ヴリトラモン・ストラトス   作:赤バンブル

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いよいよ7月・・・・・
UAはとうとう100,000件を突破!

このまま全速前進DA☆


禁断のジョグレス

デュノア社 近辺上空

 

「ぬう!?」

 

デュノア社のデジタルウェイブ発生装置の爆発でエネルギーの供給が止まってしまったため、エグザモンの動きは突然鈍くなっていた。

 

「ロイヤルセイバー!」

 

デュークモンの一撃がエグザモンの脇腹を掠る。

 

「ちい!やってくれるわ!」

 

「後ろががら空きですわ!」

 

セシリアは空かさずティアーズで集中攻撃をする。隣ではセントガルゴモン、ガルダモン、鈴が砲撃と援護をしている。

 

「おのれ!」

 

「ビフロスト!」

 

「シャイニングVフォース!」

 

隙を与えずにデュークモンたちは攻撃を続ける。エグザモンは全てカレドヴールフで防御するが徐々にダメージが蓄積され始める。

 

「馬鹿な・・・・・・ダメージが回復しないだと!?デュナスモンの奴、まさかしくじりおったか!」

 

エグザモンはデュノア社の方へと飛んで行く。

 

「アイツまさか逃げる気!?ここまで散々人のことを馬鹿にしておいて!」

 

「デュークモン、私はこのまま追撃するのが一番だと思うがあなたはどう思う?」

 

「あのボーデヴィッヒさん、そう言うのは生徒会長の私に一番先に聞く・・・・・」

 

「無論、このまま追撃したほうがいいだろう。デジタルウェイブの供給が途絶えたとはいえエグザモンは長年龍帝として竜型デジモンの王として降臨していたデジモンだ。僅かにダメージを受けたとはいえ逃げるような輩ではない。」

 

そう言うとラウラたちはエグザモンの後を追っていく。

 

「ちょっと~、生徒会長の私に話も聞いてよ~!・・・・・・しょぼん。」

 

「追うしかないようだ楯無。」

 

「我々も急いで行こう。」

 

二匹のパートナーに言われ楯無もラウラたちに続いて行こうとした。そのとき、通信が入る。

 

「誰からかしら?ミレイさん・・・・いや、この人は確か篠ノ之束さんの。」

 

『更識楯無、私の通信が聞こえますか?』

 

「貴方は確か・・・・クロエさん?」

 

『つい先ほどクラリッサ・ハルフォーフからの連絡でデュノア社入り口の方でデジモンと女性一人を回収して来てください。近くにはノエルさんとアルファモンがいるのですぐにわかります。』

 

「え?ちょっと待って頂戴よ。私も急いで・・・・」

 

『何か嫌な予感がするんです。御神楽様にも合流を呼び掛けてこっちに向かっています。急いでください。』

 

そう言うとクロエは通信を切ってしまった。楯無は不思議そうにパートナーたちと顔を合わせる。

 

「なんだったのかしら?今のは。」

 

「少なくとも何かが起こると思ったんだろう。」

 

「とにかく急いで回収しに行こう。それから合流しても遅くはないよ。」

 

そう言うと三人は急いでデュノア社の方へと飛んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デュノア社 中階層 数分前(一夏たちがドゥフトモンと接触した直後)

 

「セブンヘブンズ!」

 

セラフィモンの攻撃と同時に簪は春雷の連射型荷電粒子砲を放つ。メディーバルデュークモンはそれを防御して受け止める。

 

「以前の小娘らと比べればかなり実力を上げているな。それに・・・・・」

 

「はあああああ!!」

 

簪はすかさず超振動薙刀「夢現」を持ってメディーバルデュークモンに攻撃してくる。メディーバルデュークモンはデュナスで受け止める。

 

「攻撃と攻撃との間隔が短くなって隙を与えないようにしている。ここまで成長する人間とは本当に不思議な生き物だ。」

 

「私だけじゃない!」

 

「何?」

 

「私もパタモンも一人だけじゃ何もできなかった。一夏が手を差し伸べてくれなかったら弐式も完成しなかったし、お姉ちゃんともいつまでも仲直りできなかった!パタモンも一緒にいて、みんなと友達になれて守りたいと思うようになったから強くなろうとしてここまで来れたの!だから私は最後まであきらめない!」

 

簪は一旦距離を取ると夢現を構え直し、セラフィモンも隣に近寄る。

 

「なるほど・・・・・・それなら奴のあの未知なる力もわかる。だが、それには・・・・・」

 

その直後爆発音が響き、建物が揺れる。簪も何かと思い、辺りを見る。

 

「どうやらデュナスモンは防衛しきれず、装置を破壊されたか。」

 

メディーバルデュークモンはゲートを展開し、中に入っていく。

 

「逃げるつもりなの!?」

 

「私は騎士ではないからな。だが一つだけ教えておいてやる。ドゥフトモンはお前たちがここまでやるのは想定範囲内だ、奴にはとっておきの策がある。今まで試したこともない恐ろしい進化をな。」

 

そう言うとメディーバルデュークモンはゲートの中に入り消えてしまった。

 

「一体どういうこと・・・・・」

 

「更識!」

 

「簪さん!」

 

後ろから聞き覚えのある声が聞こえ、簪は振り向く。

 

「織斑先生!デュノアさん!」

 

「織斑と篠ノ之はどうした?一緒じゃないのか?」

 

「私とセラフィモンがここでメディーバルデュークモンを相手している間にドゥフトモンの方へ。」

 

「メディーバルデュークモンは?簪さんが倒したの?」

 

「ううん、逃げられちゃった。でも、なんか気になることを言い残したの。」

 

「それはどういうことだ更識。」

 

「ドゥフトモンはまだ恐ろしい進化を用意しているって・・・・・」

 

「それはおかしい。ジエスモンやデュークモンたちから聞いたがデジモンは究極体までが限界だ。現にそれを超える超究極体がいると言われているがあまりにも体に負担がかかりすぎるうえ進化する者もいないと・・・・・・待てよ。ジエスモン、確かデジモンには2体のデジモンから進化するものがあると言っていたな?」

 

千冬はふとジエスモンに聞く。

 

「ジョグレス進化のことかな?でも、あれは進化するデジモン同士の相性に問題があってみんなできるわけじゃないんだ。ミレイさんのマスティモンも本来は相容れないもの同士の進化だそうだし・・・・」

 

「しかし、今残っているロイヤルナイツの戦力はドゥフトモンとエグザモンのみ。」

 

「ちなみに他の階にいたデジモンたちは私と一夏たちで倒しました。」

 

「つまりこの二体だけで我々を倒す方法・・・・・・ん?確かノエルさんの話ではドゥフトモンは元アグモン達同様の・・・・・まさか!」

 

千冬たちは急いで屋上を目指した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デュノア社 屋上

 

「トライデントガイア!!」

 

ビクトリーグレイモンは大気中から集めたエネルギーを剣先から放つ。ドゥフトモンは避けるがそこに一夏と箒の連携の追撃を受ける。

 

「ここまで腕を上げるとは・・・・・・・これならデュナスモンたちが負けたのも無理はないな。」

 

ドゥフトモンは体に軽い傷を受けながらも余裕の口調で言う。その様子に一夏も箒も不信に思っていた。

 

「一夏・・・・・・なんかおかしくないか?」

 

「お前もそう思うか箒。俺も感じているがアイツはさっきまで膨大なエネルギーを吸収し続けていた。にもかかわらず俺たちの戦いではその力の片鱗すら見せない。一体何を企んでいるんだ・・・・」

 

一夏は早くオメガモードになって決着をつけることを考えた。デュークモンたちとの特訓もあり、あの姿にはいつでもなれるようになっている。ドゥフトモンは空を見上げながら黙る。

 

「そろそろ来る頃だな。」

 

すると少し離れた上空からエグザモンが飛翔して来た。後ろからは鈴たちの姿が見える。ドゥフトモンはエグザモンの近くまで飛んで行く。

 

「遅かったなエグザモン。」

 

「ドゥフトモン、これは一体どういうことだ!デジタルウェイブの供給が止まっているぞ!デュナスモンは一体・・・・・・・なっ!」

 

その光景に一夏たちは唖然とした。

 

 

 

 

 

 

 

ドゥフトモンが仲間であるはずのエグザモンの胸を腕で貫いたのだ。

 

「ドゥ、ドゥフトモン・・・・・・・・貴様・・・・・」

 

「悪いな、エグザモン。丁度お前の力が欲しかったところなんだ。悪いがもらうぞ。」

 

ドゥフトモンは懐から小さな電子機器を取り出す。それは箒たちが持つデジヴァイスに酷似していた。

 

「アイツ、仲間に手を・・・・・・一体何をするつもりなんだ!?」

 

箒が驚きながら言うと一夏はハッとした。

 

「まさか!ジョグレス進化すると言うのか!?」

 

「ジョグレス?どういうことだ一夏?」

 

「ジョグレスは二体のデジモンが合体する事によって通常の進化以上の力を引き出す合体式進化だ。しかし、それには二つある人格を一つにしなければならない上に相性によってはできないものもある。」

 

「その通りだヴリトラモン!私が貴様らと本気で戦わなかったのはジョグレス進化後のエネルギーを温存するためだったのだ!同時にマークのデジヴァイスを触媒にすることによって人格の主導権を私にすることができる!」

 

ドゥフトモンとエグザモンの体が崩壊し始め、一つの新たなデジモンへと姿を変えて行く。それはエグザモンの二倍以上もありそうな巨体にドゥフトモンの印象を残した鎧と六枚の翼、そして「アンブロジウス」が繋がった尾、腕にはドゥフトモンと同様の剣を持っている。

 

「これが私がこの世界を破壊するための姿、『ドゥフトモン ドラゴンモード』と言っておこう。」

 

あまりにも巨大な姿になったドゥフトモンに対して一夏と箒は何も言えなかった。

 

「織斑!篠ノ之・・・・・・」

 

やっと駆けつけてきた千冬たちも思わず言葉を失う。ドゥフトモンは一夏たちを見下ろす。

 

「ヴリトラモン、これから始まるのは私のパートナーを追い詰めた世界への復讐であり、我らデジモン、デジタルワールドの未来を救うための計画の遂行。そして・・・・・・私の計画を邪魔し続けた貴様らの公開処刑だ!!」

 

 

 




今回の技

ロイヤルセイバー=デュークモン
ビフロスト=スレイプモン
セブンズヘブンズ=セラフィモン
トライデントガイア=ビクトリーグレイモン

今回のデジモン

ドゥフトモン ドラゴンモード(超究極体・聖騎士型・データ種)

ドゥフトモンがエグザモンと強制的にジョグレス進化した姿。イメージ的にはインペリアルドラモンに近い。技の大半はドゥフトモンとエグザモンの物を合わせたような物。本来ならできないジョグレスだがドゥフトモンが膨大なエネルギーを取り込んだことによって可能にした。こちらもレオパルドモードにモードチェンジ可能だがレオパルドモードももはやインペリアルドラモンと瓜二つと言っても過言ではない。


次回はゴタゴタ展開予定。

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