ソードアート・オンライン 《SpecialStory》 作:ЖセイキチЖ
―――アリスside
私がキリトと出会ったのは私の友達であるアスナの紹介だった。キリトに対する最初の印象は…暗い、弱そう。
こんな感じだった。私が見て褒められるところは1つも無かった…と思う。
その印象を変えたのはボス戦でのことだった。アスナとはパーティを組んでいたので強いことは知っていた。だから、2人で倒そうと考えていた。その考えは間違っていた。キリトは強かった、誰よりも。私とアスナでは比較されるのは恥ずかしいくらいだ。流れるような動き、そして周りを見る視野の広さ。戦いにおいて、キリトの右に出る者はいないと思う。一緒に戦っていてとても楽しかった。戦いと普段のギャップの凄さが私には新鮮だった。普段と言っても会ったばっかりなのでそんなになかは良くないが…。
現実世界にいた時は何をしていてもつまらなかった。勉強では努力をしなくても常に1位、運動神経も抜群だった。他の人に明らかに負けたことなんて1度も無かった。
でも、この世界《SAO》に来てからは違った。剣技ではそこそこ自信があったが周りを見てみると私よりも上手い人がたくさんいた。でも、その人たちを見ていても驚きはしなかった。少し練習すれば、この世界に慣れればすぐに超えられると思った。目の前にいる黒の剣士―――キリトは違う。私がちょっと努力したところでキリトには届きもしないだろう。それぐらい剣技が素晴らしく、キレがあり上手かった。
―――私はキリトより強くなりたい。誰よりも強くなりたい。
こんな気持ちが強くなっていった。でも、どうすればこんなに強くなれるのか私がわからない。毎日剣を振ればいいの?レベルを上げればいいの?私には全くわからない。私とキリトの相違点が1つだけあると思う。それは《信念》みたいなものだ。はっきりとはわからないのでみたいなもの、としか言いようがない。でもそんな感じがする。私は自分より強い相手を求めてこのゲームにログインした。それ以外に目的はない。でもキリトは違う気がする。もっと何かを抱えている感じがする。それが強さに繋がっていると思う。だから私は強さに繋がる強さを《信念》を探さなければならない。
ボス戦が終わってキリトにこれからについて聞かれた。
「君はどうするんだ?」
私は真っ先に「ついて行きたい。」と言おうとした。近くでキリトを見てみたいと思った。でも、私はキリト比べると弱い。その差は歴然だ。だから今回はやめておこう。
「私は残る。キリトみたいに強くなれたら…私から君に声をかけるよ。」
どれだけ経ったらキリトみたいになれるかはわからない。でも、いつかは…いつかはなれると思う。だからその時を信じて努力しよう。私がキリトの隣に立って戦えるように。
私は心に決めた。
非常に短いですがお許しください。アリスはまだ全然出てないので…。
次回はほとんどオリジナルになると思います。いつになるかはわかりませんが、頑張って投稿しますので楽しみにしていてください。