東方ギャザリング   作:roisin

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『Arcadia』様には別途、ひとまずの完結までの数話+ネタSSを投稿させていただきました。時間が取れ次第こちらへの移行を始めたいと思いますが、具体的な期間は未定となっております。申し訳ありません。

以下、Arcadia様に投稿しております方の『報告』と同様のものとなります。違和感を覚えられるかと思われますが、その点をご理解下されば助かります。



 ●今年の7月終わり頃『Arcadia』様に投稿した記事

 今後、継続的な作品の投稿が困難となり、現状での完結の目処が立たなくなりました。よって、先にご報告しました通り、こちらの作品をひとまず完結させます。
 どんな形であれ完結させる事は、理想郷様に投稿する際、筆者が自身に取り決めた約束事であるからです。
 これまで積み上げて来たものを壊してしまう可能性がある事は重々理解しているつもりではありますが、ご了承下されば幸いです。

 その後、現在執筆中であった箇所からの続きを再開する心積もりではありますが、確約は出来かねます。申し訳ありません。



 ●今回『Arcadia』様に投稿した記事

 駆け足で恐縮ではありますが、大まかな完結までの流れは綴ったかと思います。

 12月分の試験は無事終了しました。しかし、次回の試験が4月になりますので、年明けから、そちらに向けての勉強を開始すべく、各所参考書を眺めつつ、購入するものを検討している昨今です。

 当SSについてのご意見やご感想、間々あるかと思われます。
 お時間は掛かりますが、それらにつきましては個別にお返事させていただきたいと考えてはおります。
 とはいえ、確約出来るかと問われれば、口を噤まざるを得ない現状であり、汗顔でありますが、あくまで予定として頭の片隅に残しておいていただければ幸いです。





 ここで綺麗な言葉で長々とまとめてしまいますと、筆者幻想郷入りフラグな気もしますので、簡潔に。

 ひとまず、ではありますが、どうもありがとうございました。
 良いお年になりますよう、皆様の無病息災を、2015年の初日の出に願って参ります。富士のお山から。







ご報告+嘘予告リリカルギャザリング

 

 

 

 

 

 

 

 ただのご報告のみの投稿は、字数的にも規約的にも難しいく、過去に投稿しましたエイプリルフール企画によって、これら条件をクリアしようと考え、このような形の掲載になりました。『ハーメルン』様投稿用の改行の削除をおこなっておりませんので、見難いところが見受けられるかと思いますが、ご了承いただければ幸いです。

 

 仮に問題などが発生した場合には、気づき次第、対処させていただきます。

 

 

 ■□■□■□■□

 

 こちらはMTGが既知である事を前提として書かれた面が強くあります。ご存知でない方は、拙いものではありますが、※のある箇所には、簡略的な、参考程度のものですが、下に解説を加えさせて頂きました。

 

 

 

 4/1企画「リリカルギャザリング」

 

 

 

 

 

 

 

「―――さようなら。……あなたの事は、一度として娘と思ったことなど無かったわ」

 

 

 

 落ちてゆく。落ちてゆく。堕ちてゆく。

 

 いつまでも。どこまでも。ただずっと。

 

 最愛の娘と共に、自ら造り出した、最愛の娘と瓜二つの造形に看取られながら。

 

 拒絶されてなお、その手を差し伸べる程に、あれはこちらに酔狂していた……ものだとばかり。自らその身を投げ出すものかと思ったものだが、思ったよりは、あちら側に思い入れがあったようだ。

 

 徐々に小さくなってゆく娘の姿をした存在から視線を切り、すぐ横に冷たいケースで覆われた、愛娘へと目を向ける。

 

 何一つ辛い事など無い―――と物語るその寝顔だけが、ともすれば、一瞬先には絶命が待ち受けているかもしれない状況であるというのに、心に安らぎをもたらしてくれていた。

 

 私の人生は、何処で過ちを犯したのだろう。

 

 あの人と別れた事か。娘の生活を優先させなかった事か。違法にまで手を染めて、生命体を創り上げた事だろうか。

 

 悲しみによる涙など、とうの昔に枯れ果てたかと思っていたのだが、今頬を流れる暖かな感覚は、全てに対して諦めてしまったからなのかもしれない。

 

 

 

 

 

 それでも。

 

 唯一の救いは、最愛の者と一緒に最後を迎えられるという事。

 

 

 

 

 

 例えそれが……ただの抜け殻であったとしても、そこに人格を見出し、想像を投影し、思考を反映させるのが人というものだ。傍から見れば虚しいばかりであるとは理解するものの、だからといって、その言葉を丸々受け入れる気などさらさら起きない。

 

 底の見えない虚数空間の穴は、即死という単語からは遠くに位置している。自分の病が命の灯火を消すのが先か、エネルギー摂取の手段が皆無である事によって餓死するのが先か。三者三様の終わりが目の前に控えている今となっては、魔法の使えないこの場において、確実な死、以外の何者でもなかった。

 

 

 

 

 

 ―――手の感触は、未だにガラスの容器が自身の傍にあるのだと伝えて来てくれる。

 

 もう、とうに距離という感覚が消失した空間で、自由落下による無重力が全身の負担を和らげている事にも慣れ始めた頃――― 

 

 

 

「……え? ……プレ、シア……?」

 

 

 

 もうある筈の無いと思っていた、人の言葉を耳にする機会が再度訪れた事を感じた。

 

 通常ならば驚愕の極みに達するであろう状況なのは間違いない。

 

 けれど今の自分は全てを達観してしまっている。例え何が起ころうとも―――

 

 

 

「―――っ!?」

 

 

 

 憂鬱な瞼を薄っすらと開き、それを見た。―――見て、しまった。

 

 数百メートルはあろう、小型次元航行艦並の大きさ。視界に映るそれは、距離感の図り難いこの空間であっても理解出来る、巨大な何か。

 

 石で形成されたひし形には、幾筋かの切れ目。

 

 下部だと思われる箇所からは無数の瘤がついた触手が漂っており、無作為に周囲へと伸ばされている。

 

 そして、それから感じる、言いようの無い……途方もない膨大な力と、それに見合うだけの……恐怖。

 

 逃げ出したい。―――否……死にたい。

 

 時間制限付きの死など待っていられない。今すぐにでも自らの胸の鼓動を―――

 

 

 

「ッ!? エムラ※0さんストップ! 力弱めて! あんたの【滅殺】の一端が発動しちゃってますよ! 被害者が死亡者になってまうがな!」

 

 

 

 さながら、プロレスのリング上でマットを叩きカウントを進める審判の如く、ぺしぺしと。

 

 死の具現化の上で胡坐を掻いていた者は、それが不可能だと分かっている筈なのに、そう叫ばずには居られなかったという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっと……粗茶ですが……宜しければ……」

 

 

 

 今、私の思考は限界を迎えていた。

 

 それはオーバーフローなどの意味ではなく、達観や諦めなどと言う、一種の悟りに近い心境だと判断出来る。

 

 魔法の一切発動しない、虚数空間の底の底。

 

 その人知未踏の空間に生物が居たとしても、何ら可笑しくはないのだから。

 

 ……ただそれも、そこに、接客……あるいは接待、という単語が存在している事は微塵も予想出来ない。いや、出来る筈が無い。

 

 

 

「……結構よ」

 

 

 

 改めて周囲へと目を向ける。

 

 エムラ……と叫んでいたのを思い出し、この足元に居る存在の呼称は、そういう呼び名であるのだと理解する。

 

 そういった方面の専門家ではないが、それでもこのような生物が実在しているなどとは全く聞いた事が無い。完全に未知である。もし知っていたのなら、娘を蘇らせる実験の参考にする為、必ず調べ上げていたと断言出来る程に。

 

 膝や手に触れる感触から分かるのは、硬い表皮は硬質な何かであり、それは始めに思った感想である石や岩などとは断じて違うものだと言えた。

 

 時折こちらの目線以上の高さに触手が見え隠れするものの、状態はそれ以上進展する様子も無く、傍に置かれた娘……保存シリンダーのみが、この非常識な世界であっても平静でいられる要因となっていた。

 

 エムラと呼ばれた物体……生物の上に足を崩して座る自分と、1メートル先できちんと正座を成していた、白い服を来た男が、差し出したコップを断られ、気まずそうに対面していたのも、平静でいられた一因であろう。

 

 

 

 

 

 

 ―――全てを失った魔女は、深淵の底で、白い男と出会う―――

 

 

 

 

 

「下らない。復讐なんて、そんな面倒な事をするくらいならば、娘の為に何が出来るかに気を向けるべきよ。何も思わない訳ではないけれど、何かする気も起きないわ。精々、何かの次いででやってあげても良い。くらいのものよ」

 

「なるほど……やっぱり娘さん最優先なのは間違い無いのか……。うんうん、こんな人が絶望の最後を迎えるなどと、この世に神も仏も無いのなら、自分でやるしかあるまいて。……プレシアさん」

 

「……何かしら」

 

「我ながら、胡散臭いのは重々理解してるんですが……―――取り戻したくありませんか。失った時間を。存在していた筈の平穏な日々を。そして何より……その子の命を。何処ぞの失われた魔法大国目指すよりは確実性高めなのは保障します」

 

 

 

 

 

 ―――元より、それを目指していた身。断る理由などある筈も無く―――

 

 

 

 

 

「……おかあ、さん……?」

 

「あぁ……アリシア……っ!」

 

「肉体残ってて助かった……無いとそこそこ手間が掛かるからなぁ。……じゃあ、プレシアさん。さっきの約束、守って下さいね」

 

「……え、えぇ……何とか……やってみるわ……」

 

「? どうしたの? お母さん。そこのお兄さんは誰?」

 

「よ、良かった。てっきりおじさんと呼ばれるもんだとばかり……。おほん。初めまして、アリシアちゃん。お母さんはね、君の妹と喧嘩中だから、それの仲直りに向かおうとしているんだよ」

 

「妹? お母さん。私に妹が出来たの?」

 

「え……あ……」

 

「……プレシアさん。俺との約束は、藁にも縋る思いで結んだのだと、そう理解しています。確かにこの子を目覚めさせられるのなら、あなたは何でもする気概はありました。……ただそれも、こうして結果を出してしまった後の事までは、考えが及んでいなかった。……ですが、あの時のお返事。何かの間違いであった。などと言うおつもりはありませんよね?」

 

「……ぅ……ぁ……」

 

「お兄さん! お母さんを苛めちゃダメ!」

 

「ぐっは、思わぬ援護射撃! ……ごめんねアリシアちゃん。ちょっと卑怯な言い方だけど、これは君のお母さんが超えなければいけない壁……問題なんだ。だから」

 

「知らないもん! お母さんを苛めないで!」

 

「何一つ理屈が通じねぇ! 何てお母さん思いの娘さんなんでショウ! あだっ、痛い痛い! そのローキック何処で覚えたんだよ! 鋭いし重いし回転も速いし! 本当にさっきまで眠り続けていたのか疑問です! 分かった。分かったから!  もう苛めないから!」

 

「……本当?」

 

「うぃ、本当です。……ただ、後一つ。失った命を戻す為に、お母さんにはちょっとチクっとしてもらわないといけないのですが」

 

「嘘吐き! もうやらないって言ったじゃない!」

 

「確かに言ったな! ごめん俺嘘吐いた! 悪い男です! でもこれやらないとフルメンバーにならないんですよ! 許して! これで最後だから! アリシアちゃんだって、リニスに会いたいでしょう!?」

 

「……リニ、ス?」

 

 

 

 

 

 ―――失った過去が輪郭を取り戻し―――

 

 

 

 

 

「人型の使い魔や、獣人はそれなりに見る機会はあったけれど、前者は兎も角として後者はどれもが理性や知性といった単語からは掛け離れた存在。居ない訳ではなかったけれど、それも極少数。……ネズミを媒体とした人型の使い魔……その姿は、そちらの世界でシノビ、と呼ばれている存在に酷似しているわね」

 

「良くご存知で。あぁ彼女、媒体とかでなくて、まんまそういう種族なんですよ。墨目※1(うぉ睨まれた)ッ、さんって言いまして。立ち振る舞いから戦闘含む各種スキルに……特に特殊能力は、プレシアさんの知る価値観から見れば、全財産投げ打ってでも、誰もが喉から手が出る程に欲しがるものだと思いますよ」

 

「それは、あなたが娘やリニスを蘇らせたよりも興味をそそられる事かしら。それとも、初対面にも関わらず、こちらの内情を熟知しているような物言いに起因するのかしら」

 

「ぁー……その、前者の方ッス。まんま、蘇らせる能力持ちでして。自我の有無は彼女の匙加減一つですが」

 

「あの、プレシア……私は……いえ、これは一体……」

 

「とりあえず何処か落ち着いて休める場所行きませんか? ……移動手段の如く使役しておいてあれですが、エムラさんの上って、針の筵というか……どうも虎口に飛び込んでる心境が拭えなくて……うん、そうなのエムラさん……ごめんよぉ」

 

 

 

 

 

 

 

 ―――全てを取り戻すとは―――

 

 

 

 

 

 

「完全に人の手が加わっていない惑星……探索の眼も無し、っと。……うん、ここなら良いかな」

 

「お兄さん、これからどうするの?」

 

「ぬっふっふ、凄い事です。これが前に発覚した時にはかなり面倒な事になったから、人気の無いトコに来たかったんですよ。―――プレシアさん」

 

「何?」

 

「満足そうにしているところに何ですが……あなた、そのままだと近い内に宜しくない状態になりますよね? ……吐血を拭った後、袖にまだ残ってますよ」

 

「……構わないわ。あなたとの約束を守れる時間さえ残されているのなら」

 

「守っていただけるのは嬉しいんですが……うぅむ、思考がそっちに至ってないのか……。つまり何が言いたいかと言うとですね……。あなた、こんな幼い娘さん残して居なくなる気ですか?」

 

「……もう、どうしようもないもの。その際には残りの力の全てをリニスに注いで補おうと思っているわ。……それとも、私の死も掻き消してくれるのかしら? あるいは、この病の治療? 今度は何を対価にすれば良いの? 優しい神様は」

 

「もうとっくに考えてたのか……。いやいや。さっきの言葉、覚えてないようですね。全てを取り戻したくありませんか、と。―――そう言った筈ですが」

 

「あの……それは一体どういう……」

 

「まぁ全てってのは誇張なんですが。では、リニスさん疑問にお答えすると致しましょう! って事で有言実行。召喚【若返りの泉】※2! 死ぬなとは言いませんから、せめて娘さん成人するまでは元気で母親やって下さい。さぁまずは肉体からだぁ!」

 

「なっ! 物質変化!? いえっ、これはっ……大規模な空間転移の兆候なんてまったく!?」

 

「プレシアさん、理屈は後回しです。病気は後で治しますんで。はい、どーん!」

 

「きゃあああ!?」

 

「お母さん!」

 

「アリシアちゃんは入っちゃダメ! ヤバイ事になるから!(……プレシアさん、声、可愛いんですね)」

 

 

 

 

 

 

 ―――再会は終焉への始まり―――

 

 

 

 

 

 

「手間掛けさせてくれるぜ。あれだけの大規模魔法を一瞬で何度も繰り出してくるなんてよ」

 

「だが、流石に我ら四人を相手に大技の連発は隙が大き過ぎるな。本業は……教師か、研究者か。戦闘向きでは無いのはハッキリと分かった。……恨んでくれて構わん。これが終わったら、次はその使い魔からだ」

 

「くっ、一線を退いて長かったせいですか。体が思うように……っ! プレシア!」

 

「かあ、さん……っ!」

 

「やっぱりダメな母親だったわね。……ごめんなさい、フェイト。リニス、せめてこの子だけは退避させなさい。時間は私が―――」

 

『収集、開始』

 

「【解呪】※3! かーらーのーっ、結界突破ぁー!! プレシアさ~ん、現場に着けましたかー? ……ぁ」

 

「「「あ」」」×多数

 

 

 

 

 

 ―――奪われた力は、次元世界の力の一端―――

 

 

 

 

 

「赤……青……緑……黒……は、大丈夫です。……何でリンカーコア無いのに収集されてんだ俺」

 

「……つまり、白の力が奪われた、と? ……平等の名の下に、全てを均一に消滅させると言ってた、あれを?」

 

「おぉぅ、プレシアさん他一同な視線が痛いッス……。後、奪われたってか、コピーされたようなものかと」

 

「相手があなたの力を使えるかもしれない。という時点で、脅威なのです。……あなたが無防備で、無責任過ぎるからいけないんです。僅か数分の間に説明した力が、仮に一端でも行使されてしまったのであれば、あなたは始めての知的生命体のまま、ロストロギアにカテゴライズされる存在ですから。……本当にこんな人が私達の恩人なのかと思うと、首を傾げたくなります」

 

「……アシリア~、リニスが苛める~」

 

「頭下げて。……ん。良い子、良い子」

 

「……大の大人が少女に頭撫でられて慰められてる……。形容し難い光景だなぁ。サーチャー、撮影ストップ。前後二十秒を削除しちゃってー」

 

「エイミィ、その映像は完全に削除して構わないから。とりあえず……まずは、自己紹介からかしら?」

 

「リンディさんキビシーッ!」

 

「クロノ君クロノ君、リンディさんって、結構物怖じしない人? フェイトちゃんと仲良くなる時にも、ガンガン押していったし」

 

「多分、君がフェイトと仲良くなりたい。と、ぶつかって行った時と同じくらいの気概はあるんじゃないかな」

 

「なるほど……」

 

 

 

 

 

 ―――その力は―――

 

 

 

 

 

「―――白夜に染まれ―――ホワイト・ディアボリック・エミッション」

 

「!? 対象空域に超超高濃度魔力反応! ―――いや、これはもう魔力なんてものじゃない! ただのエネルギーの塊だ!」

 

「そりゃあれだクロノ君。マナ反応だな。俺の……ぁ~……魔法の力だ」

 

「リンカーコア云々と、自分とこの世界の力の関係について語っていた割には、しっかりと力を使われているじゃないか! 法則が違うから使えないんじゃなかったのか!?」

 

「その辺突っ込まれてもちょっと……。ワタクシ、ついこの前、この世界に来たばかりですので」

 

「急によそよそしくなるんじゃない! この無責任男!」

 

「な、なんだと! まさにその通り過ぎて涙が零れそう! しかもそれがかなりの年下からとなっちゃあ、このままトンズラこきたいッス!」

 

「いいから! 局員や、なのはとフェイト達が到着するまで何とか持ちこたえるんだ! それで、何か目の前の光景に何か心当たりは無いのか?」

 

「使われる力は白……で、高威力の魔法……広域クリーチャー殲滅……十中八九、あの辺だろうなぁ……。しかし、ホワイトディアボリックってあんた……それラスゴ※4……」

 

「……」ピクッ

 

「あぁ! 無言で出力上げやがったなテメェ! 大人げないぞ!」

 

「それは僕の台詞だ! あぁもう君って奴は! この際内容は問わない! あれに対抗出来るのか! 出来ないのか! どっちだ!」

 

「舐めるな小僧! 単色だけの相手など、こっちにしてみればメタ余裕な相手以外の何者でもねぇ!」

 

「そう言うなら―――っ! 来るぞ!」

 

「任せとけ、早老坊主! 【パーミッション】の真髄、魅せてくれる!」

 

「きっ、君は言うに事欠いて……っ、うわあああ!?」

 

 

 

 

 

 ―――ありえたかもしれない未来に―――

 

 

 

 

「ほなら、リインはしばらくおねむさんになってるだけなんやね?」

 

「その通り。今はジェイスを始め、【プレインズウォーカー】達が協力してくれているからね。魔道書の一冊や二冊、どんと来いってなもんさ。むしろあれだ。夜天の書を、修正どころか、加筆してパワーアップさせてくれるかもしれません。というか確実にそういう路線に向かってそう……テゼレット※5ぇ……」

 

「だが、修復元の情報も、防衛プログラムも何も、具体的な対策は出来てないのだろう? 主の恩人を疑いたくは無いが、疑問を拭うには、些か……」

 

「シグナムさんの疑問は最もなので、とりあえず後者―――防衛プログラムの、応急処置的なもんですが、対応策だけ。―――あれ、膨大ま魔力を糧に、永続強制で修復される術式みたいなものなんですよね、確か。その……ぶっちゃけ、エルドラさん達のご飯―――には届かないから、おやつになってます。こっちとしては修正せずに、そのまま残しておきたいなぁ。なんて」

 

「える、どら?」

 

「でっかいクリーチャーとでも思って下さい。……プレシアさん、何ですか、その呆れたような表情は」

 

「ような、ではなく、まさにそうなのよ。―――みんな。心配要らないわ。もし本当なら、下手に関わらない方が身の為よ」

 

「話がよう見えへんのやけど?」

 

「プレシアさんはエルドラの一体、エムラさん知ってるからなぁ……」

 

「「あの……」」

 

「? どうしたね、なのは&フェイトちゃん」

 

「……良いんだよね?」

 

「うん。強くなるって、決めた事だから」

 

「そうだね……そうだよねっ!」

 

「うん……ッ」

 

「「せ~の……私達のデバイスも強化して下さい!」

 

「ッ!? 砲撃対象の消し炭フラグきたー!(主にヴィヴィオちゃん、ティアナちゃん、マジ御免)」

 

 

 

 

 

 

 ―――壮絶なえこひいき―――

 

 

 

 

 

 

「……未開の惑星で二人きり……あまり良い状況ではないけれど。……お話というのは何かしら」

 

「ちょっとリンディさんにご提案です。プレシアさんとほぼ同様の内容ですが……。―――取り戻したくありませんか。あの頃の幸せを。……我ながらこの言い回しはどうにかならんものか……胡散臭過ぎだ……」

 

「な、何を……」

 

「おほんっ。……こちら……私について、公私問わず調べているのは分かっています。―――ハラオウンさん、でしたか。あなたの夫は。構いませんよ。すぐに、とは行きませんが、条件さえ飲んでいただけるなら。……これって何処からどう見ても悪魔との契約だよなぁ」

 

「―――お聞きかせ下さい、その条件を」

 

「(うわ目が据わってる……)別に何かを差し出せ。とかって訳じゃありませんよ。色々細かい条件はありますが、ただ私のこの力の事を黙秘して頂ければ、それで」

 

「!? それだけ……ですか」

 

「ええ。プレシアさんも同じ条件を飲んでいただけています。リンディさん自身も重々ご理解しているでしょうが……ほら、こういう力ですので。それはもう、過去に色々とあった訳ですよ」

 

「……分かりました。その条件、飲ませて下さい」

 

「その願い、叶えてしんぜよう―――はい堅苦しい雰囲気終了! じゃあ早速若返りから!」

 

「え? え??」

 

「召喚【若返りの泉】! 今回二度目のツッパリアタック! はいどーん!」

 

「きゃあああ!?」

 

「うむ叫び方までプレシアさんと一緒とは。何とも気が合いそうだと思います。同じ母親同士、後で……というか今後とも仲良くやって下さいな。余計なお世話ですが、愚痴れる相手って大事だと思いますし」

 

 

 

 

 

 ―――第三期、始まらず―――

 

 

 

 

 

「いいじゃないか。そう減るものではないだろう?」

 

「嫌じゃ嫌じゃ! 誰が好き好んで、男に体の隅々まで弄られなきゃあかんのじゃ!」

 

「つれないな。君が言い出したんだろう? 『私の力は、あなたの欲望を満たすものだ。無限の未知が溢れている』と。こちらの行動に制限をしているんだ。こちらとしても、君の行動に何かしらの示唆を行っても良いと思うのだけれどね」

 

「だからって、まさか【ファイレクシアの抹殺者】※6とか【ファイレクシアン・ドレッドノート】※7を一週間でまるッと解体されるとは思わなかったもんよ!? 生首状態で『助けて』って訴え掛けてくる……生きてる抹殺者とか見た時は心臓止まるかと思ったぞ!」

 

「だがそのお陰で、ファイレクシア病※8の全四段階の内、第一症状までならば完治可能になったんだ。君だって狂喜乱舞していたじゃないか。発情期の猿のように」

 

「……最後に付け足された言葉にゃ悪意を感じますが……うん……そりゃあ、ねぇ……。お前、だってあれ、あっちじゃ【プレインズウォーカー】でも対処の困難なもんでしたし……それも結構初期段階までの話で、末期になったら打つ手無しっていう」

 

「だから、良いだろう? 時間は【若返りの泉】で、資材は君の召喚能力で、幾らでも、如何様にも対処可能だ。―――断言しよう。それさえ提供してくれたのなら、そのファイレクシア病―――黒い油を、コップ一杯―――否。錠剤一粒だけでたちどころに解毒出来る様、成し得てみせようじゃないか。―――だから」

 

「もしそれが出来たらヨーグモス※9が卒倒するわ……。でも駄目! お前とニコル※10さんは絶対会わせません! 俺が……世界が終わるわ!!」

 

「はっはっはっ、おかしな事を。【エルドラージ】達を使役している君が言うと、空々しさを覚えるよ」

 

「うっさい……個人的な二大悪の巨頭の一人を顕現させてたまるかってんだ……自分で自分の脳味噌足りない自信があるのに、智謀の塊みたいな人なんか呼べねぇですよ……。スカさんは色々と解析して自分の研究に反映させてるんだ。今はそれで我慢しておいてくれよ」

 

「私の名前をそう言うのは、君くらいのものだよ」

 

「スカさんが嫌なら、スカリエッティのエっちゃん「この話題は分が悪い。先に進めさせてもらうよ」って呼び……別に良いですけどね……」

 

「それは重畳。……しかし、これでも極秘裏に進めていたものだったんだがね。……なら話は早い。そろそろプロジェクト・フェイトを引用した……私の娘達の第一陣が完成する。『―――完成された祝福をとくと見よ』。そう君が言わしめるクリーチャーを、是非とも見せてもらえれば、第二陣からはその技術を―――」

 

「誰が【ファイレクシアの抹消者】※11なんぞ調べさせるか!!」

 

「相変わらず、君は私を焦らすのが得意なようだ。……くっくっく……だがそれもまた心地良い……」

 

「お客様ー! お客様の中に、特大級ホームランが得意な、疾風迅雷のお方は居りませんかー!?」

 

 

 

 

 

 

 ―――リリカルギャザリング、始まりません―――

 

 

 

 

 

「PW【ニコル・ボーラス】も、【伝説】の【エルドラージ】ですらも。……あまりに強過ぎて、クリーチャーとして製作出来なかったその力。しっかり眼に焼き付けて―――どうにかされちまえ! 【フェイジング】※12スタンバイッ! 来いッ! 【大口縄】※13 ―――てっしゅー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 ■□■□■□■□

 

 ※0【引き裂かれし永劫、エムラクール】

 

 多次元宇宙の一つを犠牲にし、そこに隔離されていた生物【エルドラージ】の内の一体。最も強大、最も暴食とされ、数々の次元世界を滅ぼしては。を繰り返していた為、複数のPW達の手によって上記の対処方をされ、知的生命体達はどうにか平穏を手に入れた……筈だったのだが。

 

 ※1【鬼の下僕、墨目】

 

 黒の中型クリーチャー。ダメージを与えた対象の墓地にあるクリーチャーを一体、自軍の場に出す。

 

 ※2【若返りの泉】

 

 アーティファクト。2マナとタップで、ライフを1、回復する。

 

 ※3【解呪】

 

 アーティファクトかエンチャント1つを破壊する。

 

 ※4【神の怒り】

 

 ソーサリー。全てのクリーチャーを破壊する。再生不可。略称はラスゴ。

 

 ※5 テゼレット

 

 PWの一人。アーティファクトに対し、優れた一面を持つ。

 

 ※6【ファクレクシアの抹殺者】

 

 クリーチャー。強烈なデメリットを持つ、黒らしい、高パフォーマンス所持者。

 受けたダメージ分だけ、場に出したカードが墓地へと送られる。クリーチャー同士のガチンコになった場合、たった一度の戦闘で、自分の場はまっさらになる事受け合い。

 

 ※7【ファイレクシアン・ドレッドノート】

 

 巨大クリーチャー。三本の指に入るマナレシオを持つ。12/12

 

 ※8ファイレクシア病(MTGwikiコピペ)

 

 第一段階:発疹と吐き気。

 第二段階:高熱と高い感染性。

 第三段階:筋肉痛とひどい咳。

 第四段階:うわごと、ひきつけ、そして死。

 

 別名、黒い油。

 物語のハッピーエンド後、スタッフロールの最後にこっそり映る黒い影とか、そんな存在。

 悪夢は決して終わらない。

 

 ※9ヨーグモス

 

 個人的MTG悪の二大巨頭の内の一人。次元世界を影から侵食するファイレクシア病をばら撒く人。……人?

 多次元世界の裏側を支配する、悪の組織の首領。何者にも染まらぬ邪悪が彼だと思います。

 

 ※10ニコル・ボーラス

 

 竜の【プレインズウォーカー】。個人的MTG悪の二大巨頭のもう一人。知略、智謀、魔力、そして、飽くなき力への探求心、等々。あらゆる点で他のPWとは一線を画く存在。あちらが組織的な最悪であるのに対し、こちらは個での最悪。ただ配下は多数居る。

 

 ※11【ファクレクシアの抹消者】

 

 クリーチャー。【ファクレイクシアの抹殺者】の完成形。デメリットが一転、メリットに変化している。受けたダメージ分だけ、相手の場のカードが墓地へと送られる。ただしあくまでダメージを与えた者がこの効果を受けるのであって、自分で出して、自分で与えて。では意味がない。

 

 ※12【フェイジング】

 

 能力。噛み砕いて言うと、一時的に存在を消す事を指す。恐らく無色透明とかではなく、別次元に転移するレベルの存在消去。

 

 ※13大口縄/おおかがち

 

 ソーサリー。【最後の裁き(全てのクリーチャーを追放する)】を行うであろう存在の名前。以下MTGwikiコピペ。

 

 現し世と隠り世(人間の世界と神の世界)を隔てる「世界の帳」をつかさどる神。その巨大さ、異常な力から、伝説のクリーチャーとしてのカード化はされなかった。

 

 

 ■□■□

 

 当初、東方ギャザリングとこちら、リリカルギャザリングのどちらを執筆しようか悩んだものの、一方、妄想の欠片。個人的1000コメ達成企画、兼、エイプリルフール企画。書きたいから書いただけ。な妄想モロだしネタであります。

 

 本編の進行の息抜きとしての小ネタの一環でありますので、本編との繋がりなどは一切ありません。多分。恐らく。きっと。

 

 東方ギャザリングも、根底はこんなノリでありました。

 

 ……あれ?

 

 


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