モンスターハンター 二刀を持つハンター   作:ひかみんとかカズトとか色んな名前

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ここからまた新しく始まってく感じになります。
でも今回話を詰めすぎた感ハンパない…

エリカの隠された何かが垣間見えるかも。
更に新たにキャラが一人現れます。姉妹に関係ある人ですね。

でもちょっと詰めすぎたかな…


第十四章・雪山の非日常?

砂漠でのイビルジョー出現から数週間。

カイル達三人の日常は驚くほど普通に今まで通りへと戻っていった。

 

カイルがクエストを選んで指導し、姉妹二人がそれを淡々とこなす。

そして様々な素材を得たり、まだ慣れない沼地を重点に密林や砂漠…そして新たに雪山にも行き、各フィールドを把握させたりとそれの繰り返しであった。

 

 

 

 

 

「フィールドは雪山、この時点で持って行くべきなのは?エリカ。」

「ホットドリンク!後は念のための解氷剤かな?」

「そうだ。依頼内容は雪山草…マリア。」

「各エリア…主に山頂付近で採取出来ますね。」

「ん。…大丈夫そうだな。」

「そりゃあ初めて狩りに行ったところだからね!」

 

時間は夜、場所はカイル宅リビング。

カイルが出したお題に、二人が答えるというちょっとしたクイズ形式であった。

姉妹二人は元々雪山から狩りを始めたこともあり、それなりに知識はついていた。

 

「まぁ、上々だな…明日のクエストは雪山に行く予定だ。しっかりと体を休めておけよ。」

「はーい!」

「わかりました。」

 

そうして三人は、各々の就寝場へ向かい安らかに眠った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日。

クエストを探しに酒場へと向かう三人。

 

カイルはシルバーソルにエリカはザザミ、マリアはフルフルといつも通りの三人は、酒場の騒がしさを無視してカウンター…ではなく、クエストボードへと向かう。

 

エリカが背負う武器はスティールガンランスと順調に強化されていたが、マリアが背負う弓はハンターボウⅢからまだ変わっていなかった。

 

単純に素材が足りないのだが、マカライト鉱石は普段から採取も行っていたために十分にあり、ドスイーオスの皮は沼地のフィールド把握の際に一頭だけ狩った分があるため恐らく足りる。問題は残りの一つ、ゴム質の皮…つまり、ゲリョスであった。

 

ゲリョスはイャンクックなどと同じ鳥竜種ではあるものの、その皮膚をはじめとした独特の特徴があった

まず、皮膚はゴム質で出来ており雷は勿論、シビレ罠を通さない。口からはブレスではなく毒、または猛毒を吐き散らし、特徴的な頭のトサカからは閃光玉並みの光を放つ。

特に閃光は目に直撃すれば失明しかねないほどであり、瞼だけでは防ぎきれないらしい。そのため、しっかりと目を庇わなければならない。

最大の特徴はこのゲリョスだけが行う、死んだフリである。

被害にあった者達によれば、文字通り死んだフリだけではなく殺気どころか生きてる気配すらも完全に消すらしい。目覚める直前にトサカが光るようだが、それに気付いてから離れる猶予はほぼないだろう。

 

このように、一癖も二癖もあるモンスターを彼女達が未だ慣れない沼地で狩らなければならないため、カイルは沼地のフィールド把握をメインに行ってきた。

とはいえ今のところゲリョスの発見報告や被害報告もないので、一息入れるのも兼ねて彼女達の慣れ親しんだ雪山へ向かおうということになった。

 

 

 

クエストボードを漁るように見るカイルと、その後ろでクエストを眺める二人。と、カイルが一つクエストを見つけ、取る。

 

「今回はこれだな、ブランゴ討伐…む?」

 

取ったクエストの内容に何か思ったのか、カイルはそれを持ってカウンターへと向かう。

姉妹は首を傾げつつ、カイルについて行く。

 

「エヴリネ。」

「ん、あらカイル。どうかしたの?まさか…」

「このクエスト内容、ブランゴがメインなのか?それともギアノスがメインなのか?」

「無理矢理切らないで頂戴…ええと、これ?」

 

エヴリネのめんどくさい会話を始まる前にぶった切りつつ自分の知りたい質問をふっかけるカイル。ぶーっと不機嫌そうな表情をしつつも、渡されたクエストの内容を確認する。

 

「…ああこれね。最近はモンスター同士の縄張り争いも増えて来てるみたいでね。雪山じゃ増えたブランゴとギアノスがフィールドを荒らしたりなんだりで大変みたいね。」

「それを狩れ、と…匹指定もないのはどうかと思うがな。」

「んー、そうね…各10匹も狩れば十分じゃないかしら。」

「適当だな…」

 

エヴリネの適当な答えに呆れるカイル。つい数週間前までテンパっていた受付嬢とは思えないぐらいだらけている。

 

「仕方ないのよぉ…こっちも新種やらこの間のイビルジョーやら何やらでてんやわんやしてるんだから…」

「普段からサボり気味だったんだからちょうどいいだろ。しっかり働け。」

「うっさい早く行け!」

「はいはい…。」

 

エヴリネの逆ギレを呆れた表情で流し、カイルは竜車へと向かう。姉妹もそのやりとりに苦笑いを浮かべつつ、カイルの後を追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

竜車に乗ること数日。

フラヒヤ山脈…通称雪山の麓のベースキャンプに着いた三人は、そそくさと狩りの準備を行っていた。

 

「流石に手慣れてるな。」

「はい、やはり故郷の近くな上に慣れ親しんだ狩場ですから…。」

 

カイルも雪山に狩りに来たことは多々あったのもあるが、姉妹二人もまた村にいた頃に何度も来たおかげもあってか慣れた手つきで荷物整理を行っていた。

 

 

 

「さて、今回のクエストの確認だ。縄張り争いをしてフィールドを荒らしているギアノスとブランゴを狩って鎮圧してくれ、という依頼だな。こいつらのボスの報告がないのが気がかりだが…。ともかく、ターゲットらブランゴとギアノス…特にブランゴを優先的に狩ること、いいな?」

「ブランゴがギアノスの縄張りを奪おうとしてるのでしょうか…?」

「わからん、とにかく見てみないことには始まらん…とりあえず準備が出来次第出発するぞ。」

 

自身の武器─飛竜刀【楓】とゴールドマロウ─を確認しつつ告げたカイルの言葉に頷いた姉妹を連れて、彼を先頭に雪山のフィールドへと走っていく。

 

ベースキャンプからエリア1に向かった三人を出迎えたのは、とてつもなく大きな山と湖を筆頭とした美しい景色であった。

湖はエリア1の一部を浸食するように広がっており、ベースキャンプから来て右側の小高い壁を登ると洞窟内のエリア4があり、まっすぐ進むと高い崖が待つエリア2へと続く。

水辺にはポポが親子でのんびりとしており、この辺りは平和であることを主張していた。

 

「ふわぁ~、懐かしいなぁ…!」

「懐かしさに浸るのは構わないが、程ほどにな。」

「わかってるよっ。」

 

エリカが景色を見ながらそう言ったのに対し、カイルもさらっと告げるように彼女へ言う。

勿論エリカもずっと浸るわけもなく、カイルについて行くようにエリア4へと走っていく。

 

 

 

だがそのエリア4で、思わぬ相手と遭遇する。

 

「…待て。」

「さっぶ…へっ?」

 

突然カイルが二人を止める。

不審に思う二人がカイルの視線を辿ると…

 

「ブランゴ…?何故こんなところに…」

 

そう、まずモンスター自体確認されることのなかったエリア4に偵察か何かが目的だろうか、ブランゴが一匹だけいたのである。

周辺をキョロキョロと見渡すブランゴは、カイル達を見つけると驚いて逃げていった。

 

「…妙だな。これはただの縄張り争いということではなさそうだ。」

「ですね…少し、様子見で回った方がいいかもしれません。」

「よし…一度手分けして探してみよう。俺はエリア3の方に向かう。エリカとマリアはエリア6の方に向かってくれ。」

「わかりました。」

「りょーかいっ!」

 

そう決めた一人と二人は、エリア4のそれぞれ別の出口に別れて進んでいく。

 

 

 

 

 

「エリア5も6も特になし、か…」

 

エリア6へと向かった姉妹は、途中のエリア5も含めてギアノスが多かったことを除けば対して変わったことはなく、見慣れた雪山のフィールドであった。

 

「一旦カイルさんを待ちましょうか。…エリカ?」

「…声がする。」

「えっ…?」

 

いつも騒がしいエリカが一気に静かになっていることが気になったマリアが彼女を呼ぶと、彼女は何かに気づいたように呟いた。

 

「…声なんて何も…っ待ちなさいエリカ!」

「待てないっ!」

「~あぁもう!」

 

マリアの制止も聞かず、エリア8の方へと駆け出したエリカ。それを追うようにマリアも走っていく。

 

 

 

 

 

エリカがエリア8に着いて見た光景、それは…

 

ギアノスの4、5匹の群れが、たった一匹のブランゴの子供を取り囲み、狩ろうとしているところであった。

 

「…はあぁぁぁっ!!」

 

そうはさせないとエリカは声を張り切らせ、スティールガンランスで一番近いギアノスを突き上げ、追撃の砲撃で吹き飛ばす。

完全に不意打ちが入ったギアノスはそのまま吹き飛び、動かなくなった。

突然の乱入者にギアノス達も狙いをエリカに変え、威嚇し始める。

 

だが、エリカに気を取られていたギアノス達の内一匹の目が彼女の後ろから放たれた矢に貫かれる。それに怯んだ隙を見逃さず、エリカが砲撃でぶっ飛ばす。

早い段階で仲間を二匹倒されたギアノス達は不利と見たのか、エリア7へと撤退していった。

 

「ふう…もう!エリカ!」

「待ってマリア姉。後で聞くから。」

 

いつになく真剣な態度で説教モードのマリアへそう返すエリカ。

エリカはガンランスと盾を捨て、子供のブランゴへゆっくりと近寄る。

 

「大丈夫、もう大丈夫だからね…」

 

そう囁きながら撫でようとしているのか、少しずつ手を伸びている。が、ブランゴも勿論警戒しているために威嚇ばかりであった。

エリカもまた余計な不安を与えないように、少し離れた位置で止まり、動かなかった。

 

また襲われると警戒していたブランゴの子供は、エリカの行動に困惑していた。

確かに大人しい草食竜などは懐きやすいため、仲良くしたりするハンターはいる。だが、子供とはいえ懐いた例のないモンスターと触れ合おうとするエリカは、相手から見ても異常だろう。

 

だがブランゴの子供はエリカが襲ってこないとみたのか、恐る恐る近づいて彼女の伸ばした手に触れようとしていた。

 

「ッエリカ!」

 

と、そこに数匹のブランゴが雪の中から飛び出し、威嚇するように鳴き始めた。

子供の親だろうか、と考えたエリカはそっと距離を離し、子供の様子を伺う。

 

やはり親も子供も多少戸惑っていたが、子供がチラチラとエリカを見ながら親の方へと走っていき、合流して逃げていった。

 

「…よかった。」

「エリカ…あなた何を…」

「…ブランゴは縄張り関係でギアノスと争ってたんじゃないと思う。あの子供がいなくなったから、縄張りに入ってでも探さざるを得なかったんじゃないかな…。」

「…はぁ…まぁ、そういうことにしましょう。」

 

マリアはエリカの独断行動を責めようとしたが、彼女の純粋で真剣な目と態度に呆れたのかため息を付きつつそう返した。

まともに聞いてくれないマリアにエリカはむっとするが、今まで事例のないことをやったのだから仕方ない。と割り切り、二人揃ってカイルのいるであろう場所へ向かった。

 

 

 

「…妙だな…」

 

そう呟くはカイル。エリア3を偵察し終え、姉妹二人が待っているであろうエリア6へ向かっていた。

ただ、今雪山て起こっている事態は彼も予想出来てなかったことだった。

 

「(…討伐による鎮圧にしてはどっちも少ない…多少ギアノスが多いぐらいか?だとしてもクエストにされるほどではないぞ…)」

 

そう、クエストボードに貼られていた内容と比べると、明らかに規模は小さいのである。それに加え、ブランゴの方は何やら戦意がないのか敵を見るやすぐに逃げ出してしまう。

 

「(ともかくあいつ等と合流してからか…)」

 

カイルはエリア3と5のギアノスの頭数を少し減らした後、姉妹が待っているであろうエリア6へと向かった。

 

 

 

 

 

ところがエリア6に着くと姉妹の姿はなく、ただただ雪の積もった地面しかなかった。

 

「…どこをほっつき歩いているんだ…」

 

エリア3にボス格がいると読んでいたカイルは、まさか読み違えたかという少しの不安と、たまにやらかす身勝手だろうという呆れが混じった心境で周囲を見渡していた。

 

「カイルーん!!」

 

そんな中、エリア8の方から走ってくるエリカとマリアの姿があった。

 

「色々聞きたいことはあるが…まず、何故エリア8の方から着たのか言ってもらおうか。」

「はぁ、はぁ…えっとね────」

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ていうことがあって…」

「ブランゴの子の迷子、ねぇ…」

 

エリカとマリアが集合場所から離れていた理由を聞いたカイルは、疑わしいという目を向けていた。

 

「うぅ、やっぱ信じられないよね…」

「当たり前だ。ハンターに対してその話をする方がおかしいぐらいだ、現実はな。」

 

エリカがしょんぼりと話し、カイルは冷静にそう告げる。

 

「とはいえ…クエスト内容にしてはフィールドが随分静かだったのは確かだからな。その点に関しての理由としては多少は信用出来るだろ。」

「やはり、そちらも…?」

 

確信はなかったものの、薄々気づいていたマリアはカイルの言葉に対しそう聞き、彼もそれに頷く。

 

「ああ。両方を狩猟し鎮圧させろ…という割には数は多くなかった。多少は減らしたが…それでもクエストにするには少ないな。」

「…依頼を送った村の勘違い、でしょうか…?」

「そんなレベルだったら罰則と厳重注意すりゃ大丈夫だろうけどな。自然が何かを知らせようとしてるならそれは一大事でもある。…念のためにギルドに連絡しておくか…。」

 

カイルが何かを考える中、姉妹もまたうーんと考えていた。それの発端であるブランゴの子供、そして何故迷子になり、縄張り争いと間違える状態になったのか。

 

「…とにかく一旦離脱するぞ。近くの村でギルドに連絡をとってもらうしかあるまい。」

「近く…というとポッケ村ですか?」

 

カイルの言葉にマリアが質問する。

 

ポッケ村。

様々な伝統や施設を備え、数多くの伝説的なハンターを育て上げた事で有名な村であり、フラヒヤ山脈の近場の村といえばポッケ村と出るほどであった。

 

「ポッケ村も悪くない、が…折角雪山まで来たんだ。ニエベ村に寄るのもいいだろ。」

「うぇ!?いいの!?」

「だ、大丈夫でしょうか…?」

 

カイルが告げた提案に、エリカは嬉しそうなポーズを、マリアは何か不安なような、いやな予感を感じてるような態度であった。

 

「まぁ、ニエベ村で解決出来なければポッケ村を頼るかドンドルマに帰るけどな。それでいいな?」

「おっけー!」

「は、はい…。」

「よし、じゃあ一旦ベースキャンプに引き上げるぞ。」

 

今更ながら狩場であった事を忘れていた姉妹を連れ、三人は山を降りていった。

 

そして三人が立ち去った直後、大きな影がそこに降り立っていた。

小さな影を背に背負いながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

ベースキャンプに戻って早々に荷物を片づけ始め、サクサクと移動する準備をする三人。

と、ふとカイルが気になった事を二人に問う。

 

「ニエベ村ってのは…どんな村なんだ?名前しか聞いた事がないんだが…。」

「えっと…それほど大きくはないんですが、私達を指導してくれたハンターさんを中心に自給自足してますね。畑とかも色々栽培してますし…」

「ふぅん…まぁ普通の村って感じか。」

「かなー。これといった特徴はないけど、みんな気さくで楽しいよー。」

「そうか…。」

 

二人の意見を聞き、まともそうならいいかと考えたカイルはそそくさと荷物を纏め終える。

姉妹はまだ纏め終えてなかったため、カイルは先に荷物を竜車に乗せ始めた。少し遅れて姉妹達も荷物を乗せ、三人を乗せた竜車はニエベ村へと走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…そういや、お前等に指導してくれたハンターはオールラウンダーなのか?弓とガンランスって時点で大分教え方が異なると思うが…」

 

ニエベ村へ向かう中、唐突にカイルが姉妹達へ質問を投げかける。突然の質問に姉妹達は困惑するが、ゆっくりと答え始める。

 

「オールラウンダー…ではありませんが、もっとも得意としてる武器はハンマーだそうです。ほかの武器は基礎知識程度とおっしゃってました。」

「なんかハンマーで結構高いランクだったらしいぞー?」

「ハンマーで高ランクハンター、か…」

 

ハンマーはほぼ頭を狙い、目眩を誘発させる高威力の打撃武器である。

機動力はそれなりに高く、溜めつつ移動することも出来るがガードには向かず、武器自体も重い上にその特性上敵の前に立つことが多い。

そのハイリスクハイリターンを高ランクでもやってのけられるハンターなら、一人であっても村を守ることは難しくないだろう。

だが、カイルはどんなハンターなのかという興味よりも、嫌な予感がするという不安の方が勝っていた。

 

 

 

 

 

 

 

「…見えてきたぞ、アレか?」

 

カイルが手綱を引きながら、竜車内の姉妹二人に問う。姉妹二人も顔を出して確認する。

三人を乗せた竜車は、前方に見える小さな村を目指すように進んでいた。

 

「うん、そうだよ!」

「…大丈夫かなぁ。」

「…お前の故郷だろう?何が不安なんだ?」

 

元気一杯なエリカに対し、何かが不安なのかおどおどとしているマリア。

そのマリアの態度が解せないのか、カイルは首を傾げていた。

 

 

「…お?ハンターの客人とは珍しい。何の用だい?」

 

門番らしき若い青年が竜車に乗るカイルに尋ねてくる。カイルも竜車を止め、青年の方を向く。

 

「雪山で少々不可解な出来事があってな、ちと早急にギルドに連絡して欲しいんだが…」

「それならポッケ村の方がいいんじゃないか?」

「ああ、それは…」

「おにーっさん!帰ってきたぞっ!」

 

二人の会話をぶっちぎり、エリカが竜車から飛び降りる。突然現れたエリカに青年も驚いた表情とポーズである。

 

「エリカちゃんじゃないか!てことは…マリアも帰ってきたのかい?」

「…は、はい…。」

「おおっ、こりゃすぐにみんなに知らせないとな!場所も用意してくるように言ってくるよ!」

 

そう言い残すと、青年は三人を置いて村へと走っていった。

さくさくと決められてしまい困惑するカイルと、久々の故郷にニコニコと嬉しそうにしているエリカ、未だに竜車に引っ込んだままのマリア。

 

「…随分、勢い任せなんだな。」

「すみません…あの人も悪い人ではないんですが…」

「みんないい人だから大丈夫だぞ!」

「お前の自信はどこから来てんだ…」

 

マリアがカイルの呟きに謝罪しつつ、エリカは相変わらず自信満々で胸を張りつつ答える。

と、そうこうしている間に村の人々が集まってきた。

エリカが村の人々に突撃し迎えられ、その間にカイルとマリアはゆっくりと降りてそれを見守っていた。

だがあまりゆったりもしてられない、そう判断したカイルは村の人々に話しかけようと近づいた。そのときであった。

 

 

「うおぉぉぉぉりゃあぁぁぁぁ!!!」

 

かなり威勢の良い叫びが聞こえたかと思うと、カイルに思い切りタックルする人影が横から現れたのである。

突然すぎてモロにそれを喰らったカイルはシルバーソルを一旦脱いでいたとはいえ、大分吹っ飛んでいった。

 

「かっ…!?カイルさん!?」

「ありゃなんだい。随分良さそうな野郎と思ったのにねぇ……」

「な…なにしてるのドロシーさん!」

「おーっ!エリカァ!大分立派になったじゃないか!」

「え、いやいや…じゃなくて!」

 

カイルに突撃をかました女性、褐色肌で黒いポニーテールをした身軽な服装をしたドロシーと呼ばれた女性は、吹っ飛んでいった彼に対し若干呆れた表情をしていた。

マリアは吹き飛ばされたカイルの元へ駆けつけ、エリカはドロシーに驚いた状態で問いた。だが彼女はそれをしれっと流し、エリカの武具を褒める。

 

 

「私達が世話になってる人なんだか…」

「それがこの村の歓迎か?ドロシーとやら。…いや、こう呼んだ方が正しいか?」

 

エリカが慌てて注意しようとした矢先、いつの間にかカイルがドロシーの背後を取り、ナイフを首に突きつけていた。

その彼女を、カイルはこう呼んだ。

 

「<破砕>のドロシー・エアハート。」

 

 




エリカの隠された何かとは。
そして新たなるキャラ、<破砕>のドロシーとは?

次で一応説明するように書き上げるつもりです。頑張ります。

ゲリョスもどうするか考えなきゃ…

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