ヴリトラモン・ストラトス   作:赤バンブル

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UA95,000突破!

お気に入りは減る一方・・・・。

この作品が継続できるかどうか不安になってきた・・・・。




デュナスモンの記憶

デジラボ 訓練所

 

ブイモンを究極体に進化させることに成功した一夏はリナとブイブイと共に箒たちの方へと来た。

 

「・・・・・・」

 

「ほらほら♡早くしないとまた撃つわよ♡」

 

「「「はあ・・・・はあ・・・・」」」

 

目の前にある光景はノワールに調教と言われてもおかしくない猛特訓が行われていて、箒と簪、楯無を除いては既にそこら辺で死体のように伸びていた。

 

「うっわ~、あそこまで猛特訓するなんて・・・・流石のあたしもあそこまでやったことないわ・・・」

 

リナは驚きながら言う。一夏は唖然と思いながらも倒れている鈴に声を掛ける。

 

「おい、鈴。大丈夫か?」

 

「あ、ああ・・・・・一夏・・・・時が見え・・・・」

 

「・・・・だめだこれ。」

 

一夏は鈴を寝かせると近くで特訓の様子を見ているガンクゥモンたちの方へと歩いて行く。ちなみにリナは倒れている鈴たちにちょっかいを出して遊んでいる。

 

「・・・・その様子だと第一難問は突破できたようだな。」

 

「ああ、チビは成長できた。次は俺の番だ。」

 

「では次はこのデュークモンがお相手いたそう。」

 

そこへデュークモンがパイルドラモンに止められながらやって来た。

 

「ちょっと待ってください、デュークモン!あなたはまだ寝てなければだめですよ!」

 

「そういうわけにもいかん。このデュークモンには稽古を付けねばならぬ理由がある。」

 

そう言うとデュークモンは一夏の前に来る。二日前の戦闘で体にギプスを付けていて、明らかに重傷に見えてしまっているが目の闘志は燃え上がっているように見えた。

 

「織斑一夏、次はこのデュークモンとの一騎打ちの修行に付き合ってもらうぞ。」

 

「あ、ああ。(大丈夫なのかよ、これ)」

 

デュークモンの指示の元、一夏はブイモンをその場においてまた別のエリアへと行く。そこはさっきとはまた違う無重力の空間だった。

 

「では織斑一夏、貴様はあの姿・・・オメガモンの力を受け継いだ姿を今どのぐらい維持できる?」

 

デュークモンが先に前を行き、一夏に問う。

 

「どのくらいって・・・・・まだそんなに長くは維持できない。長く持っても3分が限界だな。それ以上続けると体に持たない可能性がある。」

 

「そうか、なら・・・」

 

デュークモンは体のギプスを全部外し、聖槍「グラム」と聖盾「イージス」を構える。一夏も何となく納得したのかカイゼルグレイモンの姿へとなる。

 

「ならばこのデュークモンの相手をしてもらおう。我らロイヤルナイツは何度も同じ偶然を与えるほど生ぬるいものでなはい!死ぬ気で戦わねば命を落とす!いつでも同じ、いや!それ以上の力を引き出さねばならぬのだ!」

 

「なるほどな。でも、何度も言うがアンタの体は大丈夫なのか?」

 

カイゼルグレイモンは龍魂剣を引き抜いて構える。

 

「このぐらいの傷で動けぬようなら長年ロイヤルナイツはできぬ。このくらいなら貴様にいいハンデだ。」

 

「そうかい、俺も舐められたものだな。だったらこっちは初めから本気で行かせてもらうぜ!」

 

「そうだ!その意気でかかってこい!」

 

「うおおおおおお!!!」

 

カイゼルグレイモンはデュークモンに向かって行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

どのくらい昔の夢なのだろうか・・・・

 

「ん?もうこんな時間か?」

 

私、いや僕は目を覚ましながら起き上がる。日はすっかり昇り、目の前には川が広がっていて綺麗な水が流れていた。そしてその向こうには一人の赤毛の少女が水遊びをしている。僕はその光景を楽しげに見ていた。

 

「綺麗だな・・・」

 

それが僕の彼女に対する第一印象だった。

 

出会いは本当に偶然と言ったところだった。僕が夜の道を歩いて・・・と言うよりも浮いて自分の寝床に行っていたところを偶然彼女が現れて大騒ぎだった。そのときはひどかったな~僕のことを蝋燭のお化けだって言ったんだ。まあ、僕キャンドモンは確かに見た目は蝋燭だけど。彼女にどこから来たのって聞いたら自分でも覚えていないって言われてしょうがなくしばらくついて行ってやることにしたんだ。

 

 

そんなこんなでそれが今に至っているということ。彼女はしばらく水遊びをしていると僕の方へと寄ってきた。

 

「キャンドモンは遊ばないの?」

 

「僕は蝋燭だよ?入ったら死んじゃうよ。」

 

「え~残念だな。」

 

彼女はそう言うと僕の隣に座った。僕は何か分からなかったけど彼女に隣に座られると恥ずかしく感じた。

 

「あのさ・・・・エリザって、どこから来たの?」

 

「フランス!」

 

「ラ・フランス?」

 

「違う!フ・ラ・ン・ス!」

 

僕はこの少女エリザをよくからかった。この頃は一番楽しかった。

 

それから三日ぐらいしてエリザは偶然開いていたゲートを見つけて自分のお家へと帰っていった。そのときは「また一緒に遊ぼうね~!」と言う言葉を僕に送った。なんか照れ臭かったな・・・。

 

 

 

 

それから僕とエリザはパートナーになった。どんな時もどんなにピンチになっても一緒に乗り越えていく。それはいつの間にか僕たちの合言葉になった。僕は一緒に旅をしているうちに彼女のことが好きになり、好意を持つようになった。綺麗な人だと言うのは勿論、彼女の優しさと明るさが僕をより惹かせた。

 

でも、その思いは届くことはなかった。

 

彼女は人間、俺はデジモン。種族としてあまりにも壁が大きすぎた。それと彼女に行ったら拒絶されるのではないかと思いどうしても言うことができなかった。

 

彼女が13になった時二人の友達を連れてきた。マークとノエルって言う人でとてもいい人だった。パートナーはドルモンとガオモン。旅のメンバーが増えて楽しいことがいっぱいあった。それと同時に僕はエリザの思いを知った。

 

彼女はマークに恋をしていた。

 

ショックだった。

 

僕の心はこの瞬間一気に壊れ、彼女といるだけで心苦しくなった。

 

僕は彼女の次の誕生日の時彼女にコンビを解消しようと言った。理由は聞かせたくないって言ったら彼女は何も聞かないでくれた。やっぱり彼女は優しかった。それだけはよかった。

 

僕はその後デジタルワールドを放浪した。ウィザーモンに進化しても、ミスティモンになってもずっと・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから何十年(彼女にとっては約十年ぐらい)、私は龍の姿に似た姿になってイグドラシルにスカウトされ、ロイヤルナイツにメンバーとなった。彼女を忘れられない私にとってこれは過去を忘れられるいい機会だと思った。偶然、そのとき懐かしい仲間に会った。それはドゥフトモンへと進化したガオモンだった。私たちは久しぶりに楽しげな会話をした。まるで昔に戻ったのかのように楽しい時間だった。だが謎が一つあった。ドルモンのことだ。彼もエリザたちと別れたとき別の道を行ったそうだがドゥフトモンも会っていないらしい。

 

 

 

その数年後、デジタルワールドでイーターと言う得体の知れない物が現れた。最初の頃は数体の個体だけの目撃だったが年を重ねるごとにその個体数は急激に増えていった。私たちロイヤルナイツは直ちにイーターを駆除するために行動を開始した。しかし、その頃にはすでに奴らはデジタルワールド中に範囲を広げていた。

 

イグドラシルはその原因を人間界にあると判断した。私とドゥフトモンは唖然とした。ドゥフトモンは人間界に自分から調査を行うと志願した。許可を得ると彼は「マークならきっと人間が無実だと証明してくれるはずだ。」と言って行った。本当なら数日で戻るはずだった。だが彼は戻ってきたとき悲しげな顔をしていた。彼はイグドラシルへの報告をこう言った。

 

「人間はやはり害を為す者です。この危機を打破するには殲滅もどうかと。」

 

私はこの言葉を聞いたとき衝撃を受けた。彼はパートナーを裏切ったのかと。でもそれは違う。彼のパートナー、マークは女尊男卑という急激に変化した人間社会に耐えられなかったのだ。そして、度重なる疲労で倒れた。後から聞いた話では目を覚ます可能性は低いと言う。パートナーを失ったも同然のドゥフトモンはこれを機に人間への憎悪を募らせた。自分のパートナーをここまで追い込んだ人間は全て悪だと。

 

 

それからすぐにイグドラシルは人間界の壊滅を下した。私に最初に与えられた任務はノエルの抹殺だった。手が震えた。何故かつての仲間を撃たねばならないんだと。でも、ドゥフトモンは冷徹な目で言った。

 

「人間は全て善人と言いながら実はその皮を被った欲のためなら手段を択ばぬ獣に過ぎん。要は獣を狩ると思えばいいのだ。」

 

かつてガオモンの時はあんなに人間のことを信じていた頃の彼はもう既にそこにはいなかった。私はやむを得ず彼女の乗った車を爆薬を積んだトレーラー(プログラム操作した物)と衝突させて爆破した。彼女の憐れな亡骸は見たくない。そう思ったうえでの判断だった。それから私は悟った。エリザを自分の手で葬らなければ私の過去と言う名の呪縛は解けない。新しい自分になるにはそれしかないとになるにはそれしかないと理解した。この心にいつまでもへばり付くあの思いを消すためにも。

 

デジモンと人間は恋などできないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デュノア社地下

 

「・・・・・う、また見てしまった。」

 

デュナスモンは頭を掻きながら目を覚ます。デジタルウェイブ発生装置の再調整のために地下に戻ってそのまま眠ってしまったらしい。

 

「私としたことが居眠りをしてしまっていたか。こんなところをドゥフトモンに見られたら大変だった・・・・。」

 

彼はすぐにシステムの再調整に入る。彼の座っていた席には小さい頃のエリザと成長期時代の彼が並んで写っている写真が置かれていた。戻ることのできない時代は口では言っても忘れることのできない記憶なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一か月後 ドイツ軍基地 

 

「みんな、よく聞いて欲しい。この一か月間、我らシュヴァルツェ・ハーゼ隊はデジタルモンスターの拠点であるデュノア社の攻略のために密かに計画を進めてきた。」

 

ラウラは部下たちに向かって作戦を伝えていた。その途中でゲートが開き、一夏たちがやって来た。彼らは一か月間の特訓を終え、ドゥフトモンたちロイヤルナイツを倒すためにデュノア社に攻めることにした。

 

「我らシュヴァルツェ・ハーゼ隊は、彼らをデュノア社近辺まで護送し、待機。隊では私とクラリッサが前線に向かう。残りの者たちは作戦開始から48時間経過して私かクラリッサのどちらも戻ってこなかった場合は戦死として扱い本国に撤退せよ!この作戦に異議を唱える者は前に出ろ!」

 

反論する者は誰もいなかった。ラウラはそれを確認すると一夏たちの方を見る。

 

「見ての通り、準備は整っている。作戦はいつでも開始できる。」

 

「初めて見るけどやっぱりラウラって軍人なんだな・・・・隊長としてのお前、十分迫力があるぜ。」

 

「それは褒め言葉なのか?」

 

「まあ、褒め言葉だと思ってくれ。」

 

一夏はそう言うと輸送機に乗り込む。通信機の方にはミレイがいる。

 

「オペレーターは私がやるけどよろしいかしら?」

 

「構いません、どうぞ。」

 

隊員は席を譲り、ミレイは確認をしながら操作する。

 

「エンジン、及び機器に異常なし!」

 

「では出撃する!この作戦は最悪な場合、命を落としかねない!みんな、すまないが私に命を預けてくれ。」

 

「「「了解!!」」」(隊員一同)

 

輸送機が発進する。

 

目指すはドゥフトモンの本拠地、デュノア社。

 

今、ロイヤルナイツとの決戦の火ぶたが切られようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 




この作品上での進化

キャンドモン⇒ウェザーモン⇒ミスティモン⇒デュナスモン

ドルモン⇒ラプタードラモン⇒グレイドモン⇒アルファモン

ガオモン⇒レオモン⇒グラップレオモン⇒ドゥフトモン


最近お気に入りが減っているので書き続けるか悩んでいます。

次回からどうしようかな・・・・・・・。

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