転生したら狩人×狩人   作:楯樰

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☣チート注意☣


バレンタイン……昔はリア充爆発しろとか思ってました。

1960年二月十四日。

かつては忌々しいと思っていたリア充どもがキャッキャウフフするイベントがある日。

一回も他人からもらった事が無かった私は、今では貰う側でなくあげる側になってしまった。

今日チョコを作るのは妹が居ないので私1人。主に自分用とラディの分、それからお父さんの分作る予定でいる。

ただその前に発の開発を行う予定。

 

――試験から約二年。

二年で会長への指導は終わり、ネテロは剛が二時間近く使えるようになった。

一ヶ月で臨と廻を使えるようになってたからチートだなと思ってしまう。

そして多分もう誰も勝てないと思う。

いや、私が結構前《神と悪魔の体現者》で出来るようになった、アクティブスキルの《軟化》を使ったら人外認定される代わりに勝てる気はする。

もしくは直接ネテロに《神と悪魔の体現者》使ってしまうか。

《軟化》はまぁ……自分の骨肉を軟らかくして、衝撃を吸収して逃がすスキル(頑張ればスライムみたいになれる)。勿論まだ人として認識されてるから、引き分けか負けてる……ちょっと悔しい。

直接使うのは……なんだかネテロの今までの努力というか、積み上げてきたものとかを尊重してやってない。

 

妹ビスケは、宝石ハンターとしてトレジャーハントしつつ宝石買ったりと、色々としているため家にいない。

ラディはとりあえず何になるのか決めていないから、という理由で私の予定する旅についてくるんだと。旅に出るのは6月の予定なので今は私と一緒で実家にいる。

 

近況はこの辺にして発を作っていこうと思う。

ただ、発の開発の前に私について変わった事。

少し前に気がついた「メモリの増加でオーラ総量の半分消費するなら、総量増やせばいいんじゃね」理論。気がついた時、あのコツコツ頑張っていた三年間返せと言いたくなった。

で、現在のオーラ総量は50万ちょっと。

《神眼》を作ったときが10万少しだったと記憶しているので、今では1日に1メモリ増やせる。

そして蓄えてるメモリが、能力の作成に1050ほど使ったため、小数点切捨てで今あるのは約2920。

作った能力はこれまたメモリの消費が激しく予想外だった。ただし作れたおかげでオーラの消費なんてなくなったけど。

理論に気づかなかったお馬鹿さんな私のままだったら、千日間、馬鹿にならない食費で減っていく貯金をみて、泣きながらメモリを増やしていただろう。……考えただけでも恐ろしい。

で、作った能力は《生髪舞剣/ダンスマカブヘアー》。

 

 

【生髪舞剣/ダンスマカブヘアー】

・特質系+具現化系+変化系

伸縮・自由自在に動かせる髪の毛からオーラを吸収する

 

・制約と誓約

髪の毛からしか吸収できない。

使う度に毛の細胞の寿命が縮む。

発動にはオーラを消費するが、発動した後は吸収したオーラで半永続的に発動可。

摂取できるオーラは、基本髪の毛の本数×1オーラ/秒。

周囲のオーラ量によって吸収量は変わる。

人から直接奪う場合は相手の体に髪の毛が接触していなければならない。

ON/OFF可。

 

 

意外! それは髪の毛ッ! ……な感じの能力。

いや、これしか名前が思い浮かばなかったんだから仕方ない。

 

能力の用途は髪の毛(既にカーボンファイバー以上の強度)を強化し、伸縮自在、自由自在に動かし操作し髪の毛から常時周囲のオーラを分解・吸収し、エネルギーと栄養に変化・具現化させて摂取する。

またオーラのまま摂取し潜在オーラを回復する事も可能。

そして髪の毛が抜けたとしても即座に生やせ、毛の細胞ですら不死化した私にとっては、寿命も有って無きが如し。金髪のため約十四万本生えている私からだと、最高でも発動さえすれば毎秒14万オーラ回復できる。

 

うん、素晴らしい永久機関。

おかげで食事すら不要な体になっちゃいましたけどね!

娯楽になったけど食事は一応している。

カルボナーラとかハニートーストが食べられ無くなったわけじゃないしね。

 

そろそろ本題に入るけど、今日は新しく能力を作ろうと思う。

これ以上最強になってどうする、とか思う所はあるけど私、人体改造系しか能力持って無い事に気がついた。

こんなんじゃ旅なんて出来るわけない。

なのでコレから作るのは移動系と運搬系の能力……あと消化器官を強化する能力。

 

まぁ簡単に言えば、どこでも○アと四次○ポケットを作ろういうわけだけど……消化器官の強化は酷く個人的なので後回し。

 

さてと、まず移動系は放出系空間移動なので転移場所にはオーラを混ぜた、他人には絶対に消せない血を垂らしておいてマーキングしよう。

名前は……よし決めた《あの場所にもう一度/テレポーテーション》。

 

 

【あの場所にもう一度/テレポーテーション】

・放出系

オーラの混ぜた血を垂らしてマークキングした所へ瞬間移動する。

 

・制約と誓約

マーキングした地点から半径5メートルの空間がある所へ移動する。

マーキングした地点5メートル以内に空間が無い場合は発動しない。

血が消されると移動できない。

 

 

制約のおかげで『*いしのなかにいる*』は防げるはず。

メモリの確認……50減ってる。

成功かな? ……試しに紙に血を垂らして床に置く。それから5メートル以内から出て発動。

 

……気がついたら血のついた紙の上に立っていた。

あー……凄いこれ。

やりすぎたらハマりそう。

あ、血を体に回収して実験終わり。

 

次は運搬系能力の開発。

これは念空間を作ってしまおう。

えっと……重力制御と時間制御、あとは……で……

 

よし、出来た! 《王の箱庭/ゲート・オブ・バビロニア》!

 

 

【王の箱庭/ゲート・オブ・バビロニア】

・具現化系+特質系+放出系

望んだ場所に作成した念空間及び現実世界への入出口を作る。

 

・制約と誓約

自分の視認出来る範囲内までにしか作れない。

 

 

……仕方ないじゃん。

私の中二病的な思考回路が四次元ポケ。トなんて名前つけたくなかったんだもの。

うん……パクリ乙。

まぁ能力の内容としてはゲート・オブ・バビロンの類似。ただ、念空間自体には重力の操作とか時間の流れの操作とか、オプション満載なので下手をすると本家本元よりやばいかも。

 

じゃ、まず手元に発動。

……空中が金色に波打っている。

手を突っ込む……何も無い。

 

出来た? ……メモリの確認をする。

 

嘘、70メモリ残して全部吹っ飛んでる。

確かさっきまで2870あったから……昔の私28人分。

……マジでありえない。今度からは、ちゃんと考えてから能力作ろう。

というか元から能力って良く考えてから作るモノだった気がする……私の価値観がぶっ飛んでるのか。

とりあえずメモリを元に戻そう。

 

すぐに《生髪舞剣》でオーラを吸収しつつ《神と悪魔の体現者》でメモリをもう一度増やしていく。

毎秒1メモリのスピードで増えていく。

やっぱり回復スピードが少ない。元に戻るまで結構掛かりそう。

……まぁ人工物が多いから仕方ないか。

ボーとするのも仕方ないのでチョコ作りに行ってこよっと。

 

-------------------------

 

「――どうしよう」

うーん……作り過ぎた。

調子にのって、強化系の発浴びせながら湯煎してたら凄い量になってた。

流石にこの量は多いぞ。いや、私なら食べられるけど……多分飽きる。

ラディストとお父さんに食べさせるにしても多いな…。

 

「うわ……凄い量作ったわね」

「あ、お母さん」

丁度洗濯物を干し終わったお母さんが私のいる台所へやってきた。

手を前掛けで拭いて、私が作ったチョコクッキーを一つ食べた。

「美味しいけど……どうすんのこれ。ラディとお父さんでも無理じゃない?」

「だよねぇ~」

私はぺろりと手についてたチョコを舐め取り同意する。

「…究極生物(笑)のカトリアなら1人で食べれそうだけど」

「あながち間違って無いけど酷いっ!」

まぁ言われても仕方ない。……一時期凄い食べてたから。

お母さんは間違って無いのか、と笑って案を出してくれる。

「とりあえず他の人にあげれば良いんじゃない?」

「他の人って誰に?」

「ゼノくんとか……ネテロのクソジジイとかに」

「あー…そうだね…」

うーん、よし二人にもあげよう。

協会に届けれるネテロには宅配使えるけど、ゾルディック家には無理そう。

今日作った座標マーキングのついでに直接渡しにいこう。

それにしても……お母さん会長の扱いざつだな。

まぁ私が、試合中パイタッチとかされそうになったって愚痴ったせいだけど。

……なんかごめんネテロ。チョコ多めにあげるから許して。

 

 

外に追い出しておいた男性陣は、帰ってきた時作ってあるチョコの多さを見て「1人で食べるのこの量!?」とか言いやがってくれたので拳骨を頭に落としておいた。

二人の少なくして、ゼノの分を増やそう。

 

そういやわたし、元男だったよな?

ずいぶん女子力高くなったなー……まぁいいけどさ。

 


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