ソードアート・オンライン 《SpecialStory》   作:ЖセイキチЖ

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新年早々暗い話です。ですが、この話を書かないと進まないので頑張って書きます。


第14話 癒し

俺が所属していたギルドが無くなってどれぐらい経っただろう。俺は誰とも顔を合わせたくなくて宿屋にこもっていた。俺にはいろんな人からのメッセージが届いていた。ユウキ、アスナ、アリスやクライン、エギルも心配してくれたのかメッセージを送ってきた。俺は誰1人として返さなかった。人と関わるのが怖かったからだ。誰かを巻き込んでまた死なせてしまうかもしれない。その恐怖があってか避けていた。

だが、ユウキにだけは1通のメッセージを送った。俺自身なぜ送ったかはわからない。

 

「悪い。大丈夫だからそっとしておいてくれ。」

 

短い文章だった。本当は助けを求めたかった。でも、言えなかった。

俺が送信して1分もたたないうちに返信が来た。

 

「ボク達に出来ることがあったら言ってね!いつでも助けるから!」

 

ユウキはいつでも優しかった。そのおかげで少しだけ気持ちが、心が楽になった。余裕が生まれたので少しだけ外に出てモンスターを狩ることにした。腕がなまると最前線にはいられなくなると思ったからだ。モンスターを目の前にすると手が震えて動かない。モンスターに恐怖心があるわけではい。戦闘をしていると思い出してしまうのだあの事を。

必死のおもいで1匹倒した俺は街に戻ろうとした。嫌なことをしたせいで呼吸が苦しい。思うように足が動かない。倒れようとした瞬間に受け止めたのは栗色の長い髪の人だった。

 

「…ここはどこだ?」

 

辺りを見ても誰もいない。体を起こそうとしたが、頭痛が酷いせいで無理だった。

 

「ここは私がよく来る宿屋よ。」

 

おそらく俺を助けてくれたであろう女性の姿であった。アスナだった。ユウキと同じでアスナは優しかったことを思い出した。

 

「…ありがとうアスナ。」

「無事に目を覚ましてよかったよ。心配したんだから。」

 

少し頬を膨らませて怒ったような表情を見せるが、その目は優しい。母親のような雰囲気がある。

 

「キリト君。あのね、どうしてそんな辛い顔をしてるの?」

 

アスナは俺の事情を知っているのに聞いてきた。おそらく、周りからではなく俺の口から聞きたいのだろう。

 

「それは…」

アスナに話して少しでも楽になりたい。でも口が動かない。まるで誰かに操られているかのように口が動かなくなった。

 

「無理しなくてもいいよ。私はいつまでも待つから。」

 

アスナは俺をあやすように優しく背中を叩いた。

 

「俺は《月夜の黒猫団》っていうギルドに入っていたんだ。でも、俺のせいでそのギルドはなくなったんだ…。今は何があったかは言えない…あの日のことを口にするともう…」

 

俺は思い出すだけで涙が止まらない。するとアスナが俺のことを抱いた。

 

「大丈夫だよ。いつか君が話せるようになったら話して。その時まで待ってるから。」

「おう…ありがとなアスナ。」

 

俺はしばらくアスナと抱き合ったままだった。安心したし、なにより心が温まったからだ。

明日からは世話になってる人に謝りに行こう。迷惑かけちゃったしな。

でも今だけはこうしていたい…。

いつからかわからないがアスナと一緒に眠りに入っていた。

 

 

 

 

 




あけましておめでとうございます!
今日中に投稿出来て良かったです。まだ少しだけ話が続きます。

しばらくしたら新しい話を書こうと思ってます。SAOとは関係の無い話です。興味があれば読んでくれると嬉しいです。

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