リメイクされた『青眼の白龍』・・・・初期イラスト版のやつ。
デジモンカードもまた再販すればいいけどアプモンじゃな・・・・
今回も気に入らない人は急いで戻りましょう。
デュノア社 地下
「む、むう・・・・・」
デジタルウェイブ発生装置が破壊されたところの近くで巨大な何かが瓦礫をどかして起き上がってきた。
「まさか、イグドラシルから与えられたアヴァロンが我の盾になってくれるとは・・・・・ん?」
死んだとばかり思っていたクレニアムモンは瓦礫で埋もれている空間の中で一か所だけ壁に穴が開いている場所を見つけた。
「あそこは・・・・まさか爆発の時に空いた穴か?」
クレニアムモンはあちこち痛む体に鞭を打ちながらもそこへと歩いて行く。中を除くとそこだけシェルターになっていて一人の男性がカプセルの中で寝かされていた。
「この男は?・・・・・・・まだ生きているようだが・・・・」
デュノア社 屋上
「コイツは驚いたぜ・・・・・」
一夏はほぼ竜と言ってもおかしくないドゥフトモンの姿を見上げながら言う。箒たちも冷や汗を掻いていたがここで逃げるわけにはいかない。
「う~~ん、流石は龍帝と呼ばれていたエグザモンの力だ。溢れていると感じるほど力がみなぎる。これ程の力をフルに活用するにはやはり膨大なエネルギーが必要だったな・・・・」
ドゥフトモンは試しに剣を構え、エルンストウェルを放つ。幸い何もいないところだったがそこの地形は一瞬にしてただの焼け野原と化した。
「威力も数倍・・・・・いやそれ以上に上がっている!この力があればこの世界の人間を皆殺しにするなど造作もない!」
ドゥフトモンは狂気に満ちた顔で笑っていた。それを見た一夏は恐怖を感じていたがすぐに龍魂剣を構え直し、隣にいた箒たちも装備を持ち直す。
「ほう?まだ私に挑もうとでも言うのか。もう力の差が圧倒的に私の方が有利だと言うのに?」
「そんなことは関係ない、仲間を利用してまで俺たちを倒そうなんていくらなんでも狂っているお前が許せないんだ!俺は正直がっかりしているぜ。かのロイヤルナイツが俺たちを皆殺しにするために仲間まで犠牲にするなんてよ!」
「黙れ!勝てばよかろうなのだ!ここで貴様らを葬れば私の邪魔になるものは消える。デジタルウェイブ発生装置はその後に作り直せばいい!すべては我らデジモンの未来、そして我がパートナー・マークの弔いのために!」
ドゥフトモンは剣を一夏に向ける。
「千冬姉!悪いが箒と簪、シャルを連れて逃げてくれ、流石にアイツと戦うとなると命の保証がない!はっきり言ってテレビで見る悪の組織の戦闘員が仮面ライ〇ーに丸腰で死に行くようなもんだぜ・・・」
そう言うと一夏はマグナアルフォースブイドラモンと共にドゥフトモンへ向かって飛んで行く。
「一夏!」
「箒、一夏のことは俺たちに任せろ!」
「私達が戦っている間に早くここから離れて!」
ビクトリーグレイモンもセラフィモンとサクヤモン、ジエスモンと共に後を追う。
「くっ!私たちはただ見ることしかできないのか!」
箒は悔しそうに言う。そんな箒に対して千冬は冷静な顔で彼女に指示を出す。
「篠ノ之、お前は更識、デュノアと一緒に一回『猫である』に行ってシールドエネルギーを補充し直して来い。」
「千冬さん!あなたまで!」
「いいから落ち着け、お前たち三人はここに来るまでの戦闘でかなり消耗している。武器がない兵士が戦場に行くことは死を意味する。故に補給は必要だ。」
「でも・・・・」
「織斑の最後の言葉を忘れたか?つまり簡単に言えば今の状態ではお前は仮面ライ〇ーに武器も持たずに戦いに行く戦闘員と変わらないと言っているんだ。」
「・・・・・・あっ。」
「そういう意味としても取れるね。」
「じゃあ、取り敢えず三人でいったん戻ろう。織斑先生も話ではいったん戻ったって言っていたし。」
箒たちは急いで屋上から遠くに見える『吾輩は猫である』に向かって飛んで行った。千冬はそれを確認すると雪片参型を構え、一夏たちの方へと飛んで行く。
デュノア社 地上
一方の楯無はブラックウォーグレイモン、ブラックメタルガルルモンと共に地上でノエルからエリザとデュナスモンを受け取り、「猫である」に運搬しようとしていたがそこへミレイたちの乗った輸送機が到着した。
「状況が変わったわ、あなたは急いで彼らと合流して。」
「え!?でも、この図体デカいヤツはどうするのよ?」
楯無は気を失っているデュナスモンを見る。
「私とアルファモンが彼女たちの護衛に回るから更識さんはシャルたちの方に行ってあげて。」
「ノエルさん・・・・・」
「妹さんたちのことも心配なんでしょ?」
「・・・・・ありがとうございます。」
楯無は頭を下げてその場をノエルに任せて上空へと飛んで行った。
「私達も早くここから離れないといけないわね・・・・・ノエル、貴方はアルファモンで私達のガードをお願い。」
「分かりました。アルファモン、お願いね。」
「ああ、ここは急いでここから離れないとな。」
アルファモンはドゥフトモンの攻撃に警戒しながらミレイたちと共にその場を後にして行った。
デュノア社 屋上上空
「炎龍撃!」
「ファイナル・エリシオン!」
「ビフロスト!」
「「シャイニングVフォース!!」」
「ジャイアントミサーイル!」
「ガルルバースト!」
「シャドーウィング!」
「セブンズヘブンズ!」
一夏たち含む全員が一斉攻撃を仕掛ける。しかし、そこは計算済み、ドゥフトモンは翼でガードをする。
「むむ・・・・・流石にこれ程の技を一斉に喰らったら私が不利になるな・・・・」
「飯綱!」
「フォービドゥンテンプテイション!」
背後からサクヤモンとリリモンが追加攻撃をする。
「だがこのドゥフトモン、そのようなことは既に予定範囲内でのことよ!」
ドゥフトモンは更に上空へと急速に上昇して行った。
「奴はまさかエグザモンの最大の技『ドラゴニックインパクト』を仕掛けるつもりか!」
デュークモンが言うと一夏はオメガモードとなり、後を追う。
「何をするつもりよ!一夏!」
「一か八か奴が降下する前に狙撃を試みる!みんなは急いで距離を取ってくれ!」
「待ってくれ!兄貴!俺も行く!」
「私も行くわ!」
マグナアルフォースブイドラモンとリリモンは後を追っていく。
「お前たち、急いでこの場から離れるぞ!」
「分かってま~す!」
「了解しましたわ!」
千冬の命令に鈴たちも了解し一同は急いでビルから離れて行く。
「このデュークモンは万が一に備えてここで待つ。」
「一夏のことをお願いします、デュークモン。」
千冬はデュークモンに頭を下げると急いで離脱して行った。一方の楯無は・・・・・・
「あら?みんなどうして離れて行くのかしら?」
「見た所ドゥフトモンが追っている様子はないが・・・・」
大気圏外
「フフフフ・・・・・・ヴリトラモン、この一撃で貴様らは一瞬にして木っ端みじんだ。地下の施設は元々この攻撃に耐えられるよう設計しておいたからマークを吹き飛ばす心配もない。ロードナイトモン、クレニアムモン、デュナスモン、そしてエグザモンよ・・・・・このドゥフトモン、お前たちの犠牲を決して無駄にはせぬぞ!」
ドゥフトモンは大気圏外から一気に降下をし始める。スピードは徐々に上がっていき、遠くから見るとその姿は地上に向かって放たれた赤い矢のようにも見えた。
「は~はっはっはっ!このぐらいの速度ならば例え距離をとったとしても地上はこの衝撃波で吹き飛ぶ!貴様らには逃げ場などない上に地上はたった一撃で地上の人間共を一掃することができるのだ!!・・・・・ん?」
ドゥフトモンは降下しながらも下にいる者の姿を確認した。それはオメガ・バスターを構えた一夏と技を撃つ態勢を整えたリリモンたちの姿だった。
「いいか?奴がもしこのままの速度で地上に激突したら映画で見る巨大隕石のように地上が跡形もなく消し飛ぶぞ!それは何としても阻止するんだ!」
「分かっているよ、兄貴!」
「私だってイチカの彼女!やれるものはとことんやってやるわ!」
三人は構えるとドゥフトモンに向けて技を放とうとする。
「ふん!無駄なことを。この速度で私を撃つ落とせると思っているのか!」
ドゥフトモンは更に速度を上げて三人の前に迫っていく。
「邪魔をしようと言うのならば貴様らを先に吹き飛ばしてくれようぞ!」
「行くぞ!二人とも!オメガ・バスター最大出力!」
「はあああああああ!シャイニングVフォース・マグナ!!」
「フォービドゥンテンプテイション!」
三人はほぼ同時に技を放つ。ドゥフトモンは速度を上げたまま三つの光線を同時に受ける。
「ぐううううううう!!!!」
「う・・・うう!!」
「怯むな・・・・二人とも・・・」
三人は高度が下がりながらも技の威力を上げていく。
「おのれ・・・・・・・」
速度は徐々に落ち始めていく。
(このままでは私はまともに技を喰らってしまうことになる・・・・ならば!)
ドゥフトモンは瞬時に技を中止し、三人の光線を受け流した。
「何!?」
「技を中断した!?」
「私の技を阻止したことは褒めてやる、だがこれはもはや防げまい!エルンスト・アヴァロンズ!!」
ドゥフトモンは尾のアンブロジウスを腕に装備し、光線を帯びた大型特殊弾を地上に向けて撃った。
「なんだあの弾は!?」
「あの弾は本来エグザモンが『アヴァロンズゲート』と言う技に使う特殊弾だ。本来は相手の体内で爆発させるものだが空中で爆発すればその辺周囲一帯はドラゴニックインパクトほどではないが衝撃波で吹き飛ばされる!つまりあのビル周辺は一瞬にして瓦礫すら残らぬ荒野となるのだ!」
「くっ!」
一夏はすぐに速度を上げて降下する。リリモンとマグナアルフォースブイドラモンも後に続く。
「どうするの一夏!」
「もはやあれの爆破は阻止できない!ならばせめて地上に到達する前に破壊する!」
一夏はオメガ・バスターを再展開し構える。
(勝負は一発だ・・・・・・ここで外したりしたら地上にいる千冬姉たちが・・・・・)
一夏が不安に感じていた時リリモンはそっと手を握る。
「リリモン・・・・・」
「大丈夫、きっと止められるから。だってイチカは今までそんなことをひっくり返してきたんだから。」
リリモンはうっすらを笑う。
「・・・・・・ああ、チビも俺に掴まれ。衝撃に備えろ。」
「了解!」
三人は一塊になり降下速度を速めた。特殊弾は既に視覚で捉えられる距離に入り、一夏はオメガ・バスターにエネルギーをチャージし始める。
「うまくいってくれよ!オメガ・バスター!!」
一夏の放った光線は弾を貫き通した。弾は爆発すると強力な衝撃波を発生させた。
「二人ともしっかり掴まれ!このまま地上に降りるぞ!」
一夏たちは速度を上げたまま地上へと降下していった。
デュノア社 屋上
「・・・・・・ドゥフトモンが降りてくる気配がない。ヴリトラモンたちは阻止できたということか?」
デュークモンは屋上から空を眺めていた。そこへ「猫である」から通信が入る。
『デュークモン、そこに更識楯無は来ていませんか?』
「どうしたクロエ?急に連絡をしたかと思えば。」
『先ほどこちらに到着した御神楽様からの情報でそちらに向かったはずなのですが・・・・・』
そのとき、突然通信が切れた。
「クロエ?どうしたクロエ?」
そのとき空から何かが来たような気がした。
「ん!?こ、この気配・・・・・・いや、違う!ドゥフトモンではない!他の何か・・・・」
そのとき何かに吹き飛ばされるかのようにデュークモンは吹き飛ばされる。
「こ、この衝撃波は・・・・・・うわあああ!!?」
一方の楯無達も
「な、何!?急に!?」
「楯無、危ない!」
二体は楯無を庇いながら衝撃波に牽き飛ばされていく。
「うわああああああ!!!」
「きゃあああああ!!」
そこから楯無の意識は一時的に途絶えた。
今回の技
飯綱=サクヤモン
フォービドゥンテンプテイション=ロゼモン
シャイニングVフォース・マグナ=マグナアルフォースブイドラモン(本作オリジナル)
エルンスト・アヴァロンズ=ドゥフトモン ドラゴンモード(本作オリジナル)
リリモンがロゼモンの技を使ったことについては彼女の必殺技である「アブソリュート・テリトリー」についての詳しい情報がないため。
次回ついにあの強化形態が!