ヴリトラモン・ストラトス   作:赤バンブル

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危うく一か月後になるところだった(´・ω・`)

お気に入りも大分いなくなっちゃったからそろそろ終盤展開を急がないとな・・・・。




夢の終わり

セシリア&鈴ルート

 

「あれがピヨモンの本当の究極体・・・・・」

 

「すごい・・・・」

 

少し離れた場所で鈴とテリアモンはベルフェモンに迫るワルキューレモンを見ていた。ワルキューレモンから発する光は荒れた大地に草花を生えさせ、立つのがやっとだったテリアモンたちも本人たち気づかない内に治癒させていた。

 

「ハハハハハハハハッ!雑魚がいくら進化したとて、この俺を超えることはできぬぅ!」

 

ベルフェモンは構えを取りワルキューレモンに向かって行く。ワルキューレモンは腰の柄の収納されている聖剣『ガルダソード』を引き抜くと防御の態勢に入る。

 

「私は負けない。絶対に守って見せる!セシリアも、現実世界とデジタルワールドも!」

 

ベルフェモンは火球を無数に作り出し、ワルキューレモンに向かって発射する。ワルキューレモンは避けながらもガルダソードに炎を纏わせ、斬撃波を飛ばすことで相殺させる。

 

「何ィイ!?」

 

「さっきまでのと同じ攻撃が何度も通じると思ったら大違いよ。」

 

「キイィ!」

 

怒ったベルフェモンは口から衝撃破を放つ。

 

「レヴァナント・ヴェール!」

 

それに対してワルキューレモンは、全身を光のヴェールに包み込ませることで攻撃を受け止める。

 

「なんだとぉ!?」

 

「私は許さない!みんなを傷つけるあなたを!」

 

ワルキューレモンは、翼を広げる。すると光が収束し始め赤く輝き始めた。

 

「レヴァナント・バースト!」

 

ワルキューレモンが叫ぶと同時に光は一帯に広がり衝撃波が起こる。

 

「こっちにも来る!」

 

鈴とテリアモンは思わず抱き合って目を瞑る。ベルフェモンは光をまともに受けながら叫ぶ。

 

「ウオォォォォォォォォ!!!ばあぁかぁなあぁぁぁぁぁ!!!」

 

ベルフェモンの体は光に吞まれていく。それと同時につい先ほどまで瓦礫に埋もれていたバルバモンが起き上がる。

 

「うぅ・・・・・ベルフェモンの奴、儂にまで攻撃してきおって!この後休眠期に入ったら・・・・・・えっ?」

 

バルバモンも光に呑まれてしまった。

 

「なんでぇぇぇ儂もおぉぉぉぉぉ!?」

 

そんな中でセシリアは、ただ一人身構えることもなければ逃げる様子もなくワルキューレモンを見続けた・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラウラ&シャルロットルート

 

 

「ガバアァァァァ!ロストルム!」

 

リヴァイアモンは巨大な口を開いて突っ込んでいく。それに対してメタルガルルモンは全身のミサイルを展開する。

 

「ガルルバースト!!」

 

ミサイルは全弾リヴァイアモンも口へと入っていくがリヴァイアモンは平気な顔で突っ込んでいく。

 

「くっ!」

 

ラウラはAICを展開するがリヴァイアモンの予想以上の衝撃に手が震える。

 

「これ程とは・・・・・・・・」

 

そのリヴァイアモンの背後からシャルロットが「グレー・スケール(灰色の鱗殻)」を撃ち込む。

 

「グウゥ!?ガウダ!」

 

リヴァイアモンは怯むことなく長大な尾をシャルロットに向ける。シャルロットはすぐに距離を取る。

 

「飯綱!」

 

サクヤモンが結界を展開し、腰に携えた4匹の管狐でリヴァイアモンを攻撃する。

 

「ウゥ・・・・マダ、マダ喰イ足リナイ!モットヨコセ!」

 

「コイツ・・・・・私たちの攻撃を食事とでも思っているのか!?」

 

「でも、ラウラ。コイツ口の中でミサイルがいくら爆発しても何ともないよ!」

 

「僕たちの攻撃にビクともしないなんて・・・・・正直デュークモンたちが警戒している理由がわかるよ。」

 

「マダダ!俺ノ空腹ガ満タサレルマデ食事ハ終ワラナイ!オ前タチ雑魚デハ〝メインディッシュ”ハ務マラナイ!」

 

リヴァイアモンは口を開け、再び四人に向かってくる。

 

「来るぞ!シャル!」

 

「うん!」

 

「メタルガルルモン!」

 

「わかってる!」

 

四人は反撃しようとしたその時

 

「退け、ガキども。」

 

後ろから聞き覚えのない声がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更識姉妹ルート

 

「はあ・・・・はあ・・・・・こんなガキどもにやられるなんて私も無様なもんね・・・・くっ。」

 

リリスモンは、ボロボロになった服と破壊されて使い物にならなくなった右腕の魔爪「ナザルネイル」の見ながら気を失った。目の前ではオメガモンズワルトとセラフィモン、そして楯無と簪がいた。

 

「かっ、勝った・・・・・」

 

「「正直言って奴は予想以上に手強かった・・・・・・もし、二体の状態で戦っていたのならさらに苦戦させられた可能性は十分にあった。」」

 

楯無の隣でオメガモンズワルトは、冷静に言うが体は傷だらけになっていた。

 

「「無論、彼女の武器でもある『ナザルネイル』は触れるもの全てを腐食させてしまう恐ろしい武器だ。グレイソードでなければおそらく完全に腐食されていたのかもしれない。」」

 

「私の夢現もこの有様だもんね。」

 

簪はボロボロに崩れてしまった『夢現』を見ながら言う。この薙刀もリリスモンの魔爪に触れただけで腐食してしまった。

 

「正直言って、篠ノ之さんたちや織斑先生たちがこのルートを選ばなかったのは正解だったわね。あの二人は接近戦中心の装備だったし。」

 

「接近できたとしても彼女の暗黒の吐息で相手の体を蝕む『ファントムペイン』で全滅もあり得たからね。」

 

「でも、勝ったのには変わりないわ。見なさい。」

 

楯無が指を指すと目の前にゲートが現れる。

 

「これで次の場所へと移動できるわ。」

 

「でも、織斑先生たち大丈夫かな?」

 

「大丈夫だよ、きっと。」

 

楯無たちはゲートの中へと入って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セシリア&鈴ルート

 

「・・・・・・・鈴。」

 

「・・・・・テリアモン。」

 

しばらく抱き合っていた鈴とテリアモンはそっと目を開ける。目の前はまだ光で眩しいが少なくとも自分たちは生きていると確信できた。

 

「わあぁぁぁぁ~!!私たち、まだ生きてるのね!」

 

「僕も死んだと思ったよ~!」

 

思わず喜ぶ二人だったが咄嗟にセシリアたちのことを思い出す。

 

「そう言えばセシリアとピヨモンは!?」

 

「でも、眩しくて見えないよ~。」

 

二人は目を細めて何とか二人を探そうとする。

 

しばらくして、ようやく二つの人影らしく物が見えてきた。

 

「あれは・・・・・・・一人はセシリアで間違いないわね!」

 

鈴はテリアモンを抱きながら走って行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

走った先には確かにセシリアが立っていた。

 

「セシリア!よかった無事みたいね・・・・・・・ん?」

 

声をかけようとした鈴は足を止める。

 

「どうしたの鈴?」

 

「あれ・・・・・」

 

鈴が指を指した方にはワルキューレモンがいた。そして、ワルキューレモンの目の前にはデジタマぐらいのサイズにまで縮小したベルフェモンがいる。その姿は、先ほどの凶暴な姿ではなく大人しそうなスリープモードに近かった。

 

「・・・・・・あれってベルフェモンじゃない!まだ生きて・・・」

 

「でも、変だよ?さっきまで感じていた殺気は感じないし、最初に見たときよりも小さくなっている。」

 

ベルフェモンは徐々に光に包まれていくと透き通るように消えてしまった。

 

「消えちゃった。」

 

「どうなってんの?あの光は?」

 

鈴たちは不思議そうにワルキューレモンに近づく。ワルキューレモンは、鈴たちの方を見ると微笑む。

 

「あの光『レヴァナント・バースト』には二つの効力があるんです。一つは負の感情を浄化する能力、もう一つは、相手を癒す能力。」

 

「あっ、そう言えば私たちが受けていたはずのダメージも・・・・・」

 

「完璧になくなってるね。」

 

ワルキューレモンの説明に何となく納得する鈴たち。

 

「それでセシリアは何で動かないのよ?それに消えたベルフェモンも。」

 

「ベルフェモンは負の感情そのもので浄化された今、彼は完全に消滅しました。」

 

「あっ・・・・・本当に消えちゃったんだ・・・・。」

 

「ねえ~ねえ~ピヨモン~。それでセシリアは?」

 

「セシリアは少し・・・・・夢を見ています。」

 

「夢?」

 

「はい、ほんの少しだけ・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セシリアside

 

セシリアは夢の中で再び両親と対面していた。

 

「・・・・・・今度こそ本当のお別れなのね・・・・」

 

母親は寂しそうな顔をして言う。

 

「私は、あっちでまだやることがたくさんありますから。」

 

「私たちも少しの間だけ成長したお前を見ることができてよかったよ。」

 

父親は少し満足した顔でセシリアに言う。セシリアは少し恥ずかしくなった。

 

「お友達も大切にしなさい。これから先も私たちはあなたのことを見守ることしかできないんですから。」

 

「お母様・・・・」

 

「ピヨモンか・・・・いい友達を持ったな。」

 

「お父様・・・・」

 

「お別れよ、いつまでも元気でね。セシリア。」

 

「私たち二人はずっとお前の傍で見守っているよ・・・・・。」

 

「さようなら・・・・・・・お父様、お母様・・・・・セシリアはこれからも懸命に生きていきます。ピヨモンやみんなと一緒に・・・・・」

 

両親が光りに包まれて行き、セシリアの目の前は真っ白に染まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴&セシリアルート

 

「・・・・・・はあぁぁ・・・・・・」

 

「あっ、気がついた。」

 

三人に囲まれている中、セシリアはゆっくりと目を覚ました。

 

「全く、また夢の世界に行くなんて何やっているのよ?またピヨモンをあんなゾンビみたいな姿にするつもり?」

 

鈴は流石に二度も寝たセシリアに対して少しきつめに言った。

 

「すみません・・・・・」

 

「まあ、いいわよ。ベルフェモンもピヨモンが倒してくれたし、傷も治っているし。」

 

「鈴、ゲートが開いたよ~。」

 

テリアモンが言うと四人の目の前にゲートが現れる。

 

「何とかクリアってところね。じゃあ、さっさと本物の一夏のところに行きますか。」

 

「本物?どういうことですの?」

 

「えっ!?あ、ああ・・・・・それはこっちの話。ところでアンタはさっきまで何を見ていたのよ?」

 

鈴は少し恥ずかしそうな顔をしながら質問する。セシリアは少し照れくさそうな顔をして答える。

 

「ちょっとした秘密の約束ですわ!」

 

 

 

 

 




今回の技
レヴァナント・ヴェール=ワルキューレモン
レヴァナント・バースト=ワルキューレモン
ロストルム=リヴァイアモン
ガウダ=リヴァイアモン
飯綱=サクヤモン



最後に出てきたセシリアの両親。

あれは夢の幻覚かそれとも本物か。

それは定かではない。



次回はついにメイン試合開始!?

だがその前に・・・・・・

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