転生したら狩人×狩人   作:楯樰

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二百階クラスは思ったよりも……ねぇ?

翌日。

 

ゼノと別れてから早々に二百階にて受付を済ました私は、受付に来て試合の登録をしていた。

 

「それでは試合の希望日はいつがよろしいですか?」

「うーん……じゃあ一ヵ月後で」

 

受付に居るのは原作には出てなかったけどもこれまた美人なお姉さん。

「分かりました。それでは一ヵ月後の今日で登録しておきますね」

此処は一つ感謝を込めて、お礼をば……

「ありがとうございます、お姉さん♪」

「はうっ……!」

ま、前のめりに物凄い勢いで倒れた……。

いや、確信犯なのは分かってるから、別に驚く事も無いんだけどね?

 

 

試合登録を済ました私は自室に戻り実家に電話をしていた。

 

「もしもし。お父さん?」

『はいはーい。うん、カトリア? 久しぶりねー元気してた?』

 

電話に出たのはお父さんじゃなくて女性の声。

まぁ、聞きなれた声な訳で。

 

「およ? この声は……お母さん?」

『そうよ? みんな大好きレミリアお母さんですよ』

 

そう私の最愛のお母様兼師匠であるレミリア=クルーガーである。

私が電話を掛けた理由といえば、まぁ現状報告のつもりな訳で。

お父さんに話そうと思ったんだけどなぁ……

「いや、自分で言うなし! それでお父さんは?」

『お父さんは仕事だけど……』

「そっかー……じゃあ、お母さんにまず言っとくね? 私、二百階クラスまで来たよ!」

『ホント? もう一ヶ月か。早いもんねー…』

 

確かに月日が流れるのは早く感じたけど、クラスが上がるのが早いかどうかは……基準が微妙なところだなぁ自分の場合。……両親とも私以上に実力持ってるんだから。

 

「うん、自分でもビックリ。それでね私友達出来たんだー」

『友達? 年上おじ様とかじゃなくて?』

 

いやいや、お母さんみたいに女だってまだ自覚して無いからね。

……男になろうとは思わないけど。

「いや、流石にそこまで元男だって事、割り切ってないから。四歳くらい年上の子で名前がゼノ」

『へぇ~……これまた原作に関係してそうな名前ね』

「いや、本人。ゼノさんその人だった」

『おーぅ……マジで?』

 

うん、お母さん流石。ノリ良いね。

 

「マジマジ。“やべぇーよ私”ってなってるんだけど……どうしたらいいかな?」

『いいんじゃない? 友達が暗殺一家の次期党首でも。それと今度家族で訪問しよう?』

「なんで家族で訪問すんのさ?」

……理由は大体分かるけどもー

 

『だって……原作キャラじゃん? お近づきになりたいじゃん?』

「やっぱりー……良いんだけどさ別に。お父さんとお母さんなら暗殺一家なんて赤子の手を捻るようなもんだと認識してるから」

『うわぁー娘からの評価が酷いー…』

「それくらい強いんだよ、二人は。特質系が強化系と肉弾戦やって勝てるとかありえないんだからね?」

『あー…うん。そうだね』

 

とまぁ、他愛も無い事を話して。

 

「そういえば私、こっちにどれくらい居ればいいの?」

『うーん。ゆっくりしててもいいからねぇ~……一年くらい居てもいいわよ?』

「ホント? じゃ、ゆっくりフロアマスターにでもなるよ」

『片手間でフロアマスターになる娘が恐い』

「お母さんが言っても実感湧かないから。じゃあ、また今度電話するね」

『あ、うん。天空闘技場頑張ってねー。』

“またねー”と言って電話を切った。

 

……一年も掛からないと思うけど。長いなぁ。

 

そして私はこの後念の修行と外食をしてゆっくりと体を休めた。

 

-------------------------

 

一ヵ月後、試合当日。

 

『さて、今日もやって参りました! 天空闘技場二百階クラス初めての挑戦となる過去最年少カトリア選手! 対するは現在五勝〇敗の記録を持つクロード選手! カトリア選手は僅か一ヶ月という短い期間で此処まで上り詰めてきています! 対するクロード選sh……』

 

会場のスピーカーからかなり元気の良い声が聞こえてくる。

念が使えるようになった事で少しわくわくしている私。

……相手が念覚えてたらいいなぁ。

ま、五勝してるらしいから覚えてるだろうけどね?

 

私がステージに上がると相手選手は声をかけてきた。

 

「くっくく……お嬢さん。今までは楽々と此処まで上がってこれたようだが此処から先はそうはいかないぜ?」

「わかってますよ。さ、構えてください」

 

私と相手選手が言葉を交わすと審判が始めの合図を出す。

 

……まずは小手調べ。

 

私にとっての絶の役割をする臨を使い気配を消しつつリングの周りを走る。

 

『み、見えないーッ! どうしたことだ! カトリア選手の姿が消えたーッ!』

 

あれ、そんなに早いか?

ちょっと駆け足でリングの周り走ってるだけなんだけど。

 

ま、いっか。

 

私は相手選手の背後へと近づいてわき腹に回し蹴りををいれる。

 

「な……ッ!」

相手選手が気づいた時にはもう遅く、観客席のある壁の方に吹っ飛んで壁にめり込んでいた。

審判が確認すると相手は気絶しており、私の勝利が確定。

 

こうして私の二百階クラスの初戦はあっけなく終わった。

 

 

私はそれから一年、一ヶ月くらいのペースで試合をしていき無敗。

十ヶ月くらいで悠々とフロアマスターになり、さっさと辞めて家に帰った。

 

このときの私の財産、約30億。

公営賭博(自分の出る試合では自分以外に賭けれない)で自分に賭けられる最大限度額を自分に掛けておいたらこんな風になってしまった。

僅か五歳で億万長者になってしまった。

 

“マフィアとかに狙われないよな…?”と思っていたらフラグが経ったのか家に帰る道中、人攫いがかなり来て引っ切り無しに連れ攫われそうになった。

人攫いの中には念能力者もいてやばかったよ……臨して逃げたけどね。

 

とまぁ、色々あったけど良い経験だったと思う。

剛も一年で30分くらいに伸びたし、廻と臨は両親レベルまで上がった。

死亡フラグは減ったような気がするよ!

 

 

……ただ、ね?

 

「うぁうー!」

「可愛いなぁービスケットは…!」

「もう、お父さん! 気持ちは分かるけどビスケだけじゃなくてお兄ちゃんのほうも抱いてあげたら?」

「おぉー、ごめんごめん。ラディストもかわいーなぁ…」

「うー!」

 

親馬鹿になるのはいいけど姉弟(きょうだい)出来るなら一言言ってくれてもいいじゃない……。

 

1942年 双子誕生。

弟ラディスト=クルーガー、妹ビスケット=クルーガー共に健康。




改稿・追記しました。
所持財産を300億から30億に。
公営賭博の部分に詳しい記載。

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