あれは嘘だ
気が付けば5千字オーバー・・・
飛行中で、ただ飛んでいるのは少し暇なのでサイラの通信機を起動する
(え?そんな事する暇があったら警戒しろ?してますが何か?)
『あなたの本名が紗砂・エンデンス・凛・ケールであることも、凪との会話で確認が取れています。普段の口調で喋っていただいて結構です。』
イリスか、どうやら喋られるぐらいには回復した様だな。
『何時から気づいていたの?』
『気づくも何も、昨夜の幽幻種発生時に援護してくれてたのはサラちゃんです。魔笛を一瞬で浄化した術式を見れば誰もがエルマリアの聖女だと分かります』
『見ていたのね。』
『はい、遠隔モニターで、サラちゃんが凪にデコピンされ泣きそうにうずくまっている姿は本当に痛々しいそうで・・・』
『消しなさい!今すぐにそのデータを消しなさい!』
『すいませんが、既に記録媒体に大量にコピー済みです、凪が《ふははは、チビ聖女の分際で俺に喧嘩を売ってきたことを後悔させてるぜ》と命令されました』
『イリスさん、そのデータ後でくれませんか?』
『ちょ、なにサイラまで何を言いだしているの!?』
『良いですよ。とにかく落ち着いたら送信します。』
『何さり気なくデータ渡そうとしてるんのよ!』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『ハァ、ハァ』
ボケが連続しツッコミを入れ、息切れを起こしてる紗々。そして息を整え
『それよりも今の自分の立場を理解してるの?』
『私を利用するため、エルマリア神教界に連れて行く最中だと認識しています。』
『じゃあ』
『サラちゃんがその上で、私と友達になりたいのだと判断しました。』
『・・・何を言っているの、私はあいつから貴女をさらったのよ。そんな私と友達だなんて。』
紗砂は黙りこんで
『まさかと思うけど、あなたわざと誘拐されたの?』
『え、ええ・・・だって、あの凪がですよ?すごく真剣に私を助けようとしてくれるですよ?もう、嬉し恥ずかしくて、今さら起きてます。て、言えないじゃないですか。主人にああやって想われてたらメイドロボとして魅了尽きるじゃないですか!サイラさんもそう思いますよね!』
『そうですよね!主人にそんなに大事に思われていたら私も惚れてしまいます。イリスさん程ではないかもしれませんが、私も刹那やヨミさんに大切にしてくれます!』
『・・・ついていけないわ』
紗々がそんなこ事を言う
俺もその場に居れば苦笑いしてるだろう。そんな事を思っていると
「何!?」
横の下から十六の槍が飛んでくる
盾とGNソードで防ぐが数個は両方のGNバズーカに被弾しする
「くっ、GNバズーカパージ!」
GNバズーカをパージし、スナイパーライフルを取り出す。
紗々達に敵が来たことを伝える
「紗々、サイラ!聞こえるか!」
『ふぇっ!?せ、刹那!?』
サイラから可愛い悲鳴が出たな・・・
「敵が来た!今すぐ車からでろ!」
俺も反撃で、スナイパーライフルで撃つがよけられる。
(やはり、目標を精確に打つことが目的のスナイパーライフルでは、読まれやすか!)
『わ、分かりました!』
通信機から聞こえる声
『イリスは私、サイラは運転手を連れて出なさい!』
紗々が言い終わった瞬間槍が飛んで来た方向とは逆の場所から銃弾が飛んで来た。
飛んできた弾がスナイパーライフルに当たり爆発する
「なんてでたらめな射撃だ!」
アニメで在るように正確な射撃は先を読めるが今回のようなのでは、油断してたら殺られるGNフィールドを展開し車近く降りる
「刹那、大丈夫ですか!?」
「ああ、大丈夫だ。紗々、敵はゴーストで恐らく、御使い(グリオ)と鉄の賢者(ヴィデイス)だ」
「分ったわ、ヴェイン、貴方は今すぐ逃げなさい」
紗々が部下にそう言い
「わ、分りました!」
彼は国境へ走りだした
「その姿は・・・あなただったのですか刹那・・・」
イリスが俺を見て言う
「まあな、とにかく今は敵を倒してからだ。」
すると、俺たちの前に二体のゴーストが現れた擦り切れた軍服を纏うアンドロイド
肩や肘の関節部の人工皮は大破し、内部の黒い金属が覗いている。1体は遠距離の重機関銃、もう一体は巨大な槌矛(メイス)を持っていた
「イリス、簡潔に説明するぞ。あれはゴーストと言ってな、破壊された機神に魔笛がとりついた存在だ。」
「そんなこと、あり得るですか?」
「魔笛にはそんなことの出来るのがあっても不思議じゃない。もっとも目の前にいる敵は人の手によって作られたがな」
「そんな・・・」
「ともかく今は奴らを倒すぞ」
俺がそう呟いた瞬間にゴースト達は動き出した
グリオがメイスを上から、イリスが下から大窯を撃ち合う形で一気に持ち上げた
ギシィ!
と衝撃と音がなる。砂は空中まで飛び、グリオがメイスを持ったまま後方へ飛んでいく。
ヴィデイスがイリスに向けて銃弾を放つが俺が前に行きGNフィールドでイリスを守る。
「イリス、刹那、魔笛を浄化すればアンドロイドとして使えるわ。」
「だから、機械水晶は壊すな。だろ?」
「・・・」イリスの返事がない
「イリスさん?」
サイラがイリスの顔を覗く
「や・・・はり・・・まだ・・・システムが・・・」
「イリスさん!」
サイラが走り倒れそうのなるイリスを支える
「まだ、システムエラーが治り切っていなかったのね・・・来るわよ!」
紗々が叫ぶ
先ほど飛ばされたグリオがメイスを投げる
投げる直前、幽幻種と同じ呪詛を唱える。
『・・・来たタレ・・・王剣』
轟音を従え投げたメイスが空中で一六本にも分裂する
『破壊・・・セヨ、ソノ防護陣』
(原作よりも四本も増えてるのか!)
「何から何まで、幽幻種そっくりてわけね!」
紗々が展開していた防護結界に十一本のメイスが刺さったと同時に紫色の光を放つ。十二本目のメイスが当たると同時に紗々の防護結界を破壊する
続けて四本のメイスが飛んでくるが、GNフィールドで一つを抑え三本の軌道をそらす
「魔笛による結界破壊!?私の結界を破壊するなんて生意気すぎるわよ!」
紗々が驚く
「サイラさん!」
イリスが叫ぶ、俺が振り返ると。
「だ、大丈夫です・・・」
サイラの左肩と右足の関節部分にメイスが突き刺さっていた。
メイスが紫色に光り、集結し、グリオの手に戻る
「紗々!俺がグリオを倒す、サイラとイリスを頼む!」
「分かったわ、けど早くしなさよ。こっちもどこまで持つか分からないだから」
「分ってる。二人を頼む」
俺はブーストで、グリオに近づき、GNソードで切りかかる。グリオがメイスを横にして、防御の姿勢を取る
だが、それはフェイントでシールドをクローモードにし腹のところを締め付け、勢いをつけたまま俺自身も森の奥に突っ込んで行った
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
紗々
(刹那が一体を抑えてくれるのはありがたいけど、二人を守りながら戦うのは、厳しいわね・・・)
ヴィデイスが銃口を紗々に向ける。紗々は物理攻撃を防ぐ結界を発動する
(本調子なら、こいつらについてる魔笛ぐらい、百km以上離れても浄化できるのに・・・)
彼女は、近いうちに発動するための究極結界の発動のために沁力を温存している。
銃口から弾丸が発射される。その時紗々は気づいた。
(しまった!標準は私じゃなくて、イリス達の方!)
結界は直撃する物は止めはするが、かすれる物は軌道をそらす。だがその弾道が逸れた物や紗々に当たりもしなかった弾丸がその先にいるイリス達に向かう。
瞬間、金属同士がぶつかると出る音が響く
「この数の弾丸なら防ぎ切ります!紗々はあのゴーストを倒すことを考えてください!」
サイラが叫ぶ
彼女の方を見ると、イリスがサイラの左肩を抱え、サイラは右腕で槍を握ってる。
(多少銃弾に当たったみたいけどアンドロイドだから、多少は無事ね。刹那が戻って来てくれれば、倒すのは早いんだけど・・・)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
刹那
グリオを森の奥まで押し込み巨大な木にぶつけて、離れる。するとすぐさま
動き出しとてつもないスピードで、メイスを顔に向けて攻撃してくる
「くっ、!」
俺は顔を動かしGNソードで受け流す。GNソードとメイス中間に火花が飛びあう、瞬間
「ぐはぁ!?」
グリオが右足で横腹を全力蹴られ、吹き飛ばされる。
吹き飛ばされた先の木に当たり3本を貫通し、4本めで止まる
(い、痛い・・・こんな激痛を味わったのは始めてだ・・・)
俺は、生前ただの一般人だったからこんな激痛は普通では会わないだろう。
「さすが、一騎当千できるほどの強さだな、機神は、けど俺もこんなところで負けるわけにはいかない!」
立ち上がり、グリオに近づき、GNソードを振るう。だが案の定受け取められる。
そして先ほどと同じように蹴られるがシールドで防ぐ、蹴られた威力は大きく、吹き飛ばされながら地面に足がめり込むが耐えきる。
その時、上空から降ってくる細長い何かの影が見え、上を見ると
(メイスだと!?)
おそらく俺が蹴り飛ばされ立ち上がる前に上空に打ち上げたのだろう。よくよく思い出してみたら、グリオが持っているメイスが細くなってることに気付いた。
(ここまで、計算していたのか!?どうする、GNフィールドで防ぎきれない。なら、一か八かあれを使うしかない!)
「トランザム!」
機体装甲が赤く光り、残像が発生する。
メイスが地面に突き刺さるが、その時には俺は横に飛びグリオの背中にGNソードで切りつける
『!?』
動揺するグリオ、振り向くが、その時には俺はやつの持っているメイスの手を腕ごと切断する。
右腕で殴り掛かるが俺はそれを横にしゃがんでかわし、グリオを斜め上に蹴り上げる。
上空に蹴り飛ばされたグリオは、落下し始めると同時に俺が右足、右腕、左足を順番に切断し、クローで胴体を挟んで、地面に激突する。土埃で、見えない間にGNフィールドでグリオの魔笛を浄化する。
その後完全に浄化したことを確認する。
「ハァ、ハァ、ハァ・・・」
息切れを起こしている。
その後落ち着き、あることを考える
(なぜ、なぜだ、なんで俺の体がついて来られている!?)
機神が追いつけないほどの速度を出したのに、血を一滴も吐かない。普通であればGでそれ相応なりの怪我があったはずだ。
(考えるのは後にしよう・・・)
今は紗々のところにいかないと
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
紗々
(迂闊だった!まさか、撃った弾丸を岩にかすらせて角に触れさせるように陽動させるなんて)
今、敵の標的はイリス達じゃなくて私に向いている。だが肘は魔笛によってドロリと溶けた岩に触れてしまった、このまま放置すれば、肘から先は壊死してしまう、そんなことを考えていると、ヴィデイスが重機関銃を打ってくる。結界で防御する。
ヴィデイスが、煙で見えなくなるほどに弾丸を発射し撃ってくる。
「銃ごときに、この結界は破れないわよ!」
そう言うと、発砲がやむ
瞬間、煙の中からヴィデイスが出てきて、右腕で、結界を破壊し、左腕で紗々に殴り掛かる。
「しまっーーー」
「悪いな、このチビ聖女は、俺が先約なんだ。出直してきな」
ヴィデイスが何か来ると悟り後方へ飛ぶ。
(今の声って、駄犬?)
「よぉ、チビ聖女探したぜ」
ポンと頭を小突いて、軍学校の制服着た少年が不敵に笑って見せる
「詳しいことは、後だ。そこのポンコツ、魔笛にとりついた状態でイリスに触れんなよ。こいつは俺のダメイドだ」
ヴィデイスが捨てた銃を拾い、凪に向ける
「逃げなさい!こいつらが、機神よ、そこらの軍用アンドロイドとはわけが違う!」
「・・・」
微動だにしない凪
「悪かったわ!私が後でいくらでも謝るから逃げて!あなたは、イリスや私とは違うんだから!」
「・・・へぇ」
意外そうな声をだし、横顔だけ向けてきた。大きく開いた瞳、悪戯っぽい不適な笑みを口元にのこして、
「お前、心配してくれんだ?」
「そんなの私の勝手じゃない!」
「それじゃ、俺はなおさらひけねぇよ、これも俺の勝手だ。」
「どうして!?」
喉をつついて出た声は、悲鳴に近かった
回転し始める重機関銃
「お前、やっぱりアホだろ?イリスの友達をな、イリスの主人(オレ)が放っておくわけねぇだろ。」
銃弾が発射される。凪に直撃する、否
「さすが好き嫌いの激しいワガママ結界、嫌いなもんはとことん無効にする。てっか」
銃弾が止まり、カランッカランッ、と凪の足元に落ちる
「
聖女エルマリアが禁断水晶から授かった結界、
痛みを与えんとする悪意を打ち消し、代わりに痛みを与える。
と言う伝説が残っている。
敵意にしか反応しないためミカエルが投げたビーチボールは素通りし、偶然こぼしたお茶ではやけどする役立たずの結界・・・そう思っていた。
伝説の聖者エルマリアがそう名付けた理由を私は理解した
(その結界は、誰かの為に、自分が傷だらけになるのを躊躇わない人間のためにある。その者の代わりに、傷だらけになってくれる結界なのね)
それはきっと、傷だらけの凪を守りたくて、イリスが無意識のうちに生み出した洗礼なのだろう。
「歯を食いしばれよ機神、たぶんすげぇ
凪がヴィデイスに走る、ヴィデイスは銃弾を放つが効かない
そして真っ白になるまで堅く握られた拳を思いっきり凪の全体重をのせて拳を振り落とした。
深く、深く突き刺さる拳。もちろん、鋼鉄で出来た素体にはキズ一つないだが、
『-------ッッッ!?』
ヴィデイスより発せられる言葉なき絶叫。
痛覚を持たないアンドロイドが初めて体験した痛み。
エルス・エルマにいよって強制的に付与された痛みをシステムが理解できず、強制的エラーまで引き起こす。
ヴィデイスがよろめき、膝を付き、機能停止する。
今度こそ原作2巻は終わらせます
あと不完全神性機関イリス編は30ぐらいで終わる予定(←ここ重要)です
表現の正しくないところがあったらすいません