絶対可憐チルドレン-転生者の人生-   作:雅蓮

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第17話 イルカで (4)

翌朝

 

局長と護衛艦の搭乗員が、テロリストたちを移送する。

 

陽たちは、無人島で引き続き24時間待機することになった。

 

薫は朧さんが来ると聞いて、テンションが上がっていた。

 

薫たちが、皆本と戯れていると、紫穂が異変に気が付いた。

 

「ねぇ・・・おじいちゃんはどこ!?」

 

陽たちは、あたりを見回した。

 

「じーちゃんならここに・・・」

 

近くの海に背びれが見えていかが、薫が近づくと・・・。

 

「!!」

 

板の上に、背びれの模型のようなものが付いていただけのものだった。

 

 

 

 

 

局長が護衛艦に着くと朧さんが待っていた。

 

「局長ご苦労様です。」

 

甲板から、朧さんが声をかける

 

「心配かけたネ、柏木クン! だがまだ、中尉の予知は・・・!!」

 

船員の一人が、局長に向かって銃を構えていた。

 

「お前は終わりだ、桐壷!! 普通の人々はどこにでもいるぞ!!」

 

高笑いしながら銃を構え引き金を引く。

 

「局長!!伏せて――!!」

 

朧さんが叫ぶ。

 

弾丸が発射され局長に殺到する。

 

しかし、その射線上に中尉が割り込み、体に弾丸が命中する。

 

射線上に、割り込んできたのは中尉だけではなかった。

 

中尉の体に防弾チョッキを着た皆本が割り込む、腕に一発受けてしまう。

 

『無茶ナマネヲ!! 瞬間移動デ射線上ニ割り込ムトハ・・・』

 

中尉が話しかけるが話しかける。

 

「最初からこのつもりだったんですね!? 局長を守るために!!」

 

皆本が問う。

 

『君タチハエスパーニトッテ必要ナノダ。 私トハ違ッテナ。』

 

そのまま、海へ飛び込む。

 

一足、遅れてチルドレンと陽が到着する。

 

「皆本!? じーちゃん!?」

 

薫が心配して叫ぶ

 

『行キタマエ子供タチガ心配シテイル。 彼ラヲ頼ムゾ!』

 

「中尉あなたも治療を2発は防いだけど1発は・・・」

 

『フン。 人間ニ体ヲイジラレルノハ好カン。 老兵ハ消エ去ルノミダヨ。』

 

血を流したまま何所かに去ってしまう中尉。

 

救出のため、海中に飛び込んだ陽が一瞬だけ中尉に触れると、出血量が下がったように見えた。

 

「中尉!!」

 

伊号中尉に呼びかける。

 

『アトハマカセタ。 武運ヲイノル。』

 

そう言い残し、海の中に消えていった。

 

「大きな血管だけは生体コントロールで修復しました。」

 

皆本を引き揚げながら、陽は言う

 

「中尉も超度が高くて幸いでした。 相手の力も同時に使うことで一瞬ですが、重要な個所は治療できました。」

 

 

 

 

同日夜。 護衛艦上

 

「中尉!! 生きていてくれるといいが・・・用がない時は、姿を見せないのが彼のやり方だしナ」

 

波音だけが響く甲板上で、局長は言う。

 

「皆本は? かなりへこんでいたようだが。」

 

局長が、朧さんに問う。

 

「独りになりたいって後部デッキに・・・チルドレンがさっき呼びに行きました。」

 

朧さんが答える。

 

「皆本――!!」

 

皆本に話しかける薫

 

「ムチャやらせやがって!! いくら間に合わなからって!!」

 

「せや!! あれで、万が一のことがあったらウチ、トラウマやで!?」

 

泣きながら文句を言う薫と葵。

 

「悪かったよだからもう泣くな。 これからも僕がついている。」

 

 

 

 

 

 

 

 


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