事前に言っておきますが雑なつくりになっているので無理だと思う方は速攻で引き上げましょう。
それでもいい方は本日からの三日間よろしくお願いします。
サイバードラモンのピラミッド
「兄貴、メルキューレモンが来たぜ。」
「通せ。」
サイバードラモンに言われるとメタルグレイモンはメルキューレモンを部屋に入れる。
「お久しぶりですね、サイバードラモン殿。」
「テメエは相変わらず面白くねえ面をしているな。」
「面白くない面?私に顔はありませんよ?」
サイバードラモンの言ったことを冗談のように受け流すメルキューレモン。メタルグレイモンにとってそれは少し薄気味悪い雰囲気だった。
「まあいい、ところで持って来たんだろうな?」
「ええ、勿論。」
メルキューレモンは表情がないはずの顔でまた答える。
「よし、メタルお前はもう部屋から下がってろ。」
「え?でもよ・・・・」
「命令だ。部屋から出ろ。」
「わ、分かったよ・・・。」
異様な空気を感じながらもメタルグレイモンは部屋から引き下がっていった。
「・・・・・」
「どうしたんです?急に黙り込んでしまって?」
急に黙り込んだサイバードラモンにメルキューレモンはニヤニヤしながら聞く。
「俺がスピリットを取り込み続ければ本当にロイヤルナイツは愚かあの十闘士を超えるかもしれないというのは本当なのか?」
「何を今更・・・・あなたは少し考えすぎですよ。スピリットは一つ一つが十闘士の力の一部なのです。それらを全て取り込めばどうなると思います?ロイヤルナイツ全員が束になってかかってきても互角に渡れるぐらいの力が手に入るのです!あの時あなたは誓ったではありませんか。『絶対的な力が欲しい』と。」
メルキューレモンは巧みな口述でうまくサイバードラモンを説得する。
「そ、そうだな・・・・俺が考えすぎた。」
「そうです、それでいいのです。ささ、これが私が集めてきた風と木のスピリットです。」
メルキューレモンは四つのスピリットを手に出す。サイバードラモンは恐る恐るそれを見つめる。
「これを取り込んで更なる力を手に入れるのです。そうすればもう恐れる物はありませんよ。」
「そうだ・・・・もう、俺は何も恐れなくなるんだ。これを取り込んで更にな!」
サイバードラモンは勢いに乗ってスピリットを全て取り込んだ。
「ぐ・・・・ぐうう!!」
彼の体は不気味な色に光り始め形状が変化し始める。
「フフフフ・・・いよいよ私の実験の第二段階に入りましたか。」
その光景の前にメルキューレモンはその場から透けていくのかの如く消えていった。
篠ノ之束のラボ
「はい、ベルちゃん。これをいっくんたちに届けてね~。」
束はベルスターモンに金色のスピリットのような物を渡す。
「でも、本当に成功すると思うの束?」
ベルスターモンはその物体を見ながら言う。実はと言うとこれも束の開発した物だ。
「何しろロイヤルナイツのデータが少ないからね~。進化できるかどうかは五分五分だけど成功すればそれなりのスペックを発揮できると思うよ。後はいっくんとあのチビ助くん(ブイモン)次第だけど。」
「まあ、あなたのことだから成功すると思うけど?」
「意地悪なことを言うねベルちゃんは。」
ベルスターモンはそんな束を見て笑う。
「束様、デジタルゲートを例のピラミッドの座標に調整しました。」
「OK、クーちゃん。じゃあ、よろしくね。」
「はいはい。」
クロエは早速ゲートを開く。そのゲートの中をベルスターモンは自分のマシンに跨り走っていった。
ピラミッドから少し離れた砂漠上空
「なあ、メタル。よりによってなんで俺たちが偵察に行くんだ?」
上空でライズグレイモンは愚痴を言うがメタルグレイモンは黙ったまま移動する。
「それそろ目的を話してくれてもいいだろ?あんまり黙っていると俺一人先に帰るぜ?」
「お前は相変わらず能天気だな。俺とお前だけで行くとなると目的は一つだけだ。」
メタルグレイモンはそう言いながら一枚の写真を取りだす。サイバードラモンが捨てたものだ。
「ま、まさかエンジェウーモンを探しに行くのか!?」
「こんなことでないんなら最初っから行ったりなどしないさ。」
「無茶言うなよ!光の街は俺たちが破壊したんだぞ!もう、あの人だって兄貴に愛想を尽かしたって。それどころか憎んでいてもおかしくないぞ!?」
諦め口でライズグレイモンは言う。
「だが兄貴を止められるのは彼女しかいない。」
「だからって、こんなデジタルワールドを探すことになると百年経っても見つからねえぞ!」
「それでも意地でも探すんだ!兄貴がこれ以上アイツ(メルキューレモン)の思い通りにならないようにするためにもなんとかして・・・・・」
切れかけていたメタルグレイモンは突然話をやめる。
「どうしたんだよ?」
「あれ。」
ライズグレイモンはメタルグレイモンの指を差した方を見る。向こうでは移動中のヴリトラモンたちの姿があった。しかし、肝心なのはその中に探そうとしていた者がいたことだ。
「エ、エンジェウーモン!?なんであんな奴らと一緒に!?」
ライズグレイモンは思わず身を震えさせながら言う。
「なんだ?知り合いか?」
「知り合いも何も兄貴は一回、俺は二回もひどい目に合わせた奴らだ!」
「そんなに悪そうな奴らには見えんが・・・」
「とにかくアイツらから引き離すんだ!」
ライズグレイモンは早速トライデントリボルバーを構える。
その一方、ヴリトラモンたちは既に彼らの姿を確認していた。
「あれ、あの時の奴じゃないのか?」
「あ!確か最初にイチカに右腕壊されて泣いて帰った・・・・」
「どうする兄貴?アイツら俺たちに向かって撃つつもりのようだけど。」
「だったらこっちが先に撃ち落してやる。」
ヴリトラモンは右腕をメテオバスターに変化させる。
「コイツをスナイパー式にすれば・・・・・」
「ま、待ってください!」
エンジェウーモンは慌てて止める。
「どうした?」
「か、彼らは私の知り合いです!そんな撃ち落すなんて!」
「え?じゃあ、あの話に出てきたアグモン二匹って・・・」
「彼らの事です。」
「そうだったのか~。」
ブイモンは意外そうに言う。
「とにかく彼らと話させてください。彼らも話せば・・・」
「あっ、もう撃っちゃった。」
「ええええ!!!!」
彼女が言うのも遅くヴリトラモンはメテオバスターで二体を撃ち落した。二体は上空から一行から少し離れた場所に墜落した。
「よし、奴らが落ちた場所に行くぞ。」
ヴリトラモンはそう言いながら走っていく。
「あ、待ってよイチカ!」
「リリモン!」
「お~い、俺も置いて行かないでよ~!」
「もう!皆さん話を聞いてください!」
全員そう言いながらヴリトラモンを追いかけて行った。
サイバードラモンのピラミッド
「ひ・・ひいい・・・・お、お助けえええ!!!」
「バクリ。ムシャムシャ・・・・。」
数多くのワクチン種のデジモンがいたはずのピラミッド。しかし、そこにはもはや誰もいなかった。ピラミッドの奥から聞こえてくるのは恐ろしいうめき声だけだった。
「・・・・・ホシイ。モット・・・力ガ・・・・・欲シイ・・・・」
怪物は呻きながら言う。体は巨大であらゆるデジモンの特徴が合わさっており、もはや何物なのかもわからない。
「ホシイ・・・・・スピリット・・・・」
「フフフフッフ・・・・面白いことになってきましたね。」
怪物のみしかいないピラミッドの中でメルキューレモンは一人笑いながらその光景を見ていた。
ヴリトラモン一行と二匹
「じゃ・・・じゃあ・・・・兄貴を助けに来てくれたんだな?」
黒焦げになっているメタルグレイモンに対してエンジェウーモンは頷く。
「よかった、これで兄貴は昔の兄貴に戻る!」
「待て!話を勝手に進めるな!」
「なんだライズ?これ以上にいい事は・・・・」
「そんなことはどうでもいい!俺はこんな奴らと・・・」
「こんななんだ?」
ヴリトラモンはライズグレイモンの頭部にメテオバスターの銃口を突きつける。
「い、いえ、何でもありません!」
「おい、メタルグレイモン。さっさと俺たちをお前たちのアジトに案内しろ。」
「分かった。」
ヴリトラモンたちは急いで移動を再開する。
「エンジェウーモンの話が正しければ奴はもう既に一定以上のスピリットを取り込んでいるはずだ。間に合えばいいが・・・・」
ヴリトラモンは不安に感じながらも足を速める。
オリジナルデジモン紹介
キマイラモン(ハイブリット体・合成型・ヴァリアブル種)
サイバードラモンが複数のスピリットを取り込んで変化したデジモン。外見的に言えば十闘士版のキメラモン。頭部はサイバードラモンの物であるが頭部の額の中央に巨大な目玉がある。十闘士の内の光・木・雷・風の能力を使うことができるが自我が歪んでいるため使いこなせない。詳しくは次回から。
今回からいよいよ第二部カウントダウン。
IS編のヒロインのパートナーデジモン候補募集しています。ご意見がある方はドシドシどうぞ!(文句は承らないので飽くまでも意見で)
それではまた次回。