絶対可憐チルドレン-転生者の人生-   作:雅蓮

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第14話 イルカで

某日 バベル地下演習室

 

教室のようなセットで、薫が授業を受けていた、薫以外の生徒はロボットのようだ・・・。

 

「と、このように超能力と言ってもその強さはいろいろです。 本当に強力なエスパーは、とっても貴重なんですね。」

 

教師と思われるロボットは、黒板に書かれた内容の授業をしている。

 

「今後、エスパーは増えていくとも言われています。 この力を才能の一つと考えて、仲良くできますね、みなさん!」

 

その時、学生ロボットの一体が話始めた。

 

「えー!! やだよ、そんなの。 エスパーって心を読んだり、遠くから物を動かしたりするんだぜ!? マジキモいじゃん! そんなのと一緒に遊んだりできな・・・・・」

 

ロボット学生のセリフが終わりきる前に奇声をあげて、顔面が爆発し炎上する。

 

「エスパーで、悪かったなあー!!」

 

「わああああ!! あのばか!!」

 

「薫、やりすぎだよ」

 

ロボットから噴き出る炎を、掌に集め握り潰し霧散させる。

 

「終了!! シミュレーション終了ーーーーー!!」

 

すべてのロボットが、活動を停止し一瞬の静寂、しかしその静寂は長くは続かなかった。

 

「薫!! クラスメートを殺すなと、何回言わせる気だああ!!」

 

絶叫する皆本、対して意に介していない様子の薫。

 

「だって腹立つんだもん!」

 

「腹が立ったら殺していいのか!? え!? お前はなんだ!?野生のトラか何かか!?」

 

「本当にやったわけじゃないからいーじゃん。」

 

「本当にやられてたまるかーーー!!」

 

一呼吸おいて

 

「頼むよ・・・。 君たちを普通の学校に通わせるには、政府や教育機関を納得させないと・・・。 そのためのシュミレーションなのに、こんなデータが外に漏れたらおしまいだぞ!?」

 

会話をしながら皆本と薫は立ち去ってしまった。

 

一方陽は、バベルのメカニックと共に壊れた、ロボットを修理していた。

 

「陽君いつも助かるよ。」

 

顔馴染みのメカニックが陽に声をかける。

 

「いえいえ、妹の後始末をしているだけですから。」

 

粉砕されたパーツをかき集め、もともとの形に修復する。

 

そのパーツを、メカニックが組み合わせ元のロボットに作り直す。

 

修復が終わり、一息ついたところで当たりの電気が消えた。

 

「停電!?」

 

空間認識能力がある陽は、暗闇でも大して問題ないが、周りの人たちに問題がないか確認する。

 

(特に問題はないみたいだね。)

 

しかし、次の瞬間、演習室中のモニターの電源が入る。

 

そこには、「並」の文字が書かれていた。

 

『バベルの諸君に告ぐ!! 我々は超能力者排斥団体 普通の人々である!!』

 

どうやらバベルのメインコンピューターに、侵入されたようだ・・・。

 

『我々の国にエスパーは不要である!! 安易に交わり力を利用することは、人類文明の破滅を生むのだ!! エスパーを追放せよ。!!』

 

エスパー追放コールが鳴り響く。 

 

(子供の嫌がらせかよ・・・。)

 

陽は呆れながらも、薫の方を視る。

 

「上等だ、この野郎!! てめーらまとめて・・・」

 

必死に皆本が食い止める。

 

「薫落ち着け。」

 

瞬間移動でバベルの屋上に移動させる。

 

「こんな単純な罠に・・・。」

 

さらに呆れる陽。

 

しかし、さらなる災害がロボットたちを襲う。

 

「黙れ差別主義者どもォ!!」

 

素手で、ロボットたちを破壊していく局長。

 

「局長 ストップ!!」

 

近く転がって来たロボットの金属片を集め・・・。

 

「分子操作 形状変化・鉄糸」

 

局長ごとロボットたちを縛り上げる。

 

しばらくすると、朧さんがワクチンプログラムをもってやってきた。

 

どうやら予言されていたようだ・・・。

 

ロボットたちの動きが止まったので糸を解除する。

 

(これなかなか使えるな)

 

気に入った陽は、金属の糸の形状をさらに変化させ、腕輪状にした。

 

「皆本クン! チルドレンと陽君を緊急召集したまえ!!」

 


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