何とか書けたけどここからが本番。
「ゴッドジャスティモン?・・・・・・ふっ、もっとまともなネーミングはなかったのか?」
セラフィモンは笑いながらジャスティモンを見る。
「『うるせえ!これが一番しっくりくるんだよ!』」
「まあいい、いくらお前たちが進化したところで私の優位は変わりない。」
「『それはどうかな?伊達にゴッドと名乗っているわけじゃないんだぜ?』」
「減らず口を!」
セラフィモンはジャスティモンを殴りつける。しかし、拳はジャスティモンの右手で受け止められてしまった。
「ぬっ!?」
「『どうした?進化して力の上下関係が変わっちまったことにビビっちまっているんじゃねえか?』」
受け止められた手から煙が出始め、セラフィモンは思わず手を引っ込める。鎧でガードされているはずの手がまるでやけどをしたかのように焦げていた。
「こ、これは・・・・・まさか、私の闇の力が奴の力に押されているというのか!?」
「『どうやらわかってみたいだな。それがお前が捨てちまった光の力だ。』」
ジャスティモンは自慢げに言う。
「これが光りの力だと!?悪ふざけも大概にしろ!フレイムインフェルノ!」
セラフィモンは火球を放つ。ジャスティモンは避けるしぐさも見せずにそのまま直撃する。
「ははっはは!避けずに受け止めるとは馬鹿な奴め!そのまま燃え尽きてしまえ!」
セラフィモンは高笑いしながら言うが炎の中から無傷のジャスティモンが現れる。
「何!?私のフレイムインフェルノを喰らって無傷だと!?」
「『危ない、危ない。光のベールで防御していなかったら危うく消し炭にされるところだったぜ。』」
「ならば今度こそ消し炭になれ!セブンズ・・・・」
「『おっと、まだ俺の攻撃が始まっていないぜ?』」
ジャスティモンは右腕を変形させ、槍上の物に変える。それはかつてのオファニモンが使用していたランスに近い形状だった。
「『ランスアーム!』」
「くっ!」
セラフィモンは避けようとするがランスの突きは早く、彼の肩を掠った。傷は光を発し、彼を苦しませる。
「さっきの手と同じ感覚・・・・・なんなんだ?私はまだ光りに縋ろうという感情が残っているのか?そんなはずはない!今の私は七大魔王、憤怒の称号を持つ者なんだぞ!そんなはずは・・・・・」
「『ぼやぼや考えているうちに隙が大きくなってきているぜ?』」
ジャスティモン突きを避けきれず、どんどん鎧に傷がついていく。その傷からも同様の光が発し始める。
「や、やめろ!これ以上私の鎧に傷をつけるな・・・・・やめろおぉぉぉぉぉ!」
セラフィモンは苦しむかのように頭を押さえ始める。ジャスティモンは距離を取ると右腕をまた変形させ銃のようなものへと変える。
「『あんたは元々いい奴だ。悪いがその力は浄化させてもらうぜ。キャノンアーム!』」
銃口からは光り輝く光線がセラフィモンに向かって放たれる。命中したセラフィモンはさらに苦しそうな状態になる。
「やめろ!私に光を当てるな!!」
セラフィモンの鎧にひびが入り、その割れ目から本来の姿が見えた。
「『もう一息か・・・・』」
ジャスティモンがそう言っている頃、千冬とブラックマグナガルルモンとの戦闘は千冬が優勢になりつつあった。
「この感覚・・・・・ここでもないか!」
千冬は高速戦闘しながら本体、マドカがいる場所を確認していた。
「ちょこまかと!そんな攻撃では私は倒せませんよ!」
ブラックマグナガルルモンはブースターを全開にして千冬の後を追う。シールドエネルギーはジエスモンと合体した影響なのか減る様子はない。千冬は3つのオーラ「アト」「ルネ」「ポル」を召喚する。
「マシンガンデストロイ!」
『「シュベルトガイスト!」』
「ぬおっ!?」
千冬は、攻撃を行おうとしたブラックマグナガルルモンに対してカウンターで応戦する。
「このままではマドカまで一緒に傷つけてしまう・・・・どうにかして奴から切り離さなければ・・・・」
『だったらデジヴァイスの反応を確認してみればいいんじゃないかな?』
「反応?」
『師匠から聞いた話だとデジヴァイスには仲間同士の居場所を探知するための機能があるんだ。いくら人の手で作られたと言っても機能は働いているはずだよ。』
「デジヴァイスの反応・・・・・」
千冬は白蓮と一体化しているデジヴァイスの方を見る。確かに近くに自分と同じ反応を示すものが写されており、その先はブラックマグナガルルモンから発せられていた。
「無駄なことはおよしなさい。いくら合体したとはいえエムは私と一心同体、あなたが私を倒すのは不可能なのです!スターライトベロシティ!」
ブラックマグナガルルモンは高速モードに切り替えて千冬に迫る。千冬は動きを止めたままだった。
「後30度右・・・・・・・」
「このまま消えなさい!」
「後10メートル・・・・・」
ブラックマグナガルルモンが目前にまで迫っているのも関わらず千冬は雪片を構えたまま動かない。
「自らの妹の手で・・・・・・」
「今だ!」
次の瞬間千冬は雪片を動かし、ブラックマグナガルルモンの胸を突き刺した。急な攻撃にブラックマグナガルルモンは動きを止める。
「何!?」
『アト、ルネ、ポル!奴を押さえろ!』
ジエスモンの指示で「アト」「ルネ」「ポル」はブラックマグナガルルモンを押さえる。千冬は傷口を広げ、中に手を突っ込む。
「マドカ、もうすぐ私が助けるからな。」
千冬は急いで内部に囚われているマドカを探し出す。
「まさか、妹を助け出すために動きを探っていたとは・・・・・・しかし、ここまで来てそうはさせません!うおぉぉぉ・・・・・」
ブラックマグナガルルモンはすぐに傷口を自己再生しようとする。
「そうはさせない!」
ジエスモンは白蓮から分離し、ブラックマグナガルルモンを剣で突き刺した。ブラックマグナガルルモンは口から血を吐き出した。千冬はようやくマドカらしき少女を体内から取り出し、距離を取る。ブラックマグナガルルモンは崩壊寸前の状態になっていた。
「この私がここで終わるとは・・・・・・・・・・だ、だがしかし!ただで消えるわけにはいきません!こうなれば私の残った闇の力をセラフィモンへ託します!」
そう言うとブラックマグナガルルモンは右腕のスナイパーファントムにエネルギーを収束させ、苦しんでいるセラフィモンに向かって放つ。
「ふ、ふふ・・・・・・・・・楽しい時間でしたよ・・・・・・それでは私はこれにて・・・・・ぐはっ・・・・・・」
そう言うとブラックマグナガルルモンは光を発してスピリットへと戻り、全てどこかへと飛び去って行ってしまった。エネルギーを受けたセラフィモンは鎧の傷が治り、再び闇のオーラを発し始める。
「『何!?』」
「私は七大魔王、『憤怒』を司る者だあぁぁぁぁぁぁ!!!」
セラフィモンは叫ぶとジャスティモンへ襲い掛かる。その行動はもはや正気ではなかった。
「『・・・・・もう、これしかできないのか・・・・。』」
ジャスティモンは右腕を再びランス状の物へと変形させ、取り外すと左手に持ち変える。
「『本当はあの頃のアンタに戻ってほしかった・・・・・本当の意味で正しい心を持っていたアンタに・・・・・』」
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「『エデンズジャベリン!!』」
ジャスティモンはランスを構えてセラフィモンへと突っ込んでいく。
「死ねえぇぇぇぇぇぇ!!!!」
「あばよ、セラフィモン・・・・」
『さようなら、セラフィモン様・・・・・』
ランスはセラフィモンの腹部を貫通した。
数分後
「マドカ、マドカ!」
千冬は人形のように何も言わないマドカを揺すりながら声をかける。マドカはしばらく何も言わなかったが千冬の顔を見ていくうちに目の色が明るくなっていく。
「マドカ!」
「お・・・・・・ねえ・・・・・・ちゃ・・・・・ん?」
弱っているためかそれとも長い間話すことがなかったせいかゆっくりと千冬を見て言う。
「よかった・・・・・・・マドカ・・・・・」
「お姉ちゃん・・・・・千冬お姉ちゃん・・・・・・なの?」
「そうだ・・・・・・私だ・・・」
千冬はマドカを抱きしめながら泣いていた。その光景をジエスモンは見守る。
「やっと・・・・・・会えた・・・・・・」
その一方でジャスティモンたちの方は既に分離し、オファニモンはエンジェウーモンに戻っていた。二人の先にはランスが突き刺さったセラフィモンが倒れている。死が近いのか鎧は本来の状態へと戻り、翼も本来の輝きを取り戻していた。
「私は・・・・・・・ここは・・・・・・何をしていたんだ・・・・」
どうやら何をやっていたのかわからなくなってしまっているようだ。エンジェウーモンはしゃがみ込み、セラフィモンを抱きかかえる。
「悪い夢を見ていたんですよ、セラフィモン様。」
セラフィモンはエンジェウーモンの方を見る。
「エンジェウーモン・・・・・・・・・ここは・・・・・どこなんだ?」
「光の街から離れた異国の地です。あなた様がウィルスバスターズの加勢に向かうと言って駆けつけてくださったんですよ?」
嘘だと分かっていながらもエンジェウーモンは優しい声で言う。セラフィモンは記憶が錯乱しているのか彼女の言葉を信じていたようだった。
「そうか・・・・・・・・・君の彼は・・・・?」
「無事です。全てセラフィモン様のおかげなんですよ。」
「それは・・・・・よかった・・・・・・。では、戻らなければな・・・・・・オファニモンの元へ・・・・・」
セラフィモンの体が分解され始める。
「そうですね。オファニモン様、きっと心配されていると思いますよ。」
「そうだな・・・・・・・・早く戻らねば・・・・・・・」
セラフィモンの体は消滅し、その場にはもう何もなかった。
「・・・・・・・・嘘ついちまったな。」
「仕方がなかったと思うわ。でも、きっと生まれ変わった時はまた会える。あの二人はきっと・・・・・」
二人はそう言いながら肩を抱き合った。
「お姉ちゃん・・・・・・お父さんとお母さんは・・・・・」
「わかっている、もうそれ以上は言わなくてもいい。」
「一夏お兄ちゃんは?」
「今、私と同様に戦っている。これから加勢に行くつもりだ。」
「・・・・・・・間に合わなかったんだね。」
「・・・・心配するな。一夏がデジモンでも私たちは姉弟だ。やっと三人一緒になれるんだ。」
千冬はそう言うとマドカを抱っこしながら立ち上がる。
勝利したおかげか一同の目の前には新たなゲートが現れた。
「千冬。」
「ああ、ここからが本番だ。ジャスティモン、そっちの方は・・・・・」
「大丈夫だぜ、姐さん。」
ジャスティモンはジョグレスからの分離で修復された右腕を動かしながら言う。
「こっちだっていつまでも落ち込んでいるわけにはいかねえ。このゲーム、さっさと終わらせてやるぜ。なあ、マイハニー!」
「もう!こんな時に!」
ジャスティモンたちはいつもの調子でまたじゃれ始めた。
一夏ルート
「どうやら千冬姉たちは勝ったようだな。まさか、デーモンがすでに入れ替わっていたとは意外だったが・・・・」
「ゲームではそれなりのイベントがなければ面白くありませんからね。」
一夏はルーチェモンと対峙しながら言う。七大魔王のうちの浸りが倒されたのにもかかわらずルーチェモンはまだ戦う意思を見せる様子はない。
「では、次の試合を見てみましょうかね?」
上空の映像が再び変わり始める。
そこにはラウラとシャルロットチームと更識姉妹チームの戦いの様子が見られた。相手はリリスモンとリヴァイアモンで戦況はどちらも優勢になっている。
「どうやら俺たちのチームの方が・・・・・・・・えっ?」
途中まで言いかけた一夏は一つの試合の様子を見て言葉を失った。
それはセシリアと鈴のチームの様子である。相手はベルフェモンとバルバモン。そこまではいい、問題は・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・あの二人、なんで眠っているんだ?」
なんと、戦闘中でパートナーたちが苦戦しているにもかかわらず、セシリアと鈴は眠っているのだ。
シュベルトガイスト=ジエスモン
エデンズジャベリン=オファニモン
マドカは当初死亡を考えていましたがあまりにも扱いがひどかったので生存に変更しました(だって、スコールもオータムも出ていないし)。
次回からはセシリア&鈴パートの予定です。