モンスターハンター 二刀を持つハンター   作:ひかみんとかカズトとか色んな名前

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前章からの繋ぎのお話。
結構短めです。





第三章・狩りの後の一時

ドスゲネポスの狩りを終え、数日をかけてドンドルマへ戻った三人。そして竜車から降りると、すぐに酒場の中にあるクエストカウンターへむかった。

 

「…エヴリネ。」

「ん、あら。終わったのね…って、エリカちゃんどうしたの…?」

 

カイルはいつもの如く無表情で、マリアは苦笑いを浮かべる中、何故かエリカだけ凄く疲れたようにがっくりとしていた。

それに気づいたエヴリネが驚いて尋ねた。

 

「少し、今回のクエスト内でのことで説教してやった。それだけだ。」

「…あなたの説教って、それ少しどころじゃないでしょ。」

 

お互い淡々とクエスト後の処理をしつつ、軽く話す。

カイルは帰りの竜車内で、姉妹に今回の狩りで修正すべき所を含めて説教という名のアドバイスをしていた。

ただ、エリカに対して酷評が相次いだようで、彼女は狩りの疲れもあって大分ボロボロだった。

 

「でもそこまでするってことは、彼女達とチームを組むってことかしら?はい報酬。」

「そこはお前が勝手に考えてろ。俺は何も言わん。」

「素直じゃないわねぇ…」

「ほざいてろ。」

 

エヴリネのからかいを含んだ喋りを一方的にスルーし報酬を受け取ると、マリアに向けてそれを放り投げる。

それを危なげなく受け止めるマリア。

 

「うわ、わ…!」

「今回の報酬だ、二人で分け合え。」

「え、いや…カイルさんは…」

「俺はいらん。それに今回ドスゲネポスを狩ったのはお前等だ。」

 

そう言い残すと、カイルはさっさと酒場の出口へ向かってしまう。

呆然と立つマリアに、カウンター越しにエヴリネが声をかける。

 

「ごめんねー、あいつったら意外とシャイなの。」

「あ、いえ…大丈夫です。」

「ふふ、そう?まぁ早く追いかけたら?出てっちゃうよ?」

「あ…は、はい!エリカ、行くよ!」

「ふぇ?う、うん…」

 

微笑むエヴリネに言われ、慌ててカイルを追いかけてく姉妹二人。

その背中を、エヴリネは羨ましそうに見送っていた。

 

 

 

 

 

 

カイルと、それを姉妹が追いかけるように家に戻った。

 

「戻ったぞ、キャスリン。」

「にゃ、お帰りなさいだにゃ。」

「ただいまです、キャスリン。」

「ただいまぁ…」

「姉妹のお二人もお帰りですにゃ。」

 

三人を出迎えるキャスリン。

そうじをしていたのか、箒を持ったままであった。

 

「ご苦労さん。」

「ご主人様達こそ、にゃ。」

 

いつもと変わらない二人の労い。今は姉妹二人もいるが。

三人は家に上がりつつ、それぞれの荷物を置きにいった。

 

「そのついでといっちゃ難だが、風呂も沸かしてやってくれ。頼めるな?」

「了解だにゃ!」

 

キャスリンはカイルから指示を受けると、準備のためすぐさま奥へと消えていった。

それを確認したカイルも、自身のプライベートルームへ入っていった。

 

 

 

少し時間が経って、カイルが一足早く自分の部屋から出てきた、シルバーソルを着たまま。

他の姉妹と猫(キャスリン)がいないのを確認すると、そのまま外へと出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ふー…初めての部屋での整理も疲れるわね…」

「同じく…」

 

そうお互い呟きつつ、姉妹が二階から降りてくる。

が、居間にいるのはキャスリンのみであり、カイルの姿はなかった。

 

「あら…?キャスリン、カイルさんは?」

「にゃ。ご主人様なら多分報告かと。」

「報告?さっきしてたよね…?」

「にゃにゃ、クエストの報告ではないですにゃ。親友へのご報告にゃ。」

「親友…?」

 

エリカが首を傾げる。

あんなむっつりな人に親友…と信じてない表情だった。

 

「そうですにゃ。自身の生活、狩り、何かあったとき、変化があった時。彼へ報告に赴くそうだにゃ。」

「へー。で、それって誰で、どこにいるの?」

 

エリカは何気なく聞いた。が、キャスリンは表情を曇らせる。

 

「それは、私からは言えないにゃ。その人はご主人様の大切な人だった。それを易々と私の口からいうことは出来ないにゃ。」

「…だった?」

「…失言だにゃ。とりあえず、私からはそのことに関して言えないにゃ。」

 

エリカは頬を膨らませ、言おうとしないキャスリンにむすっとした表情で睨む。マリアは、キャスリンの失言からその人の事情をある程度察したのか、少し俯いていた。

と、突然エリカがキャスリンの肩を捕まえる。

 

「むー!おーしーえーてーよー!!」

「うにゃあぁぁ!?む、無理だにゃあぁぁぁ~!!」

「あっ!?こらエリカ!止めなさい!!」

 

そして、キャスリンの肩を大きく揺らし始めたのである。

当然体格さからキャスリンの受ける衝撃は大きく、かなりぐわんぐわん頭を揺らしていた。

それを取り押さえようとマリアが近寄る、が…

 

「…何が知りたい?」

 

玄関から響く冷たい声。

それを聞いた三人…二人と一匹は硬直し、声のした方を向いた。

 

そこにはカイルが相変わらずの無表情で立っており、まるで睨むように視線をエリカに送った。

 

「え、あ、いや、その…」

「粗方今俺が報告しに言った相手のことだろう?大体予想はつく。」

「う…」

 

エリカがどうしたらいいのか、何を言えばいいのかわからず困惑した表情でオロオロしていた。

マリアもそのことを聞いていいのか迷っていた。

 

「まぁいい、このまま話したいこともあったしついでだ…キャスリン、一杯。」

「かしこまりましたにゃ。」

 

カイルの指示を受けたキャスリンがキッチンへと消え、カイルも一旦着替えるために自室へと戻った。

 

 

 

カイルが戻るのとほぼ同時に飲み物を持ってきたキャスリンにマタタビを与え、彼は椅子に腰掛ける。

 

「さて…どこから話したものか。まあまずはこれから、だな。」

 

そう、ドスゲネポスの狩りで決めると言っていたこと。

その時がきたと二人は緊迫した表情でカイルをみた。

 

「…二人とも、ハンターとしての素質はあるが…まだ芽が出たぐらいだろう。それを今ここで捨てても周りが生かせるかどうかわからん。だからま、とりあえず…今後も面倒を見てやる。だが、狩りは基本俺なりのやり方になる…それに賛同出来ないなら抜けてもらうことになるな。」

 

認めてもらえた。

初めは疑いを含んだ、しかし後にチームを組んでもらえると確信した二人は喜び、抱き合った。

 

「…で、だ。喜ぶのはいいが…期間は予定としては二人で一定の大型モンスターが狩れるようになるまでだ。」

「えっ…」

「当たり前だ。俺がそんなお節介に見えるか?」

「見えない。」

「少しはオブラートに包むことを覚えろエリカ。」

 

驚くマリア、躊躇のないエリカ、相変わらず無表情なカイル。

 

今日ここに、奇妙な三人パーティーが出来上がったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…さて、後は俺のことか…」

「あ…いいのですか?」

 

カイル自身のことになり、マリアは聞いてもいいのか不安になった表情で聞いた。

カイルは気にするなと言わんばかりに相変わらず無表情で話し始める。

 

「俺が今ほど高いランクではない頃、三人でパーティーを組んでいたんだ。今、その一人に報告してきた。それだけだ。」

「…えっと、それだけ?」

「俺が易々と昔話する奴に見えるのか?」

 

簡単な説明ですませたカイルに、エリカが首を傾げながら聞く。が、後のカイルの一言で妙に納得してしまった。

 

「まぁ、それらは追々話してやる…今は自分達のことを考えてろ。それと今日はもう解散だ。」

 

カイルも慣れないことをしたせいかそれなりに疲れたらしく、席を立つと頭をぼりぼり掻きながら自室に戻っていった。

これ以上は無駄だろうと察した姉妹二人もキャスリンに片づけを任せ、二階へ上がっていった。

 

その後、帰ってきた時の疲労が嘘のようにエリカが晩飯時に騒ぎ、カイルとマリアに叱られるなどと言った出来事があったという…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ここから狩りが増えると思います。

さぁてどう書いていこうか…

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