絶対可憐チルドレン-転生者の人生-   作:雅蓮

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第12話 人命救助で

夜遅くまでBABELで、瞬間移動の訓練をした翌日の早朝。

 

「陽君、起きているかしら? 緊急事態発生よ!!」

 

局長の秘書である朧さんが起こしに来た。

 

パジャマのままドアを開ける。

 

「かわいい!!」

 

電撃ネズミの着ぐるみパジャマを着た僕を、抱きしめながら報告を続ける朧さん。

 

(うぅはずかしい。)

 

瞬間移動で朧さんから離れ、瞬間移動を応用し一瞬で着替えを済ませる。

 

「何があったんですか?」

 

朧さんの説明によると・・・。

 

地方のトンネルが、崩落し目撃者の証言によってトンネル内に、数人取り残されているらしい。

 

「チルドレンは?」

 

陽が朧さんに問う。

 

「ヘリで局長が迎えに行っているわ。」

 

「皆本さんの家ですね? わかりました。」

 

陽は朧さんの手を握ると、皆本の家のベランダに瞬間移動する。

 

 

 

バタバタバタとヘリの音が聞こえる、ヘリが一足先に到着していたようだ・・・。

 

「皆本ぉぉぉぉ!! 起きとるかー!?」

 

ヘリから局長の声が聞こえる。

 

「緊急出動要請だ!! 今日のスケジュールはすべてキャンセル! チルドレンはただちに・・ン?」

 

異変に気が付いた局長が、部屋の中をのぞくと。

 

「ガキってゆーなあっ!それが一番むかつくって言ってんだろ」

 

皆本さんが壁にめり込んでいた・・・。

 

陽は、はぁっとため息をつきながら部屋の中に移動し、念動力で自分の体を保護しながら、薫と皆本の間にはいる・・・。

 

「薫! 緊急出動! 皆本さんいじめてないで着替えなさい!」

 

しばらくしてヘリに乗り込み、現場に向かう。

 

現場について見た光景は、酷かった。

 

「これは!! ひどいことに。」

 

山が崩れ、トンネルは完全に埋もれているように見える。

 

「重機を使っても、作業には数日を要する生存者を救うには、超能力に頼る他ない!! 頼むヨ!チルドレンの諸君!!」

 

「えーあの中にはいんの~?」

 

栄養ドリンクを飲みながら。

 

「せっかく朝シャンしたのに」

 

お菓子を食べながら。

 

「こんな朝めしで力、でるかいな」

 

納豆をかき混ぜながら。

 

完全にやる気のないチルドレンたちだった。

 

「なんだ、その態度は!? 人命がかかってるんだぞ!!」

 

注意する皆本しかし・・・。

 

「どーせあたしガキだもん!」

 

「私たちが事故を起こしたわけじゃないしー。」

 

「なー。」

 

モチベーションの低いチルドレンしかし・・・。

 

「あ~~やる気出ねえ~」

 

「ま、人助けやからしゃーない。」

 

「皆本!! どーゆうことだ、これはッ!! この非常時に、彼らのモチヴェーションが、下がりまくっとるじゃないか。」

 

「エスパーのパワーが精神状態に、大きく左右されるのは知っとるだろう!!かける言葉には十分注意したまえッ!! あの子たちは我が国にたった4人の超度7!! いわば国の宝なんだからね!!」

 

泣きながら、皆本の胸ぐらを掴かむ局長。

 

「貴様の不用意な一言で、あの子たちは小さな胸を痛めてしまったのだヨ!!」

 

「局長がそーやって甘やかすから!!」

 

会話をしている二人の頭上から薫が消防車を落下させる。

 

「胸が小さいとかゆーなああッ!!」

 

周辺の調査をしていた陽が、消防車を瞬間移動させる。

 

「公共のものを壊しちゃだめだよ薫」

 

注意した次の瞬間、葵と紫穂そして要救助者が瞬間移動してくる。

 

次々に要救助者を救出するチルドレン。

 

その活躍を見ていた救助隊は・・・。

 

「ほんとうにあっというまですね! これじゃ我々レスキューは何のためにいるんだが・・・。」

 

皆本はこたえる。

 

「いや・・・あーいう連中ですからここ一番でしかつかえないんです。 あいつらはあの強力な力のせいで小さいころからワガママ放題に育ってきたんです。 陽以外はこういう人命のかかった危険な仕事は、なるべくさせない方が・・・」

 

「皆本!それは違うよ」

 

「皆本さん それはちょっと間違いです。」

 

局長と重症者を町まで搬送した陽が語る。

 

「ああいう子たちだからこそ、こういう仕事が必要なのだ! 超度7の力をフルに発揮していい場所など、ほかにはほとんどないのだからネ! 日常生活であんなパワーが必要かね? 超能力など、普通の生活の中では、迷惑な脅威でしかないのだヨ!」

 

静かに話を聞く皆本に、話を続ける局長。

 

「後に続くエスパーたちの為にも、あの子たち自身の為にも、彼らは常に実践し、証明し続けなければならない。」

 

「あの子たちの才能はすばらしい! そしてそれは誰かを守り幸福にすることができるからなのだと!!」

 

局長の後に続く陽。

 

「あの子たちはまだ、力任せで危なっかしいところもありますが、足りないところは僕が補助します、それにあの子たちには、力の本当の意味と責任を感じてほしいんです。」

 

そのとき、皆本の携帯に連絡が入った。

 

「問題発生!?」

 

現場に緊張が走る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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