(ここは?)
声が出ない。 それどころか水の中にいる。
そのことに気がつくまでに、一体何度意識を失っただろうか?
さらにここが、母親の胎内だと気が付くのにはさらに時間がかかった。
途切れ途切れの意識の中、向かい合うように眠る存在に気が付いた。
(赤い髪・・・透明な翼?)
神秘的な光景だった。 神々しいと言っても過言ではないかもしれない。
そしてまた意識が途切れる。
(痛ってーーーーー!!)
次に目を覚ました時、頭が割れそうに痛かった。
「おぎゃぁぁぁぁぁ!(いや、むしろ割れてる!)」
どうやら生まれるらしい。
しかし、この頭が割れる感じは二度と味わいたくないものだ。
「おぎゃぁぁぁぁぁ!(あーー)」
声が出ない、いや意識に反して泣き声しかでない。
「おぎゃぁぁぁぁぁ!(俺が兄か)」
周りを見渡し最初に生まれたことを確認する。
(この人が、お母さんか綺麗な人だな)
泣きすぎて眠くなってきた・・・。
「おぎゃぁぁぁぁぁ!」
どうやら兄弟が生まれたようだ。医者曰く妹のようだ。
胎内でも思ったが妹は特別な存在のようだものすごい力を感じる。
転生者という意味では僕も同類だが・・・。
そういえば転生特典ってどんなものかな?
そんなことを考えていると意識が途切れてきた。
どうやら思考に対して脳の容量が不足してるみたいだ。
Zzzzzz
生まれてから1ヵ月がたった。
8月も終盤に差し掛かり暑さも峠を越したあたりだ。
一か月間今までのように意識が途切れ途切れだったが、最近はだいぶ落ち着いてきたようだ。
最近家族構成に疑問を感じている。 父親を見ない。
某蛇並の情報収集能力をもってすれば家族の会話から情報を得るなどたやすい。
どうやら家族構成は 母 姉 僕 妹 の4人のようだ死んだのか父親は?
母の名前は明石 秋江 三児の母とは思えない綺麗な女性だ
姉の名前は明石 好美 小学5年生将来が楽しみな美少女だ
姉は結構年が離れているようだ11歳差すでに小学生のようだ。
朝早く僕たちにちょっかいを出してから、遊びに行っている。
妹は、結構僕になついている。
僕と同じく赤髪赤目、まつ毛も長い姉と同じく非常に将来が楽しみな美幼女だ。
しかし、あれ以来翼は見ていない。
あれは一体何だったのだようか?
考えれば考えるほど、よく分からない夢でも見ていたのだろうか?
さて食事の時間のようだ・・。
転生してから一番の悩みの種だが詳細は秘密だ。
黒歴史からは目をそらすのが一番だ。