絶対可憐チルドレン-転生者の人生-   作:雅蓮

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第10話 チルドレンで (2)

「ま、いーじゃないかネ、皆本クン! なんといっても犯人は捕まったし、ケガ人も出なかったしネ!」

 

薫の攻撃で怪我を負った皆本を無視する局長

 

「僕は!?」

 

さらに無視する局長

 

「君たち、ちゃんと規則を守れるかナー?」

 

陽の説教を受け正座している薫たちに問う

 

「「「はいできます局長」」」

 

はもる三人。

 

「ならもう行ってヨシ!今日はエラかったゾー!!」

 

陽の方をチラチラとみる三人。

 

「まぁ、局長もいいと言っているし、今日は解散かな」

 

そういって三人のESP錠を取り外す。

 

「「「「さよーなら、局長」」」」

 

ぱたんという音を残しドアから出ていく、4人。

 

「ちょ・・・!! 局長!? 今日という今日は叱ってくださいとあれほど」

 

抗議するみなもと。

 

「黙れ、皆本ーーッ!!」

 

殴りかかる局長。

 

「局長ストップ!」

 

寸前のところで止めに入る陽、静止しきれない拳を軽く受け止める。

 

「局長、今回皆本さんは悪くないですよ」

 

受け止めたまま、振り返る。

 

「皆本さんも、3人は僕がきっちり説教しておいたんで大目に見てやってください。」

 

頭を下げる陽。

 

「陽クン! 今回の件を怒っているんじゃいないんだヨ!」

 

といって机から数枚の紙を取り出す。

 

「これを見てくれたまえ!! 心理調査部があの子たちに書かせたものだヨ!」

 

 

 将来の夢

 

明石 薫  将来の夢、特になし。

 

野上 葵  ありません。投了。

 

三宮 紫穂 以下同文。

 

 

「どう思うかネ、皆本、陽クン・・・!!」

 

「日本の未来を背負っている、三人がだ!! 人生これからという、あの年で、夢がないなどと・・・!!」

 

泣きながら語る局長。

 

「大問題だヨ、キミ!!」

 

局長の秘書朧さんも補足をいれる。

 

「心理調査部も、この作文には憂慮しています。 なにせあの3人は、超度7! 小さいころから、ほかの子供と遊べず、大人たちもそのパワーに、振り回されてきました。」

 

(たしかに・・・。)

 

「ただでさえ反抗的で、社会性に欠けているのに、将来に希望を持てないとなると・・・、史上最強・最悪の非行少女が、誕生してしまう可能性があると・・・!!」

 

(((非行・・・!!)))

 

「やばいですね・・・今は、暴走でもされない限り止める自信はありますが・・・。」

 

考え込む陽。

 

「近い将来、あの三人が個人の才能を伸ばしていったら、その能力には対抗できなくなるかもしれませんね?」

 

「「・・・」」

 

BABELと契約すエスパーの中でも、間違いなく最強の部類に入る少年の一言に息をのむ二人。

 

「そ・・・そんな大げさな!! いきなりそこまで心配しなくても」

 

苦笑しながらいう皆本。

 

「心配しなくても!? バカ者おぉ! 心配をしろッ心配をおぉーッ!!あの子たちは国の宝なんだヨ!? 大事に大事に大事に大事に育てねばならんのだッ!!!」

 

般若のような表情で皆本に言い寄る局長。

 

「今すぐ何か手を打ちたまえ!! このままでは、国の未来が!!」

 

皆本の胸ぐらを掴みながら脅迫する局長。

 

「・・・そんなこと言われても!?」

 

半分持ちあがった状態で皆本がいう。

 

「まぁまぁ、局長も少し落ち着いてください。」

 

局長を少し離れたところへ瞬間移動させる。

 

「高超度エスパーが夢を持ち難いのは、仕方ないかもしれませんね、特に僕たちは夢を持つ前から、エスパーとして覚醒してましたから・・・エスパーとして以外の未来か・・・。」

 

難しい顔をする陽。

 

「そこを、なんとかするのが、皆本お前の仕事だろうがぁぁッ!! 出来んというなら、一生オホーツク支部で雪かきだ!! 私は本気だヨ。皆本クンッ!!」

 

背後で苦笑いしかできない、陽と朧。

 

 

 

BABEL 超能力精密検査室

 

「・・・機嫌直せよ、皆本~。」

 

頭の到る所に検査用の器具を付けた薫が、成人向けの絵本を読みながら話しかける。

 

「最近ESPも成長してっからさぁ、手加減失敗したんだ。 にーちゃんが止めに入ったから、打撲ぐらいですんだだろ?」

 

へらへらしながら語る薫に・・・。

 

「念波の解析中にそんな雑誌を読むな、薫ッ!!」

 

注意する皆本。

 

「そうだよ薫、ちょっとそういう本は早いかな?」

 

[空間移動 細断転移]

 

薫の手元から消えた雑誌が、ゴミ箱の上に、シュレッターにかけられたような状態で現れ、落下する。

 

「にーちゃん何するんだよ!」

 

陽に食いつく薫。

 

「ねぇ、陽はん! いまのどうやったん?」

 

今の瞬間移動に興味津々の葵。

 

「葵が中学生くらいになったら教えてあげるね、これ人にやったら危険だからね」

 

「えー 陽はんのケチッ!」

 

全員が陽に気を取られているうちに、皆本の肩に触れ、皆本の心を視ようとする紫穂・・・。

 

『人の心は、勝手に視ちゃだめだよ紫穂?』

 

皆本の反対の肩に触れ、紫穂の接触感応に強制的に割り込む。

 

「!!陽さん、割り込むなんてどういう技なんですか?」

 

「すごいでしょう、接触感応と精神感応の応用技かな、催眠と組み合わせて、精神の中に防壁も作ることが可能かな。」

 

しばらくすると看護婦さんが僕たちを呼ぶ、しかし手を握ろうとした紫穂の手を避けてしまう。

 

「お前らも行くぞ、ホラッ!」

 

(無意識でも接触反応の手を握るなんて、皆本さんはいい人だね)

 

陽が考えていると、皆本の携帯が鳴る。

 

「あのテレポーターが、隙をついて警察から逃げた?」

 

(やれやれ、もう一悶着ありそうだ)

 

陽は、チルドレンとともにヘリに乗り込むと、現場に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




局長のセリフが書きにくい今日この頃・・・。

原作が始まるとどうしても初期の方はチルドレンメインになりがちな気がします。

序盤では、チルドレン無双でしたから、陽君が入る暇がありません。

なお、この小説では、原作にあった表現や・セリフ・場面など一部飛ばしていますが、

基本的には、描写されないだけでなかったことに、はなっていませんのであしからず。



UA20000突破したので記念に何かしたいのですが・・・。

何かいい案はありませんか?

プロフィールを新たに作るには、早いと思うので・・・。

またアンケートを取りたいと思います。

UA20000記念の企画を感想にて募集中です。


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