絶対可憐チルドレン-転生者の人生-   作:雅蓮

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第11話 チルドレンで (3)

「逃走するテレポーターを捕まえるのは、かなり困難だ・・・。」

 

ヘリの中で局長の指示を聞く、皆本と陽。

 

「一度目は不意を突いたが、今回はそうはいかんぞ!!」

 

「ハイ、局長!」

 

さらに指示は続く。

 

「奴は超度5、移動できる距離も回数も限度がある! 目撃情報をもとに、警察が範囲を絞って包囲中だ! 追いつめられて飛び出してきたら追跡を開始しろ!」

 

「了解! 子供たちはすでに、臨戦待機中! いつでも行けます!!」

 

緊張感漂うヘリの中、しかし背後から・・・。

 

「え~~~? 何それ!? あの作文を書きなおさないかって? 何か特に理由でもあんの?」

 

横になりながらお菓子を頬張る薫。

 

「う、ううん。 別にそういうわけじゃないけど・・・。」

 

雑誌を読みながら言う紫穂。

 

「あやしいなー。 紫穂がそう言うときには何かあんねん。」

 

ゲーム機で遊びながら葵。

 

(臨戦待機はどこにいった?)

 

透視する陽は、呆れていた。

 

 

 

だら~とした雰囲気の中、三人の会話は続く。

 

「ページ5万もくれたら、お嫁さんとかアイドルとかてきとーなフィクション執筆したるで?」

 

「どこの大先生よ、あんた。」

 

冗談交じりの会話の中、一人冷めた様子の薫が・・・。

 

「アホらしい・・・!! そんなのありえないじゃん。」

 

紫穂と葵が薫の方を向く。

 

「私たち超度7なんだぜ? 親にもビビられるあたしたちは、こーやってBABELのなかでやっていくしかないじゃん。 他に無何があるのさ。」

 

黙り込む紫穂と葵、そこに陽が現れる。

 

「何でもだよ。 可能性ってのは自分で作り出すもんだよ! それにビビってるのは僕たちも同じでしょ? いつも誰かを傷つけているんじゃないかってね?」

 

確信を突くような一言。

 

「でもさ!」

 

遮るように、放送が入る。

 

「いたぞ!!目標発見!!」

 

!!

 

「聞こえたな!? 始めるぞチルドレン全メンバーESP解禁、コード入力!!」

 

「チルドレン 解禁!!」

 

3人のリミッターが一瞬輝き、その機能を停止させる。

 

「じゃあ僕は、一足先に行ってきます。」

 

そういって、その場から瞬間移動する陽

 

「すごいな陽はん、まだ解禁してないのに・・・。」

 

「にーちゃんのリミッターが解除されてるのなんか見たことねーよ」

 

「そうよね陽さん、両腕に2こずつリミッターを付けているのに、当然のごとく瞬間移動してるものね」

 

三人は、陽の規格外っぷりに呆れながらも、犯人を追跡する。

 

「先に行った陽から連絡が入った、犯人は、駅前の、道をまっすぐ東え向かっている。

 

「「「了解」」」

 

バイクに乗りながら短い距離の、瞬間移動を繰り返し警察から逃れようとする犯人。

 

しかし、その背後に、瞬間移動するチルドレン、瞬間移動後は、薫の念動力で飛行しながら追跡している。

 

「なにっ!?」

 

ミラーを確認し驚愕する犯人。

 

「バイクに乗りながら瞬間移動っちゅーのはええアイディアや!! それくらいしてもらわんと、鬼ごっこにならへんからな!」

 

次の瞬間、犯人に手をかざす薫。

 

「でもこっちはこーゆうこともできんだぜ!!」

 

念動力で地面を隆起させ、欠片を持ち上げ犯人に殺到させる。しかし犯人は、瞬間移動で回避し続ける。

 

「あ!コノヤロ!!」

 

すぐに、犯人を捕捉し同じ攻撃を続けるチルドレン・・・。

 

「バカ、やめろーー!! 周囲に被害を出してどうする!! しばらく泳がせて、疲れさせろ焦らせて捕まえやすい場所に、追い込むんだ!!」

 

「うるさいなー!もう! そーゆーの苦手なの知ってるだろ!? 現場の判断に任せろって!!」

 

さらに市街地に大きな被害を出す薫。

 

死傷者が出ないのは一会に、後方の陽がフォローしているからだろう。

 

[分子操作 復元]

 

隆起し、所々粉々になった地面や建物を修復していく。

 

「僕が居なかったら、局長がオホーツク支部に飛んでたかもね」

 

陽が、街を修復している間に、チルドレンは犯人を鉄道のトンネルに追い込んだ。

 

「よしっ!チャンス到来!!」

 

今すぐに突撃しようとする二人を、紫穂が止めた。

 

「鬼ごっこは、終わりよ。 彼、引き返してくるわ。」

 

しばらくすると、トンネルの中からこちらに向かって電車が走ってきた。

 

もう、瞬間移動する力も残っていないのか、チルドレンに助けを求める犯人。

 

薫は念動力を使いバイクごと犯人をトンネルにめり込ませた。 その横を、通り抜ける電車。

 

通過後、何事もなかったように瞬間移動で近寄ってくるチルドレン。

 

「助かってよかったねおじさん!!」

 

薫の発言に・・・。

 

「これで助かったといえるんか?」

 

葵が、ツッコミをいれる。 

 

そこから犯人の命乞いがはじまる。

 

「た・・・頼む、見逃してくれ!!同じエスパーじゃねぇか!!」

 

「え?」

 

唖然とする薫。

 

「俺だって好きでこんなことやってんじゃねーんだ!! お前らならわかんだろ!! 強力なエスパーは、普通の連中には邪魔ものだ! 能力が強いほど俺たちの居場所は、限られてくるんだよ。 たまたま拾ってくれたのが、俺はヤクザで、お前たちはBABELだったってだけじゃねーかよ!?」

 

「わかるだろ!!」

 

薫たちは、黙ってしまう。

 

少し遅れてきた陽は、犯人の命乞いに。

 

(ちょっと悪影響が強いかな? ここは・・・。)

 

気絶させようとしたとき、背後から。

 

「子供たちを誘惑するのはやめてくれ。」

 

皆本がやってきた。

 

「授かった力で不幸になったのは、君がそれを選んだからだ!!」

 

拳銃を構えながら、皆本が叫ぶ。

 

「それだけの力を持っていながら、情けないことを言うな!! 君はなんにでもなれたし、どこにでも行けたんだ!! この子たちの未来を自分と一緒にするんじゃない!!」

 

「皆本!」

 

皆本に抱き着く3人。

 

「そうだよね、皆本! 私たち最強のエスパーだもん!」

 

「おおきに、皆本はん!」

 

そんな3人を見つめる陽は。

 

(やれやれ、言いたかったことは全部言われちゃったな・・・でも僕が言うよりいい結果におわったかな?)

 

「皆本さん、犯人拘束して警察に引き渡してきます。」

 

「頼んだ陽」

 

確認すると、瞬間移動する陽。

 

警察に引き渡した後、街の細かい部分を修復しBABELに帰還した・・・。

 

こうして、ひとまず事件は解決したのだった。

 

 

 

 

 

 

数日後 BABEL 局長室

 

「え? あのコたちが作文を再提出!?」

 

困惑する皆本・・・。

 

「さすがだネ皆本クン!! こんな簡単に子供に夢と希望を与えるとは・・・」

 

作文が入っている封筒を振りながら

 

「サンタクロースでも、こーはいかんぞ! どうやったんだね!?」

 

本当にわからない様子で

 

「い・・・いや、僕は何も・・・?で、内容は?」

 

「まあ待て今・・・。」

 

封筒の中から作文を取出し内容を確認する。

 

 

 

 

私の夢は、世界征服です。

 

世界最強の私たちが、地球を自分のものにするのは当然です。

 

今みたく、誰かに命令されるのは、どー考えてもおかしいと思います。

 

今、BABELで働いているのは、その日のためにいろいろ勉強するためだ。

 

あと、お金もいる。

 

・・・ということらしいので、付き合っちゃおうかな。

 

目標は10年以内!!大人になるのが楽しみです。

 

 

 

 

 

 

「皆本ぉぉぉぉぉぉぉぉ!! 貴様いったい何をしたーーー!!」

 

「ぼっ・・・ぼかーしりませんってば!!」

 

局長室に、局長の怒号と皆本の声がこだまする。

 

「あの・・・・クソガキどもーーーーー!!」

 

 

 

 

 

 


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