ちなみに次回は臨海学校編に入る予定ですがそれでも、今回はネタバレ要素多めなので嫌な方は急いで戻ることをお勧めします。
とあるショッピングモール
一夏たちは臨海学校の準備のためにショッピングモールに来ていた。用事と言っても水着を買いに来ただけではあるが。
「ちょっと、そこのあなた!これを元の場所に戻しなさい!」
水着コーナーに足を踏み入れた瞬間、近くの女性水着コーナーにいた女性にいきなり命令された。しかし、一夏は無視して海パンを探しに行く。
「待ちなさい!男の癖・・・・」
女性が一夏の肩を掴んだ束の間、一夏はあり得ないほどの殺気を放った。
「・・・・・俺に何か用ですか?」
一夏は鋭い目つきで女性を睨む。それはまるで鷹が獲物を狩るような目で女性は恐怖を感じた。
「え、ええっとその・・・・・・」
「ならどうして俺の肩を掴んだんですか?」
「え、ええ・・・・」
「何故なんだ?」
一夏は更に殺気を放つと女性はあまりの恐怖に白目を剥いてその場で棒立ち状態になり、動かなくなってしまった。
「さて、箒たちが選び終える前に俺も選ぶとするか。」
一夏はさっさと水着を選びに行こうとした瞬間
「一夏?」
聞き覚えのある声が聞こえた。振り向くとそこには懐かしい友たちが立っていた。
「弾、数馬?」
「やっぱり一夏だ!」
確信した弾は一夏の方へと駆けていく。
「久しぶりだな。」
「久しぶりだなじゃねえだろ!お前ニュースで報道されるまで一体どこに行ってたんだよ!心配してたんだぞ!」
弾は一夏の肩を揺さぶりながら言う。その顔には数年ぶりの再会でうれしいのか嬉し涙が出ていた。
「いや~すまなかったな。本当はお前たちにも会いに行くつもりだったんだが・・・・」
「お兄い~!どこに行ってんのよ!あれほど待っててねって言ったのに~!」
一夏が謝罪の言葉を言おうとしたときさらに懐かしい声が聞こえ、前の方を見る。
「蘭も一緒だったのか!」
「い、一夏さん!?」
一夏を目の前に蘭は思わず顔を赤くした。突然とはいえ友との再会がこんな所で起こるとは思ってもみなかった。
「そう言えば弾、お前たちどうしてここにいるんだ?」
「え?いや・・・蘭の買い物の付き合いと数馬と後で学校の宿題のことで・・・・」
「お~い、一夏!まだ選んでいるのか?」
そこへ更に箒たちがやって来る。その光景に弾たちは驚愕する。
「おい、一夏!この集まりは何だ!?」
「ああ、俺の仲間だが・・・・」
「この野郎~!羨ましいことしやがって~!」
弾は思わず一夏にちょっかいを出す。
「おい、お前!一夏になんてことを・・・・」
「落ち着きなよ、箒。アイツらは一夏の友達だよ。」
箒が止めに行こうとした瞬間鈴が言う。
「友達だと!?」
「久しぶりね、弾。」
ショッピングモールのレストラン
「え~、こっちにいるのが弾とその妹の蘭、そして、こっちが数馬だ。」
一夏は昼食も含めてレストランで弾たちのことを紹介していた。弾と数馬は思っていたよりも馴染んでいたが蘭は少し警戒気味になっていたが。
「それよりも一夏。学園の方はどうなんだよ?」
「はっきり言ってやろうか?俺以外は全員生徒が女だから大変なんだぜ?」
「うわ~(ある意味羨ましいわ)。」
そんな会話をしながら一同は食事を楽しむ。
「そう言えば一夏。」
「なんだ数馬?」
「お前、千冬さんとは仲直りしたのか?」
「ああ、それがどうかしたか?」
「いや、千冬さん。ドイツから帰国した頃、かなりショックだったようだからさ。あれから立ち直れたかなって思って・・・・」
「そうか・・・。」
「あのとき弾の奴がさ、千冬さんがお前のことを見捨てたと思って頭にきていてよ。思いっきりぶっ飛ばしちまったもんだからさ。」
「おい、数馬!そこまで言わなくてもいいだろ!」
「でも、あの時のお兄本当に頭に血が昇っていたからね。私でも思わずギョッとしたわよ。」
「蘭まで・・・」
二人に言われて弾は何も言えなくなってしまった。
「そんなことがあったのか。」
「すまないな一夏。俺、あの時本当に頭にきていたもんだからさ。」
「気にするなよ。でも、本当によかった。三人とも相変わらずの様でな。」
一夏は笑いながら言う。
この日、一夏たちは夏休みに弾たちの所に遊びに行くことを約束した。
とある山奥
「えい!やー!」
一匹の銀色の体に赤いマントを身に付けたデジモンが熱い日差しの中で修行をしていた。
「てい!とりゃあ!」
デジモンは今度は木刀を持ちならが目標を打ちつける練習をする。その隣では白と黒の修道服を着た二人の少女が日陰で飲み物を飲みながらその様子を見る。
「相変わらず頑張っていますね、ハックモン・・・。」
猫耳が付いた白い修道服を着たデジモン、シスタモン ブランは言う。
「全く、こんな暑い時によくあんなに大声出しながら練習できるもんだわ・・・・」
隣にいるシスタモン ノワールは飲み物を飲みながらその様子を見る。
「はあ・・・はあ・・・」
暑い日差しの中、ハックモンの体からは物凄い汗が流れていた。それでも彼は練習をやめない。彼は内心であることに焦っていた。
「えい!やあああ!!」
「・・・・姉さん。」
「ったく、あのバカ・・・・・。」
ノワールは日傘をさしながらハックモンの方へと行く。ハックモンは彼女が近づいてきても練習を続ける。
「ちょっとハックモン。」
「やああ・・・・え?何?姉ちゃん?」
ノワールに呼び止められてハックモンは練習を中断する。
「アンタさ・・・・練習するのはいいけどこんな暑い日差しが指すような場所で続けるとアンタ死ぬわよ?」
「それは精神を統一するために・・・」
「そういう頭の固いところがアンタの一番悪いところなのよ!こんなところで倒れたんじゃ何の意味もないのよ?」
「そんなことないって!俺はいつも・・・・」
言いかけた瞬間ハックモンは倒れてしまう。
「はあ、だから言わんこっちゃないわ。ブラン。」
「はい。」
物陰からブランも日傘をさして歩いてくる。
「ちょっと付き合ってくれない?このバカを少し冷やさないといけないから。」
そう言うとノワールはハックモンを抱き上げ、山の下の方へと歩いて行った。
やまの下に流れている川
ノワールは川でタオルを濡らすとハックモンの体の汗を拭き取る。ブランはハックモンに飲み物を飲ませて膝で休ませていた。
「う、うう・・・・」
「最近いつもこうですね。」
「コイツ、どうも焦り気味なのよ。ここ数カ月、夜も朝も眠くないときはいつも修行するし。」
ノワールは呆れながらハックモンを見る。
「姉さん、いつも苛めみたいな修行していたのにハックモンのことよく見ていますね。」
ブランは珍しそうに言う。
「か、勘違いするんじゃないわよブラン!コイツが倒れちゃったらガンクゥモンに会わせる顔がないでしょ!」
ノワールは顔を赤くしながら言う。
「それにしても、ガンクゥモンいつ戻ってくるんですかね?」
「それもそうね。ハックモンの修行に付き合うのはいいけど、ふらっといなくなってもうずいぶん経つけど・・・」
「うう・・・・・お、お師匠様・・・・」
気を失っているハックモンはそんなことを言いながらブランの膝の上で休んでいた。
イグドラシル
「なるほど・・・・それで私にも力を貸せと言うのか。」
イグドラシル内でガンクゥモンは腕を組みながら言う。
「デジタルワールドは人間と接触して以来、徐々にだが崩壊をし始めている。それは貴様とてわかっているだろう?」
ドゥフトモンは後ろにデュナスモン、ロードナイトモンを従えながら言う。
「確かに・・・人間界に大きな変化が起こればこのデジタルワールドも悪影響を受ける。」
「だが、オメガモン、マグナモン。そして、デュークモンはそれを信じず人間に加担しようとした。それ故に抹殺したのだ。」
ロードナイトモンが残念そうな態度で言う。
「ガンクゥモン、貴様とてこのデジタルワールドでの異変が人間のせいであることはよく分かっているはずだ。我々と共に人間を・・・・・・」
「だが断る。」
「何?」
ガンクゥモンの一言にドゥフトモンは顔を歪ませる。
「人間がどうだろうと私には関係ない。私の目的は飽くまで我が弟子ハックモンを新たなロイヤルナイツとして、我が後継者として育て上げること。それ以外に干渉することはない!」
そう言うとガンクゥモンはデジタルゲートを展開し、その場から去って行ってしまった。
「やはり相当な頑固者だ・・・。」
ドゥフトモンは呆れた顔で言う。
「どうする?後は行方がわからぬスレイプモンだけだぞ?」
「心配には及ばん、現にオメガモン,デュークモンを含めた三人は葬った。後は選ばれていない空席だけだ。」
ドゥフトモンはデジタルゲートを展開し、デュナスモンたちと共にその場から消えていった。
???
「申し上げます。計画通り、ロイヤルナイツは人間界への攻撃を着々に勧めているようです。」
暗い空間の中で一体のデビモンが何者かに報告する。
「そうですか、ご苦労様です。彼らにまた何かの変化があれば報告をお願いします。」
「はっ。」
そう言うとデビモンは飛び去って行く。
「さて、みなさん。計画は我々が思った通りに侵攻しています。」
暗い空間の中で左右に悪魔と天子の翼を持ったデジモンが言う。周りには悪魔、魔獣のような姿をしたデジモンが並んでいる。一人だけ欠員がいるようだが。
「彼はまた欠席ですか・・・・仕方ありませんね。」
「放って置けばよかろう。元々奴はこの計画には賛同していなかったのだからな。」
「まあ、いいでしょう。それでは今回の会議ですが・・・・」
暗い空間、ダークエリアでは何かが動き出そうとしていた。
今回もいろいろネタバレ要素が多い内容でした。
次回はやっと臨海学校編です。
それではまた次回。