色々忙しかったので内容はかなり雑です。
それでもいいと言う方はこのままどうぞ。
IS学園 デジラボ
「着いた!」
箒が一夏を迎えに行っていた頃、鈴たちはゲートを通りようやくデジラボに戻ってきた。デジラボではクロエが待ち構えており、すぐさま各専用機の応急修理を始めた。
「・・・・・皆さん随分無理したようですね。」
クロエはパネルを操作しながらつぶやく。隣ではパイルドラモンができる限り使用可能なオプションパーツの交換作業を行う。
「ここは私とクロエでやっておきますので皆さんは少し休んでいてください。終わり次第お知らせするので。」
「えっ?でも全員で整備した方が・・・・」
「・・・・人がゴチャゴチャいると逆に迷惑なので大丈夫です。」
「そ、そうですか・・・・。」
言われるなり鈴たちはさっさと部屋を後にして行った。
「・・・・・それにしても今日のデジラボ・・・・・行く前とは違って静か過ぎませんか?」
「・・・・確かに行く前と比べると・・・・・ほとんどのデジモンがみんな表に出ているからかな?」
シャルルの言う通りだった。デジラボにいるのは、成長期と幼年期が大半で僅かに残っている成熟期のデジモンたちが騒がないように世話をしていた。その中には学園の生徒の姿もあった。
「みんな必死なのよ。世界が終わるかもしれないって思っていながらも最後まで抵抗する覚悟で戦おうとする・・・・。私たちも見習わなくちゃいけないわね。」
鈴は少し不安そうな顔で言う。そこへデュークモンが戻ってきた。
「・・・・・・戻ってきたようだな。ベルゼブモン、久しぶりだな。最後に会ったのはデジタルワールドに帰る時以来か?」
「ケッ、まあそのぐらいにはなるな。」
ベルゼブモンは吐き捨てるように言うが何か照れ臭そうだった。
「えぇ・・・・・・・でも、織斑君が・・・・・」
楯無は複雑な心境で報告する。デュークモンはそれを黙って聞く。
「・・・・・・・そうか。織斑一夏は敗れたのか。」
「はい。残念ながら・・・・・・でも、向こうで織斑先生たちが付いているのできっと彼が戻ってきてくれるとここにいるみんなが信じています!」
「・・・・・では、我々も最後まで抵抗しなければな。お前たちは専用機が修復し次第、合流してくれ。間もなく奴もこちらに現れる。その間は何をしていても構わない。」
デュークモンはそう言い残すと再び外へと行く。ベルゼブモンもその後を追う。
「俺たちも先に行くわ。シャインの奴と打ち合わせする必要があるしな。」
「お先に。」
ジャスティモンたちも先に外へと向かって行った。
「・・・・・・・僕とレナモンは母さんと父さんに会ってくるよ。何かヒントになることが聞けるかもしれないし。」
「シャル・・・・・アンタ・・・・」
「勘違いしないでよ!?僕だって諦めているわけじゃないんだから!!・・・・・・でも、これから先もしものこともあるから。」
「・・・・・・・まあ、それもそうね。それじゃあ、私たちは残っている時間で何かしらの作戦でも立てましょう。少なくとも考えないでやるよりはマシだし。」
30分後 デジラボ ミーティングルーム
鈴たちは一通り話し合いをした後にクロエの連絡を聞いてシャルロットと合流し、ミーティングルームに集まった。クロエは全員来るなり、整備が終わった待機状態に専用機を渡す。ちなみにすでにミレイは戻ってきており、リナと何やら話している。
「・・・・・では、現在の状況とあなた方の機体の状態について説明します。時間がもうありませんので一度しか言わないのでしっかり聞いてください。」
「わかってるわよ。」
「では、まずオルコットさんの『ブルー・ティアーズ』についてです。残念ながらティアーズの修理が間に合わないと判断したため、ティアーズの射撃機能をオミットしてスラスターとして使えるように強襲用高機動パッケージ『ストライク・ガンナー』に換装しました。武装も『スターライトmkⅢ』から全長2メートルのレーザーライフル『スターダスト・シューター』に変更しました。」
「ありがとうございます。」
「続いて凰さんの『甲龍』は機能増幅パッケージ『崩山』に手を加えたもので威力は格段と向上していますが衝撃がその分大きくなっているので気をつけて撃ってください。」
「はいはい。」
「次にデュノアさんの『ラファール』ですが防御機能を上げるために防御パッケージ『ガーデン・カーテン』に左右の肩と背部に1基ずつ増設スラスターを取りつけました。これによりスピードの低下は最小限に抑えてあります。」
「こんな短時間で・・・・・すごいとしか言いようがないな・・・・」
「ボーデヴィッヒさんの方は砲戦パッケージ『パンツァー・カノニーア』で装備を一通り換装し直しました。」
「了解した。」
「最後に更識さん姉妹ですが両機体共に損傷が少なかったのでそれほど時間が掛からずに済みました。」
「は・・・・はは。まあ・・・・パタモンたちも頑張ってくれたから。」
「目標は間もなくこちらに到着します。皆さんも外に出て待機してください。」
そう言うと鈴たちは出口へと向かい始める。そこへミレイとすれ違う。
「あっ、ミレイさん。戻ってきていたんですね。」
「ええ、あなたたちもどうやら行くみたいね。」
「はい。」
「・・・・・・・それならちょっとお願いできるかしら?」
「はあ?」
IS学園 外
学園の外では数百・・・・・・否、数千以上のデジモンたちが待機していた。ある者は自分の武器の手入れをし、またある者は緊張しながら迫りくる敵を待ち構えている。そんなデジモンたちの中でデュークモンとベルゼブモンは何やら話をしていた。
「なるほど、四聖獣たちはまだ無事だったのか。」
「まあ、今の俺でさえまともに相手にはしたくない老いぼれ共だ。そう簡単にはくたばらねえよ。」
「・・・・・・それで二人は?」
「・・・・・・・」
デュークモンの質問にベルゼブモンは首を横に振る。
「・・・・・そうか。やはりイーターに・・・・」
「悔やんでいても仕方ねえ。要はルーチェモンの野郎を叩き潰すまでだ。」
「だが、奴はお前の話からでも分かるが我らの次元のさらに先の力を身に付けてしまっている。」
「そん時は体が動かなくなるまでやってやるまでだ!」
「・・・・・・・お前らしいセリフだな。」
ベルゼブモンの言葉にデュークモンは思わず笑った。
「笑うんじゃねえ!ったく、てめえはこんな変な時にばかり笑いやがって!」
「すまない。いや、ついな・・・・・」
「お~い!」
そこへ鈴たちが合流してきた。
「おう、間に合った・・・・・・ん!?」
デュークモンは鈴たちの後ろで遅れてくる者に目が付く。それを見るなりブイブイは思わず唖然とする。
「お~~~い~~~君たち~~~あたしを置いてかないで~~~~!」
それは見たこともないISを身に纏ったリナだった。
「リナ!?なんでリナまで来てるんだ!?」
ブイブイは思わず叫ぶ。
「いや・・・・・・・ミレイさんにどうせだから一緒に連れて行ってあげて言って言われちゃって・・・・・」
「私たちは、素人を出撃させるのはいけないと断ろうとしていましたのですけど・・・・・」
「本人があの通りやる気満々で止めても無駄だったから・・・・・」
「コラコラコラ~~!!ド素人とは何だぁ!?ド素人とはぁ!?」
「・・・・・・そこまで言ってはいないけど」
楯無とセシリアに言われてリナは不満そうに言う。
「・・・・・・・誰かリナのこと戻して来てくれない?」
「にャニィ~!?ブイブイまで!?チョ、君たちホントーにヒドくない!?」
ブイブイにまで言われて流石のリナもショックの様だった。そんなリナに対して鈴は彼女の肩に手を置く。
「しょうがないわよ、アンタ、話ではかなり面倒くさがり屋って聞いていたんだから。妥協しないと。」
「ガクっ・・・・・・あたしそんなイメージで見られていたんだ・・・・・・・。」
「・・・・・リナの日頃の態度が悪いからこうなるんだよ。今度はちゃんとトレーニング一緒にやるんだよ。」
「え~!!」
「え~じゃないよ。全く・・・・」
リナの態度にブイブイはため息をつきながら呆れる。
その直後、デュークモンの表情が急に険しくなる。
「・・・・・どうやら来たようだ。」
「だな、野郎・・・・ダークエリアでもねえって言うのにとてつもない殺気を感じるぜ。」
ベルゼブモンは冷や汗を開きながら言う。そう言っている間にも上空に巨大なゲートが展開され、ルーチェモンがその全貌を見せつける。
「・・・・・いよいよお出ましね。」
「いよいよ世界の存亡をかけた戦いって何だね・・・・・。」
鈴たちはテリアモンたちを全員進化させる。
「よおぉ~し、あたしも張り切ってあのデカブツをやっつけちゃいますか!ブイブイ、よろしく!」
「・・・・・わかったよ。僕がリナを援護する。」
リナは腕を振りながらルーチェモンを見上げる。
対するルーチェモンは、デュークモンたちを見るなり楽しそうな表情をした。
『これはこれは・・・・・世界の最期を見るためにこんなに来ていただいていたとは・・・・・光栄ですね。神としても嬉しいことですよ。』
「我々はそんなことを望んではいない!」
『ほう、ではなんだというのですか?デュークモン。』
「我々は貴様のその歪んだ野望を阻止すべくここで待ち構えていた!貴様に世界を滅ぼさせはしない。」
「おうよ!そうやすやすと滅ぼされてたまるかってんだ!」
『やれやれ・・・・・・抵抗さえしなければ安らかな死を迎えられたものを。』
ルーチェモンは少し残念そうに顔を手で隠す。
「何を言ってんのよ!一夏はあそこまで苦しめたくせに!」
「それに私たちは滅ぼされたくはありませんわ!!」
『まだそんなことを・・・・・織斑一夏は死んだんですよ?』
「死んでなんかいない!私は一夏が帰ってくることを信じてる!」
「僕も!」
『・・・・・・フッ、フフフフハッハハハハハハハ!!新世界を築く前の最後の余興としては最高なものです!!』
ルーチェモンは笑いながら言う。
『では、見させていただきましょうか!!あなた方の最後の意地とやらを!本日の最終イベント、「世界最終戦争」を!!』
ルーチェモンは周囲に大量の黒い結晶を形成し、飛ばす。飛ばされた結晶は次々と姿を変え、ある者はオメガモン、ある者はエグザモン、ある者はデュークモンなど様々な形状へとなり、デュークモンたちに襲い掛かる。
「全員、行くぞ!周りのデジモンをできるだけ倒せ!できるだけルーチェモンに近づくんだ!」
デュークモンはすぐにファイナル・エリシオンを発射し、周囲の複製デジモンたちを一掃する。
「行くぜ!ウォーの仇だ!グロリアスバースト!!」
シャイングレイモンも負けずに複製デジモンたちを次々と薙ぎ払って行く。
「私たちは前進するわよ!!狙うは・・・・・・」
「ルーチェモンの首だ!!絶対に仕留めるぞ!」
「ちょっと・・・・・ボーデヴィッヒさん・・・・・私が決めたかったセリフを・・・・」
「お姉ちゃんもいい加減言うのが遅いの認めないと・・・・・」
鈴たちもそんな会話をしながら前進していく。一方のリナは独特の戦闘スタイルでブイブイと共にルーチェモンを目指していく。
「はあぁ~!!あたしのこの拳が真っ赤に燃える~!!悪を打ち倒せと轟叫ぶ~!」
リナは、右手でエグザモンの顔の掴み、他の複製デジモンをぶつけながら進む。
「必殺~!!リナちゃんフィンガー!ア~~~ンド、爆発!!」
リナが叫ぶと同時にマニピュレーターが発光し、エグザモン含めた複製デジモンたちは大爆発する。
「よっしゃ~!!決まった!!」
「決まったじゃないでしょ!まだ敵が多いって言うのに何悪ふざけしてるのさ!」
リナの周りに迫ってくる複製デジモンを撃退しながらブイブイが言う。
「それにさっきのセリフ何!?どっかの某アニメのモロパクリじゃないか!」
「いいじゃないの!カッコいいんだから~!」
そう言いながらもリナは迫ってくる複製デジモンを一発一発とパンチで吹き飛ばしていく。
「『ロケットアーム!!』」
ジョグレス進化したゴッドジャスティモンは右腕を巨大化させる。その光景にルーチェモンは少し驚いたようだった。
『ほお・・・・・・これはこれは・・・・』
「『行くぜ、ルーチェモン!!ゴッドインパクトダッシュ!!!』」
巨大化した右腕のブースターでゴッドジャスティモンは複製デジモンを撃破しながら前進する。
「我々も続くぞ!」
デュークモンはグラニと合体し、クリムゾンモードへと変わり後を追う。ゴッドジャスティモンはルーチェモンの目の前に来ると右腕を切り離す。右腕はルーチェモンのデコピンで吹き飛ばされ、後方の複製デジモンと交戦中のデジモンたちを吹き飛ばしてしまう。
「『あっ!よりによって後ろに返すかよ!?』」
『ホッホッホッ・・・・・そんな攻撃では私に傷を付けることもできませんよ。』
「だったらこれでどうだ!デススリンガー!!」
ベルゼブモンは陽電子砲から最大出力で放つ。ルーチェモンは口からパーガトリアルフレイムを放ち、威力を相殺させる。
「まだよ!みんなで一斉射撃よ!」
楯無の指示と同時に鈴たちは一斉にルーチェモンの頭部に向かって射撃を開始する。
『全く、無駄なことをしてくれますね・・・・・・これでは前が見えないではありませんか。』
「インビンシブルソード(無敵剣)!!」
『む!?』
ルーチェモンは一瞬顔を動かす。彼の目の前ではデュークモンが剣を振るい、ダメージには至らなかったものの顔に切り傷が付いた。
「くっ!掠っただけだったか!」
デュークモンは悔しそうに言う。一方のルーチェモンは自分の顔に付けられた傷を見るなりしばらく黙る。
「・・・・・なんだ?いきなり攻撃をやめたぞ?」
複製デジモンたちを撃退したデジモンたちは沈黙しているルーチェモンに対して不安そうな顔で見る。
『・・・・・・・・・神たる私の顔に傷を付けるとは・・・・・・・・・遊び過ぎたというわけですか・・・・・フフフフ・・・・』
ルーチェモンは少し笑うとデジモンたちの方を見て一瞬で怒りの形相に変わる。
『許さんぞぁ!!虫けらの分際で神の顔に傷つけおってぇ!!』
叫びは衝撃波となり、危うく吹き飛ばされそうになる。
『もう余興はお終りだ!この世界を一瞬で死の世界に変えてくれるわ!!』
ルーチェモンの体のいたるところに目玉のようなものが開き、何やらエネルギーを収束し始める。
「まずい!全員、防御態勢に入れ!」
デュークモンが叫ぶように指示するがルーチェモンの全身が光りはじめる。
『この世界諸共消え去れえぇ!!デストロイ・バースト!!』
ルーチェモンは構えを取ると同時に収束したエネルギーが一斉に発射される。
「『うおぉ!?』」
「うわあぁぁぁ!?」
「「「「「「きゃああぁぁぁ!?」」」」」
「ああぁぁぁぁぁ!!!」
回避行動に移っていた鈴たちだったがルーチェモンの攻撃の前ではあまり意味がなく全員吹き飛ばされて行く。ルーチェモンから放たれたエネルギー波は次々と拡散していき、世界各地へと振り注いでいった。
デジラボ
その頃、千冬と束はようやくデジラボに戻ってきた。モニターの方では先ほど戻ってきたのかマグナアルフォースブイドラモンとビクトリーグレイモンが呆然とした状態で立っている。
「ミーちゃん!戦況は・・・・・・・!?」
束がミレイに聞こうとしたとき、彼女たちはモニターの映像を見て目を丸くする。映像は学園から少し離れた街の方でルーチェモンの攻撃によつて大半の建物が破壊され、多くのデジモンたちが倒れていた。
「こ、これは・・・・・・」
破壊尽くされた街の姿を見て千冬は思わず声を失った。
「・・・・・・・見ての通りよ。あの街だけではないわ。おそらくさっきの攻撃で世界各地の都市も同じ、それ以上の被害が出ているわ。」
「・・・・・まさかあそこまで進化するなんて・・・・・・奴の強さはもう私の想像をはるかに超えているよ・・・・。」
「ば、化け物・・・・・・いや、神というべきなのか・・・・・兄貴の仇を・・・・・」
マグナアルフォースブイドラモンは手を震わせながら言う。
「ミレイ、一夏は?奴は私たちよりも早くこちらに向かった筈だが・・・・・」
「いいえ、まだこちらでは確認していないわ。」
「・・・・・・このままでは・・・・私も出る!ミレイは凰たちの位置を確認してくれ。ほら、ブイモンたちも一緒に来い!」
「えっ!?あ、ああ!待ってくれよ千冬姉ちゃん!?」
千冬たち四人は急いで外へと向かう。
街
「・・・・・・・・・痛。みんな・・・・・・・生きてる?」
瓦礫の中に埋もれていた鈴は起き上がりながら周囲に仲間がいないか確認する。
「・・・・・・な、なんとか・・・・・」
「少なくともまだ全員生きてはいるようですわ。」
「でも、ISはもう使えないみたい・・・・さっきの攻撃でもう使い物にならないわ。」
どうやら全員無事なようだ。たださっきの攻撃で互いの専用機は既に大破した様ですでに待機状態に戻っている。ちなみにテリアモンたちも同様に既に退化して元に戻っている。
「随分吹き飛ばされた様ね。まさか街にまで吹っ飛んでくるなんて。」
鈴は辺りを見回しながら言う。辺りの家はさっきの攻撃で破壊されていて、人のいる気配はない。
「この辺だと・・・・・・鈴の友達の家に近いよ?」
テリアモンは不安そうに言う。
「そうだ・・・・・・弾たちの方は無事かしら?」
鈴は瓦礫をよじ登りながら移動し始める。
「ちょっと、鈴!」
「あぁ、シャルたちはデュークモンたちを探して!私は、ちょっと見に行くところがあるから。行くわよ、テリアモン!」
「うん。」
テリアモンは、鈴の頭の上に乗る。
「それじゃあ、私たちは先にデュークモンたちを探しましょう。おそらく同じように吹き飛ばされたはずよ。」
「デュナスモンとアルファモンも無事でいればいいけど・・・・・」
シャルは少し心配そうな顔をしながら楯無たちと共に鈴とは別方向へと移動し始めた。
鈴&テリアモンside
「えっと・・・・・・五反田食堂は・・・・・・・って、これって・・・・」
鈴は、弾の実家である五反田食堂の前まで来ると唖然とした。
五反田食堂は先ほどのルーチェモンの攻撃により全壊し、入り口の手前では蘭が蓮と厳と共に瓦礫をどかしていた。よく見るとかなり焦っている様だった。
「蘭!」
鈴は走りながら蘭に声をかける。蘭がこっちを振り向くと何やら泣きそうな顔になっていた。
「鈴さん!!」
「いったいどうしたのよ?早く避難しないと・・・・・」
「お兄ぃが・・・・・・お兄ぃが家の下敷きになっちゃたんです!!」
「えっ!?弾が!?」
鈴は瓦礫の山を見る。目の前では蓮と厳が急いで瓦礫をどかそうとしていた。その下では弾のと思われる手がわずかながら出ていた。
「声を何度もかけているんですけど返事もなくて・・・・・早く助けないと・・・・・」
蘭は泣きそうになりながらも作業を再開する。鈴は上空を見る。上空ではルーチェモンの体の一部が見え隠れしていた。このままだと攻撃の第二波が来たとき、逃げきれない。
「弾は私が助けます!ですから蓮さんたちは急いで逃げてください!またいつ同じ攻撃が来るかわかりませんから!」
しかし、蓮と厳は首を縦に振らない。
「鈴さん、ここは大丈夫よ。弾を助けてから私たちも避難するから先に蘭を連れて逃げてちょうだい。」
「ですが!」
「蘭も弾も儂の大事な孫だ。ここにいちゃあ、どっちも危ねえぇ。だから、先に蘭一人だけ少しでも安全な場所に連れってくれねえか?こっちの馬鹿は儂と蓮で連れてく。」
「やだぁ!!私も一緒にお兄ぃを助ける!!」
「蘭!」
「みんなとバラバラになるなんて嫌だ!!」
蘭は泣き出しながらも瓦礫をどかす。
「・・・・・ったく!あの馬鹿!本当に碌なことしないんだから!テリアモン、私たちも手伝うわよ!一刻もこの馬鹿を掘り出さないと!」
「うん!」
鈴とテリアモンも加わって瓦礫をどかそうとしたその時だ。
『おや?まだ息があったようですね?』
恐ろしい声が自分の真上から聞こえて来た。
「ルーチェモン!」
鈴は急いで甲龍を展開しようとする。しかし、反応はない。
「ちっ!やっぱり無理か!」
「テリアモン、進化!!・・・・・・・・ダメだよ、進化できないよ!」
テリアモンも進化を試みたがダメージが大きすぎたのかガルゴモンにすら進化できない様だった。
『先ほどの攻撃で生きていたとは・・・・・・やはり興奮すると的をズラしてしまうようですね。では、今度は一つ一つ丁寧に消して差し上げましょう。』
嫌な予感がする。
「三人とも早く逃げて!」
無駄なのはわかっている。それでも助けたいという気持ちが鈴の中にはあった。
「そんな・・・・・・・お兄ぃを置いていくなんて・・・・・」
蘭は埋まってしまっている弾の手を握りながら跪く。
『涙ほど悲しいものはありませんね。ですがご安心ください。あなた方人間でいう「あの世」でおそらく再会できるでしょうから。』
ルーチェモンはそう言いながら一筋の閃光を鈴たちむ向けて放つ。
『では、また来世でお会いしましょう。最もそのときは既にこの世界は変わっていると思いますが。』
閃光は鈴たちに向かって迫りくる。
「蘭!」
蓮は思わず蘭を抱きしめる。厳は何かを悟ったのかただ空を眺めていた。
「くそ・・・・・・・・最後の最後でこんな結末を迎えるなんて・・・・」
鈴は悔しそうに歯ぎしりをした。
おそらくこのような手段でセシリアやシャルロットたちも同じように消されていくのだろう。
やがて世界中の人間も。
「うぅ・・・・・・私たちは・・・・・・・私たちは何故・・・・今日まで生きてきたの?こんな最期を迎えるために生きてきたの?そうだとしたら・・・・・・・あんまりじゃない・・・・・」
鈴はテリアモンと離れ離れにならないように抱きしめる。
閃光はもうすぐそこまで来ていた。
「・・・・・・・・・・・・・?」
閃光はいつまでも自分たちを消す様子はない。
鈴はどういうことかと目を開いてみる。
「・・・・・・・・・一夏。」
そこには自分たちを消すはずだった閃光を無力化しているスサノオモンの姿があった。
「・・・・・・・・・・・待たせたな、みんな。」
今回の技
ロケットアーム=ゴッドジャスティモン
ゴッドインパクトダッシュ=ゴッドジャスティモン
デストロイ・バースト=ルーチェモン エンド
オリジナルIS
リナのIS(名称不明)
リナが本編で使用していたIS。学園の「打鉄」をミレイが初期化して製作してくれたものらしい。リナの戦闘スタイルを考えて射撃兵装は簡略して、格闘戦を中心に行うようにしている。見た目は某機動武道伝の主役二機を足して割ったような感じ。技名はリナが自分で見たアニメを参考にしている。
次回、最終戦闘!