次回からIS編に移行しようと思いますがプロローグから書き始めようと思います。
原作・・・・・立ち読みしかしていないからウィキとかで再確認しようと思います。
これからもよろしくお願いします。
それでは本編どうぞ。
ピラミッド跡
「どうやら本当に奇跡を起こしたようね、あのおチビちゃん。」
ベルスターモンは満足した顔で言う。
「奇跡を起こしたってどういうことよ?」
怪しそうにベルスターモンに聞くリリモン。
「あのおチビちゃんが使ったのは人工的に複製した奇跡のデジメンタル、つまりロイヤルナイツのマグナモンが進化の時に使用した奇跡のデジメンタルの複製さ。」
「え?そもそもそういう物って複製できるの?」
「アタシのパートナーが言うには理論上可能とは言っていたけどそれには精密なデータを用意しなければならなくてね。生憎ロイヤルナイツのメンバーだったこともあって僅かな戦闘データから作らなくちゃいけなかったから成功するかどうかわからなかったのさ。」
「あなたそんなものをチビちゃんに!」
ライラモンは思わず怒る。それに対してもベルスターモンは軽く受け流す。
「アタシはただ単にきっかけを与えただけ。あんた達に怒られる筋合いはないよ。」
「むう・・・・」
そんなことを言いながらも一同は二人の戦闘を見守るのであった。
ヴリトラモン・マグナモン対キマイラモン
「ギャアアアアア!!」
キマイラモンは口から連続で光弾を吐く。それを二人は避け続ける。
「バーニングサラマンダー!」
「プラズマシュート!」
二人は同時に技を仕掛けるがキマイラモンには効いている様子はない。
「なんて頑丈な奴だ。」
ヴリトラモンは思わず言った。しかし、その直後キマイラモンに異変が起き始めた。
「ぐ、ぐうう・・・・」
キマイラモンは頭を押さえ苦しみだした。
「痛イ・・・・・頭ガ割レソウダ・・・・」
「アイツ、もしかしてスピリットの力に耐え切れなくなっているのか?」
「どうやらその様ですね。」
「その声は!」
二人は後ろを振り向くとすでに逃げたはずのメルキューレモンが腕を組みながら立っていた。メルキューレモンは二人の態度を気にせず平然と話を始める。
「恐らく5つ以上のスピリットを取り込んだ影響で完全体である彼の肉体が膨大なエネルギーに耐え切れず崩壊し始めたんでしょうね。後数分でもすれば彼の体が大爆発を起こし、この辺一帯は吹っ飛んでしまうでしょう。」
「ふ、吹っ飛ぶだと!?」
「そうです、だからあなたたちもここから早く避難したほうがいいですよ?」
メルキューレモンは言い終わると不敵な笑みを浮かべながらその場から消えた。二人はキマイラモンの方を見る。キマイラモンの体は僅かながら溶解し始め、体色が赤く発光し始めていた。
「・・・・・どうする兄貴?」
マグナモンは黙っているヴリトラモンに聞いてくる。
「エンジェウーモンの姉ちゃん・・・・・泣いていたよ。アイツのために。」
「・・・・・」
ヴリトラモンは黙ってマグナモンの言葉を聞く。
「だから・・・・・あの人のためにもアイツを助けてやりたいんだ。そりゃあアイツが今までどんなに悪いことをしてきたのかはわかるけど、それでも大切な人なんだよ。」
マグナモンはそう言うと一人キマイラモンの方へ飛んで行く。
「・・・・・・全く、良いこと言うようになったんじゃねえかチビ。」
ヴリトラモンも後を追って飛んで行く。
キマイラモンside
「ウウウ・・・・・苦シイ・・・・体ガ熱イ。」
キマイラモンは崩壊し始めている体を無理しながら進んでいく。
「熱イ・・・熱イ・・・」
「おーい、サイバードラモン!」
キマイラモンは後ろを振り向くとマグナモンが急いで飛んで来た。
「ナンダオマエカ。マダ俺トヤルノカ?」
「馬鹿!いいからよく聞け!早く体からスピリットを取り出さないとお前は大爆発して死んじゃうんだぞ!」
「ナニ?」
「だから早く体からスピリットを取り出すんだ!」
マグナモンが怒鳴るがキマイラモンは言葉を信じようとしなかった。
「嘘ダ嘘ダ!信ジルカソンナコト!俺ハ不死身ダ!」
マグナモンの言葉に耳を貸さずキマイラモンは歩き始める。
「お、おい!どこに行くんだよ!?」
「決マッテイル、手始メニアイツラカラ喰ッテヤル!」
「や、やめろ!あの人がどれだけアンタのことを心配していたのか分からないのか!」
「喰ッテヤル喰ッテヤル!」
キマイラモンは話を聞かず進む。マグナモンはそれを見ることしかできなかった。
「く、くそ・・・もうどうにもできないのか・・・・」
思わず拳を握り締める。そこへ
「ちょっと待てええええ!!!!」
ヴリトラモンは高速で突っ込んできたのだ。振り向いたキマイラモンは驚き思わず口を開けたがその口から突入していった。
「兄貴ー!(何やってんだああ!)」
マグナモンは思わず叫ぶ(本音を除く)が頭に声が響いてきた。
(チビ、コイツに向かってエクストリーム・ジハードを使え!)
「え、エクストリーム・ジハード!?」
(マグナモン【ロイヤルナイツ】が自ら封印した危険な技だ。だがこいつを助けるにはコイツの崩壊している肉体の部分を消し飛ばすしかない!)
「でも、今の俺じゃ使えるかどうかわからねえよ!」
(俺が奴の体内でスピリットを制御して時間を稼ぐ。その間に撃て!)
「どうしよう・・・・」
マグナモンは困りながらキマイラモンを見る。確かに体色が赤く発光していくのは遅れてはいるが爆発までのカウントダウンは止まってはいない。その前になんとしてもヴリトラモンが言った技を撃たなければならない。
「でも・・・・俺が撃たないと・・・・・」
考えたくもないことが頭に浮かびあがってくる。しかし、やり方がよく分からない。分からない以上撃てない。その現実がマグナモンをさらに苦しませる。
「どうやって撃てばいいんだ・・・・・・」
(デジモンのエネルギーを吸収すれば撃てるようになるはずだからリリモンたちに・・・あっ。)
今頃近くに誰もいないことに気がつくヴリトラモン。
「それを早く言ってよ!そんな都合よく近くにいるわけ・・・・・」
「それなら私に任せて。」
「え?」
マグナモンが気がついたとき隣にはエンジェウーモンが来ていた。
「姉ちゃん、さっきまで気絶していたんじゃ・・・・」
「もう大丈夫よ、今は彼を止めなくちゃ。」
エンジェウーモンはマグナモンに手を触れる。するとマグナモンの体が輝き始めて眩い光を発するようになる。
「これでもう撃てるはずよ。」
「でも、この技を撃ったらサイバードラモンが・・・・」
「こうするしかないんでしょ?」
エンジェウーモンは後ろを振り向いて顔を見せないように言う。明らかに泣きかけている声だった。
「姉ちゃん・・・・」
「早くやって・・・・・時間かかると・・・・それだけ・・・辛くなるから・・・・」
「・・・・分かった。」
マグナモンはキマイラモンに向き直ると構えを取る。
(よし、俺の方もヴァイスの力を最大に引き出す。頼んだぞ。)
「行くぞ!」
マグナモンの輝きが一層激しくなる。キマイラモンは自分の危険を察知しマグナモンに向かって攻撃しようとする。
「喰ワセロ!!!」
「エクストリーム・ジハード!」
マグナモンは全身の光を収束させ放つ。迫りつつあったキマイラモンの腕は消滅し、肉体が徐々に分解され始めた。
「消エテイク・・・・力ガ・・・・俺ノ力ガアアアア!!!」
光はキマイラモンの全身に注がれ崩壊していく。キマイラモンは崩壊しながらも抵抗しようとするがどうすることもできずとうとう完全に消滅してしまった。消滅後、マグナモンの輝きは少しずつ弱くなり、やがて光は治まり着陸する。
「兄貴は?」
マグナモンはキマイラモンの方を見る。煙がたって確認できなかったがしばらくすると晴れ、倒れているヴリトラモンとサイバードラモンの姿が確認できた。二人とも動いている様子はなかった。
「兄貴!」
マグナモンは歩いてヴリトラモンに近づく。
「兄貴!しっかりしてくれよ!」
マグナモンは揺さぶりながら言う。するとヴリトラモンは目を開ける。
「どうやら・・・・うまくいったようだな。」
「ああ!大成功だよ!一時はどうなるかと思ったけど。」
「イチカー!!」
そこへリリモンとライラモンが飛んでくる。リリモンは来た瞬間にヴリトラモンに抱き付き大泣きし始めた。
「流石に今回は無茶し過ぎたな。」
そして、視線をサイバードラモンの方へと向き直す。既にメタルグレイモン、ライズグレイモン、エンジェウーモンの三人が駆けつけて呼びかけていたが全く反応がなかった。
「兄貴!目を覚ましてくれ!」
「俺たちは最後まで一緒だって言ってたじゃねえか!」
メタルグレイモンとライズグレイモンは泣きながらも呼びかけていた。それでも彼は動く様子はなかった。そんな彼をエンジェウーモンは顔を優しく触れていた。
「ごめんなさい・・・・私がもっと自信を持っていたらこんなことにはならなかったのに・・・」
彼女の涙が彼の顔に落ちる。そのときマグナモンの進化が解除された。
「あれ?このデジメンタル変だぞ?」
ヴリトラモンは驚きながらデジメンタルを見る。デジメンタルにはあちこちから亀裂が入っており、風が吹いた瞬間粉々になってしまった。
「やっぱり複製だから一回しか使えないということかしら?」
ライラモンは推測しながら言う。
「おい、複製ってどういう・・・・」
「見て兄貴!粉々になったデジメンタルが!」
ブイモンは驚きながら指を指す。粉々になったデジメンタルはサイバードラモンの体に纏まりつき光を帯びた。
「サイバードラモン、私ね。貴方のことが好きよ。だから・・・・」
エンジェウーモンはサイバードラモンに口づけする。それを見たヴリトラモンたちは驚きライラモンは「チビちゃんにはまだ早い!」と言って慌ててブイモンに目隠しする。
「私を置いて行かないで・・・・」
彼女からまた一筋の涙が出る。
「・・・・う、うう・・。」
声と共にわずかに手が動く。
「お!」
「あ、兄貴!」
メタルグレイモンたちは驚く。そして、サイバードラモンはエンジェウーモンの方を見る。
「俺は・・・・」
「サイバードラモン!!」
エンジェウーモンは思いっきり抱きしめる。突然の出来事にサイバードラモンは驚きを隠せなかったが拒もうとはせず、自然に彼女を抱きしめていた。
「よかった・・・・本当によかった・・・」
エンジェウーモンは震えた声で言う。
「・・・・・お前、本当に泣き虫だな。」
サイバードラモンはそう言いながら彼女の涙を手で拭き取る。その光景にメタルグレイモンたちは愚かリリモンまでも涙目で見ていた。そこに何者かが拍手をしてきた。
「いや~本当に感動的ですね~。恋人同士の和解というものは。」
一同が振り向くとそこにはメルキューレモンがいた。
「メルキューレモン、貴様!・・・・くっ。」
サイバードラモンは起き上がろうとしたがすぐに倒れてしまった。
「無理しないほうがいいですよ。スピリットを維持するために体力の大半を消費したんですから。」
メルキューレモンはそう言いながら手に光・雷・水のスピリットを持っていた。
「しまった!あの時の攻撃でデジヴァイスにあったスピリットも分散してしまったのか!」
ヴリトラモンは思わず吐き捨てる。
「ご安心ください、私は飽くまでも必要なものを回収しただけですから。」
そう言うとメルキューレモンは足から透明になっていく。
「逃げる気か!」
ヴリトラモンはメテオバスターを展開して発砲する。しかし、メルキューレモンは淡々と言う。
「心配しなくともいずれはまた会うことになりますよ、いずれは。フフフフフフフ・・・・」
メルキューレモンはメテオバスターの攻撃を受け止めながら不気味な笑い声を残してその場から消えてしまった。
「ちくしょう!俺は・・・・アイツに嵌められてたのか!くそう!」
サイバードラモンは悔しさのあまりに歯を噛みしめる。ヴリトラモンはその中でメルキューレモンが残した言葉に疑問を持ちながら空を眺めていた。
「メルキューレモン・・・・・奴は一体何者なんだ・・・。」
今回の技
プラズマシュート=マグナモン
エクストリーム・ジハード=マグナモン
今頃だけど祝!お気に入り200件突破!UA37,000突破!
ここまで読んで頂き本当にありがとうございます!
次回からはついにIS編に突入・・・・・の前にプロローグ?みたいなものを書く予定です。
それではまた次回。
キメラモン倒した技・・・・封印されたんだ(゚Д゚;)