なんかいつまでもIS編に入らないから飽きている読者もいるかもしれませんができるだけ書き進めています。
今回は本作オリジナル地名が出るので気に入らない方は途中でも引き上げましょう。
それではどうぞ。
地の文が少ない?
実力不足です、すみません<(_ _)>。
ヴリトラモン一行&エンジェウーモン
「それじゃあ、一から説明してもらおうか。」
ヴリトラモンたちは、ひとまず落ちつきエンジェウーモンの話を聞くことにした。エンジェウーモンはまだしくしくしていたが彼女なりに説明を始めた。
「私とサイバードラモンが最初に会ったのは成長期の時でそのとき彼と私はモノドラモンとプロットモンでした。」
「つまり、そこから付き合い始めたというわけね。」
リリモンはじろじろ見ながら聞く。
「付き合いと言えばそうなりますけど最初に手を差し出してくれたのは彼でした。」
「え?アイツから!?」
「はい。」
過去(ここからはエンジェウーモンの体験談)
「おい、今ぶつかったのお前の方だろ!」
そのとき幼く内気だった私は複数のギザモンにいじめられていたところでした。
「ち、違います・・・・」
私は怯えながら答えました。
「あ!?聞こえねえな!コイツめっちゃ痛がってんだぞ!どうしてくれるんだ!」
「痛てえよ~(棒読み)」
彼らは他のデジモンを苛めるのが好きで私も苛める対象になっていました。
「お前はコイツに傷をつけたんだ。だから俺たちがお前を傷つけても文句はねえんだよ!」
「そ、そんな・・・・」
「みんな、やっちまえ!」
私に向かってギザモンたちは一斉に飛びかかってきました。臆病で力が弱かった私はもう目を瞑ってその場を動けなくなってしまいました。でもそのときでした。彼が助けてくれたのは。
「やめろ!」
一匹の小竜型デジモンが私とギザモンたちの間に割って入ってきました。
「誰だテメエ!」
「誰だっていいだろ。お前ら複数で襲い掛かるなんて卑怯じゃねえか!」
「ああ!?そいつがぶつかって俺の仲間が怪我をしたんだぞ!」
「・・・・・どこが怪我してんだよ。」
「あっ。」
傷ついているはずのギザモンも襲い掛かろうとしていたので彼らは何も言えなくなりました。
「もういい、やっちまえ!」
「「「シャアアアアア!!!」」」
「舐めんなよ!」
彼はたった一人で挑んでいきました。私は怖くなり近くの大きな岩の後ろに隠れて震えることしかできませんでした。
どのくらい時間が経ったのか。
震えていた私に彼は何事もなかったかのように声をかけてきました。
「おーい、もう大丈夫だぞ!」
私は岩の上から顔を少し出して彼の声がした方を見ました。そこには気を失ったギザモンたちと傷だらけで倒れてもおかしくないはずなのに平然と立って笑っている彼の姿がありました。
「あ、あわわわ・・・・」
「大丈夫か?怪我はなかったか?」
彼は怪我をしていた自分のことよりも震えていた私のことを心配してくれました。私は怯えながらも答えました。
「だ、大丈夫です・・・・・」
「よかった!俺、モノドラモン。お前は?」
「プ、プロットモンです・・・」
「プロットモンか!いい名前だな!」
彼は笑いながら言いました。そこへ
「「兄貴~!」」
二匹の恐竜型デジモンが走ってきました。二匹とも外見も色も一緒だったけど一匹には両腕にベルトを付けていました。
「兄貴、随分探したんだよ!」
「いやあ、悪かった。あっ、紹介するぜ。俺の弟分のアグモン達だ。最近やっと進化できたんだぜ。」
「「よろしく!」」
「よ、よろしく・・・」
明るく声をかける彼らに私は小さい声ながらも答えました。
「ところでプロットモン。お前行く当てあるのか?」
「ううん。」
私は首を横に振りました。当時の私は行く当てもなく怯えながら彷徨っていましたから。
「だったら俺たちと一緒に行かねえか?俺たちも行く当てがなくて旅してるからさ。」
「え、いいの?」
「別に仲間が一人増えるだけなんだし問題ないさ!なあ!」
「そうそう!」
「プロットモンも一緒に旅すれば楽しくなるよ!」
「あ、ありがとう・・・・」
この後、彼が突然倒れたのにはかなり驚きましたがこの出会いがきっかけです。
現在のヴリトラモン一行とエンジェウーモン
「それで奴と知り合ったのか・・・・。」
「はい。」
「なんか運命的出会いを感じるわねえ。」
会話が進むにつれエンジェウーモンも普通の態度になり一行の緊張感あふれる空気は治まっていた。
「それでそれで?どこまで関係は進展したの!?」
ただ一人、リリモンは目を輝かせながら聞いてくる。
「あの後、私が完全体になるまでは一緒に旅をしていました。進化した後は大天使・天使型がスピリットを管理する、光の街と言う場所で暮らすことになって別れたんです。彼らはその後ウィルスバスターズを結成して自分の道を歩んでいました。当時のウィルスバスターズは今のようなものではなく善良なウィルス種には手を出さないのをモットーにしていました。」
「じゃあ、別れる前までで恋人関係にまで発展したということね。」
ライラモンが言うとエンジェウーモンは顔を赤くし小さく頷く。
「でもなんで破局したわけ?」
「・・・・・」
リリモンが聞いた瞬間、エンジェウーモンは急に悲しそうになる。
「あれ?なんか不味いこと言っちゃった?」
「言った。」
「不味いこと言ったの姉ちゃん?」
「言ったわよリリモン。」
みんなが同じ答えを言ったところでエンジェウーモンは口を開いた。
「別れたんじゃなくて彼の勘違いから始まったんです・・・・私が別の人と付き合っていたと勘違いしていて・・・・」
「どうゆうこと?」
光の街 過去
このエリアはかつて光属性のエンシェントガルルモンがスピリットを残した地であり、同じ光を受け継いだデジモンたちが集う場所である。この街の奥にある神殿では主に天使型・大天使型のデジモンたちが光のスピリットを守り続けている。エンジェウーモンはサイバードラモンたちと別れた後も彼とは付き合っており、彼が来た時はよくデートをしたりしていた。
そんなある日。
「どうしよう・・・・・今日こそ言わなくちゃ。いつ会えるか分からないし・・・・」
エンジェウーモンは困った顔をして考えている。今日はスピリットの守護は非番であり彼女はサイバードラモンが丁度今日来ることもあり考え事をしていた。
「もう、あなたのそばにいたいと言ってこの地を離れるのを伝えたいけど・・・・サイバードラモンはきっと『大事な仕事なんだからそんなこと言っちゃダメだろ!』って怒るだろうしな・・・・でも、それだと他の人に好意寄せていつの間にか離れてしまいそうで怖いし・・・・・何とか私の思いを伝えなくちゃ・・・・・」
そんなことを思いながら彼女は近くのベンチに座って作戦を考える。そこへ赤いテンガロンハット、体中が銃器だらけと言う如何にも危なそうなデジモンがやって来た。
「あの~すみません。ちょっといいすか?」
「・・・・・」
「あの~」
「はっ!わ、私ですか!?」
エンジェウーモンは驚きながら答える。
「よかった~てっきり俺がウィルス種だから軽蔑されたかと思ったわ~。」
彼、マグナキッドモンの相談は以下の通りだった。
実は少し前に好意を寄せたデジモン(彼はベル子と言っている)がいてどうしても告白したいのだがどのような言葉を伝えればわかってくれるか分からない。そこで女性型デジモンに聞こうと思ったが中々取り合ってもらえない。あまりに冷たい態度に困っていたところで偶然彼女に目が付いたのだ。
「それでなんですが何とかなりませんかね?俺、ああいう恋愛的言葉がよく分からないので困ってんです。」
「それは別に構いませんけど・・・・」
「マジすか!?」
「代わりと言っては何ですが先に私の告白の練習に付き合ってもらえませんか?」
「告白の練習?」
「丁度、今日来る彼に思いを伝えたいんですけど、どうしてもうまく言える自信がないんです。そこで練習に付き合ってもらえませんか?彼が来るまでまだ時間もありますから。」
「なあんだ、いいっスよ!そのくらい。」
この練習がまさかとんでもない誤解へと発展していくとはまだ彼女は思ってもいなかった。
一方その頃
「よおし、今日こそは告るぞ~。」
サイバードラモンはそう言いながら花束を持って歩いていた。本当はもう少し遅く来るはずなのだが今回は目的があって少し早く来たのだ。
「えっと、やっぱり『俺のそばにずっといてほしい。だから俺と一緒に来てくれ!』が一番いいかな?それとも『お前以上に愛せる人はいないんだ!だからずっとそばにいてくれ!』がいいか・・・・う~~む!迷うな~!」
そんな事を考えてサイバードラモンは目的地へと歩いて行く。本来の時間の五分前にたどり着いた。
「お~い、エンジェウーモン今日は・・・・」
「だから私をあなたのそばにおいてください!」
「え?」
サイバードラモンは目の前の光景に唖然とした。
エンジェウーモンが告白している。
それも自分以外のデジモンに。自分よりもカッコよく、究極体でウィルス種のデジモンに。
その光景を見て彼は自分の持っていた花束を落とした。
「って、サイバードラモン!」
サイバードラモンがいたことに気がついたエンジェウーモンは思わず顔を真っ青にする。同時にマグナキッドモンも「あっ、不味いことになった。」と感じた。
「こ、これは・・・・」
「そうか、そうだよな。めったに来ない俺よりもこんなカッコイイ奴と一緒にいた方がいいもんな・・・・」
サイバードラモンはショックのあまりに後ろに振り向いて歩いて行く。
「ち、違うの!これは」
「もう、お前とは絶交だあ!!」
そう言うと彼は走り去っていった。彼女がどんなに叫ぼうとも彼は止まることはなかった。
ヴリトラモン一行 現在
ヴリトラモンたちにそこまで話すと再びエンジェウーモンは再び涙を流し始めた。
「それじゃあ・・・・・奴は失恋と誤解して今のような感じになったのか。」
ヴリトラモンは少し困った顔をしながら言う。エンジェウーモンは黙って頷く。
「流石に滅茶苦茶な気もするけど・・・・」
ライラモンでさえ苦い顔をして言う。
「それでその後彼はどうなったんだ?」
「あの後しばらくして彼は恐ろしいことを始めました。ある日悟られぬよう光の神殿に侵入してスピリットを強奪、その後、当時の管理責任者だった、セラフィモン様、オファニモン様を倒して、その力を取り込んでしまいました。」
「ちょっと待って、さっき取り込んだと言ったわよね?」
「ええ、そのときの彼は倒したデジモンをロードするという能力を手に入れていました。」
「まるで俺みたいな能力を持っているな(ガジモンたちの証言が当たりやがった)。」
「そして、目の前に現れた私にこう言いました。『ワクチン以外の種族は全部滅ぼしてやる!その後はお前だ!』って言い残していきました。まさかここまでひどいことをしていくなんて・・・」
エンジェウーモンはまた泣き始める。
「わ、私が・・・・・あの時・・・・直接言っていればこんなことに・・・・」
「許せない!」
「「「「え?」」」」
リリモンの言葉に思わず全員が驚く。
「恋する乙女の口も聞かずに一方的に敵視するなんて許さないわ!そんな彼氏一発ぶっちゃえばいいのよ!」
「で、でも・・・」
「でもも何もないの!こうなったら直接言いに行きましょう!ね、イチカ。」
「何故俺に同意を求める?」
「いいでしょ?」
リリモンは目を輝かせながらヴリトラモンを見つめる。これではダメだとは言えない。
「わかった、行こう。」
「いいのですか!?」
「奴のこと心配してるんだろ?だったら直接言ったほうがいい。」
「みなさん・・・・」
「流石兄貴!」
「よし、行くぞ!」
エンジェウーモンを加えた一行はサイバードラモンのいるピラミッドを目指して歩き始めた。
今回の話においてのデジモンの進化(サイバードラモン&エンジェウーモン他)
・サイバードラモン
ホップモン⇒モノドラモン⇒ストライクドラモン⇒サイバードラモン
・エンジェウーモン
ニャロモン⇒プロットモン⇒テイルモン⇒エンジェウーモン
・メタルグレイモン
コロモン⇒アグモン⇒グレイモン⇒メタルグレイモン
・ライズグレイモン
コロモン⇒アグモン(2006年版)⇒ジオグレイモン⇒ライズグレイモン
今回登場したマグナキッドモンは俗にいうトラブルメーカーみたいな感じです。
IS編やると言いながら未だにできていませんが長い目でお待ちください。
それでは次回。