第21話 姿なき保護者で
某日 夜 石油コンビナート
石油のタンクから火の手が上がっている・・・。
そこへ、一気のヘリが接近していた。
「よし、行けっ! 薫、陽!!」
ヘリから皆本の声が発せられ。
タンクの上に、陽と薫が瞬間移動で現れる。
「「了解!!」」
[火炎操作 鎮火]
陽が発火能力で、火の勢いをよわまり、表面に薄らと火が見える程度になる。
「薫、あとヨロシク!」
火力を維持している、陽が薫に話しかける。
「オッケー!! にーちゃん」
[念動 落としブタ]
タンクがすっぽり覆われるサイズの、円形の鉄板をタンクの上に落とす。
鉄板がタンクを覆ったことを確認すると、葵と紫穂が下りてきた。
「タンクの温度が下がるには、もう少しかかるけど・・・もう燃える心配はないわ。」
タンク近くのパイプに触れて、タンク内を視る紫穂。
その様子を近くで見ていた葵は・・・。
「よっしゃ!! ほな帰ろうか!」
瞬間移動で、ヘリに帰って行った。
その様子を、見ていた消防隊員は・・・。
「あんな子供が特務エスパーなのか・・・!!」
「あっという間に消し止めちまった!! なんてパワーだ!!」
「火事なんかより、あの子たちの方がよっぽどおっかないな!!」
同刻 ヘリ内部
「だ~~! 暑かった!!」
念動力で団扇を動かしながら制服を脱ぎ始める薫・・・。
「髪も服もコゲくさい!!」
服のにおいを気にする紫穂。
「薫、女の子が男の前で、下着を見せるものじゃないよ」
呆れながらも水分補給をする陽。
とある参考資料を読みながら、薫を注意していた・・・。
「ご苦労さん!! 今日の任務は満点だ!! いつもこの調子なら・・・って、なんだ、はしたない!! くつろぐの早いよ、お前ら!?」
任務も終わり完全にくつろいでいるチルドレン・・・。
「基地に帰るまでが任務です!!」
皆本が、チルドレンに注意するが・・・。
「細かいことをいちいち・・・うるさいんだよ!!」
薫が皆本を、念動力で吹き飛ばそうとしたが、陽が瞬間移動で回避させた。
「なにすんだよ、にーちゃん!」
薫が陽に文句を言うが、陽は資料を読みながら。
「普通人に超能力で暴力はダメって言ったよね?」
そういうと陽が軽くデコピンをする。
「いてっ! ごめんなさい」
反省した様子で薫が言う。
「お前たち、言っとくけど明日は間違っても超能力は使うなよ!!」
皆本が、3人に注意する。
「明日・・・?」
何のことか分かっていない薫に、陽が読んでいた資料を渡す。
「あ、そっか! 学校!! 明日からだっけ!」
手をポンと打った、どうやら完全に忘れていたようだ・・・。
「なんだ、それ。 嬉しくないのか?」
皆本が薫に質問する。
「そりゃまあ、行ってみたいとは言ったけどさ。 超能力は使うなとか、仕事のことは秘密とか、めんどくさくて・・・。」
薫が心底めんどくさそうにいう・・・。
「ウチは楽しみやけどな。 こんなパワーのせいで小さい頃から幼稚園も小学校も断られてきたし・・・。」
「私も!」
葵と紫穂は楽しみにしているようだ。
しかし、転生者である、陽だけは渋い顔をしていた。
「君たち・・・約束してくれ! 学校では、超能力は使わない!! 何が起きても、それ以外の力で皆生決するんだ! いいね!?」
まじめな顔で、皆本は言う・・・。
「その命令なら何度も聞いたよ!」
嫌そうな顔で、薫は言う。
確かに同じ話は、何度も聞いたと陽は頷く。
陽でも、耳にタコができるほど言われたのだ、ロボットを爆破した薫はなおさらだろう。
「今のは、命令じゃない。 約束だ!」
誤解を解こうと皆本は言う。
「ええけど・・・何か買うてくれる?」
約束の話に、葵が食いつく。
「そんな必要はないだろ。 命令だって出てるんだから。」
反論する皆本に薫が・・・。
人形に、小学生と書かれた紙を貼りおもむろに・・・。
「わあ、ついウッカリ」
完全に棒読みで、人形を爆破する。
「わかった!! よし、約束!! 守ったら何か買ってやるから。」
あわてた様子で、皆本が約束した。
「わあい」
「皆本さん大好き」
「お前って奴はカワイイぜ、チウショウ!!」
紫穂、葵、薫が抱き着き・・・。
「すごいです皆本さん、尊敬します」
陽まで、握手を求める。
ものすごく不安そうな皆本だった。
原作を読みなおして重大なミスに気が付きました・・・。
紫穂は乳児のときすでに超度7だったという描写がありました。
しかし、ちょっと直すのが大変なので、このままで行きたいと思います。