転生したら狩人×狩人 作:楯樰
……遅れて申し訳ございませんでしたー! orz三
色々と指摘を頂いている部分の都合合わせが入ります。
「なんだこの作者、言い訳くせぇや」
とか言われそうで怖い(真剣)
両親が死んで一年と少し経った1967年。
リンさんの能力で猫耳が消せないためハンチング帽が手放せなかった一年間は辛かった。
いや、ハンチング帽といってもまぁ髪の毛を擬態させて作ったやつだけど。
現在私がいるのはくじら島にある拠点。
原作の主人公とその父親。その二人が生まれ育った決して便利とは言えない小さな孤島だ。
といっても島自体はジャポン近海にあるリュウキュウ王国(――つまり前世でいうところの沖縄)程度には面積はある。
ただ人間の生活圏が狭いので実際にはそこまで広くなかった。
で、私がいる拠点があるのは人間のいる生活圏から離れた森の中。キツネグマの縄張りの中に念で家を建てて住んでいる。
キツネグマからしたらいい迷惑だと思うけど、まぁ、気にしない。
たまにやってきてお茶を振舞う仲だし。
そんな世捨て人のような生活をしている私だが、幾ら人並み外れているといっても人間であることには変わりない。
例え念オーラを吸って生きていけるといってもだ。
……人間って会話がないと生きてけないんだよね。
だから偶に会話を求めて食材の買い出しとか色々行ったりしてるのだけど……ちょっと今日はいいことがあった。
「まさかねー……まぁ、この頃かなとは思ってたけど」
――数日前、この島に新しく男の子が生まれたらしい。
名前は……ジン。ジン=フリークス。
原作主人公、その父だった。
狭い島でのめでたい出来事ということで噂を聞きつけた人たちはこぞって家を訪れていた。
ご祝儀として近辺でとれる果物等を詰め合わせて持っていたのだけど……多分。本当に多分だけど、もうはっきりとした意識があったように見えた。
もしかして生まれつき念が使えるとか……ってないか。
転生したらしいウチの両親でない限り――あ、なんか嫌な予感が。
無いよね? うちの親のどっちかがジンとか……無いよね?
まぁ、いずれにせよ交友は持ちたい。
だって原作キャラだもん。
……まだ赤子の相手にこんなこと思うのおかしいけどね。
二、三年くらいしたら接触しよう。
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ビスケと行った、私と両親の同類が作った里というか遺跡にあった手記と残されていた黒い石。
手記の内容は日本語で書かれてあり、残されていた黒い石についてとHUNTER×HUNTERの様々な考察が書かれていた。
考察は置いておくとして、まずはあの《神眼》で解析できなかった黒い石。
曰くあっちの世界から来た憑依・転生者、漂流者達で作った念能力らしい。手記通りならそれもかなり廃スペックな。
黒く丸い石ころの姿が待機状態らしく、「起きろ」とか「起動」とか握りながら念じるだけでいいらしい。
そして起動したときなんだが……なんというかカオスというか。
本来、起動させた人の意識によって姿、能力を変えるらしい。
人型であることもあるし、リリカルな魔法少女が持つ機械杖であることも設定上では考えられる、と。
制作に携わったのは百人強。
その全員が同じ思想を持って作ったのがこの石なのだそうだ。
しかし、それだけの人数をしても完成には至らず。
全員が死に、後に『執念』として現世に残り完成していたようだった。
この念能力の名称を《邪気眼》という。
……待機状態の黒い石が瞳に見えなくもないのが彼らの妙なこだわりなのか。
気持ちがわからなくもないのが痛いところである……右手が疼く的な意味で。
それで起動させたのだけどなんだか不確かだった。
というのが「なれ」と思ったモノになってくれて……例えば愉悦、とか言う赤い弓兵にもなったり正義の味方気質のAUOにもなったり等々。
元々そういうものなのか、それとも私が特別そういう風に扱えるのかはわからないが、確かに他人の手に渡れば恐ろしいことになりそうな代物だ。
試しに某騎士王の《
ただこの石、
「私には宝の持ち腐れなのよねぇ~」
「どうしたんじゃ急に」
「いや。独り言だから気にしなくて結構」
……自分で念獣くらいなら幾らでも作れるから本当に宝の持ち腐れ。
今度弟に会ったら渡そうかなと考えながら湯呑の緑茶を啜る。
……私は現在暇を持て余してハンター協会にお邪魔していた。
今は会長と二人、のんびりとお茶を飲んでいる。
「会長、前にも聞いたけどホントに教えてないわよね?」
「教えとらんぞ。ワシは約束だけは守るからのう」
「絶対駄目だからね? アレ、教えたら習得できるようになっちゃうから」
言わずとも、臨・廻・剛の三つ。
実はあの三つの応用技は両親の作り出した能力で習得出来たものだった。
ある種のこの世界における事象の上書き。
本来なかった、出来ないはずのこの応用技を可能にし習得できるようにしたのは他でもない父と母。
特質系の能力で念の概念に本来ない、精孔から続くオーラの流れる道の精脈とオーラを溜め込むタンクの丹田――つまるところNR○TOにでてくるチャクラの経絡系みたいなものを、使うことのできる人間からやり方を聞いた人間に構築する、というのが両親の作った念能力だった。
死んでも尚影響力が強いって……はぁ。
まぁ、私の両親ってだけのことなのか。
くじら島にジン=フリークスが生まれてしばらくして選ばれた十余名。
将来、この中で『十二支ん』として残っているのは何人になるのか。
私とネテロの足元でその十余名全員が全員気を失って倒れていた。
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昼寝、日向ぼっこ、十二支んメンバーの育成。
その他諸々ハンター協会の難度の高い依頼をこなしつつ数年が過ぎた。
ここ数年であの赤ん坊だったジン=フリークスは今ややんちゃな五歳児。
それがついこの前、私が家を空けていた時此処へ来ていたようだ。
キツネグマの縄張りだというのに……大物というか向こう見ずというか……そこら辺が主人公のゴンが似たところなのだろうか。
きっと将来ゴンの養母になるだろう未だ幼いミトちゃんの心労がマッハ。
遠目ながら見ているけれどジンに振り回されてミトちゃんがため息をついてるのをよく見る。
……違うねん。ストーカーとかじゃないねん。
どうせストーキングするならビスケかラディストをストーカーしたい。
常に変な視線に怯える可愛い。
……ゴホン。
と、まぁ今日、ストーカーしたいお年頃の私は周囲に気配を溶け込ませ、やんちゃ坊主なジン君を待ち構えているというわけだ。
どうにもジンは念に気が付いている節がある。
家自体、念の塊のようなものだから気づけたのかもしれないが、立地が立地だし気になって入ってきたというのも無きにしも非ず。
だから念のため。念のため完全に気配を失くして待ってれば警戒無く来るだろう。
後二、三十年先に起きるだろうクルタ族の事も危惧しつつ。
同類の先人が残した手記を片手に、念で作って具現化させたす○すく白沢をモフって待っていた。
モデルはビスケ。
すく○くの柔らかさは胸の柔らかさと同じです(キリッ
「――……来ない」
……結局ジンは来ないまま、モフって一日が終わった。