と考えている陽の横で・・・。

 

「あたしたちの席かあ・・・!!」

 

感慨深そうな、薫たちだった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

一方、学校外バベル車両内。

 

「準備はいいか、皆本!」

 

局長が、真剣な顔で皆本に問う。

 

「はい、局長!」

 

皆本が、不思議なタイツのような服を着て待機していた。

 

「陸自で開発中の特殊光学迷彩です! 2着しかない試作品を回してもらいました。」

 

朧さんが資料を見ながら、説明している。

 

「しかし、こーまでして警備、監視ってのは大げさでは? あいつらも約束してくれたわけですし。 いざというときは、陽が止めるでしょう。」

 

皆本はそう言うと、特殊光学迷彩のスイッチを入れる。

 

すると、あたりの風景と同化し目視することができなくなった。

 

「最初のうち、あくまで念のための措置ですよ。 私たちもあのコたちは信用してます。」

 

皆本が居た位置を、見ながら朧さんが言う。

 

「だが、油断はするなヨ!? 万一、事故でもおきでもしたら、教育省はエスパーの受け入れをますますしぶるようになるだろう。」

 

拳を握りながら、熱意を新たにする。

 

「だが、強力なパワーを持つものが、一般社会から離れて育つことの方が、より危険なことだ。 チルドレン就学計画には国の・・・いや、世界の未来がかかっておる!!」

 

熱弁する局長。

 

「くれぐれもシュミレーションの時のよーにならんようにナ! ま、なっても全力で揉み消すつもりだが。」

 

皆本に注意しながらすごいことをいいだした。

 

「いや、それは。」

 

呆れる皆本そこに・・・。

 

「万一の事態に備えて、これを・・・」

 

そう言って、一丁の銃を差し出す朧さん。

 

「弾丸は麻酔弾、ESP抑制剤が強化調合されています。」

 

「ちょ・・・しかしこれは」

 

動揺しながらも、銃を受け取る皆本。

 

「バカ者、お前の任務は監視と護衛だ!! もし、ウチのカワイイチルドレンに・・・国の宝に、意地悪する奴や、悪い虫がついたりしたらどうする!? その時はためらわず撃て!! 動くやつはいぢめっこだ!! 動かない奴は訓練されたいぢめっこだ!!」

 

局長が暴れ始め・・・

 

「局長!! 冷静に!!」

 

朧さんが必死で止めているうちに、皆本は出発した・・・。

 

 

 

 

HR終了後 教室

 

「へー4人とも友達? 一緒に転校なんて・・・」

 

クラスメイトの一人が、4人に問う。

 

「う・・・うん、あの、仕事が同じなんでその都合!!」

 

薫が答える。

 

「どこに住んでるの?」

 

さらに質問される。

 

「えーと、まだ決めてへんけど・・・たぶん皆本んちかな。」

 

葵が答える。

 

「明石さん達は苗字が同じだけど、兄妹なの?」

 

「そうだよ、双子でね僕が兄だよ。」

 

クラスメイトの質問に陽が答える。

 

「ね、今度遊びに行かない? ここ、近くにでっかい都営公園があるんだよ。」

 

薫たちは、女の子たちに遊びに誘われているようだ。

 

陽は、男子集団にかこまれ質問攻めにされていた・・・。

 

「ね、それ、ESPリミッターよね? 3人ともエスパーなんでしょ?」

 

チルドレンは隠すべきことが、見向かれ動揺する。

 

「私もなの。 超度2の精神感応能力者よ。 ホラ!!」

 

そういって服の中に仕舞っていたペンダントを見せる。

 

簡易的なリミッターだった、超度2から3程度なら無効かできる程度のものだった。

 

「超度2ぐらいじゃ、何にもないのと変わらないけど。 私、花井ちさと! 明石さんたちの能力は何?」

 

「え・・・え~と・・・」

 

言いよどむ、チルドレン。

 

「私は、超度2の念動能力者です。」

 

「同じく、超度2の瞬間移動能力者。」

 

「超度2、接触感応能力者。」

 

メモ帳を読みながら、完全に棒読みだった

 

「ごめんね、3人とも緊張してるみたいで、僕も薫と同じく超度2の念動能力者。」

 

陽が、補足する。

 

「なんでえ、クラスにエスパーが5人もいんのかよ!? やんなちまうな!!」

 

男子の一人が、陽たちに食いついてくる。

 

「リミッターを外すんじゃねえーぞ!? 変なマネされたら迷惑だからな!」

 

超能力者を毛嫌いしているようだ。

 

薫が食いついたらやばいと思い、陽が薫の前に出て遮る、すると・・・。

 

「やめて! 東野くん!!」

 

花井さんが、東野という男子を止めに入った。

 

「なんだ、あの野郎」

 

薫が、食いついてしまった。

 

やれやれと、ため息を付きながら席に着く、すると・・・。

 

「東野 将! エスパーの花井さんに、いつもあーやってからんでくんの!」

 

近くに立っていた女子が、説明してくれた。

 

「違うの、東野くんは・・・」

 

花井さんが、東野をかばおうとする。

 

「エスパーで何が悪いのさ!」

 

「そうよ! あんなこと言うのあいつだけでしょ!?」

 

女子たちが東野を責める。

 

「ごめん、超能力の話なんか、今しなくてよかったのに・・・今まで周りにいなかったからつい嬉しくて・・・」

 

花井さんが4人に謝罪した。

 

「気にせんでええて! その気持ち・・・」

 

葵が花井の肩に手を置き慰める。

 

「最低。」

 

紫穂が離れた場所にいる、東野に向かって呟く。

 

「ヘっ!! ま、せいぜいブスのエスパー同士仲良くやんな!!」

 

(いや僕男だし・・・。)

 

陽が席から立ち上がり、黒板の方に移動し始める。

 

「おいてめえ・・・」

 

その時、黒板から黒板消しが東野に向かって飛び立つ。

 

「おっと!」

 

陽が、途中でキャッチして動きを止める。

 

それを見た東野は・・・。

 

「やりやがったなサイコキノ!」

 

「あたしじゃねーよ!! インネンつける気かてめー!!」

 

東野と薫が、向かい合ってガンを飛ばしあう。

 

「じゃーどーして黒板消しが飛んでくるんだよ!!」

 

東野が一歩前に出る。

 

「あたしが知るわけないだろ!? くらわすぞコノ!!」

 

薫が一歩前に出る。

 

お互いに額をこすり付けあい、威嚇する。

 

「やる気か、女のくせに!!」

 

東野が、薫を突き飛ばそうとする・・・。

 

その腕が薫に当たる前にその手を、受け止め東野に話しかける陽。

 

「妹が、挑発したとはいえ女の子に手を挙げるのはどうかと思う。」

 

「お前もやるのか? 超度2じゃリミッター外してもたいしたことできねーだろ。」

 

東野は、陽にも喧嘩を売ってくる。

 

 

 

 

 

続く


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。