深夜ガソリンスタンド付近。
「ガソリン、オイルその他、可燃物はすべて撤去。 周囲の道路は通行止めこれで火災が起こるはずありませんよ、皆本主任!!」
消防隊員は確信ありげに語る。
「ええ・・・僕もそう思いますが、本部の事件予知部によれば5分後にここは炎上します。 その確率は86%!! 依然、この数字に変化ありません。」
皆本は、予言の内容を告げる。
「超能力者のお告げねぇ・・・私らはそれで何度空振りを・・・」
消防隊員のセリフえお打ち消すように、どこからか音が鳴り響く・・・。
「この音は?」
皆本が上空を見上げると、急降下してくる一台の小型の航空機。
「こっちに来る!? 全員、非常事態に備えろ!!」
警戒を促す、消防隊員。
「あれが予知の正体か!!」
皆本は驚愕していると・・・。
「なにやってんだ皆本!! もたもたすんな!!」
耳元から大音量で薫の声が・・・・。
「あたしたちの出番だろ!? こっちゃ、待たされ続けてアキアキしてんだ!! とっととはじめねーと、帰っちまうぞ!!」
ガソリンスタンドの看板の上に陣取る、薫たちザ・チルドレン。
「特務エスパーザ・チルドレン・・・解禁!!」
緊急時なので説教なしで解禁する皆本。
[念動 空中強制停止]
空中で航空機を強制的に停止させる薫。
「よし行け!! 葵!!」
完全に停止したことを確認すると、葵に指示を出す薫。
「ほいっと!」
航空機の中に瞬間移動する、葵と紫穂。
航空機内で意識不明のパイロットを発見すると。
「紫穂!? パイロットのオッチャンが!!」
「まって!!」
パイロットに触れ容体を確認する紫穂。
「心臓の痙攣発作よ! まだ生きてるけど手当てを急がないと・・・脳の酸素がなくなりかけてる!!」
容体を確認するとすぐさま葵に報告。
「了解!! 救急車に瞬間移動!!」
同刻 バベル 作戦司令本部
「よし! お手柄だ、ザ・チルドレン!! さすが我が国最強のエスパーたちだ!!」
褒め称える局長しかし・・・。
「でも局長!! 予知パラメーターが変化しません!! 事件発生率は依然86%!!」
モニターに映された事件発生パラメーターは、チルドレン出動前から一切変化していない。
「あっ!! コラ!? 何を」
現場から不穏な会話が聞こえてくる・・・。
同刻 予知現場
「いーじゃん! 人助け人助け!! 念力で直接心臓マッサージすんだよ! いっぺんやってみたかった!」
パイロットの上に浮かぶ薫がやる気を出し始めた。
「ESP応用訓練で教わったやっちゃな!」
「面白そう!」
ノリノリな葵と紫穂。
「だめだ!救助隊に任せろ!! 命令・・・」
反対する皆本だが、そのセリフを遮るように薫が・・・。
「命令命令って・・・うるさいんだよ!!」
念動力で、壁に衝突させる。
その衝撃で壁が、皆本含め円形に陥没する。
「とゆーわけで・・・」
[念動 心臓マッサージ]
患者の心臓に念動で振動を与える。
しばらくすると、患者の心臓が動きだし、救急車で病院に搬送された。
「な? ちゃーんと・・・」
自慢げに皆本に話しかける薫・・・。
「ちがう!! 薫、お前・・・航空機のこと忘れてる!!」
静止する力を失った航空機はまっさかさまにガソリンスタンドに落ちていく。
「・・・だから一緒に行きましょうかって、最初に聞いたんですよ。」
ガソリンスタンドに、陽が突然現れる。
「僕が瞬間移動できなかったら、大惨事でしたよ・・・。」
ヘリの真下で、受け止めようとするが・・・。
「あ!・・・ちょっと間に合わない! 仕方ないから安全に落とします。」
航空機の落下を緩やかにし、瞬間移動で航空機の燃料を抜くと地面に落とした。
墜落の瞬間も、念動力であたりに防護壁を作ることで、被害はガソリンスタンド内だけですんだのだった。
続く!