ソードアート・オンライン 《SpecialStory》   作:ЖセイキチЖ

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番外編 アスナの心

――――――アスナside

 

私は現実世界にうんざりしていた。良い成績を取りなさい。同じことを何度言われた。私は現実逃避したなかった。そこで、兄が買ってきたゲーム《ソードアート・オンライン 》をやろうとした。気分転換に少しだけやるつもりだった。でもそれは叶わなかった。少しフィールドに出てモンスターを倒してる最中だった。時計を見てみると6時まで30分ぐらいだったのだ。早く戻らないと母に怒られると思い、ログアウトボタンを探した。ゲームはまるっきりやったことなかったので知識は全くなかったがそれぐらいは知っていた。

メインメニューをに開いてログアウトボタンを探した。いくら探してもなかった。あれこれしているうちにはじまりの街へ強制転移させられていた。おそらくログアウトができないことへの説明および、謝罪のため集められたと勝手に解釈していた。でも、私が考えていることとは全く違った。上を見ているとフードを被った巨大な人が現れた。それは《GM》つまり、ゲームの管理者だった。その時言い放った言葉は本当に衝撃的だった。

「ログアウトができないのは不具合なのではない。本来の仕様である。」

これを聞いた瞬間に私は絶望した。

―――私は現実世界に戻れないの?周りの子に置いていかれるの?

様々な不安が私の中に蓄積していった。

追い打ちをかけるようにプレイヤーに《GM》が残酷なことを告げる。

「このゲームでHPが0…つまり、死んだ場合現実世界の自分

死ぬ。」

私はどうすることも出来なかった。

最初は、はじまりの街でこのゲームがクリアされるのをずっと待ってようと考えていた。でも、いつクリアされるかは私にはわからないし、周りのプレイヤーも想像できないと思う。だから、私ははじまりの街を出てクリアするために戦うことを決心した。

まずは、1レベルずつでいい。少しづつ上げよう。回復ポーションと武器は…レイピアにしよう。5本ぐらい持っておけば大丈夫だよね。勝手に信じ、フィールドに出た。

 

自分なり努力し、気づけばレベルは10に達していた。情報屋から配布された攻略本を見てみると、ボス攻略の適正レベルは階層+10と書かれていた。レベル10になってからひしばらく経っているので、もう少しで適正レベルに達するだろう。

そして、私は第1層のボス攻略会議が行われるトールバーナという町に来ていた。

広場でしばらく待っているとようやく始まった。しばらく聞いていたが無意味な話が多かった。攻略会議なのにボスについての話がちゃんとしていなかった。話を聞き流していたため、細かくは理解していないが、パーティを組めと言われた。周りのプレイヤーは知り合いなのかすぐに組んでしまって私は組む人がいなくなってしまった。どうしようかと考えている時に声をかけられた。

「あんた、あぶれたのか?」

横を見ると黒をメインとした服の男性プレイヤーと、紫をメインとした女性プレイヤーがそこにいた。それが後に仲良くなるキリトとユウキだった。

知らない人なのにいきなり話しかけられ、それなのにいきなりバカにされて少し苛立った。

「あぶれてない。周りが仲間仲間っていってついていけないだけ。」

「それをあぶれたっていうんだよ…」

何か聞こえたような気がしたがこれ以上何か言うと言い争いになりそうなのでやめておく。

「俺達とパーティを組まないか?今回だけの暫定パーティだから。」

いきなりそんなことを言われたのでびっくりした。これは私にとっても好都合なので了承した。

その後に私の唯一の友達であった、アリスを紹介して、次の日のボス攻略に備えることにした。

宿屋に向かい、真っ先にベットへ向かった。いろんなことがあって疲れてしまった。明日のためにすぐ寝ようとしたが、全く寝つけなかった。 いろんな不安がよぎったからだ。

―――明日は絶対に死なない。勝って、生きて、現実世界に戻るんのよ!

私は心の中でそう決意し、眠りについた。

 

 

ボス戦になってからの黒の剣士と、その横の女性プレイヤーは本当にすごかった。今まで見た中で凄かったプレイヤーはアリスただ1人だった。でも、それは全くの間違いだった。戦闘を見ていると本当にすごかった。相手の急所にクリティカルヒットさせ、つかさず、スイッチをして攻撃の手を緩めなかった。その戦闘技術は見惚れするものだった。

そして、黒の剣士が最後の攻撃をし、第1層のボスを倒した。

あの剣技を見て私はこの人のように強くなってゲームをクリアすると誓った。

疲れていて記憶はあまりないが、黒の剣士は周りのプレイヤーに責められていた。あんだけ凄くてボスを倒したのに責められる理由はわからなかった。

「《ビーター》か、いいなそれ。」

私と話している時はこんな暗くなかったのに今はこんなに辛い表情をしながら言っている。おそらく、演じているのだろう。

そう言って彼は上へと向かっていった。1つだけ気になったことがあったから聞いてみた。

「なんで私の名前がわかったの?」

「え?パーティのHPバーがあるだろう?そのあたりに名前もついてないか?」

言われた通りに見てみると本当に書いてあった。

「きり…と?あなたの名前はキリトっていうのね。知らなかったわ。」

こんな場所に書いてあったのは知らなかった。思わず私は笑ってしまった。

「キリト…君。私はこの世界で生きる意味。目標が見つかったわ。」

キリト君は少し嬉しそうな顔をした。

「呼び捨てでいいよ。

そうか、よかったな。もう生きる意味がないとか言うなよ。後、もう1つ。君は強い。だから、信用出来るやつにパーティに誘われたりしたら、断るなよ。俺みたいなソロになったら後悔するぞ。」

私はキリト君に強いと言われて嬉しかった。あんな強い人に認められた気がしたから。でもキリト君はソロだ。なら私になぜそんなことを言うの?

「あなたは…キリト君はどうするの?」

「ふっ…。」

私の疑問に答えず、歩き出してしまった。聞いてはいけないことだったのだろう。

キリト君が歩いていく姿を見て決意する。

―――私は強くなる。誰よりも。

 

私は決意し、キリト君が視界から見えなくなるまで、ずっと見守っていた。

 

 

 




まずはアスナからです。なるべく今日中に、アリスの方も書けたらと思っています。
第1層の時は片想いではなかったはずですが、もうなってるみたいな感じになってますね。笑
アリスはどうしましょう…
アリス編をお楽しみに〜!

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