今回も出来はいいとは言えませんが本作完結まで付き合っていただけると嬉しいです。
相変わらずのことですが気に入らない方はすぐに引き上げましょう。
それではどうぞ。
昆虫型デジモンたちの森
「全員後に続け!」
「おおー!」
グランクワガーモンの指示で多くの昆虫型デジモンが突撃する。
「怯むな、応戦しろ!」
「はい!」
ヘラクルカブテリモンの部隊も掛け声で応戦する。
「クワガーモン共め、今日こそ細切れにしてやるぜ!」
「今日こそ、オオクワモンの頭をサッカーボールしてやろうぜ!」
血の気の多いワクチン、データ種の昆虫型デジモンたちはそんなことを言いながら応戦する。そんな中サイバードラモン率いるウィルスバスターズは長距離射撃をするだけで突撃しようとしない。
「おい、ウィルスバスターズはなぜ突撃しない?」
グランクワガーモンは様子を見ながら言う。
「わかりません、連絡要員のフライモンを行かせてたのですが返事すらありません。」
隣にいるキャノンビーモンは砲撃をしながら報告する。
「サイバードラモンめ、我々が同士討ちするのを待つつもりか?それにオオクワモンはどうした?今日に限ってどこにも見当たらんぞ!」
「それが本日我らがこちらに向かっていた途中忘れ物をしたと一回我が陣営に引き上げました。」
「ええい!こんな時に!」
グランクワガーモンは怒りながらも攻めてくる敵を迎え撃つ。
グランクワガーモンの拠点
グランクワガーモンの拠点は近くに来ていたウィルスバスターズが移動したこともあり総力戦で全員出撃してもの抜けの殻・・・・・のはずだったが何故かのこの場にオオクワモンと少数の部下たちが戻ってきていた。
「旦那、本当にこんなことしていいんですかい?」
一体のクワガーモンが不安そうに言う。
「なあに、グランクワガーモンはヘラクルカブテリモンとの戦いでほとんどの戦力を失うはずだ。そして、ウィルスバスターズが両方に止めを刺す。だが今ならスピリットを持って逃げる時間はある。」
オオクワモンの目的はスピリットを持って逃走することだった。スピリットを持たなくとも逃げることは可能なのだがサイバードラモンのことだ。すぐに追っ手をよこすに違いない。それならスピリットを渡さないほうがマシだと考えたうえで持って逃げることにしたのだ。
「ここだ、ここにスピリットが保管されている。」
オオクワモンは入り口のドアを壊すとそこにはカブトムシを模倣した戦車のようなスピリットが保管されていた。
「これだ、これさえ手に入れば後はもう逃げるだけだ。」
オオクワモンはスピリットに触れようとする。しかし、取ろうとした瞬間スピリットは消えてしまった。
「何!?一体どこへ!?」
「ご苦労だったな。」
オオクワモンは慌てて後ろを振り向く。そこにはトライデントリボルバーを構えたライズグレイモンとスピリットを取ったイガモンがいた。
「き、貴様らウィルスバスターズの!」
「これでお前らは用済みだ。トライデントリボルバー!」
ライズグレイモンの一撃でオオクワモンは逃げる余裕もなく消滅する。
「さあて、これであとは兄貴にこれを届けてあの憎き野郎を倒してくれることを祈るだけだ。イガモン、頼んだぜ。」
「御意!」
イガモンはすぐに姿を消す。
「さあてと俺はこの拠点を破壊し尽くすとするか。」
ライズグレイモンは拠点のあちこちにトライデントリボルバーを撃ち込み拠点を破壊していく。
ヘラクルカブテリモンの陣営前
ヘラクルカブテリモンとグランクワガーモンの軍団が激戦をしている中、ヴリトラモンたちは単体でサイバードラモンの陣営に乗り込んでいった。サイバードラモンの軍団は当然応戦したがほとんどバーニングサラマンダーで吹き飛ばされてしまった。おかげで残った部下たちは震えて動けなくなった。
「まさか、俺の軍団をお前だけで動けなくなるとは思わなかったぞ(汗)。」
サイバードラモンはヴリトラモンの予想以上の力に少し驚いた。
「お前は少しはマシなんだろうな?」
ヴリトラモンは鋭い眼差しでサイバードラモンを見る。
「俺がこんな腰抜けの奴らと同じだと思っているのか?」
サイバードラモンは座っていた椅子から起き上がる。そして、ヴリトラモンも構えを取り、双方距離を保ちながら臨戦態勢になる。
「行くぞ。」
「来るなら来てみな。」
二人の格闘戦が開始された。お互い攻撃を命中寸前に紙一重に避けて応戦を繰り返し、両者とも互角の勝負を繰り広げた。
「なるほどな、ライズが負けた理由が何となくわかった。スピリットの力を自由に引き出している。」
サイバードラモンは納得したような顔で言う。
「だからどうした?まだ力を隠し持っているんだろ?」
「よく分かったな。スピリットは力を上げるだけじゃない、その能力を使うことができる。こういう風にな。」
サイバードラモンがそう言うと構えを取り体の形状を変える。足のかかとがタイヤに変化し、翼がウィングブレードに変化した。
「変わった?」
ヴリトラモンはサイバードラモンの変化に戸惑う。
「見た目が変わっただけじゃないぜ。」
サイバードラモンは高速で一気にヴリトラモンに接近する。
「何!?」
「スピードスター!」
サイバードラモンは背部のウィングブレードを動かしヴリトラモンの脇腹を斬りつける。
「ぐっ!」
ヴリトラモンは思わず脇腹を押さえる。余程の切れ味なのか傷からは血が流れている。
「ほらほら、どんどん行くぜ!」
サイバードラモンは更に加速しヴリトラモンを攪乱させる。
「み、見えない!」
「無駄無駄無駄!この光のスピリットの能力にはお前もついて来れまい!」
ヴリトラモンはみるみる傷だらけになっていく。
「なんとかしなければやられる・・・・・・!そうだ!」
ヴリトラモンは空中に飛び右腕にデジヴァイスを握る。
「スピリットの力、今こそ使わせてもらう!」
「無駄だ!高速で動くこの俺を攻撃することなど動きを止めぬ限りはできんのだ!!」
サイバードラモンはそう言いながら今度はウィングブレードを取り、大型剣トリニテートに変える。
「貴様の首、もらった!」
サイバードラモンはヴリトラモンの首を斬りつけた・・・・・・・はずだった。
「何!?」
サイバードラモンは驚きながらヴリトラモンの右腕を見る。右腕の手首の辺りからイカのようなものになり、触手で剣を止めていたのだ。
「どうやら動きを止められたようだな。」
「あっ、ちょっと待っ・・・・・」
「バーニングサラマンダー!」
「ぐおおおおおおお!!!」
サイバードラモンはゼロ距離からの攻撃をモロに受け吹き飛ばされる。その瞬間スピリットの能力が解除されたのか姿が元に戻った。
「ぐっ、ぐはあ・・・」
サイバードラモンは思わず血を吐く。
「どうやら勝負あったようだな。」
ヴリトラモンはオメガソードを出し、ゆっくりと近づく。
「ま、まだだ・・・・・・まだここで倒れるわけには・・・・」
最後の抵抗をするかのようにサイバードラモンは這って逃げようとする。
「あ、足に力が入らん!このままでは・・・・」
既にヴリトラモンが目の前に立っていた。
「今まで多くのデジモンを殺めてきた罪、ここで受けてもらうぞ。」
オメガソードを振りかざそうとする。そのとき、二人の目の前にイガモンが現れる。
「旦那、これを!」
イガモンはスピリットをサイバードラモンに向かって投げる。スピリットはサイバードラモンの体内に取り込まれ一瞬眩い光が辺りを包み込んだ。
「な、なんだ!?急に!」
その直後ヴリトラモンは何かに撃たれたかのように勢いよく後方に吹き飛ばされた。
「ぐは・・・・一体何が・・・」
血を吐きながらヴリトラモンは目の前を見る。
「・・・・・やっと手に入ったか。あと一歩のところで死ぬかと思ったがおかげで助かったぜ。」
砂煙の中からサイバードラモンの姿が現れる。しかし、それは先ほどの物とは違い、体を青い装甲で覆い右腕は陽電子レーザー砲、左腕がビームガトリングになっていた。
「ま、まさかこの地のビーストスピリットか・・・・」
ヴリトラモンは痛みに耐えながらなんとか起き上がる。
「さあて、第二ラウンドといこうぜ!」
サイバードラモンは陽電子レーザー砲を構える。
今回の技
トライデントリボルバー=ライズグレイモン
スピードスター=ガルムモン
ツヴァイハンダー=ベオウルフモン(本編名称なし)
今のところ作品は順調に制作していますがウィルスバスターズ編後のIS編ではISヒロインにもパートナーデジモンを付けようと思いますがどう思いますか?
今のところ考え中のもありますが皆さんからご意見をもらえると大変助かります。
次回も運がよければまた。